デイリー・マネタリー・アフェアーズ 発売日・バックナンバー

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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2021.5.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比600円40銭高
  景気敏感株への買いで大幅続伸、29,000円台乗せ。

 **緊急事態宣言は6月20日まで延長
  9都道府県の対象に。ダラダラ感満載。

 **経産省が再生可能エネルギー新市場創設へ
  発電証明書を公的機関が発行。脱炭素方針をアピール。

 **総務省が10月からSIMロック禁止
  携帯会社乗り換えのハードル引き下げ価格競争促進。

**トヨタ4月世界販売台数は前年同月比約2倍
  85万9448台と2019年4月比でも約1割増、4月として過去最高に。米国が
  好調持続、日本も前年同月比27.1%増と回復。

 **三菱地所がバイオマス発電事業に参入
  総事業費300億円超で国内に10か所以上の発電所設置計画。静岡ガスな
  どと協業、2022年度から売電開始へ。

 **日産がメキシコ工場を1-7日稼働停止へ
  半導体不足で6月も生産調整。

 **ゴールドマンが日本の不動産投資拡大
  投資額は従来から倍増の2500億円規模に。物流やデータセンター、企業
  売却の不動産など対象に。

 **オークラが京都市内に高級ホテル開業
  国内新規出店は20年ぶり。観光需要回復を見込む。

 **伊藤忠が廃油精製燃料取り扱い開始
  CO2排出量を最大9割減、ファミマ配送トラックの一部に導入。インドネ
  シアで建設中の石炭火力発電所も運転開始後に売却へ。

 **JTB3月期最終損益は1051億円赤字 
  旅行需要急減で赤字額は過去最大に。700人規模の追加リストラや今夏
  冬の賞与ゼロなど発表。

 **JALが社員外部出向を1日あたり2000人規模に拡大へ
  雇用維持や社員能力向上に。地方のワクチン接種支援業務も。

 **USJは6月から平日営業再開
  大阪府がイベント開催制限変更。土日は引き続き休業。

 **4月完全失業率は前月比0.2ポイント悪化
  2.8%と6か月ぶりの上昇。有効求人倍率は前月比0.01ポイント低下の
  1.09倍。コロナ禍の影響長期化反映。

 **今春の平均賃上げ率は8年ぶり2%割れ
  日経調査。定期昇給とベアの合計で前年比0.18ポイント減の1.82%。コ
  ロナ収束見通せず減速感。
 
<海外モニター>

 **米ダウは前日比64.81ドル高
  景気回復期待に小幅続伸。長期金利は1.58%へ低下、2年・10年格差は146
  BPで横ばい。

 **米4月PCEコア指数は前年同月比3.1%上昇
  市場予想を上回るも5月以降は鈍化との見方も。個人消費支出は前月比0.5
  %増、個人所得は同13.1%減。

 **米5月シカゴPMIは前月比3.1ポイント上昇
  75.2と47年6か月ぶり高水準。新規受注が7.7ポイント上昇、受注残も7.5
  ポイント上昇。

 **バイデン米政権は2022会計年度予算教書公表
  歳出規模はコロナ前を3割上回る6兆110億ドル。政府債務はGDP比138%に。
  2030年度まで過去最高水準継続の見通し。

 **米上院共和党が議会襲撃調査法案審議開始を阻止
  事実上廃案に。根強いトランプ氏の影響力に怯える共和党。

 **米国がベラルーシに経済制裁
  国際規範への直接的侮辱と非難、同国国営企業などに対する制裁発表。

 **ロシアはベラルーシに5億ドルの支援
  プーチン大統領は「同国の立場を理解」と擁護。

 **英国特別ビザに香港から34,300人が申請
  国安法施行で国外逃避へ。申請資格者数は540万人と推計。

 **トルコ・リラが対ドルで過去最安値更新
  中銀副総裁を突然解任。インフレ加速で緩めの金融政策に懸念。

 **4-6月期世界モノ貿易指数は前期比5.8ポイント上昇
  WTO公表。航空貨物など幅広く回復、109.7と3四半期連続100超え。

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  最近のボヤキ                  米国のGDPギャップ
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 FRBの事実上の物価目標である米国のPCEコアデフレーターが4月には前年同
月比3.1%上昇、前月の1.9%から一段と加速して約19年ぶりの伸びとなり、前
月比でも0.7%上昇している。だがCPIが大幅上昇した時と違って市場反応は鈍
く、長期金利はむしろ低下している。米国の物価に関してはFRBをはじめエコ
ノミストや機関投資家の多くが「一時的」との見方を表明しており、さほど懸
念を強めていないのが実態だろう。前年の状況を考えた際の「ベース効果」が
大きいというのも確かに説得力がある。

 だがいったいどういう時間軸を以って「一時的」と言われているのか、筆者
には良く分からない。ベース効果が暫く続くのであれば年内くらいは3%前後の
上昇率が続くかもしれない。サプライチェーンのボトルネックが何時解消する
のか、現時点では正確な予想も不可能である。多くの見立てには希望的観測が
相当混じっているようにも思われる。確かにこの30年間、商品市況はインフレ
に殆ど影響を及ぼさなかったが、その構造は変わっていないのか、という分析
も殆ど見たことが無い。大多数の経済論考は、コロナ以前の延長線上で示され
ている。だが、米主要企業の設備投資指向は明らかに変化しており、物価への
影響が大きい住宅賃料上昇が加速し始める可能性もある。

 もうひとつ気になっているのがGDPギャップというマクロ構造である。ディ
スインフレ時代は主要国のGDPギャップはマイナスに振れることが多く、その
都度金融緩和や財政支出で補ってきた。それが商品や素材の価格上昇が物価上
昇に繋がらなかった主因だろう。だがコロナを契機に米国では大規模な経済政
策が発動され、GDPギャップは大幅なプラスに転じることが確実になった。あ
るシンクタンクは、年末には1970年代以来の水準にまで到達する、と試算して
いる。「インフレ時代に戻る筈がない」といった断定的な言論には、やはり少
し距離を置いた方が良いと思っている。 
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2021.4.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比62円08銭高
  決算発表銘柄に買い。米大統領演説やFOMC控え小動き。 

 **国会がRCEP批准承認
  各国で手続き進捗、年末にも発効の見通し。

 **トヨタ3月世界販売は前年同月比44.2%増
  982,912台と過去最高を更新。中国や北米で売れ行き好調。2020年度世
  界販売は前年度比4%減。米インディアナ州工場に約8億ドル投資。

 **ソニー3月期純利益は前期比2倍に
  初の1兆円台突破で2年ぶりに過去最高更新。ゲームや音楽などエンタメ
  事業が牽引。

 **JR東日本の新幹線GW期間指定席予約数が増加
  緊急非常事態宣言前後に約1万1千席増。国民は政府無視。

 **オリエンタルランドが上場来初の赤字決算
  3月期の入園者数は前年比73.9%減と過去最低。541億円の赤字。

 **スズキがインドでの四輪生産一時停止
  感染者急増で酸素不足。工業用酸素が医療用に。

 **資生堂がドルチェ&ガッバーナと契約解消へ
  収益性重視、香水や化粧品の開発・生産・販売契約を2021年末で終了。

 **日産がメキシコ工場の操業一時停止へ
  深刻な半導体不足で5月に7日間停止。

 **豊田合成が英国2工場での生産終了へ
  欧州事業の不振やホンダの英国撤退で生産拠点をチェコに集約。

 **三井住友がベトナムのノンバンクに出資
  最大手の「FEクレジット」へ最大1500億円。

 **三菱航空機が99.6%減資
  資本金を1350億円から5億円に。スペースジェット事業に拠る累積損失
  の一部を穴埋め。
 
 **3月小売業販売額は前年同月比5.2%増
  4か月ぶり増加。コンビニや百貨店が回復。経産省が基調判断上方修正。

 **2月電子部品出荷額は前年同月比10%増
  6か月連続増加。スマホなど電子機器や自動車など幅広く受注増。


<海外モニター>

 **米ダウは反発
  水曜は前日比164.55ドル安、木曜は同239.98ドル高。長期金利は1.64%へ
  上昇、2年・10年格差は146BPへ拡大。

 **米1-3月期実質GDPは前期比年率6.4%増
  現金給付や経済再開で個人消費が10.7%増と急回復。

 **米新規失業保険申請件数は前週比13,000件減
  553,000件でと3週連続減少、昨年3月中旬以降の最低水準更新。

 **FOMC議事要旨「インフレは一時的要因で上昇」
  パウエル議長の発言は従来通り。景気現状認識は上方修正。

 **バイデン大統領が1.8兆ドルの育児・教育支援策を発表
  低所得家庭への給付や計4年間の教育無償化など。1.5兆ドルは富裕層増
  税で。予想を超える規模に共和党は早速抵抗。

 **米NY市は7月1日に経済再開へ
  約1年4か月ぶりに経済正常化の見通し。

 **独政府が今年のGDP見通しを3.5%増に引き上げ
  3.0%から上方修正。製造業や輸出が牽引、個人消費も盛り返しへ。

 **独4月消費者物価指数は前年同月比2.1%上昇
  3月から伸びが加速。前月比でも0.5%上昇。

 **サウジMbS皇太子「アラムコ株1%を売却へ」
  世界の大手エネルギー企業と交渉中。他の投資家への売却可能性も示唆。

 **11-3月期スマホ出荷台数は前年同期比25.5%増
  米IDC調査。2四半期連続増加、ファーウェイは7割減。

 **アップル1-3月期売上高は前年同期比54%増
  「iPhone 12」シリーズが牽引、最終黒字は2.1倍に。

 **アマゾン1-3月期売上高は前年同期比44%増
  ネット通販事業拡大で最終利益は3.2倍で最高更新。

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  最近のボヤキ                   異次元の金融政策
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 バイデン大統領が第三弾の経済対策「アメリカン・ファミリーズ・プラン」
を発表、育児や教育などの支援に予想を上回る1.8兆ドルを支出する案となっ
ている。10年間の計画で、1.5兆ドルを富裕層に対する増税で賄うシナリオで
ある。増税内容は既に報じられている通り最高税率の引き上げや富裕層へのキ
ャピタルゲイン課税が主軸であり、早速共和党は反対を表明しているが、民主
党内にも「規模が過大」と批判する上院議員がおり、共和党との交渉だけでな
く党内調整も不可避の情勢だ。

 大統領就任100日目という節目に公約の目玉を公表出来たのは、ワクチン政
策が予想以上に上手くいった成果であろうが、三つの財政施策の合計額が6兆
ドルというのもやり過ぎ感が否めない。高い支持率を維持している大統領は、
今こそルーズベルト時代以来の大変革に取り組むべきだ、と主張しているが、
景況感が想定以上に回復している時期にそこまでやる必要があるのか、とい
った声が浮上するのは避けられまい。その支出規模や財源のあり方を巡って
「今後の100日間」を同大統領がどう乗り切るのか注目されよう。

 こうした拡張的な「巨大な政府構想」の下で、FRBはひたすら緩和の維持路
線を突っ走っている。FOMC声明やパウエル議長の記者会見でも、インフレは
依然として「ノーマーク」とされており、軌道修正など頭にない、の一点張
りだ。その一途な姿勢に「五輪中止など有り得ない」といったリスク管理の
欠落したどこかの政府にも似た懸念を抱き始めている。筆者らは、常に最悪
の事態を想定したポジション操作を行うように訓練されてきた。いま各国の
金融政策は、リスクなど存在しないまさに「異次元の緩和世界」へと遊離し
始めているようにも思われる。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2021.3.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比48円18銭高
  配当落ちでも日銀期待で堅調推移。野村は続落。

 **政府が大阪府に「まん延防止等重点措置」適用検討
  大阪からの要請に対応。初適用へ。

 **トヨタ2月世界販売台数は前年同月比9.2%増
  米国寒波や福島地震での一部工場稼働停止の影響は限定的。

 **ルネサス「半導体生産回復に3-4か月」
  生産再開は「1か月以内」と当初目標堅持。

 **三菱UFJ証券も約3億ドルの損失
  アルケゴス取引で野村やクレディスイスと同様に損失。

 **USJが旅行関連企業から50名受け入れ
  JTBやJAL関連会社から1年間の一時出向。サービス向上へ。

 **IBMが楽天を提訴
  消費者向けサイトやアプリなど自社技術を無断利用、と損害賠償請求。

 **東証REIT指数が1年1か月ぶり高値
  観光やテナントの需要復調期待で地銀などが買い出動。

**2月有効求人倍率は前月比0.01ポイント低下
  1.09倍と昨年9月以来5か月ぶりに悪化。緊急事態宣言による影響。完全
  失業率は2.9%で横ばい。休業者数は前月比16万人減。

**2月小売業販売額は前年同月比1.5%減
  3か月連続減少だが下げ幅は前月から縮小。前月比は3.1%増、経産省は
  基調判断引き上げ。 


<海外モニター>

 **NYダウは前日比104.41ドル安
1.77%まで上昇した長期金利を嫌気。長期金利は1.71%へ上昇、2年・10
  年格差は156BPへ縮小。

 **米3月CB消費者信頼感指数は前月比19.3ポイント急上昇
  109.7と1年ぶりの高水準。現在の景況が20.4ポイント、短期の見通しも
  18.7ポイント改善。

 **ユーロ圏3月景況感指数は前月比7.6ポイント上昇
  101.0とドイツ中心に大幅な伸び。製造業、サービス業ともに改善。

 **独3月消費者物価指数上昇率は前年同月比2.0%
  VATの一時的減税失効や最低賃金引き上げ、構成品目変更などが寄与。

 **トルコ中銀カブジュオール総裁「引き締め策を維持」
  リラ売りを懸念、就任前の自説を180度転換。

 **IMFが成長率見通し上方修正へ
  ゲオルギエワ専務理事が表明。一方で金融情勢を巡る不確実性に言及。

 **スエズ運河再開で通航を倍増
  足止めコンテナ船などが次々に通過、正常化急ぐ。1日16億ドルの損失責
  任の行方に注目。

 **WHO調査報告書「研究所流出の可能性は極めて低い」
  米国は調査の中立性に疑問提示。真相は依然藪の中。

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  最近のボヤキ                 コスト・プッシュ
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 米国では長期金利が再び1.70%台に乗せ、4月以降の一段高を狙うような動
きを見せている。既に述べたように、四半期末のアセットアロケーションに拠
る大型の債券購入が一服したと見られ、買い材料が消えたことも利回り上昇要
因ではないかと思われる。バイデン大統領が発表予定の3-4兆ドルのインフラ
投資計画やIMFに拠る経済見通し上方修正など、金利上昇の材料は幾らでもあ
る。機関投資家は既に身構えているが、問題は株式市場で暴れ回る個人投機家
の視野にインフレなど全く入っていないことだ。

 昨年来、無料プラットフォームを通じた個人投機家の存在感は急上昇し、全
体の市場ムードを牽引したり個別株の乱高下を誘ってきた。今回のアルケゴス
の損失にも、間接的に一役買っているかもしれない。1月に続いて3月以降にも
現金給付を手に入れた中間層は、富裕層だけが儲かる現代の市場経済の仕組み
にチャレンジして、一獲千金の夢を見ている最中だ。彼等の目に映るのは米国
経済の復活と政策支援に拠る株価上昇である。そこにインフレ懸念という意識
は恐らく無いだろう。ただそれは米国に限った話ではない。

 いま物価を懸念しているのは米系機関投資家だが、米国では企業もコスト上
昇という現実に直面している。アルミ、銅、プラスチック、鉄鉱などの素材価
格は急上昇しており、仕入れ費や人件費も上昇に転じているようだ。原油も60
ドル台での根固めの過程にあるように見える。市場では繰延需要の「ディマン
ド・プル」が注目を集めているが、実体経済では既に「コスト・プッシュ」が
始まっているのだろう。スエズの座礁問題が企業のサプライチェーン見直しを
加速すれば、当局も「インフレは来ない」などと高をくくっては居られないか
もしれない。リスク管理は「インフレは来るかもしれない」型の方が適切であ
ることは論を俟たない。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2021.2.26
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前営業日比496円57銭高
  米国株大幅高に追随。ワクチン期待やアジア株高も追い風に。

 **菅首相が記者会見中止
  山田広報官問題で揺れる政権、緩みきった行政。

 **長期金利が0.15%へ上昇
  2018年10月以来の高水準。米金利上昇が国内市場にも波及。

 **米モデルナ「日本へのワクチン供給は計画通り」
  6月に4000万回分。2022年に年14億回分まで生産増と表明。

 **トヨタ1月世界販売は前年同月比4.6%増
  中国での販売好調、過去最高を記録。世界生産も同4%増。

 **三菱商事がベトナム石炭火力発電計画から撤退
  脱炭素の動きが波及、LNG火力や太陽光発電などにシフト。

 **独立系ファンドが船舶CO2削減へ6000億円ファンド設立
  アンカー・シップ・パートナーズ。LNG運搬船を購入し海運大手に貸
  し出し。水素やアンモニアの運搬船も視野に。

 **JALは2022年度新卒採用を縮小
  業績回復見込めず、パイロット以外は見送り。

 **ファンケルが大阪に物流センター建設
  40億円投資、2021年6月稼働。柏市の主力物流施設で35%程度を新拠点
  に。全体出荷能力は1.4倍に向上。
 
 **2020年広告費は前年比約11%減
  ネット広告費は約6%増と媒体唯一の増加、ECサイト活況を反映。

 **2020年コミック推定販売金額は25年ぶり最高額更新
  巣ごもり需要と「鬼滅の刃」で前年比23%増。電子が31%増。

 **1月全国百貨店売上高は前年同月比29.7%減
  16か月連続前年割れ。東京地区は33.8%減。

 **1月全国スーパー売上高は前年同月比1.2%増
  4か月連続増加。内食需要が牽引、食料品は6.2%増。衣料品は20.1%減。


<海外モニター>

 **NYダウは前日比559.85ドル安
  金利急上昇で大幅下落。長期金利は1.52%へ上昇、2年・10年格差は136
  BPへ拡大。

 **米長期金利が一時1.60%台に
  地区連銀総裁が相次いで水準は適切と発言、7年債入札不調、ヘッジ取引
  加速、ドル買戻しも。

 **米1月コア資本財受注は前月比0.5%増
  9か月連続プラスを維持、伸び率は鈍化。同出荷は2.1%増。

 **米新規失業保険申請件数は前週比111,000件減
  73万件と2週連続減少。総受給者数は441万9000人と6週連続減少。

 **メキシコ2020年実質GDPは前年比で8.5%減
  2年連続マイナス成長。1932年以来の水準に落ち込み。

 **NZ政府が中銀に住宅市場配慮を義務付け
  政策金利決定時に住宅価格を考慮。加熱抑制を目指す。NZドル急反発。

 **米暗号資産交換大手コインベースが上場準備
  SECに届け出書提出。2020年売上高は前年比2.3倍。時価総額は1000億ド
  ル超の可能性。

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  最近のボヤキ                 暴れ始めた債券市場
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 予想通りというよりも予想以上に米国の長期金利が上昇ペースを加速、昨日
は1.61%まで上昇している。セントルイス連銀、アトランタ連銀、カンサスシ
ティ連銀の総裁らが口を揃えて「長期金利上昇は妥当、景気良好の兆候」とい
った楽観論を示し、金融政策への影響は全くないとの考えを表明している。そ
んな中で実施された7年債入札が順調に消化される筈もなく、応札率は12年ぶ
りの低水準となって中期金利も上昇、5年債利回りは一気に22BPも跳ね上がる
というあまり記憶にない相場展開となっている。

 想定以上の金利上昇に株価も軒並み下落しており、ハイテクだけでなく景気
敏感株にまで売りが加速したようだ。債券市場の売りは、ポートフォリオの投
げ売りというよりも、MBS債などの金利ヘッジが相当出たのではないかと思わ
れる。モーゲージの30年固定金利は先般大底を付けて3%を超えてきたことか
ら、MBS特有のコンベクシティ・ヘッジの需要がかなり強まっていたように見
受けられる。いわば金利のガンマ・リスクであり、これは強烈な金利上昇圧力
になるが、一方的な上昇傾向を生むとは限らない。個人的には当面は1.60%が
天井として認識されるような気がしている。

 だが春以降の展開は2%を強く意識する局面になる可能性が高い。コロナ以
前の債券市場に目を遣れば、2019年初の長期金利は2.50%であり、2018年半ば
は3%を超えていたのである。米国経済が正常化すれば、2-3%レンジに回帰す
ることは十分に予想される。バイデン流財政政策に異議を唱えるサマーズ氏は
来年にもFRBは利上げを迫られる可能性がある、と警告している。そうした状
況になれば日本の長期金利も相応の上昇圧力を受けるだろう。インフレ問題に
はまだ議論の余地はあろうが、インフレ期待や財政赤字懸念は合理的な議論が
困難な材料だ。識者が理路整然と立ち向かえる相手ではない。  
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2021.1.29
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比437円79銭安
  ダウ急落を受けて一時650円超下落。押し目買いに下げ幅縮小。

 **2020年度第3次補正予算案が可決成立
  一般会計追加歳出は21兆8353億円。医療体制確保やワクチン接種体制整
  備、経済支援策などに充当。GOTOトラベルも健在。

 **小池東京都知事「CO2排出量を2030年までに50%削減」
  目標引き上げ。EVやFCVなど非ガソリン車普及促進などに取り組む姿勢。

 **トヨタ5年ぶり世界販売台数で首位に
  2020年世界販売は前年比11.3%減の952万8千台で930万5千台のVWを抜く。
SUVのフルモデルチェンジ奏功。

 **マツダが新型車「MX-30」のEVタイプ発売
  欧州先行発売の小型SUVで1回の充電距離は256キロ。販売目標は年500台
  と控えめ。

 **オリンパスがオランダ企業を完全子会社に
  医療用蛍光イメージングシステム開発・製造・販売のクエスト・フォト
  ニック・デバイスズ。約64億円で全株式取得へ。

 **楽天モバイルが段階的料金体系導入
  20ギガ以下の場合はデータ使用量に応じて料金引き下げ。

 **アイリスオーヤマとソフトバンクが提携
  法人向けロボット開発の新会社を共同設立。デジタル社会対応。

 **伊藤忠がGMOあおぞらネット銀行と業務提携
  ギグワーカー向け業務委託報酬前払いサービスを展開。

 **12月小売販売額は前年同月比0.3%減
  3か月ぶり減少。百貨店などの各種商品が9.5%減、燃料は8.4%減。機
  械器具は16.4%増と明暗。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比300.19ドル高
投機tr機取引の沈静化で反発。長期金利は1.06%へ上昇、2年・10年格差
  は94BPへ拡大。

 **米10-12月期実質GDPは前期比4.0%増
  感染再拡大で回復ペースが鈍化。2020年通期は前年比3.5%減と11年ぶり
  のマイナス成長に。
 
 **米12月新築一戸建住宅販売件数は前月比1.6%増
  年率換算は842,000戸と5か月ぶりに微増。販売価格中央値は355,900ドル
  と前年同月比8.0%上昇。通年販売件数は前年比18.8%増。

 **米新規失業保険申請件数は前週比67,000件減
  847,000件と2週連続の減少。総受給者数は477万1000人。

 **米ネット証券が相次いで取引制限導入
  空売り踏み上げなどの投機取引を対象に。

 **中国が春節旅客数予想を下方修正
  約3割減の11億5200万人に。自粛呼びかけで昨年実績比2割減見通し。

 **独1月消費者物価指数は前年同月比1.6%上昇
  予想を大幅に上回る。最低賃金引き上げや温暖化ガス排出に伴う新価格
  制度が影響。

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  最近のボヤキ                パンチボウルのお片付け
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 米国市場に横行する「空売り踏み上げ」に対し、ネット証券が相次いで取引
制限を行ったことで、投資家だけでなく政治家の一部も民主主義に反する行為
だとする批判の声が上がっている。ヘッジファンドは自由に売買できるのに個
人投資家だけが行動を規制されるのは不公平だ、というのがその主張であり、
確かに一理あるが、その結果として不合理な価格形成が頻発するのを放置する
ことも許されないだろう。空売り自体は合法的な行為であり、それを非難する
のも筋が違う。

 今回の強烈な価格変動の裏側にはSNSの影響力がある。個人「投機家」がそ
の機能を使って取引自慢をし、それに多くの投機家が追随して結果的に集団的
暴走を引き起こしたものだ。ヘッジファンドも個人的投機もそれ自体が悪い訳
ではなく、狂信的な集団行動を生み出す土壌こそが問題視されるべきだろう。
それは株式市場に限ったことではない。昨今、様々なところでSNSの引き起こ
す暴走が目立っている。トランプ前大統領を教祖と仰ぐ人達も、SNSから生ま
れた現代特有の狂信的存在だといっても過言ではあるまい。

 この株式市場の騒動がどう決着するのかは分からないが、投機的暴走の背景
に景気対策としての経済政策が関与していることも事実である。コロナ禍の終
息が見えない中、バイデン政権下で財政・金融の一体化が進んで更なる拡大へ
向かうのは不可避の情勢であり、ゲーム感覚の投機家たちは新たな鉄火場を探
して暗躍し続けるだろう。一方で実体社会でもマネーの浸透に拠るインフレ兆
候が出てくる可能性もある。「市場はバブル、経済はインフレ」という局面が
来ないとも限らない。米国は果たして「パンチボウル」を整然と片づけること
が出来るのだろうか。  
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2020.12.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比714円12銭高
  短期筋の先物買い主導で上伸、国内投資家も追随し大幅続伸。

**JBICがベトナム石炭火力発電に協調融資
  「ブンアン2」事業に約1800億円。日本は未だに石炭融資継続。

 **京都市が市民サービス削減へ
  財政難で市主催イベント事業原則休止、敬老乗車証は見直し。職員給与
  もカットへ。

 **SBGが低価格PCR検査対象を個人に拡大へ
  2021年3月から開始。ネット経由で唾液検査申し込み。

 **ニトリの島忠TOBが成立
  77%の応募で成立条件上回る。首都圏店舗活用、商品開発、物流網相互
  利用など統合具体化へ。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比68.30ドル安
経済対策拡大期待の後退で軟調。長期金利は0.93%で不変、2年・10年格
  差は80BPへ縮小。

 **米10月20都市住宅価格指数は前年同月比7.95%上昇
  S&Pコアロジック・ケース・シラー指数。在庫減少を背景に2014年以来の
  伸び率に。

 **米下院が現金給付2000ドル積み増し法案を可決
  トランプ大統領の増額要求に民主党が同調。共和党のマコーネル上院院
  内総務は採決ブロック。

 **FRBが中小企業向け融資制度を延長
  期限切れ直前の申し込み殺到で1月8日までMSLP延長決定。

 **中国アントグループが持ち株会社設立検討
  ブルームバーグ報道。金融事業は銀行同様の規制対象に。

**中国鉄道車両メーカーが世界最速貨物列車開発
  中国中車が最高時速350キロを実現。1500キロの距離を5時間で移動。

 **コインベースがリップル取引停止
  SEC提訴を受け1月19日に完全停止へ。

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  最近のボヤキ                 コロナの教訓
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 今年は世界中がコロナに振り回された1年であった。全く想定外の出来事に
社会は不安に包まれたまま越年しそうだが、その過程で顕著になったのが経済
と市場の「格差拡大」という新たな展開であった。不況時の株高は珍しいこと
ではないし、戦争開始が株高の契機になることも有るが、今年の株高は誰もが
違和感を覚えながら半信半疑で眺めていたという点で、特異な現象であったと
言えるかもしれない。但し夏以降は「低金利の長期化」と「ワクチン期待」と
いう強力な材料が不安を払拭し、結局はほぼ全員参加型の強気相場へと変貌を
遂げていった。

 市場には、コロナは一種のイベント・リスクであり一過性の惨事だという判
断もあったように思われる。そして感染症の急拡大は、公衆衛生や医療体制の
重要性を再認識させたという意味もあった。また政治面では米国のトランプ大
統領を退場させた一因にもなり、欧州では揉めに揉めた共通債への足掛かりを
掴んだり英国とEUのFTA合意を促したりする契機にもなった。もっとも日本で
は安倍・菅という政権が危機管理に全く役に立たないことを露呈してみせるこ
ととなった。コロナが全く迷惑な存在であることは論を俟たないが、ウィルス
によって暴きだされる弱点を知ることもまた重要であったように思われる。

 その意味で、来年には市場の脆弱性が浮き彫りになる可能性もある。今年は
財政・金融政策のフル稼働で株式市場や社債市場は息を吹き返したが、正常化
に向かう中で麻痺したリスク感覚が市場の不安定性を増幅することも想定され
る。来年の市場見通しを眺めていると、殆どが楽観的な予想となっており、現
在のリスクオン基調の継続がコンセンサスとなっているようだ。確かにメイン
シナリオとしてはそれで良いと思われるが、リスク・シナリオの確率はそれほ
ど低くない感もある。足許の相場に浮かれず、コロナの教訓を真摯に受け止め
て、新年の展望を描いておきたいものである。 


 本年も1年間ご愛読を頂きまして誠にありがとうございました。来年はより
 通常に近い生活が取り戻せるように祈っております。皆様もどうぞ良いお年
 をお迎え下さい。(編集人)

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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2020.11.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比107円40銭高
  利益確定の一方で押し目買い意欲も。

 **菅首相・小池知事対立で東京困惑
  「GOTOトラベル」見直しは札幌と大阪のみ。最大感染地東京は「放置」。
  政治が社会を殺す典型例に。

 **「GoToイート」は10都道府県で食事券発行停止
  4都道府県は購入済み分の利用控えを呼び掛け。

 **ANAが公募増資で最大約332億円調達
  発行済み株式数は最大4割増、29.5%の希薄化。新機購入資金や客室仕様
  変更、無人・省人化への空港設備投資、長期債務返済などに充当。

 **ANAが客室乗務員の地方居住容認へ
  兼業・副業に対応、来年4月からの時限的導入を労組に提案。

 **トヨタ10月世界販売台数は前年同月比8.3%増
  世界生産は9%増といずれも2か月連続過去最高更新。米国販売は8.8%増、
  中国は33.3%増と需要回復。国内も37.4%増と13か月ぶりのプラス。

 **ワイヤレス給電に4社が使用届け出
  パナソニック、オムロン、東芝、米オシアが実用化段階に。

 **太陽光発電投資ファンド時価総額が1000億円超に
  インフラファンド国内上場7銘柄。ESGマネー流入。

 **11月東京都区部コア消費者物価指数前年同月比0.7%低下
  前月からマイナス幅拡大。エネルギー価格と宿泊費が下落主導。

 **2020年IPOは前年比7社増の93社見通し
  2007年以来の高水準に。東証マザーズ指数は14年ぶりの高値に。

<海外モニター>

 **NYダウは前営業日比37.90ドル高
  円滑な政権移行への期待感で続伸、ナスダックは最高値更新。長期金利は
  0.85%へ低下、2年・10年格差は69BPへ縮小。

 **米ブラック・フライデーはネット通販好調
  アドビ推計で前年比21.6%増。実店舗は不振鮮明に。

 **中国10月工業企業利益は前年同月比28.2%増
  6か月連続プラスで約6年ぶりの高い伸びに。1-10月累計では前年同期比
  0.7%増に。

 **ユーロ圏11月景況感指数は前月比3.5ポイント低下
  各国政府の新たな制限措置で87.6と7か月ぶり大幅低下。サービス業冷え
  込み消費者信頼感も低下。

 **英政府がファイザー・ワクチン緊急承認へ
  12月7日にも接種開始の見通し。

 **インド7-9月期実質GDPは前年同期比マイナス7.5%
  2四半期連続マイナス成長で景気後退局面入り。消費低迷、建設業や貿易
  なども不振。

 **台湾2020年実質GDPは前年比2.54%増見通し
  行政院発表、8月末時点の1.56%増予想から大幅上方修正。米中向け高性能
  半導体の輸出が好調。7-9月期は前年同期比3.92%増。

 **イランが核科学者暗殺で報復示唆
  イスラエルが事件に関与したと非難、中東緊張。

 **Facebookが来年早々に「リブラ」導入
  スイス当局の認可を待って「ドル建てリブラ」の利用開始へ。

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  最近のボヤキ                中東地政学の揺らぎ
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 ドイツなど幾つかの経済指標を眺めているとユーロ圏の10-12月期はマイナ
ス成長に転落する可能性が高そうだが、米国も似たような軌跡を辿り始めてい
るように見える、ブラック・フライデーはネット通販が前年比21.6%増といっ
た好調さを見せているが、経済の全体像としてはサービス業の不振は著しく、
財政政策協議にも進展がないままで、今期はプラス成長を維持しても来年第1
四半期は失速する可能性が高そうだ。ECBとFRBはともに12月に資産買い入れ規
模を拡大することが確実視されているが、金融政策が主役でないことは、次期
米財務長官の有力候補となっているイエレン氏も認めている。

 鳴りを潜めていた地政学も、中東において奇妙な動きが見え始めている。先
週イスラエルのネタニエフ首相がサウジのMBS皇太子と極秘会談したという観
測がメディアを賑わせていた。公式な確認は無いが、米ポンペオ国務長官と三
者会談した可能性も囁かれている。モサドの高官が同席したという噂もある。
その数日後、「イラン核開発の父」とも呼ばれた著名な科学者が武装集団に襲
撃されて暗殺される事件が起きた。イランはイスラエルが関与した証拠がある
として報復措置を採ると明言している。それは、バイデン新大統領就任を睨ん
だ中東地政学リスクの再浮上を示唆している。

 イスラエルに肩入れしてきたトランプ大統領がホワイトハウスを去り、イラ
ン核合意への復帰を示唆するバイデン新大統領の時代になれば、イスラエルに
とっては「オバマ時代の悪夢への逆戻り」である。それが末期トランプ政権と
の共鳴の背景であろう。サウジは公式にはUAEやバーレーンに追随する姿勢を
見せてはいないが「対イラン」という文脈ではイスラエルと共通項がある。今
回の暗殺事件がイランを刺激してバイデン氏のイラン核合意見直しにブレーキ
を掛けるのが目的だったことは明白だ。こうした地政学にはワクチンは効かな
い。世界はまだ揺れ続けている。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2020.10.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比86円57銭安
  米株先物反転、日銀ETF買い出動観測が押し目買い誘い下げ幅縮小。

 **日銀が2020年度成長率と物価の見通しを下方修正
  7月時点のGDP中央値マイナス4.7%から同マイナス5.5%、消費者物価指数
  は同マイナス0.5%から同マイナス0.6%にそれぞれ引き下げ。

 **キオクシアが四日市に工場新設
  フラッシュメモリー新工場棟設、5G向け需要見込み設備投資は1兆円規模
  の見通し。上場延期でも巨額投資の賭け。

 **ニトリが島忠にTOB実施
  DCMの一株当たり4200円に対し5500円で11月中旬目途に開始。買収総額は
  約2100億円に。

 **JALがグループ社員約500人を一時出向
  ヤマトや自治体、教育機関などの企業・団体が受け入れ。

 **トヨタ9月世界販売台数は前年同月比約2%増
  世界生産は同約12%増といずれも9月として過去最高。

 **オリエンタルランド3月期は初の赤字予想
  511億円の純損失見通し。入園者数も過去最低の950万人と予想。
 
 **三菱パワーが欧州で産業用燃料電池受注
  ドイツの研究機関向け、同社初の海外受注。

 **ドンキ前社長らに株不正取引の疑い
  ユニーのTOB巡り証券取引等監視委員会が強制調査。

 **10月消費者態度指数は前月比0.9ポイント上昇
  33.6と改善、内閣府は基調判断据え置き。

 **日本学術会議が政権批判
  記者会見で梶田会長が「誤った情報が拡大している」と指摘。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比139.16ドル高
決算期待で小反発。長期金利は0.83%へ上昇、2年・10年格差は68BPへ
  拡大。

 **米国各州が独自のコロナ対策導入
  自治体が市民の経済活動制限。正常化から制限措置へ回帰。

 **米7-9月期実質GDPは前期比年率33.1%増
  個人消費が40.7%増と牽引。10-12月期は失速の気配濃厚。

 **米9月中古住宅販売仮契約指数は前月比2.2%低下
  在庫不足で5か月ぶり低下。

 **米新規失業保険申請件数は前週比40,000件減
  751,000件と2週連続減少。

 **中国5中全会が閉幕
  長期目標は「1人当たりGDPを中堅先進国の水準に引き上げる」と表明。
  習政権長期化の見通しも。

 **ECBが12月の追加緩和を示唆
  声明文に異例の「前文」。ラガルド総裁は景気鈍化に強い懸念。
 
 **LVMHがティファニー買収計画を再開
  買収価格引き下げで交渉、ティファニー取締役会は受入れへ。

 **アマゾン7-9月期純利益は前年同期比3倍増
  売上高は37%増と市場予想を大幅に上回る。在宅勤務も追い風に。

**アップル7-9月期決算は6四半期連続増収
  売上高が前年同期比1%増。在宅勤務や遠隔学習でiPadやMacが好調。
  最終利益は7%減と2四半期ぶりの減益に。

 **アルファベット7-9月期純利益は前年同期比59%増
  落ち込んだネット広告事業が持ち直し。売上高は14%増と過去最高
  を更新。

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  最近のボヤキ                 米国と中国のGDP
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 米国の7-9月期GDPは予想通り力強い反発を見せ、個人消費や住宅投資が牽引
して戦後最大の伸び率を記録している。大逆転の再選を狙うトランプ大統領は
早速この数字をアピール材料に使っているが、残念ながらその景気回復の勢い
は9月以降失速しており、追加財政政策の発動が期待出来ない状態で、10-12月
期は一桁成長に鈍化する可能性が高まっており、NY連銀のNowcastは3%台の成
長率予想となっている。欧州はロックダウン再導入で景気二番底が危惧されて
いるが、米国も楽観できる状況にはない。

 米国GDPは1-3月期にマイナス5.0%、4-6月期にマイナス31.4%という落ち込
みを記録した後、7-9月期にプラス33.1%と反転して漸くコロナ禍からの脱却へ
と向かい始めたが、第二波襲来に為す術無く、大統領自身が感染する始末で、
景況感は再び下向きへと転じている。これを中国と比較するとその政策運営の
明暗が浮き彫りになる。中国のGDPは1-3月期に前年同期比マイナス6.8%と落
ち込んだ後、4-6月期は3.2%増とプラス転換し、7-9月期も4.9%増と着実な回
復を見せている。10-12月期も堅調な推移が続いており、通年で2%近いプラス
成長が見込まれている。

 米国のコロナ対応が失敗したのは明白であり、欧州も抑制策が十分でなかっ
たことが確認された。一方で日本を除くアジアは全体的に感染拡大が封じ込め
られており、台湾は200日連続で感染者が出ていない。先般、シンガポールと
香港は渡航制限を撤廃し、相互の出入国を正常化させると発表している。これ
は金融業にとって有難い話であろう。この二地域に上海が加われば、アジアの
三都市間の経済の浮揚に大きく貢献することになるかもしれない。経済の地政
学は着実に地殻変動が起きているような気がする。その軸から東京が外れつつ
あるのを、永田町は気づいているのだろうか。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2020.09.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比27円48銭高
  権利落ちでも需給良好で上昇。配当再投資の買いに期待。

 **基準地価が3年ぶり下落
  国交省発表、前年比0.6%低下、コロナで三大都市圏急ブレーキ。

 **NTTがドコモとNTTコミュニケーションズの統合検討
  完全子会社後も再編加速、次世代通信網構築へ主導権狙う。

 **トヨタの8月世界販売台数は前年同月比10.6%減
  72万台と世界的に需要回復。米国向け輸出は1.8%増、11か月ぶり増加。
  中国向けは27.2%増と堅調。

 **都営地下鉄が時間帯別運賃導入を検討
  JR東日本やJR西日本に続く動き。利用者は一時前年同時期比7割減、回
  復見通し立たず。

 **三井不動産が木造再構造ビル計画
  竹中工務店と連携、地上17階建の高さ約70メートルのオフィスビルに。
  日本橋で2025年の完成目指す。

**米グルーポンが日本から撤退
  共同購入型クーポンサイト運営。2010年の市場参入から10年で幕。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比131.40ドル安
  コロナ懸念で4日ぶり反落。長期金利は0.65%へ低下、2年・10年格差は
  52BPに縮小。

 **米9月CB消費者信頼感指数は前月比15.5ポイント上昇
  101.8と大幅回復。景気と雇用情勢の評価が改善。

 **ユーロ圏9月景況感指数は前月比3.6ポイント上昇
  91.1と5か月連続改善、勢いは鈍化。

 **独9月消費者物価指数は前年同月比0.4%低下
  約5年ぶりの大幅な落ち込み幅に。消費低調、付加価値税率引き下げも
  影響。

 **英下院がEU離脱修正法案可決
  EUとの協定の一部を反故に。EUの反発必至。 

 **トルコリラに新たな売り圧力
  アゼルバイジャンとアルメニアの民族紛争再燃。ロシアの関係悪化連想。

 **IATAが2020年世界航空需要見通しを下方修正
  前年比66%減と7月時点から3ポイント下ブレ。国際線回復せず。

 **ウォルト・ディズニーが2万8000人解雇
  米国内の休園長期化でで大幅人員削減。

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  最近のボヤキ                 コロナ対応への苦戦
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 新型コロナウィルスに拠る死者数が世界で100万人を超え、感染者の累計は
3300万人以上に達している、という。地域差はあるとはいえ、感染拡大のピー
クが見えないうちにインフルエンザの季節が到来するという、春先に想定され
ていたリスク・シナリオが現実のものとなりつつある。日本では重症者数が抑
制されていることから改善しているような「印象操作」がまかり通っているが、
政府や東京都が公表しない実効再生産指数は再び1を超えて感染は拡大期に戻
ったという指摘もある。
 
 世界の経済や市場もこうした感染再拡大を無視できないまま、第3四半期を
終えようとしている。米国では民主党が財政規模を2.2兆ドルにまで縮小した
景気支援策を提示して政府・共和党の妥協を誘おうとしているが、溝はあまり
に深過ぎて歩み寄りは難しそうに思われる。トランプ大統領も、テレビ討論会
の直前に突然降り掛かった「税金不払い」の火の粉を振り払うのに必死で、国
民の事など二の次だろう。7-9月期の米国GDPは前期比30%前後の回復が予想さ
れているが、10-12月期は大幅に失速する可能性が高そうだ。

 感染再拡大を受けて、欧州でも景気回復ペースの鈍化が鮮明になってきた。
ラガルドECB総裁は、コロナ、ユーロ高、独付加価値税率引き下げの3点セット
が物価や景気の失速の主因だと述べ、状況次第では対策を検討すると欧州議会
で語っている。但しECB内部も一枚岩ではない。パネッタ理事やレーン理事は
早急に追加対策を講じるべきと主張しているが、メルシュ理事はいまはその時
期ではないと反論、シュナーベル理事も財政政策がより重要との認識を示して
いる。各国中銀総裁も二極化しており、合意を信条とするラガルド総裁には厳
しい情勢となってきた。米欧だけでなく、新政権に浮かれる日本も少なくとも
第二波の抑制には成功していないことを忘れてはなるまい。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2020.08.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比326円21銭安
  安倍首相辞任で一時600円安。円安も一服、ドル円は105円台に。

 **「忖度・国会軽視」の政治に幕
  アベノミクスに始まりアベノマスクに終わる安倍政権。総裁後継レース
  は簡易型選挙で菅氏優勢に。秋にも総選挙との観測浮上。

 **SBGがソフトバンク株売り出しへ
  最大1.4兆円で出資比率は62%から40%に。現金化計画総仕上げへ。

 **ホンダが通勤手当支給廃止へ
  テレワーク増加に対応、10月から実費精算に切り替え。在宅勤務手当も
  新たに導入。

 **信越化学が植物肉向け素材市場に参入
  ESG指向で需要増、欧米植物肉メーカーへの供給拡大。

 **トヨタ7月世界販売台数は前年同月比12%減
  7か月連続マイナスだが下げ止まり。中国と欧州が回復。

 **東海道新幹線8月利用者数は前年比25%
  7月の同32%より低水準に。6月以降の回復から再び減少。

 **三菱商事系REIT2社が合併
  日本リテールファンドとMCUBS MidCityが2021年3月1日付で合併。総合
  型REITに転換、資産規模は国内最大に。

 **住友林業がDXで住宅設計支援
  AI活用のビルダーや工場向け構造設計支援サービス。

 **8月都区部消費者物価コア指数は前年同月比0.3%下落
  4か月ぶり低下。「GO TO トラベル」で宿泊料が32.0%下落。値下げ無し
  に消費無し、の危険信号。
  
<海外モニター>

 **NYダウは前日比161.60ドル高
低金利長期化を歓迎、続伸。長期金利は0.72%へ低下、2年・10年格差は
  58BPに縮小。

 **米7月個人消費支出は前月比1.9%増
  伸び率は前月から大幅鈍化、消費回復ペース減速が鮮明に。個人所得は同
  0.4%増。コアPCEデフレーターは前年同月比1.3%上昇。

 **米8月シカゴPMIは前月比0.7ポイント低下
  51.2と50台は維持。受注残低下で鈍化。

 **ユーロ圏8月景況感指数は前月比5.3ポイント上昇
  87.7と4か月連続改善サービス部門が改善。雇用見通しも上向き。

 **ドイツが初の「グリーン国債」発行へ
  環境プロジェクトへの投資に限定、第一弾は60億ユーロの発行。

 **ベラルーシで3週連続大規模デモ
  反ルカシェンコ運動にミンスクで数万人が参加、140人拘束。

 **米ウォルマートがTikTok買収参画検討
  マイクロソフトとタッグ。オラクルなども名乗り、争奪戦に。中国開発
  のノウハウに群がる米国企業。

 **ブラックロックが中国で業務認可取得
  海外勢初の100%投資信託会社を上海に設立へ。

 **コカ・コーラが4000人の人員削減
  販売不調で事業再編に着手、部門再編も。

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  最近のボヤキ                 アベノミクス閉幕
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 「日本を取り戻す」とのキャッチフレーズで2012年末に再登板した安倍首相
の長いだけの政権が漸く終焉を迎えることになった。国民から政治を奪って文
字通り「日本を取り戻した」安倍首相に対する評価は様々であるが、経済面に
関して言えば、肝煎りの「アベノミクス」が単なる円安株高政策であったこと
は多くの識者の指摘するところであり、それに論評を加える価値もない。同首
相が最終的に狙ったのは改憲であり、経済はその為の政治的資本に過ぎなかっ
た。故に、円高・株安が修正された後はまともな成長戦略など生み出す気持ち
など無かったのである。

 結果的に日銀はズルズルと国債購入策を引き延ばし、ほとんど意味のない株
購入をダラダラと続け、資本システムを殺してしまった。途中から安倍首相は
金融政策に全く興味を失ってしまったが、永田町と共同で掲げた看板を本石町
の勝手で降ろす訳にも行かない。新首相が安倍路線を淡々と継続するタイプで
あれば、同首相の負のレガシーは日本の金融市場にべったりと張り付いたまま
風化するのを待つだけのことになるだろう。それを望んでいる投資家も多いよ
うだが、円安株高こそ金融政策の使命だと信じる程度の新首相では市場経済の
未来は明るくない。

 新政権が、安倍首相が放置したコロナ対策に専念せざるを得ないことは仕方
がない。だがせめて経済に関しては「GO TO キャンペーン」のような近視眼的
施策ではなく、生産性向上を目指した中期的施策を打ち出して欲しいものだ。
因みにドイツは次世代の成長源・雇用の本丸として環境施策を挙げ、国債市場
でも今週同国初のグリーン・ボンドを発行する予定である。欧州諸国は相次い
でグリーン・ボンドによる調達で環境対策を進め、雇用対策を練っている。製
造業で雇用回復を、と叫ぶ米国ばかり見ていると道を間違える。新たな視点で
経済と金融の中期的修復に取り組める首相が誕生するのは、さて何時の事にな
るのだろうか。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2020.07.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比57円88銭安
  米国株高を好感するも東京の感染急増で5日続落。

 **日本経済は2018年10月に景気拡大終焉
  内閣府有識者会議「景気動向指数研究会」が発表。政府の「戦後最長の
  景気拡大」説は幻に。

 **東京都が都内飲食・カラオケ店に営業短縮要請
  8月3-31日まで午後10時。協力金20万円支給へ。

 **コロナ解雇・雇い止めが4万人超に
  厚労省発表、約1か月で1万人増。実際にはもっと多いとの指摘も。

 **トヨタ1-6月世界販売は前年同期比21.2%減
  4年ぶりの減少。5-6月からは回復傾向、6年ぶり世界首位見通し。

 **伊藤忠が原則在宅勤務に切り替え
  最低限の人員を除いて在宅に。全員出社体制から方針大転換。

 **KDDIが正社員に「ジョブ型雇用」導入へ
  通信やIT、金融など専門知識を持つ社員の生産性向上っを目指す。賃金も
  見直す方針。

 **オリエンタルランド4-6月期は248億円赤字
  約4か月間の臨時休園で売上高は前年同期比94.9%減。
 
 **6月小売業販売額は前年同月比1.2%減
  自動車販売不振や石油製品価格下落などで4か月連続減少するも経産省は
  減少幅縮小を評価、基調判断を上方修正。
 

<海外モニター>

 **NYダウは前日比225.92ドル安
不調なGDPに反落、ナスダックは続伸。長期金利は0.54%へ低下、2年・
  10年格差は43BPへ縮小。

 **米4-6月期実質GDPは前期比年率32.9%減
  1947年以降で最大の落ち込みを記録。7-9月期の回復も限定的か。

 **米新規失業保険申請件数は2週連続増加
  前週比12,000件増の143万件。継続受給者も1700万人台に逆戻り。  

 **トランプ氏大統領が米大統領選延期を示唆
  郵便投票には不正リスク、と発言。危機感と焦燥感丸出し。

 **独4-6月期実質GDPは前期比10.1%減
  下落率は1970年以降で最大。7月失業率は6.4%と横ばい、失業者数は
  前月比18,000人減。

 **香港政府が民主派12人の立候補禁止
  9月立法会選挙に向けて弾圧開始。政治的主張の場も厳しく制限。
 
 **アマゾン4-6月期は純利益倍増
  外出規制でネット通販好調。クラウド需要も堅調。

 **アップル4-6月期売上高は前年同期比11%増
  タブレット端末やパソコンの需要が堅調、5四半期連続増収。純利益は
  12%増と2四半期ぶり増益。

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  最近のボヤキ                 ドル売り、ユーロ買い
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 米国の4-6月期GDPは大幅減となったが、ほぼ予想通りと言って良い数字であ
る。問題は7-9月期以降である。当初は下半期にV字回復、というのが市場の期
待シナリオであったが、V字回復は5-6月で終わったように思われる。6月中旬か
らの消費動向は頭打ち乃至鈍化の傾向が明確となっており、設備投資も自動車
関連を除けばフラットである。好調なのは住宅市況だけ、という状況では7-9
月期の回復もかなり緩慢なものになるだろう。NY連銀のナウキャストは前期比
年率13%程度の上昇にとどまっている。

 欧州ではドイツの4-6月期GDPが発表されている。年率換算すれば米国以上に
厳しい状況ではあるが、7月以降の経済活動は着実に回復しており、雇用市場
に関しては、失業保険申請件数が増え始めた米国とは対照的に、失業者が減少
傾向にある。感染再拡大もまだ限定的であり、この落差もドル続落、ユーロ急
反発という為替市場に反映されている。ユーロは復興基金合意という大きな買
い材料に恵まれているが、米国の政治的迷走や経済不振にも助けられて上昇し
ている感も強い。ユーロドルの上昇ムードはまだ続きそうだ。

 先日ある勉強会でこうした点について話した際に、ユーロは米中新冷戦とい
う局面の中で評価されているのではないか、との指摘もあった。長期的に国際
通貨体制が「ドル・ユーロ・人民元」へと向かうのであれば、米中対立の逃避
先としてのユーロ、という位置付けは確かに無視できないのかもしれない。勿
論ユーロ圏にも銀行不良債権やブレグジットなどの逆風があり、危機的な局面
が再来する可能性もあるが、少なくとも足許では米国よりも「マシ」と言って
も良いだろう。ドル一強の終わりの始まり、というには早過ぎるかもしれない
が、そんな風向きも感じられる時代になりつつある。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2020.06.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比517円04銭安
  米国での感染拡大や香港勢を嫌気、大幅反落で22,000円台割れ。

 **ソフトバンクグループが6000憶円の株売却益
  TモバイルUS株売却で4-6月期に利益計上見通し。

 **NTTが再生エネルギーに本格参入
  2030年度までに自前の発送電網を整備、顧客に直販。

 **トヨタとメガバンクが宇宙開発ベンチャーファンドへ出資
  出資額は計82億円。自動運転や電動化など新技術開発にも期待。

 **トヨタ5月世界販売台数は前年同月比31.8%減
  4月はの46.3%減から改善。中国・北米で予想以上の回復。

 **武田薬品は営業利益下ブレ見通し
  ノバルティスの「シードラ」欧州販売許可申請撤回で約2億ドルの損失。 

 **ファミマが店舗商品陳列ロボット導入
  ロボット開発ベンチャーと提携、遠隔操作で人手不足緩和。

 **コスモ石油がハイオクで虚偽表示
  「スーパーマグナム」で虚偽性能を公式HPに記載。景品表示法違反の可
  能性も。

 **ヤフーが「Yahoo!スコア」を8月31日に終了
  昨年7月のサービス開始から1年で中止。プライバシー懸念などで批判が
  相次ぐ。

**5月小売販売額は前年同月比12.3%減
  大型小売店は13.4%減、コンビニは9.6%減。前月比では2.1%増と下げ止ま
  り感も。

<海外モニター>

 **NYダウは前日比580.25ドル高
堅調な経済指標を好感、ボーイングも牽引。長期金利は0.63%へ低下、
  2年・10年格差は47BPで横ばい。

 **米5月仮契約住宅販売指数は前月比44.3%上昇
  市場予想を大幅に上回る。住宅ローン金利低下や都市封鎖解除が追い
  風に。

 **米6月ダラス連銀製造業景況指数も大幅改善
  マイナス6.1と警戒感がやや後退。

 **米連邦航空局がボーイング「737MAX」試験飛行開始
  ボーイング株は14%強上昇。

 **中国が「香港国家安全維持法案」を本日可決へ
  米中対立深刻化の惧れ。金融センター機能にも影響。

 **ユーロ圏6月景況感指数は前月比8.2ポイント上昇
  75.7と改善するも予想を下回る。回復ペースはさほど上がらず。

 **ECBシュナーベル理事「域内インフレ率はゼロ以下の可能性」
  今後数か月でマイナスとなるリスクに言及。金融刺激策を強く擁護。

 **ポーランド大統領選は決選投票へ
  現職ドゥダ大統領と野党ワルシャワ市長の対決に。

 **英石油大手BPが石油化学事業を売却
  欧州石化大手イネオスに50億ドルで譲渡。構造転換に弾み。

 **米ギリアドが「レムデシビル」の価格設定
  標準的治療では5日間で6本投与、患者1人あたり2340ドルに。

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  最近のボヤキ                 あちこちで二極化 
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 最近、いろいろな市場で二極化が起きていることに気づく。最も鮮明なのは
株式市場のハイテクやバイオなどの上昇組と金融やエネルギーの低迷組の格差
だが、社債市場でも投資適格とジャンクでは回復ペースに明らかに差があり、
ジャンク債の中でもBBクラスとB以下のクラスでは発行ペースに鮮明な差がつい
て、後者におけるリファイナンスが困難になっていることがわかる。下半期は
恐らく少なからぬジャンク債のB・Cクラスが資金繰りに窮して破綻することに
なるだろう。

 商業用不動産でも明確な二極化が生まれている。物流やデータセンターなど
ネット社会を反映する不動産は人気が強まる一方で、商業施設やホテルなどは
厳しい逆風を受けており、テレワークの影響でオフィスビルの将来像にも警戒
信号が灯っている。それはリートやCMBSなどの派生市場にも影響を及ぼしてい
る。レバレッジド・ローンにおいても、セクター別に価格下落の幅が異なって
いる。一つのアセット・クラスの中で二極化の進行が続けば、インデックスの
意味も薄れ始めるかもしれない。ETF市場では将来的にさらに細分化が進む可能
性もあろう。

 また米国では大企業と中小企業の二極化というマクロな現象も見える。大企
業は政府支援や株主支援、そしてFRBが支える社債市場などを通じて厳しい局面
を乗り越えることが可能だが、中小企業の資金源には限界がある。今回はFRBも
その点を考慮したプログラムを策定しているが、全米に広がる中小企業にまで
幅広く支援が行き届く訳ではない。政府支援の時限性という問題もある。中小
企業の手元流動性では半年も資金流出に耐えることは不可能だ。残念ながら下
半期の中小企業破綻も増えることは不可避だろう。「V字回復予想」はトランプ
政権の大本営発表に過ぎないが、それを信じる株式市場と疲弊する現実世界の
二極化もまだ残ったままである。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2020.05.29
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比497円08銭高
  過熱感や香港株安など警戒感も吹き飛ばして大幅続伸。3か月ぶり高値。

 **5月月例経済報告「急速な悪化が続く」
  極めて厳しい状況にあるとの認識。先行きにも回復見えず。

 **日産3月期決算は6712億円の巨額赤字に
  従来からの販売不振にコロナショックが拍車、11年ぶりの赤字決算。バル
  セロナ工場は閉鎖へ。

 **ソフトバンクがビジョンファンドで従業員10%削減検討
  現在約500人の過半はロンドン勤務。全役職が対象に。

 **トヨタ4月世界生産台数は前年同月比50.8%減
  中国は回復するも北米では生産ゼロ。欧州は99.2%減。

 **NTTは在宅勤務5割以上の方針
  国内グループ約280社の間接部門を対象に。働き方改革率先。

 **イオンモールが首都圏25施設で全館営業再開
  全国142のすべての施設で通常営業に。

 **レナウンが300人規模の希望退職実施
  グループ全体の1/3に相当、6月中にスポンサー候補決定の意向。

 **成田空港4月国際線旅客数は前年同月比98%減
  外国人は99%減の24,974人、日本人は98%減の23,203人と激減、通過客
  数も90%減の21,672人でいずれも過去最低。 

<海外モニター>

 **NYダウは前日比147.63ドル安
トランプ大統領のSNS攻撃や記者会見予定に警戒感。長期金利は0.69%で
  横ばい、2年・10年格差は52BPへ拡大。

 **米1-3月期実質GDP改定値は前期比年率換算5.0%減
  速報値の4.8%減から下振れ。在庫投資が押し下げ、個人消費や設備投資は
  上振れ。

 **米4月コア資本財受注は前月比5.8%減
  幅広い製品で受注減。コア資本財出荷は同5.4%減。

 **米新規失業保険申請件数は212万件
  10週間の累計は40百万件を突破。継続受給者数は2110万人に減少。

 **トランプ大統領がSNS企業対象の大統領令に署名
  ツイッターの「介入」に不満爆発。法的保護を牽制。

 **中国が香港治安法の導入方針を採択
  常務委員会が関連法案制定作業に着手。香港に絶望感。

 **韓国中銀が0.25%利下げ
  過去最低の0.5%に。2020年成長率見通しはマイナス0.2%に下方修正、22年
  ぶりマイナス成長の可能性。

 **国連世界観光機関「観光客数は前年比7割減見通し」
  UNWTOのポロリカシュヴィリ事務局長。集計開始1950年代以来最大の減少幅
  になる可能性。

 **仏ルノーが全世界で15,000人の削減計画
  本日事業再生計画と同時に発表、大部分は希望退職制度活用で。

 **アメリカン航空が5000人削減へ
  管理部門の30%が対象、組織スリム化へ。

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  最近のボヤキ                 香港、移民、雇用
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 中国は全人代で香港に対する治安法導入を圧倒的賛成多数で可決、香港が享
受してきた「高度な自治」は事実上幕を閉じたと言って良い状況になった。哀
しいことだが、それは現代地政学の激動の象徴でもある。市場は相変わらず鈍
感だが、米中新冷戦は新たな局面に足を踏み入れたと言っても過言では無かろ
う。誤解を恐れずに言えば、一国二制度を保証した2047年の期限が前倒しされ
た、ということでもある。香港は期限の利益を喪失したのである。その保証人
であった筈の英国には、もはや何の政治力もない。

 とはいえ、英国もパスポート保持者の約30万人を英国市民として受け容れる
方針を明らかにしている。移民阻止を図ろうとしている時期としては異例の決
断であり、少しは責任を感じているのだろうか。一方で米国は、香港の特権を
脅かす姿勢で逆に同地を追い込み、移民受け容れ方針も示していない。失業者
が国内に溢れている時に、そんな発表も出来ないのかもしれない。先週の新規
失業保険申請件数も減少傾向とはいえ、まだ2百万件を上回っている。継続受給
者が減少に転じたのは好材料だが、今度は「賃下げ」という新たな難題も浮上
し始めている。

 従来の景気回復過程での雇用改善においては、賃金水準にさほど影響が見ら
れることはなかった。賃金には強い下方硬直性が働いてきたからだ。だが今回
の景気回復は様子が違うとBloombergは指摘し、コロナ以前の水準よりも低い賃
金での再雇用方針が少なからず確認されている、と述べている。それは需要の
質・量の変化を先取りした経営判断なのだろう。欧米では家計貯蓄率の上昇が
消費下押し圧力になるとの見方が強まっているが、可処分所得も減少するとな
れば、景気回復への期待は萎み、デフレ懸念が強まりかねない。新型コロナウ
ィルスの実態と同様に、その経済的影響波及ルートもまだ十分に解明されてい
ないような気もする。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2020.04.30
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前日比12円03銭安
  連休前に利益確定。海外市場ではドル円が106円台に。

 **政府が「緊急事態宣言」期間延長を検討
  5月6日までの期間を1か月前後延長へ。

 **総務省が日本郵便社員2615人を処分
  総務相の承認無しに兼業。郵便法にもとづく戒告など。

 **三菱自動車が内外金融機関に3000億円規模の融資要請
  国内銀行に約2000億円、外資に約1000億円で交渉。

 **ANAの3月期純利益は前年比75.0%減
  売上高は4.1%減。1-3月期は過去最悪の588億円の営業赤字。

 **日産3月期は11年ぶりの減益見通し
  純損益は約1000億円の赤字に転落する可能性。米国販売不振に新型コロナ
  に拠る新車販売急減が追い打ち。

 **オリエンタルランドは純利益が30%減
  3月期決算は減収減益、来園者は3千万人割れ。

 **トヨタが北米生産再開を5月11日に延期
  部品調達間に合わず1週間先延ばし。再開時の稼働率を5割程度。

 **シャープのマスク初回抽選販売に470万件の応募
  販売数は4万箱。2回目の抽選販売はサイトで告知。

 **3月完全失業率前月比0.1ポイント上昇
  2.5%に悪化。宿泊・飲食サービス業の3.4%減。教育・学習支援業は3.2
  %減。

 **3月有効求人倍率前月比0.06ポイント低下
  1.39倍と2016年9月以来の低水準に。雇用環境急悪化。 

<海外モニター>

 **NYダウは堅調推移
  火曜は前日比32.23ドル安、水曜は前日比532.31ドル高。治療薬期待や一
  部決算好感。長期金利は0.66%と横ばい、2年・10年格差は42BPへ縮小。

 **パウエルFRB議長「限界まで政策投入」
  雇用最大化と物価安定への軌道確認までゼロ金利継続。追加政策も示唆。

 **米1-3月期実質GDPは前期比年率4.8%減
  約11年ぶりのマイナス成長。下方修正の可能性も。4-6月期は30-40%減
  の見通し。
 
 **米4月CB消費者信頼感指数は前月比31.9ポイント低下
  2か月連続で大幅低下、86.9と5年10か月ぶり低水準。

 *米3月中古住宅販売成約指数は前月比20.8%低下
  2010年以来の大幅低下。経済活動停止で物件数と購入件数が急減。

 **独政府の2020年経済成長率見通はをマイナス6.3%
  1月のプラス1.1%を大幅下方修正。戦後最悪のリセッション覚悟。

 **フランスとスペインも外出規制緩和へ
  フランスは5月11日から一部店舗再開へ。スペインも4段階での緩和方針。

 **FITCHがイタリアを格下げ
  BBBからBBB-へ引き下げ、ジャンク一歩手前。見通しは「安定的」。

 **中国全人代は5月22日から開催
  常務委員会が決定。新型コロナウイルスは抑制と判断。

**グーグル3月検索広告は前年比10%以上減少
  1-3月期は増収増益だがコロナショックで足許では失速。
 
 **英HSBCの1-3月期貸倒引当金が5.2倍増
  シンガポール企業向けで巨額積み増し、純利益は前年同期比57%減。

 **米ボーイングは人員と生産の大幅削減方針
  史上最悪の低迷。生き残りへ生産半減、従業員は10%削減。

 **欧州航空業界にも危機感
  独ルフトハンザは破綻処理による再建も排除せず。英BAは全従業員の約3割
  に相当する12,000人削減へ。

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  最近のボヤキ                  金融政策は視界不良
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 米国の実質GDPは1-3月期でマイナスに転じ、4-6月期には30-40%減の見通し
で、7-9月期に回復が始まる、というシナリオが定着しつつある。今年はマイ
ナス成長に止まるが来年以降はプラス成長に転じ、大規模な財政政策とFRBの
強力な金融政策が回復速度を支えるというのが株式市場の期待であろう。その
想いに応じるように、パウエル議長は新柄コロナウィルスを「中期的リスク」
と見做してゼロ金利を長期戦の中核に位置付け、FRBの限界まで政策を投入す
るという強い姿勢を見せている。

 FOMCに先立ってブルムバーグが米国の有力エコノミストを対象に行ったアン
ケート調査では、過半が少なくとも2023年末までゼロ金利を継続すると回答し
ている。雇用の最大化や物価の安定はそう簡単には戻らないという読みであろ
う。FRBの言う「中期的リスク」もその見方を裏付ける意識であり、株式市場
が期待するV字回復やU字回復とはややニュアンスが異なる、と見ておいて良い
だろう。経済の再開は歓迎すべき動向だが、多くの企業は業績よりも資金繰り
を考えるのに精一杯であり、多くの労働者は職探しに奔走することになる。
FRBのゼロ金利政策における視界は極めて不良である。

 一部の弱気派が指摘するようにコロナ第二波へのリスクも現存している。パ
ウエル議長は頑なにマイナス金利を否定しているが、景気動向次第でどう転ぶ
か分からない。筆者は米国のデフレ懸念が強まれば下半期には長期金利がゼロ
に接近することもあると考えており、ドルの上昇局面は既に終焉しつつあると
見ている。ドル円も100円に接近する場面がいずれ来るだろう。景況感が下振
れすれば100円割れもあるかもしれない。円高対策として政府・日銀には打つ
手がなく、日本経済には心理的な重石になることも想定される。中国経済への
期待もやや過剰気味だ。今次の経済再開は従来の景気循環と違い、全く異質の
ゲームの始まりを予感させるものである。
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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2020.03.31
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  本日のフィナンシャル・モニター   
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<国内モニター>

 **日経平均は前週末比304円46銭安
  コロナ懸念と円高で一時800円超安。日銀買い出動観測で下げ幅縮小。

 **政府・与党が法人税還付制度の適用対象拡大へ
  資本金を1億円以下から10億円以下に。赤字企業の資金繰りや雇用維持を
  支援。

 **トヨタがロシア工場の稼働停止
  4月3日まで。欧州6か国の工場はすべて停止。

 **トヨタ・日産・ホンダの2月生産台数が大幅減
  トヨタグループは前年同月比12%減、日産は29%減、ホンダは26%減。
  生産低迷は長期化の恐れ。

 **富士フイルムがアビガンの治験開始
  有効性を証明できれば早期に全国医療機関で処方が可能に。

 **アイリスオーヤマがマスク国内生産開始
  8月から月産量は6千万枚。政府要請で約10億円投資、宮城県角田市で生産。

 **関電が業務改善計画提出
  第三者委員会の指摘を受け工事発注見直し。隠蔽体質に問題山積み。
  
 **東京五輪は2021年7月23日-8月8日
  IOCと日本政府、東京都、大会組織委員会が合意。

<海外モニター>

 **NYダウは前週末比690.70ドル高
  ヘルスケア上昇で反発。長期金利は0.73%へ低下、2年・10年格差は50BP
  に拡大。

 **米J&Jが新型コロナ予防ワクチン提供準備
  2021年初頭にも開始と発表。9月までに治験開始、大量供給準備も。アボ
  ットは最短5分の検査機器でFDAから緊急使用許可取得。両社株急上昇。

 **WTI期近物が一時20ドル割れ
  引けも18年ぶりの20ドル台。米露首脳の電話協議でやや反発。

 **ユーロ圏3月景況感指数は前月比8.9ポイント低下
  94.5と2013年9月以来の低水準に。低下幅は過去最大。

 **独3月消費者物価指数上昇率は前年同月比1.3%
  原油価格急落で前月の1.7%から上昇幅縮小。リセッション懸念も影響。

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  最近のボヤキ                第三期公有化時代
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 各国で新型コロナ対策としてワクチン開発が進んでいる。株式市場は期待を
滲ませるが、実体経済は今日そして明日が心配なのである。日米は飽くまで現
金給付に拘っているが、最優先されるべきは自粛ムードの中でレイオフされた
人々の生活保障であって、商品券ではない。欧州では一時帰休には60-80%の給
与保証が導入されており、一部の国では過剰人員産業から人手不足となった医
療機関への雇用供給なども始まっている。外出規制だけがコロナ対策なのでは
ない。弱者に冷たく政策の数字しか頭にない日本の政治家の発言を聴いている
と、頭がクラクラしてくる。

 的を絞った財政出動は不可欠であるが、近年これだけ危機が続発して歳出拡
張が止まらなくなると、財政負担も気になるところだ。低インフレの状態で中
銀が実質的な引受を行ってもハイパーインフレが起きない僥倖に恵まれている
ことから「躊躇なく」財政ファイナンスが日本以外にも広がりそうな雰囲気に
なってきたが、それが恒常的に安全なシステムであるとは言えず、新たな現代
経済の脆弱性が醸成される。当面の懸念はないとしても、何時システムが揺ら
ぐかは予想できない。MMT信奉者であれば全く不安など感じないだろうが、筆
者には到底無理である。  

 また経済・金融危機の連発で政府・中銀の支援が当然視される中、危機が収
まっても支援策がなかなか終えられず、ズルズルと財政赤字拡大と中銀のマネ
ー増刷が定着していくことも、過去のパターンから自明となりつつある。これ
は、筆者が「金融史の真実(2014年 ちくま新書)」で描いた第三期公有化時
代の長期化仮説と実に整合的である。政府・中銀の市場介入が無ければ経済が
成立しない時代は2007年から始まったが、新型コロナはその定常化を決定づけ
ることになったように思われる。これはもはや是非の問題ではない。マルクス
の史的唯物論は忘れられて久しいが、その亡霊はまだ現代に染みついているよ
うにも思われる。
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