デイリー・マネタリー・アフェアーズ 発売日・バックナンバー

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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2020.02.28
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比477円96銭安
新型コロナ不安や五輪中止懸念で大幅続落、海外投資家が断続的に先物
  売り。

 **安倍首相が全国小中高に休校要請
  突然の発表にまたまた現場混乱。一部自治体は反発。

 **国際オリンピック委員が「五輪1年延期」言及
  ロイター報道。発言主はIOC最古参のパウンド氏。

 **加藤厚労相「新型コロナ検査を公的保険適用対象に」
  診療報酬や検査態勢など整備状況を確認、来週にも最終判断。

 **政府が確定申告締め切りを延長
  コロナ対策。所得税・消費税共に4月16日までに。

 **キオクシアが10月にも上場へ
  旧東芝メモリ。「5G」など新たなメモリー需要に期待、積極投資へ。

 **レオパレスがファンド提案を否決
  臨時株主総会で投資会社レノの取締役案否決。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比1,190.95ドル安
  コロナ警戒で6日続落、調整局面入り。長期金利は1.29%へ低下、2年・
  10年格差は20BPに拡大。VIXは40近辺へ急伸。
 
 **米10-12月期実質GDP改定値は不変
  前期比年率換算2.1%。設備投資・個人消費は下方修正、在庫投資が穴
  埋め。

 **米1月コア資本財受注は前月比1.1%増
  出荷も1.1%増、貿易摩擦緩和が順風に。コロナショックで反転の可能
  性も。

 **WTI期近物が大幅続落
  原油需要減への懸念で4月物は47.09ドルと1年1か月ぶりの安値に。

 **中国人民銀行が預金基準金利引き下げ検討
  劉副総裁が約5年ぶりの引き下げを示唆。銀行支援。

 **ドイツで「債務ブレーキ」解除案浮上
  ショルツ財務相が検討、ラガルドECB総裁が歓迎発言。CDS/CDUは反対姿
  勢崩さず。
 
 **独10年債利回りはマイナス0.557%に低下
  昨年夏の最低水準に向けて低下中。

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  最近のボヤキ                  コロナ不安一色
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 株価が下げ止まらなくなっている。新型コロナ感染の世界的拡大はまだ継続
するとの見方が大半であり、ダウは結局1,000ドルを超える下げ幅を記録、ナス
ダックも4.6%という最近には見られなかった下落率で、市場はウィルス不安一
色に染まってしまった。一部には投機筋の売り玉はすべて出たとの見方もある
ようだが、実弾も出ているだろう。米主要株価指数は直近高値から10%以上下
落して「調整局面」入り、VIXは39台に急伸している。まだ下げ余地はあると見
る弱気筋の投げ売りが来れば、20%下落のベア局面も見えてこよう。

 短期金利市場では早期利下げ期待が一気に強まり、長期金利も1.30%を割り
込んだが、FRBのスタンスは見えにくい。昨年は「予防的利下げ」を強調してい
たが、今回予防の「よ」の字も出てこないのは不思議である。「年内据え置き」
とあまりに強調し続けてきたことで、自縛されているのかもしれない。クラリ
ダ副議長は利下げ判断にはもっと時間やデータが必要と言うが、昨年の利下げ
の際にはデータなど見もしなかった。このあたりの一貫性の無さは、FRBの現体
制に対する信認の薄れにもつながりかねない。

 もっとも、感染症に金融緩和が効く訳でもない。飽くまで市場不安を抑える
効果しかない。本来需要不足を埋める為に発動される財政政策も、供給が滞っ
ている事態には的外れなようにも見える。その意味では、今日の経済は未知の
ゾーンにあるのかもしれない。あまり恐怖感を煽りたくはないが、筆者自身も
この不確実性に対してはかなり戸惑っている。グリーンスパン元議長はその昔
「ナイトの不確実性に直面すると人間は一斉に流動性資産に走るもの」と述べ
たことがある。もはや「下げれば買い」という状況にはないのだろう。投資時
期が見えてくる、相場も「自宅待機」するしかなさそうだ。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2020.01.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比401円65銭安
  世界経済への影響懸念で大幅安、3か月ぶりの安値。アジア株も続落。

**WHOが非常事態宣言
  昨年7月のエボラ熱に続いて6例目。人の移動や貿易の制限は勧告せず。

 **全国財務局長会議「生産に弱さ」
  回復基調との判断を9四半期連続で維持するも自動車産業の不振を指摘。
  東海地域は約7年ぶりに判断引き下げ。

 **トヨタ・グループ2019年世界販売台数は前年比1.4%増
  1074万台と過去最高を記録するもVWに及ばず世界第二位。ルノー・日産・
  三菱は三位に転落。
 
 **三井住友とSBIがブロックチェーンで提携
  企業・個人向け金融サービス基盤を共同構築。三井住友がSBI傘下の関連
  企業に出資。

 **AGC子会社が26品目で品質不正
  AGCプライブリコが耐熱部材成分の規格不備製品を2005年頃から出荷。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比124.99ドル高
WHO非常事態宣言を契機に買い戻し。長期金利は1.59%で不変、2年・10年
  格差も17BPで横ばい。

 **米10-12月期実質GDP速報値は前期比年率換算2.1%増
  個人消費の伸びは1.8%に減速、設備投資も3期連続マイナス。輸入減で成長
  率押し上げという不健康な成長。2019年通年は2.3%成長。

 **米債券市場で一時「逆イールド」
  3か月物TBと10年債の利回りが3か月ぶりに逆転。

 **原油は続落、金は上昇
  新型肺炎で商品市場に明暗。WTI期近物は一時51ドル台、金は1589ドルと
  大台に接近。

 **英中銀が政策金利据え置き
  利下げ主張は2名止まり。今年の成長予想は0.8%と0.4ポイント下方修正。

 **ユーロ圏1月景況感指数は前月比1.5ポイント改善
  102.8と顕著な上昇。製造業に改善気配。昨年12月の域内失業率は7.4%と
  0.1ポイント改善、11年半ぶりの低水準に。

 **メキシコが10年ぶりマイナス成長
  2019年実質GDP速報値は前年比マイナス0.1%。新政権下で投資環境混乱。

 **アマゾン好決算で時価総額が一時1兆ドル超
  10-12月純利益が前年同期比8%増、売上高も21%増。クラウド好調。
 
 **2019年世界スマホ出荷台数が前年比2%減
  IDC発表で13億7100万台と「5G」対応機種や画面折り畳み型の登場でも不振。
  中国市場停滞が重石に。

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  最近のボヤキ                 米中の経済成長率
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 WHOが新型肺炎に関する緊急事態を宣言、株式市場はこれを買い戻しの材料
にして主要指数はマイナス圏からプラス圏に浮上している。但し、中国経済の
失速に関しては今後も市場に影響を及ぼすことが想定され、早々に収束への期
待が高まるとも考え辛い。市場では1-3月期の同国成長率は4%台に急低下する
との見方もあれば、公表ベースとは別に実質的にはマイナス成長に陥ると警戒
する向きもある。春以降は回復する可能性が高そうだが、不透明感が漂う中で
はおいそれと楽観論には乗れないところだ。

 昨日は米国の10-12月期GDP速報値が発表された。前期比年率換算2.1%とい
う水準は悪くはないが、内容は決して良いとは言えない。個人消費は1.8%増
と大幅に失速、設備投資は依然としてマイナス軌道から脱することが出来ない
でいる。成長率を押し上げたのは輸入減による純輸出の増加という計測上のマ
ジックであり、実力ベースでは数値ほどの成長力は無さそうに思われる。先日
FOMCで個人消費が「Strong」から「Moderate」に下方修正されていたが、これ
まで成長の一本柱として孤軍奮闘してきた消費が鈍化すれば、新型肺炎の影響
と重なって、米国経済に変調が見え始める可能性もなしとしない。

 また、FRBが導入したレポ金利対策としての短期債購入が、その停止時期を
巡って市場の混乱要因になるとの見方も浮上している。パウエル議長は記者会
見で量的緩和の再開ではないと強調していたが、マネーの動きは量的緩和と同
じだと市場は判断している。同議長の指摘通りに春にこれが撤回されるとなれ
ば、2013年と同じような「Taper Tantrum」を引き起こすのではないか、と懸念
する声もある。それまでに新型肺炎が収束していなければ、事態は面倒なこと
になるだろう。FRBは混乱拡大を避けるために、利下げを強いられるかもしれな
い。米中貿易戦争は一服したが、市場の不確定要素は尽きない。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2019.12.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比87円20銭安
  米国株とは対照的に動意乏しく続落、配当落ちも影響。

 **金融庁がかんぽ生命と日本郵便に一部業務停止命令
  3か月間の新規販売停止、日本郵政にも業務改善命令。総務省も日本郵政
  に業務改善命令、日本郵便に業務停止命令と業務改善命令。

 **日本郵政グループが3社新社長発表
全員が官僚出身。情報漏洩の調査も行わず、官邸支配でガバナンス改善
  に疑問符も。
 
 **アステラス製薬が米企業を買収
  1.2億ドルでがん免疫治療法開発のザイフォス・バイオサイエンシズを
  傘下に。開発進捗次第で買収総額は最大6.6億ドルに。

 **日本製鉄が国内生産能力削減を検討
  鋼材需要縮小で事業環境悪化、2月決算発表時にも再編など具体策公表。

 **アマゾン・ジャパンが約150億円の法人税納税
  4年前の10倍超。節税方針を転換、デジタル経済の課税ルール対応へ。

 **三井住友海上がAI活用で保険金一括払いへ
  大規模な水害などの損害で契約者に保険金を無条件で全額払う制度。

 **東京海上が粉飾決算補償の保険を販売へ
  M&Aなどのリスクを対象に。後継者なき中小企業の事業承継に活路。
  
 **中国がトヨタに約13億円罰金支払い命令
  レクサス販売で最低価格設定を要請、独占禁止法違反と判断。

 **セブンイレブン問題は法廷闘争に
  時短営業の東大阪市店主が一方的契約解除に不服表明、独自に営業継
  続方針。

 **11月鉱工業生産指数は前月比0.9ポイント低下
  97.7と2か月連続低下、2013年4月以来の低水準に。

 **11月完全失業率は2.2%に低下
  前月比0.2ポイント低下。有効求人倍率は1.57倍で横ばい。

**11月小売販売額は前年同月比2.1%減
  百貨店・スーパー合計が2.0%減、コンビニは2.3%増。

<海外モニター>

 **NY市場は前日比23.87ドル高
  上昇基調継続、ナスダックは反落。長期金利は1.87%へ低下、2年・10年
  格差は28BPで横ばい。

 **EUが英との通商交渉に懸念表明
  フォンデアライエン欧州委員長が来年末までの合意に不安感。移行期間
  延長の必要性を示唆。

 **中国11月工業部門企業利益は前年同月比5.4%増
  景気刺激策を受け10月の9.9%減から回復、8か月ぶりの高い伸びに。

 **中国人民銀行が基準金利適用廃止を要請
  与信指標金利を排除、変動金利にもLPR適用促す。

 **中露イランが合同海上軍事演習を開始
  オマーン湾で初の軍事協力、米国を牽制。

 **2019年の銀行人員削減数は2015年以降で最多に
  世界の主要50行で77,780人削減。欧州銀が全体の82%。
 
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  最近のボヤキ                2019年の世界的債務増
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 2019年が幕を閉じようとしている。今年の市場は米中通商交渉に振り回され
たといっても過言ではないが、その割には株式市場はさほどの波乱もなく上昇
基調を維持し、長期金利も急低下と反発という上下動はあったものの、総じて
低位水準を保った1年となった。また金価格の上昇やJ-リートの活況なども特
筆されて良いかもしれない。だが筆者はそうした市場の変動よりも、低成長下
における世界的な債務の増加とデフォルト懸念の強まりの方を、2019年の話題
のトップと位置付けておきたいと思う。

 官民ともに債務は年々増加ペースが加速しているが、それを後押ししている
のが世界的な金融緩和への逆戻りである。今年はFRBが3回利下げし、ECBがQE
を復活させたが、緩和を先導したのは新興国であり、今年の利下げ回数は約70
回を数えた。そうした金利低下と絶対的な金利水準の低下が投資家の利回りへ
の渇望を増幅させ、借入れは一段と容易になった。米国では自社株買いに拠る
株価上昇で資産効果が「投資なき成長」を実現させ、景気拡大期長期化の下で
債務増への抵抗を希薄化させた。中国は景気対策の為にデレバレッジ作戦を棚
上げし、債務増を事実上容認した。この構造は果たして持続可能だろうか。

 20年程前も民間中心に債務が激増し、巨額の債権者となった銀行のバランス
シートが膨張して10年前に破裂した。今回の債務増は中国の国有企業・地方政
府と米国の民間企業が主役であるが、その債務の受け皿は銀行ではなくノンバ
ンクや機関投資家である。その膨張サイクルが止まった時の自壊プロセスは10
年前とは違ったものになるだろう。それもまた事前には予想しがたい現象であ
る。新冷戦や地政学などリスク要因を分析することも重要だが、その津波の波
及プロセスを推定することも必要だ。その点、水害や地震などの被害想定プロ
ジェクトに比べ、金融市場のリスク分析はまだ甘過ぎる。そろそろ、そうした
視点での具体的研究の喫緊性が問われても良い頃である。

 今年も1年、ご愛読を有難うございました。年々、誤字脱字が増えて読み辛
くなってきているかもしれませんが、何卒ご容赦下さい。来年は1月6日からの
配信となります。それでは皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

                          編集人 倉都康行

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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2019.11.29
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比28円63銭安
  米株高・円安は順風、香港人権・民主主義法成立は懸念材料。

 **政府がポイント還元倍増方針
  利用急増、来年6月末までの予算額が約3000億円膨らむ見通しに。

 **野党が衆参両院で審議を拒否へ
  安倍首相の反社勢力招待疑惑。いつもながら不誠実な政府対応。

 **大東建託がシェアオフィスに参入
  シンガポール大手ジャストコと合弁会社設立。東京で最大9施設開設へ。

 **JFEが持ち合い株1000億円売却へ
  老朽設備更新へ原資確保。日本製鉄も資産圧縮上積み方針。

 **京大iPS細胞研究所が国産iPSの海外進出を支援
  国内使用想定の方針を転換、米国などでの許認可支援に。

 **10月小売販売額は前年同月比7.1%減
  消費増税や台風19号、訪日客減少などで失速。医薬・化粧品を除く全て
  の業種が減少。

**10月韓国向けビールの輸出がゼロに
  日本製品の不買運動で毎月約3億円の売上消滅。政治が経済を殺す悪例。

<海外モニター>

 **NY市場は休場
感謝祭。欧州株は小幅下落。

 **トランプ大統領が「香港人権・民主主義法」に署名
  同法成立で中国政府が「重大な内政干渉」と反発。報復措置発動へ。

 **米国がタリバン勢力と対話再開へ
  トランプ大統領がアフガン緊急訪問、ガニ大統領との会談で報告。駐留
  米兵削減方針も表明。

 **ユーロ圏11月景況感指数は前月比0.5ポイント上昇
  101.3と予想を上回る改善。鉱工業、サービス、小売に薄明かり。

 **独11月消費者物価指数上昇率は前年同月比1.2%
  食品やサービスの価格が上昇。  

 **中国社債債務不履行が過去最高に
  年初来のデフォルトは1400億元。国有企業傘下会社も。

 **ドイツ銀行が新興市場債関連資産をゴールドマンに売却
  バランスシート圧縮へ約400億ポンド相当の証券を売却。

 **モルガン・スタンレーが1億ドル超の損失
  虚偽報告で新興国通貨の損失隠蔽、4名のトレーダーを解雇・休職。

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  最近のボヤキ               クレジット市場のシグナル
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 トランプ大統領が習主席と香港市民の双方に敬意を払いながら「香港人権・
民主主義法」にしぶしぶ署名、中国は猛反発という顛末に、アジアや欧州の市
場はやや戸惑いを見せた。わざわざ米国の休日前を選んで署名したのも、市場
の影響を考慮したからだろう。「第一段階合意」に再び暗雲が垂れ込めている
が、この段階で「ディール」を逃せば、米中双方に政治経済的なダメージが及
ぶ。合意内容はともかくとして12月の追加関税発動となれば、今後の米国個人
消費と中国企業業績に少なからぬ影響を与えることになるだろう。

 昨日、これまでの報復関税がさほどマクロ経済に響いていないと書いたが、
金融市場にはそれなりにインパクトが生じている。中国では年初来の社債デフ
ォルトが過去最高水準を更新、米国でもジャンク債の利回り上昇が目立ち始め
てきた。後者に関してはこれまでもエネルギー・セクターを中心に売り圧力が
加わることがあったが、今年は通信や小売りなど幅広いセクターで二桁利回り
に達する銘柄が増えている。株式市場はのほほんと上昇を続けているが、米中
双方でクレジット市場に警戒ムードが強まっていることは頭に入れておこう。

 こうした中で日本でも景気動向は下り坂に向かっており、10-12月にはマイナ
ス成長といった見方も散見される。増税後の消費には流石に低迷色が出始めて
いるようだ。政府は補正予算を検討中だが、サクラ問題での官房長官答弁に見
られるように、安倍首相周辺の防御力もモリカケ問題対応の頃と比べてかなり
低下している印象を受ける。政治の空転が経済の失速を生むリスクも無いとは
言えまい。経済政策の限界や国際協調の欠如が指摘される中で、主要国の政治
対応力も明らかに低下しており、日本もその渦の中に巻き込まれそうな気配で
ある。アベノミクスの不毛の7年が臨終を迎えているのも確実なように思われる。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2019.10.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比131円01銭安
  日米金融政策見極めへ。半導体・電子部品関連の利食いも下押し材料に。

 **日本郵政でまた不祥事発覚
  郵便局幹部2人が大量の切手換金で計約5億4千万円着服。郵政は事件を公
  表せず。

 **日立とホンダが傘下の部品メーカー4社統合へ
  自動運転や電動化などの技術革新進行に対応。自動車部品の一括提案や
  次世代技術研究開発の共同化。

 **三井海洋開発が豪州で洋上天然ガス生産プラント受注
  プラント一括請け負いで受注金額は2000億円前後。

 **ソニーが今期連結営業利益見通し上方修正
  8100億円から8400億円に。画像センサー含む半導体事業が好調、ゲーム
  は下振れ。

 **トヨタ自動車が「ホンダジェットエリート」導入
  役員の移動用に利用、系列会社がライバル社のジェット機所有権取得。

 **アシックスがカナダで事業買収
  ランニングレース登録サイト事業を約30億円で。

 **スカイマークが東証に再上場申請
  経営破綻後、効率化で再建。上場計画が再浮上。

 **9月小売販売額は前年同月比9.1%増
  消費税率引き上げ前に駆け込み需要。高額な自動車や家電や買い置き可能
  な化粧品など好調。

 **9月韓国向けビール輸出金額は前年同月比99.9%減
  前月の92.2%減よりさらに悪化。不毛な政治感情。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比115.27ドル高
利下げを素直に好感。長期金利は1.78%へ低下、2年・10年格差は18BPへ
  縮小。

 **FOMCは25BP利下げ決定
  政策金利を1.50-1.75%に。利下げ打ち止め示唆しつつも追加利下げの
  余地を残すパウエル議長。

 **米7-9月期実質GDPは前期比年率1.9%増
  設備投資はマイナス3.0%と2期連続減少。個人消費は2.9%増、住宅投
  資は5.1%増と7期ぶりプラス。

 **米10月ADP民間雇用者数は前月比125,000人増
  9月は大幅下方修正。雇用の鈍化傾向が鮮明に。

 **ユーロ圏10月景況感指数は前月比0.9ポイント低下
  2015年1月以来の低水準。サービス業も悪化。

 **独10月CPI上昇率は前年同月比0.9
目標圏からほど遠い物価状況。失業者数も前月比6000人増。
 
 **チリが11月APEC首脳会議開催断念
  反政府デモの収束を優先、12月COP25会議も中止。来月の米中首脳会談
  に不透明感。

 **ブラジル中銀が3会合連続利下げ
  政策金利を0.5%引き下げ5.0%と過去最低を更新。米国利下げに追随。

 **ブラジルがOPEC加盟検討
  深海油田開発で原油生産国としての存在感。OPECの求心力低下を懸念す
  るサウジが新メンバー勧誘。

 **メキシコが景気後退入り
  7-9月期実GDPは前年同期比0.4%減と2四半期連続マイナス成長。国内政
  治の混乱や不安定な対米通商関係などで投資に急ブレーキ。

 **アップルは2四半期連続増収
  売上高は前年同期比2%増。iPhone減少をアプリ配信や音楽配信などで
  カバー。利益は3%減。

 **FCAとPSAが経営統合で合意
  規模拡大で世界販売台数3位のトヨタに迫る。 
 
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  最近のボヤキ              FRBの利下げは打ち止めか
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 FOMCは予想通り25BP利下げしたが、声明文では「適切な行動をとる」との文
言が削除されて「今後の経済指標を注視する」との表現に変わった。パウエル
議長も追加利下げに関しては大きな変化が条件になると述べており、予防的な
利下げはこれでお終いという方針が明らかになった。だが一方で経済動向の不
透明感は残るとも言い残し、追加利下げの可能性は否定していない。株式市場
はそこを好感したのだろう。短期金利先物の12月利下げ確率は20%程度だが、
株式市場の期待値は明らかにそれより高い。

 パウエル議長は米国経済はFRBの見通し通り順調に推移していると評価、米中
通商問題やブレグジットのリスクがやや緩和されたとのニュアンスも示してい
る。だが肝心の米中通商協議における「部分合意署名」は、チリがAPEC首脳会
談開催を断念したことで、シナリオに微妙な変化が生じる可能性もある。米国
側は予定通り署名への手続きを進めるとの方針だが、場所や日程は不明である。
中国にしてみれば、時限性の制約が外れたことで交渉に新たな余地が生まれ、
そこに付け入る隙あり、と考えるかもしれない。ブレグジット・リスクは確か
に希薄化しているが、ドイツ内政やアルゼンチン・デフォルトといった新たな
リスクも浮上しつつある。12月の判断はまだ白紙であろう。

 そして同日発表された7-9月期のGDPにおいても、米企業の設備投資動向が一
段と冷え込んでいることが示された。輸出や個人消費の伸びも鈍化しているお
り、住宅投資は拡大に転じたが足許の新築・中古販売には失速感も見られる。
今日の米国経済は、堅調な雇用市場と低金利に支えられた個人消費に依存して
いると言ってもよいが、その堅調なペースがこのまま続くかどうか、やや不透
明感がある。年末商戦は一つの重要な判断材料になるだろうが、カードローン
や自動車ローンの支払い延滞率が既に上昇し始めていることにも留意する必要
があるだろう。長期金利上昇は一服といった見方もあるようだが、筆者はその
読みには与しない。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2019.09.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比169円24銭安
  配当落ちに米国内政の不透明感への嫌気で下落、下げ幅は縮小。

**関電役員20人が計3億2000万円相当の金品受取り
  提供元の元助役には原発工事関連会社から資金。法令順守意識欠如。

 **かんぽ不正保険販売は1000件規模に
  調査半ばで大規模な不正発覚。

 **女川原発2号機は年内にも審査合格へ
  原子力規制委員会の議論終了、東北電で初。

 **トヨタがスバルに追加出資方針
  出資比率を17%から20%以上に引き上げ持ち分法適用に。スバルもトヨタ
  に追加出資へ。

 **東京海上が「MaaS」対応保険販売へ
  2020年にも次世代移動サービスでの費用などを補償。

 **KDDIが携帯電話端末「最大半額」プランを見直し
  政府の批判に対応、11月にも割引幅抑制の新販売プラン開始へ。
 
 **8月韓国向けビール輸出額が前年同月比92%減
  日本製品の不買運動の影響。政治が経済を損なう現象が拡大。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比70.87ドル安
中国への投資規制観測で下落。長期金利は1.69%に低下、2年・10年格差
  は6BPに拡大。

 **トランプ政権が対中国証券投資制限を検討
  中国企業の上場廃止も検討。金融戦争に飛び火する可能性。

 **米下院外交委員会がポンペオ国務長官に召喚状
  ウクライナ疑惑に関する文書提出を強制。拒否すれば弾劾調査妨害と指摘。

 **米8月コアPCEデフレーターは前年同月比1.8%上昇
  実質個人消費支出は前月比0.1%増と小幅増に止まる。

 **米8月コア資本財受注は前月比0.2%減
  米中貿易戦争と世界的景気減速を背景に。

 **ユーロ圏9月景況感指数は前月比1.4ポイント低下
  製造業が大きく落ち込み101.7と2015年初以来の低水準に。

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  最近のボヤキ               貿易戦争から金融戦争へ
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 日本の政治が内部腐敗を起こしているのは言うまでもないが、米国の政治も
またそのキナ臭さが海外にまで漂い始めている。CIAの内部告発で明るみに出
たウクライナ疑惑に関し、下院が弾劾調査を開始して他の情報開示を求め始め
たのに対して、ホワイトハウスはトランプ大統領の海外首脳との電話記録の隠
蔽を始めたようだ、と米国メディアが一斉に報じている。特にプーチン大統領
とMbSサウジ皇太子と電話内容は知られては拙い話もある筈だ。トランプ大統
領は安全保障を盾にして開示を拒み続けるのだろう。

 現時点で弾劾確率はまだ低いままであり、大統領サイドも徹底して議会に抵
抗したまま平行線で終わりそうな気もするが、そうした疑惑問題から目を逸ら
す為に様々な奇手を打つことも考えられる。先週末に飛び出した対中証券投資
規制案はその一つかも、と思ったりする。以前から対中強硬派のルビオ上院議
員らが中国企業の国内上場廃止や公的年金に拠る中国投資抑制などを主張して
おり、ナヴァロ補佐官あたりがそれに乗って検討を開始したのだろう。株価指
数における中国株シェアの引き下げなども検討されているようだ。腐った政治
の影響が通商、ハイテク、そして金融にまで及びそうな気配である。

 貿易戦争が最終局面として金融戦争に至る可能性については、今月中旬にダ
イヤモンド・オンラインへの寄稿で指摘した通りである。その愚策は中国株安・
人民元安を通じて世界同時株安を招きかねず、あまりにダメージが大きいので
個人的には非現実的と思っていたが、報道通りであれば、発動の可能性は小さ
く無いのかもしれない。通商面では何とか耐えられると確信する中国も、金融
面での規制には厳しい先行きを覚悟せねばならないだろう。だが金融戦争は間
違いなく米国の金融覇権を損なうことにもなる。世界の指導者達は、環境だけ
でなく経済の基盤も破壊し始めているかのようだ。 
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2019.08.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比18円49銭安
  海外勢の売りやアジア株軟調で下落s、内需株買戻しで下げ幅は縮小。

 **長期金利がマイナス0.290%に低下
  2016年7月の最低水準まであと0.01ポイント。

 **トヨタ7月国内生産実績は前年同月比20.5%増
  輸出は22.5%増と好調維持、国内販売も9.0%増と4か月連続増加。海外生産
  は5.5%減と2か月連続減少。

 **中部空港で韓国LCC便が減便へ
  日韓関係悪化で韓国3社がソウル便・釜山便を週7便減。

**ソニーが保有オリンパス全株を売却
  協業体制構築は達成済み、自社株買いに応募し5.03%出資から撤退。米
  ファンド株主の圧力も。

 **リクルート株が急落
  大手13社による売却報道で売り殺到。海外募集でもESG重視の投資家は敬
  遠気味。

 **フラット35の不正利用が拡大
  朝日調査で住宅金融支援機構の調査件数を上回る不正が発覚。

 **サウジアラムコが東証上場を再検討
  WSJ報道。英国や香港の政治不安定を嫌気。

 **8月消費者態度指数は前月比0.7ポイント低下
  37.1と11か月連続前年割れ、5年4か月ぶり低水準に。消費増税を控え心理
  が低迷。

 **7月フッ化水素の対韓輸出が前月比8割減
  対韓輸出規制強化の影響。韓国産業の日本離れ加速との見方も。 
 
<海外モニター>

 **NYダウは前日比326.15ドル高
  米中緊張緩和期待で上昇。長期金利は1.50%へ上昇、2年・10年格差はマイ
  ナス3BPで不変。

 **米4-6月実質GDP改定値は前期比年率換算2.0%増
  個人消費は上振れするも輸出や住宅投資などが下振れ、速報値から0.1ポイ
  ント下方修正。

 **米国がメタン規制を緩和へ
  環境保護からエネルギー開発へ政策大転換。原油やガスの掘削で漏れ放置
  のリスク上昇。

 **中国商務省報道官「貿易戦争エスカレートに断固反対」
  冷静な態度で協議と協力、問題解決を望むと発言。

 **中国政府が資金流出抑制へ新規制導入
  人民元の急落回避へ銀行や不動産に新ルール適用。

 **ユーロ圏8月景況感指数は前月比0.4ポイント上昇
  鉱工業と小売りの改善で103.1と予想外の上昇。持続性を疑問視する声も。

 **アルゼンチンがリスケの可能性
  ラクンサ財務相が国債保有者とIMFに債務返済期限延長の交渉要請へ。
  事実上のデフォルト。

 **ブラジル4-6月期実質GDPは前期比0.4%増
  2四半期ぶりにプラス、設備投資持ち直しで景気後退入りは回避するも
  7-9月期には不透明感。

 **米フォーエバー21がChapter11適用申請検討か
  ファストファッション大手もネット通販に押されて経営難。不採算店
  舗の大量閉鎖は不可避に。

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  最近のボヤキ                長期金利水準の正当性 
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 昨日の米国市場は中国側が示した問題解決への意欲を好感して上昇している
が、トレンドが変わった話ではなく、8月のレンジ内での上下動の域を超える
ものではないだろう。最近の筆者の関心は米中問題よりもむしろ米国の長期金
利が一段と低下するのか、或いは一時的にせよ大幅に反発する時期が来るのか、
という点である。景気見通しの趨勢からすれば前者の可能性が高いと見るべき
なのだろうが、ここ数か月の金利低下の勢いは既にその部分はすべて織り込ん
でしまっているようにも思われる。

 市場は逆イールドに焦点を当てているが、FRBの国債大量購入のお陰で市場シ
グナル機能は狂ってしまった可能性が高く、あまり神経を集中せぬ方が良いだ
ろう。そして1.50%近辺という10年債利回りや2%を割り込んだ30年債利回り
の正当性も怪しいものである。後者に関して言えば、株の配当利回りよりも低
い水準であり、その低下持続性については大きな疑問符を付けざるを得ない。
債券利回りと配当利回りの比較感から「株は割安だ」という人も居そうだが、
筆者の眼には「割高な株よりまだ割高なのが長期債」と映る。いずれ長期金利
の現水準が妥当と思われる時期も来るだろうが、現時点に限って言えば整合性
は取りにくい。

 とはいえ、9月にはFRBが追加利下げに追い込まれそうな雰囲気であり、ECB
も利下げに踏み切る可能性が高い。そうした緩和ムードに乗ったアルゴリズム
が短期債だけでなく長期債の利回りを一段と押し下げるかもしれないが、もは
や正気の相場ではないと割り切って眺めるしかなさそうだ。筆者が現役の頃、
日本国債が異常な低金利まで買い進まれたことに強い警戒感を抱いたのは結果
的に間違っていたことを思えば、現在の慎重な相場観も的を外している可能性
がある。だが市場が幼稚な経済の後追いをしていた当時と比べれば、金融緩和
で麻痺したリスク感覚下で無防備に不安を先取りしているのが今日の相場であ
る。金利反転の可能性は常に頭の隅に置いておきたい。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2019.07.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比92円51銭高
  円安地合いで堅調推移、3日ぶり反発。上げ幅は縮小。

 **日銀政策委員会は現状維持
  海外リスク強調するも動かず、或いは動けず。黒田総裁会見は「躊躇なく」
  の繰り返し。

 **日銀は成長率見通し下方修正
  世界経済回復時期に後ずれリスク。今年度は0.7%成長見通し。コアCPI上昇
  率2019・20年度見通しは前回4月からいずれも0.1ポイント下方修正。

 **かんぽ生命の不適切な保険販売は183,000件
  当初発表から倍増、腐った政府系金融機関の残像。日本郵政株価急落で政府
  の9月保有株売却は先送りへ。
 
 **バンダイナムコが静岡に新工場建設
  2020年秋に稼働、「ガンダム」プラモデル生産能力を4割引き上げ。高まる
  海外需要。

 **6月鉱工業生産指数は前月比3.6%低下
  3か月ぶり低下、101.1と大幅低下で2017年1月以来の低水準。

 **6月完全失業率は2.3%に改善
  前月比0.1ポイント低下。有効求人倍率1.61倍で前月から低下。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比23.33ドル安
  米中協議への懸念、FOMC待ちで軟調。長期金利は2.06%へ低下、2年・10
  年格差は21BPで横ばい。

 **米6月コアPCEデフレーターは前年同月比1.6%上昇
  前月から0.1ポイント上昇。「一時的な低下」に歯止め。 

 **米7月CB消費者信頼感指数は前月比11.4ポイント上昇
  135.7と8か月ぶり高水準。現状・期待ともに上昇、家計景況感は改善中。

 **トランプ大統領「中国に農産品購入予兆なし」
  通商交渉再開にあたり、早速中国批判。苛立つ大統領。

 **米政権の「有志連合結成」が難航
  各国は慎重姿勢。ポンぺオ国務長官は「調整に時間を要する」と発言。
 
 **英ジョンソン首相「期限前の離脱再交渉はないかも」
  再交渉はEU次第との発言でポンド売り続行。

 **シティグループがトレーディング部門で数百人の削減か
  顧客需要縮小で不振は長期化と判断、株式中心に縮小へ。 

 **キャピタル・ワンから1億人分の個人情報漏洩
  NY州司法長官が調査開始を指示。不正アクセス容疑者は拘束。

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  最近のボヤキ                 幻想のインフレ期待
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 日銀総裁のつまらぬ記者会見に時間を費やすのはそろそろ辞めたいと思いな
らも、何か新しいメッセ―があるかも、と惰性的に聞いてしまうのは逃れられ
ない旧世代ディーラーの哀しい性であろうか。日銀については何も思うことが
無くなったが、低インフレの背景についてデジタル経済だのグローバリゼーシ
ョンだの危機の後遺症だのといった説明を聞くにつけ、大胆な緩和で物価は上
がると得意げに語っていたのは何処の誰だ、と言いたくなる気持ちを抑えるの
は容易ではない。だが市場も世間も、その記憶は風化中なのだろう。

 今日ではFRBで政治に迎合する「日本化」が進み始めている。今回のFOMCで
25BPの利下げを疑う人は殆ど居ないが、その正当性を疑う人はごまんといる。
昨日はNY連銀前総裁のダドリー氏も「後世に判断ミスと断じられはしないだろ
うか」と柔らかな表現ながら現在の利下げ傾斜姿勢を批判している。理論と実
務の双方に明るい同氏は、インフレ期待への懸念と資産バブルのリスクを天秤
に掛けながらも、後者を重視すべきとの判断を示している。僭越ではあるが、
筆者も全く同じ考えだ。パウエル議長は、果たして秋以降の追加利下げ圧力を
排除することが出来るだろうか。

 ダドリー氏とは違う観点で利下げ批判を行っているのが、NBERの委員でもあ
るハーバード大のフランケル教授である。同教授はそもそも論として、いった
い「インフレ期待」という概念が本当に存在するのか、と問い掛けている。最
近の調査では家計も企業も確たるインフレ期待値は持っていないことが実証さ
れている。市場にはインフレ期待を示すブレークイーブンレートが存在するが
その理論値が実際のインフレ期待を正確に表徴していると断定することは難し
い。仮にインフレ期待が実在しないとなれば、現在の世界の金融政策は幻を追
い掛けているに過ぎない。今日のリスク資産は楽しい夢ではなく、怪しい亡霊
の漂う幻想世界の下で買い上げられているに過ぎないのかもしれない。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2019.06.28
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比251円58銭高
  米国株高、アジア株高、ドル円108円台回復を好感。米中協議進展への
  期待感も。

 **野党が「消費増税反対」で一致
  消費活性化や減税などで共闘。暮らしの安定を争点に。

 **マクロン大統領がルノーの日産出資比率引き下げに「NO」
  日本側の意向は正当化できないと否定。

 **ジャパンディスプレイへの522億円支援確定
  嘉実基金管理グループが表明、うちアップルが107億円負担。他の支援は
  不確定。

 **トヨタがインドネシアでEV開発促進
  今後4年間で20億ドル投資、同国と合意。

**トヨタ系大手8社で相談役と顧問がゼロに
  経営の透明性を追及、本社も顧問を人まで削減。

 **大和証券が都内3店舗を統合へ
  同時に小規模の営業所を3か所開設。コスト削減しつつエリア・マーケテ
  ィングを強化。

 **KINEが信用スコアの提供を開始
  みずほとの共同事業「LINEスコア」。ユーザーの利用状況などに応じて
  100-1000点まで点数付け。 
 
<海外モニター>

 **NYダウは前日比10.24ドル安
  米中首脳会談前に様子見。半導体は堅調。長期金利は2.01%へ低下、2年・
  10年格差は27BPに縮小。

 **米1-3月期実質GDP確定値は前期比年率換算3.1%増
  改定値と不変。4-6月期はやや下振れ見通し。

 **FRBのCCARテストで全18行が合格
  包括的資本分析。市場に増配期待、クレディスイスのみ条件付き。

 **中国5月工業部門企業利益は前年同月比1.1%増
  国家統計局発表、4月の3.7%減から改善。持続性に注目。

 **独6月CPIは前年同月比1.3%上昇
  ECB目標を大きく下回る水準。強まる利下げ観測。

 **メキシコ中銀が4会合連続現状維持
  政策金利を8.25%で据え置き。経済成長鈍化とペソ不安定に悩むメキシコ。 

 **ブラジル中銀が2019年成長見通し大幅下方修正
  0.8%と従来予想2.0%の半分以下に。

 **欧米大手企業が大幅人員削減
  米フォードが欧州で12,000人、独BASFが内外で6,000人それぞれ削減へ。

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  最近のボヤキ                 解の無い米中方程式
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 大阪G20サミットは重要な首脳会談のオンパレードで、日本はサミット議長
国というよりも会談場所提供国と言った方が適切であろう。米中が世界最大の
関心時であるが、米露や米仏、米独、中露、米中、日中などそれぞれの会談も
興味深い。それは国際協調体制の崩れを象徴するものであり、G7サミットの意
義が薄れたように、G20という集合もあまり意味を為さなくなったことを示唆し
ている。各国内の価値観が分断されてしまった中で、各国間が団結出来る分野
も限定的となってしまった。寂しい話ではあるがそれが現実だ。

 米中首脳会談には期待と不安が入り混じっているようだが、この両国が妥協
出来る部分も限られている。トランプ大統領には関税ブーメラン効果による悪
影響が押し寄せており、習主席にも景気失速不安が現実のものとなり始めてい
ることから、経済面を考えればどこかで妥協したいのは山々だろうが、前者に
は再選アピールの必要性が、後者には対米従属の屈辱回避が、それぞれ政治的
使命となっている。この構造は解の無い方程式のようなもので、首脳会談で答
えが見つかるような話ではない。

 そうした問題を金融政策で解けると考える市場の認識の甘さにも驚きである。
金融当局からは市場の過剰期待を牽制する発言が相次いでいるが、投資家は大
幅利下げ期待を取り下げる気配はなさそうだ。それは、アベノミクスに酔いし
れて、日銀の金融緩和を口をあんぐりあけて待ち続けて居た日本株投資家を彷
彿させる。結局、10年以上にわたる緩和長期化は世界中の投資家を甘やかせて
しまったと言えるだろう。そのルーツを手繰れば、時代遅れのインフレ目標が
浮かび上がる。いつか市場が痛い目に遭うとすればそれは投資家の自業自得で
もあるが、そこに中銀が一役買っていたことも忘れてはなるまい。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2019.05.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比60円84銭安
  米国株続落、海外勢も売り。日銀出動観測で下げ幅縮小。

 **日銀がETF購入時のリスクプレミアム計測手法開示
  雨宮副総裁が参院財政金融委員会で発言。国債・株式のイールド・スプレ
  ッド、PER、PBRそしてボラティリティなどに言及。

 **トヨタ・ホンダの4月国内生産は増加
  トヨタは前年同月比16.3%増、ホンダは同15.8%増。一方で日産は同26.8%
  減と明暗くっきり。

 **中国・台湾連合がJDIへの支援正式決定
  官民ファンドINCJが追加金融支援。

 **ビジョンファンドが40億ドル借入検討
  FT紙報道。ウーバー株など保有株を担保に。投資家からの換金請求に備え。

 **三菱UFJが紙通帳を原則廃止へ
  三井住友に追随、6月10日から新規口座対象に。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比43.47ドル高
自律反発気味の小幅上昇。長期金利は2.22%へ低下、2年・10年格差は16BP
  に拡大。 

 **米1-3月期実質GD改定値は前期比年率換算3.1%増
  設備投資の下振れなどで速報値から0.1ポイント下方修正。

 **ブラジル1-3月期GDPは前期比マイナス0.2%
  9期ぶりのマイナス成長。投資、輸出、消費いずれも不振。政府は2019年成
  長見通しを2.2%から1.6に下方修正。

 **マハティール首相「米中は自制を」
  都内開催の国際交流会議「アジアの未来」で演説。その一言が言えない日本
  の首相。 

 **エルドアン大統領がトランプ大統領と電話会談。
  ロシア製ミサイル購入計画修正との思惑でトルコリラが急反発。

 **HSBCが投資銀部門で数百人削減へ
  数週間以内に500人規模削減との観測。
 
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  最近のボヤキ                 経済と金融の変曲点
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 米国のFF金利先物市場ではいまや年内2回利下げのシナリオが主流となって
いる。現状維持シナリオは確率20%以下というマイナーな見方になってしまい、
長期金利は2.25%を割り込んできた。インフレ期待値の低迷に景気後退観測が
強まって、パウエル議長の言う「物価低迷は一過性」という言葉を誰も信じな
くなっている。そして日本でも欧州でも長期金利は一段と低下圧力に見舞われ
ている。トランプ政権が始めた米中覇権戦争は明らかに世界経済構造の変曲点
を作り出している。

 その過程において、クレジットや株価などリスク資産のリプライシングが進
行するのは当然だろう。日本では増税や中国経済失速の煽りを受けて日銀に追
加緩和のプレッシャーが掛かるのは不可避であり、景気対策という名目での実
質的な株価対策として、ETFを追加購入する方向に追い込まれるのではないか。
雨宮副総裁はその予防線を張るかのようにリスクプレミアムの考え方を披露し、
政策正当化を図ろうとしている。報道に拠れば、来年にも日銀は日本株の最大
株主になるらしい。本当に変な国になってしまったものだ。

 変と言えば、金融機関の収益悪化も変な現実である。企業収益が最高水準を
達成する中でそのファイナンスを支える金融が経営悪化という姿は実に歪であ
る。評論家は金融機関の経営や金利構造を批判するが、この奇妙な収益バラン
スはもっとマクロ的に解析すべきであるように思われる。この利益の偏在もま
た一種の不均衡或いは格差拡大であろう。銀行を構造不況業種と呼ぶのはたや
すいことだが、経済に不可欠な金融が苦境に陥っていることの重要さを認識す
ることも必要だ。例えば融資が限りなく株式に近いのであれば、貸出金利は配
当化すべきなのかもしれない。金融にも未曽有の変曲点が迫っていると考えざ
るを得ないのではないか。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2019.04.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **天皇陛下が本日退位
  平成が終了、明日から令和。

 **三菱UFJがインドネシア大手銀行買収
  バンクダナモンに約4200億円を追加出資、子会社化。邦銀の海外買収で
  過去最高額に。旧東銀の遺産。

 **トヨタがカナダでSUV生産か
  レクサスNX生産へカナダ工場に数億ドルを投資との観測。
 
 **IMF古沢副専務理事「増税延期は日本の信用喪失」
  あやふやな財政再建姿勢に牽制球。

 **2018年度スタートアップ投資額は約3500億円
  レコフ調査で5年前の8倍強に拡大、IPOを上回る。大企業が積極的に取り
  込み。

<海外モニター>

 **NY市場は前週末比11.06ドル高
地合いは堅調ながらも伸び悩み。長期金利は2.53%へ上昇、2年・10年
  格差は24BPに拡大。

 **米3月コアPCEデフレーターは前年同月比1.6%上昇
  2月の1.7%からやや鈍化、目標比下振れが継続中。

**米3月個人消費支出は前月比0.9%増
  政府機関閉鎖に拠る緊縮の反動で9年7か月ぶりの伸び率、個人所得は同
  0.1%増止まり。

 **ユーロ圏4月景況感指数は前月比1.6ポイント低下
  10か月連続低下で104.0と2016年9月以来の低水準。製造業の低迷続く。

 **インドネシアが首都移転を閣議決定
  ジャカルタから島外に。一極集中で支障多発、移転費用は未解決。

 **米マリオットが米国で民泊事業に参入
  欧州一部都市で試験的に運営開始、5月にも正式に米事業立ち上げへ。

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  最近のボヤキ                 インフレは死んだか
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 昨今の米国市場を眺めていると、景気後退や景気失速の話題に加えてインフ
レは本当に死んだのか、という論調もホットな扱いを受けているように見える。
債券市場は「ほぼ死んだ」という解釈で、利上げ終了どころか利下げ開始まで
読み込み、金利水準は短期中心に軟化方向にある。インフレの値も、コアPCE
デフレータに見られるように低迷色が強く、インフレ期待も盛り上がるような
気配が乏しい。足許の成長ペースが落ちていることも、「インフレは死んだ」
というムードに拍車を掛けている。

 だが一方で、賃金上昇はいずれ物価上昇に繋がるとの伝統的な見方も根強く
残っており、景気拡大局面の長期化によっていずれその傾向が表面化するとの
思惑も一部にある。そうした予想が劣勢であることは否めないが、完全否定し
うるものでもなく、筆者も米国におけるインフレへの死亡宣告はまだ100%信
用出来ないでいる。FRBが利上げを停止する中で、トランプ政権が再選を目指
して新たなインフラ投資加速の政策を打ち出すようなことがあれば、労働市場
が一段と逼迫して賃金と物価の関連性が復活することも無いとは言えない。

 現在の株高と債券高は、ゴルディロックス機運に支えられて暫く継続するだ
ろうが、決して地合いは盤石とはいえず、年内に向けた相場展開は何処かで変
曲点を迎えることもあるだろう。そのトリガーになるのは景気鈍化との見方が
大勢だが、インフレ期待の上昇という意外な可能性もある。その予兆は長期金
利に現れる。以前何かの雑誌に米国長期金利は昨年のように株価急落の引き金
を弾く可能性があると書いた。某経済メディアの記者がもうそのシナリオは無
くなったのではないか、と電話を掛けてきたので、年後半にはあり得ると回答
しておいた。平成が終わって令和になったとしても、市場は何も変わらない。
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比344円97銭安
  トルコ不安や英離脱問題を警戒、続落。反発力は限定的。

 **ソフトバンク・トヨタの合弁にホンダ・日野が出資へ
  モネ・テクノロジーズと資本業務提携、両者は約2.5億円ずつ出資、比率
  は各々10%に。自動運転とIoTの融合に拍車。

 **伊藤忠が中国で病院運営に参入
  現地病院経営大手と人工透析サービス大手に総額約100億円出資。生活習
  慣病関連のニーズ狙う。

 **日本取引所と東京商品取引所が経営統合で基本合意
  JPXが6月にTOBで10月にTOCOMを子会社化。

 **S&Pがルネサスエレクトロニクス格下げ
  BBBからBBB-に。買収で財務悪化、見通しもネガティブに。 

<海外モニター>

 **NYダウは前日比91.87ドル高
米中通商協議期待に反発。長期金利は2.39%へ上昇、2年・10年格差は
  17BPで横ばい。

 **米10-12月期GDP確定値は下方修正
  前期比年率換算2.2%増と改定値から0.4ポイント低下。個人消費や設備
  投資が下振れ。

 **米2月中古住宅販売成約指数は前月比1.0%低下
  持続的回復には時間がかかる可能性。

 **米住宅当局がフェイスブックを提訴
  個人情報に基づき住宅関連広告配信先を絞り込む機能を提供。

 **メイ首相が三度目のEU離脱案
  バーコウ下院議長が「許可」。形勢は不利なまま。

 **英国「ファーウェイ製品に新たな技術上の問題」
  情報当局傘下の諮問機関が報告書。 安全性に十分な保証なしと指摘。

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  最近のボヤキ                英国と米中の現代病
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 丁度2年前の今頃、英国のメイ首相がEU離脱を宣言する書面に署名した際に
筆者はロンドンに居た。そこで見たのは多くの市民が「離脱絶対反対」を叫ぶ
大規模なデモの光景だった。2年が経過して先週、約100万人とも言われる歴史
的規模の離脱反対デモが起こったが、ウェストミンスターは別世界である。メ
イ首相の粗悪な政治運営で議会は政治ゲームに明け暮れるかのように機能不全
に陥り、土壇場で主導権を取り戻したかに見えたが、八議案はすべて否定され
た。首相は下院議長を何とか説得して三度目の採決に持ち込んだが、形勢は依
然不利と見られている。

 4月12日に離脱するのか、5月22日まで延期されるのか、長期延期となるのか
全く予想が付かず、合意なき離脱に追い込まれる可能性も高いままである。歴
史に残るこの無残な政治史をリアルタイムで見られるというのは傍観者として
はまことに興味深いが、当事者としてはたまったものではない。2016年に始ま
ったドラマは3年にわたってもオチが見えない。ある識者はブレグジットには
もうサプライズが無いからリスク要因から外しても良いと語っていたが、合意
なき離脱における実体経済や市場へのリスク計算は、依然不能なままのように
も思える。

 一方、米中通商協議に関しては日替わりメニューのように進展と後退の報道
が繰り出され、市場が一喜一憂する状況が続いている。昨日は中国が踏み込ん
だ提案を出したとの報道が好感されているが、一方で中国高官らはライトハイ
ザ―氏の極度に高圧的な態度に「切れている」という報道もある。ニュースと
実態的な交渉の間には相当のギャップがあると考えておいた方が良さそうだ。
基本認識は「米中が相互に分かり合える筈も無い」「中国が米国の思い通りの
構造改革を行う訳が無い」というところだろう。現代病に感染している主要国
の完治への出口は、金融政策と同様に見えないままである。ぬるま湯気分に浸
っている日本がその例外だとも思えない。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2019.02.28
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比107円12銭高
  海外筋の買いに上昇、2か月半ぶり高値に国内投資家は慎重姿勢も。
 
 **三菱重工が横浜製作所金沢工場跡地を売却へ
  東京ドーム7個分の不動産。売却益300億円を3月期に計上。

 *ホンダが欧州市場でEV「ホンダe」を投入
  国内工場で組み立て、国内でも来年発売方針。

 **大手デベロッパーが地方マンション開発事業強化
  三菱地所と東京建物は福岡市内、長谷工は中国・四国や北関東などに進出、
  大京も地方中核都市に注力。首都圏地価高騰で地方に着目。

 **興銀リースが「みずほリース」に社名変更
  みずほ銀と資本・業務提携、航空機リース事業などに注力。

 **中国政府系自動車研究機関が三菱UFJと提携
  中国汽車技術研究中心。日系部品会社との関係構築を本格化。

 **1月国内パソコン出荷額は前年同期比30.5%増
  働き方改革が追い風に。ウィンドウズ7の更新需要も。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比72.82ドル安
ライトハイザ―発言で小幅安。長期金利は2.69%へ上昇、2年・10年
  格差はは18BPに拡大。

 **米1月中古住宅販売成約指数は前月比4.6%上昇
  住宅ローン金利低下と堅調な雇用市場が支えに。

 **ライトハイザ―USTR代表「対中構造問題を最優先」
  貿易合意だけでは不十分、為替問題も未解決と議会証言。構造改革が
  本丸との認識を変えず、対日では為替も問題との認識示す。

 **コーエン氏「トランプ氏は人種差別者で詐欺師」
  大統領元顧問弁護士がロシア疑惑で議会証言。不法疑惑行動について
  も言及、隠蔽加担を恥じていると心情吐露。

 **米下院が緊急事態宣言阻止決議案を可決
  拒否権覆す為の2/3には届かず。上院では否決見通し。

 **ユーロ圏2月景況感指数は前月比0.2ポイント低下
  106.1と8か月連続の悪化、サービス業持ち直しで低下幅は縮小。

 **パキスタン軍がインド機2機を撃墜
  カシミール空爆への報復、パイロット1人を拘束。核保有国間で緊張。

 **PSAグループが北米市場に再参入へ
  プジョー・ブランドで約30年ぶりに再挑戦。
  
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  最近のボヤキ                  休むも相場なり
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 世界的に年初から反発してきた株価は、新たな手掛かりが掴めないまま高値
圏でのもみ合いとなっている。米中ともに景気鈍化はボトムアウトしたと指摘
する声もあれば、景気失速リスクを過小評価していると構える向きもある。世
界経済がどう推移するのか、正直言って現時点での直感が働かない。米国に関
してはFOMC議事録にも見通しの難しさが滲み出ており、中国の政策効果も解り
辛い。日本の見通しも今一つ明瞭でない。鮮明なのはユーロ圏の失速状況くら
いである。

 国内メディアは大した進展があるとは思えない米朝首脳会談の話題で持ち切
りだが、経済的に見ればライトハイザ―発言、政治的にはコーエン発言、地政
学的にはヴェネズエラの内戦懸念とインド・パキスタン情勢緊迫化の方が気に
なっている。特にUSTR代表の議会証言は、米中覇権戦争の今後の展開を読み解
く上での重要なヒントを与えたのに加え、日本がいずれ円安修正の議論で追い
詰められる可能性も示唆している。また大統領元顧問弁護士の発言は、米議会
におけるトランプ弾劾への動きを強める状況に発展するかもしれない。

 当のトランプ大統領は再選を目指して北朝鮮友好関係を演出することしか頭
になく、非核化という非現実的なテーマを弄ぶ北朝鮮に踊らされている。ホワ
イトハウスも1対1という非常識な首脳会談にヒヤヒヤしていることだろう。だ
がトランプ氏もロシア疑惑が議会で本格的に審議され始めたことに内心ヒヤヒ
ヤしているかもしれない。こうした政治リスクが経済に対してどんな影響を及
ぼすのか、市場も未消化の状況にある。それもまた今後の景気見通しを立てに
くい一つの要素になっている。休むも相場という諺は、たぶんこういう時の為
にあるのだろう。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2019.01.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比108円10銭安
  中国経済懸念に冴えない展開。サンバイオ急落で東証マザーズ指数が大幅下
  落、余波は東証一部にも。

 **丸紅がサウジで海水淡水化事業を受注
  総事業費は約600億円でプラント建設と25年間の運営。処理能力は世界最
  大規模に。

 **伊藤忠がデサントにTOB
  3割出資の筆頭株主が仕掛け。敵対的買収に発展する可能性も。

 **シャープが二度目の業績下方修正
  3月期売上高見通しは従来予想比1900億円下ブレ。営業利益予想も50億円
  減。スマホ用液晶パネルやセンサーが不振。

 **住信SBIネット銀がフィンテック企業を買収
  決済サービスの「ネットムーブ」を約50億円で100%子会社に。

 **東京ガスが英国のガス・電力大手と包括提携
  LNG調達で協業するセントリカとLNG基地デジタル技術導入などでも連携
  を検討。消費者向けサービス共同開発も視野に。
 
 **三重銀行と第三銀行が合併へ
  2021年5月に「三十三銀行」発足。第三が三重を吸収、経営効率化。

 **ミニ保険市場が拡大
  スマホ活用で少額・短期の保険商品販売。保険料収入は2018年度に初の
  1000億円規模に。

 **全国の百貨店が冬のセール第2弾
  消費喚起を目的に昨年続くセール連発。不振の衣料品販売テコ入れ。

 **2018年小売業販売額は前年比1.7%増
  2年連続増加。原油高で石油製品の価格上昇。大型小売店販売額は横
  ばい、コンビニは2.0%増。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比434.90ドル高
決算やFOMCを好感して大幅上昇。長期金利は2.69%へ低下、2年・10年
  格差は18BPに拡大。

 **パウエル議長「利上げの根拠が希薄化」
  FOMCは利上げを棚上げ、保有資産縮小も調整へ。ハト派ムード満載で株
  高・ドル安。

 **米1月ADP民間雇用者数は前月比213,000人増
  増加幅は前月から鈍化するも全産業で堅調、製造業は約4年ぶりの大幅
  な増加。

 **米12月中古住宅販売成約指数は前月比2.2%低下
  不動産価格や借り入れコストの上昇で3か月連続マイナス。前年同月比
  では9.5%低下と2014年初以降で最大のマイナスに。

 **WTI期近物が54ドル台に続伸
  ヴェネズエラ制裁や在庫伸び悩みで一時2か月ぶりの水準に。

 **ユンケル欧州委員長「無秩序な離脱のリスク」
  英議会がバックストップ修正案を賛成多数で可決、苛立ちと懸念を表明。

 **世銀次期総裁最終候補にマルパス米財務次官
  米メディアが「関係者の話」として報道。

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  最近のボヤキ                FRB保有資産規模の謎
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 予想通りFOMCでは利上げ一服感が示され、当面の利上げ派はないとの見方に
加えてFRBの保有資産縮小のペースも鈍化する可能性が示唆され、米国株は大幅
に上昇している。もっとも事前の決算発表で持ち上げられた相場が一段と押し
上げられたという展開であり、FOMCは買い材料というよりも安心材料となった
ように思われる。パウエル議長は昨年末の株価急落に対応して既に方針転換す
る姿勢を示していたことから、FOMC自体は特にサプライズではなかった。とは
いえ、FRBのハト派ムードは常に市場の順風である。

 保有資産縮小ペースの軌道修正に関して言えば、自動操縦で縮小と述べてい
た昨年秋とは様変わりだが、これは緩和的というよりもテクニカルな側面が強
いようにも見える。FRBのバランスシート縮小が進む過程で当座預金での資金需
給バランスが崩れ、FF金利が誘導範囲の上限に張り付いてしまって調整が難航
しているという現実問題に直面しているからだ。これは昨年から指摘されてい
た事実であり、緩和ではなくFF金利の政策的正当性を確保する為に為されてき
た議論である。だが市場は「保有資産縮小」という現象のみに焦点を当てると
いうズレが生じている。

 つまり昨日の株式市場のFOMCに対するハト派的解釈は、やや過剰ということ
も出来るだろう。パウエル議長が利上げ根拠が少し薄れてきたと述べたのは、
もう利上げをやらないという宣言でもない。個人的には第1四半期の利上げは
ないだろうが第2四半期以降は利上げ観測が再浮上してくると思っている。そ
の過程でパウエル議長は、もう少し丁寧に保有資産の適正規模に関して説明を
求められることになるだろう。いやはや、金利の正常化は難しい。それは過剰
な緩和策のツケでもあるが、米国でこれならば日本はいったいどうなるのだろ
う、と背筋の寒くなる思いである。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2018.12.28
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比750円56銭高
  米国株急反発で上昇幅拡大、2万円台回復。一時850円超上昇。

 **日産とマツダが中国生産を2割程度減産へ
  消費マインドの冷え込み顕著、稼働率は6割台に低迷中。
 
 **不動産のタテルが顧客融資資料改竄
  西京銀行のアパート投資向け融資で同社従業員数十人の不正関与が発覚。

 **スルガ銀行創業家がグループ借金を銀行寄付で返済
  32億円規模の新たな不正発覚。同行は静岡地裁に追加提訴。

 **RIZAPグループ松本代表が代表権返上へ
  M&A推進の取締役2人も辞任。財務ダイエットで再建へ。

 **みずほがQRコード決済に参入
  IT大手やコンビニに次ぐ「乱入」。

 **ガソリン店頭価格が9週連続下落
  全国平均は前週比1.3円低下のリッター146.6円に。来週も値下がり見通し。

 **11月新設住宅着工戸数は前年同月比0.6%減
  個人のアパート建設不振で2か月ぶりに減少。銀行がアパート融資厳格化。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比260.37ドル高
一時600ドル超下落するも急反発。不安定な地合い続く。長期金利は2.78
  %へ低下、2年・10年格差は21BPに拡大。

 **米12月CB消費者信頼感指数は7月以来の低水準
  前月比8.3ポイント低下の128.1と大幅低下。期待指数も13.2ポイントの大
  幅悪化。労働市場の見通し悪化。

 **トランプ大統領が中国情報製品の民間利用禁止を示唆
  ファーウェイとZTEを意識。

 **トランプ大統領に兵役逃れの偽証発覚か
  天敵NYタイムズが報道。医師の協力でベトナム戦争徴兵回避の可能性。
  遺族が証言。

 **米議会がつなぎ予算の審議再開
  妥結のめど立たず政府機関閉鎖は越年の可能性も。

 **中国11月工業部門企業利益は前年同月比1.8%減
  2015年12月以来約3年ぶりのマイナスに。内外の需要鈍化が鮮明に。

 **サウジが内閣改造で体制強化へ
  MbS皇太子への疑惑払拭へ。外相に著名なアッサーフ元財務相を登用。

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  最近のボヤキ               ポピュリズムの法則
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 今年は年初と年末が天国と地獄ほどの差があった稀な年であった。上半期と
下半期で大きく景色が変わるのは良くあることだが、2018年ほどコントラスト
の激しい例も珍しい。それは東西或いは官民を問わず、金融超緩和の下で甘い
楽観に浸ってきたツケが回ってきたことを意味する。また2016年頃から顕著に
なっていたポピュリズム経済の影響を過小評価したことも挙げられる。筆者自
身、前者に関してはかなり身構える姿勢を貫徹できたと思っているが、後者に
関しては考えが甘過ぎたと反省している。

 近著の末尾にも書いたが、ポピュリズムは短期的には株式市場を押し上げる
力を持っていることが、歴史的に実証されている。過去100年間の27か国でのポ
ピュリズム政権は2年間で平均27%のリターンを挙げているのである。トランプ
大統領の2年間も、ボン大学のシュラリック教授が発見したこの「ポピュリズム
の法則」に当てはまる一例に過ぎなかった、と診断される日はそう遠くないだ
ろう。確かに現在の急激な下げ相場が長期的な投資水準を提供しているように
も思われるが、それは上昇トレンドのスタートを意味するものでもない。ポピ
ュリズムの夢が醒めて、振出しの戻るだけの話であろう。

 それは、冷静に実体経済の行方を見つめる姿勢に戻る必要性を示している。
メインシナリオは世界経済同時減速であるが、どんなに奇妙な大統領が居座っ
ても米国は2%前後の成長は遂げるだろうし、中国も米国の圧力に閉口しなが
らもあれこれ政策を打ち出して6%前後の成長を維持するだろう。日欧は失速
し新興国も右往左往するだろうが、景気後退は一部に止まると見る。市場が安
定するには時間が掛かるが、徐々に「米国景気後退」のイメージが湧いてくる
につれて、金融政策の予想や長期金利の変動幅が収束に向かい、下半期には変
動率が落ち着いてくるのではないか。逆に言えば、来年上半期はまだ波乱の連
続とみておくのが無難であろう。

 購読者の皆さま、本年も引き続きご愛読を有難うございました。来年は1月
4日スタートとなります。どうぞ良いお年をお迎え下さい(編集人)。

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