月刊おりがみ 発売日・バックナンバー

全270件中 76 〜 90 件を表示
801円
特集 ウキウキの春

目次
① えんぴつのブックマーク 梨本竜子 13
② ニワトリのエッグスタンド 木村スエヒロ  16-17
③ りんごうさぎの箸置き 宮本眞理子 18-19
④ ミッフィー(ナインチェ)草栁公子 20-21
⑤ ウサちゃんのメモスタンド 川手章子 22-23
⑥ 四葉のクローバーの箸袋 山田勝久 24-26
⑦ カメ 榎本宣吉 27-29
⑧ ダイヤのタイヤ 市川 学 30-31
⑨ さくらのリース 永田紀子 32-33
⑩ バスケット 川手章子 34-35
⑪ 八重桜のお皿、たんぽぽのお皿 青柳祥子 36-37

連載
①こどもとともに飾れる壁面12か月(4)4月 花とあそぶ
構成・創作:斎藤静夫 10-13
②英語でオリガミしよう(53)イースターエッグのオーナメント
青柳祥子 14-15

コーナー
おりがみギャラリーNo.351
2019おりがみカーニバル 入賞作品紹介・3 6-7
折り図のヒミツ(35) 9
NOA Information 38-41
Piazza NOA(読者の広場) 42-45
支部だより 46-47
みんなの作品展 48
高木 智氏 収蔵資料紹介21 監修:岡村昌夫 49
おりがみガーデン 50-51



こどもとともに飾れる 壁面12 か月
Month Wall Decoration with Children by Mr.Shizuo SAITO‒
構成・創作 斎藤 静夫

第4 回 4 月 花とあそぶ
Tulip and Butterfly

厳しかった冬の生活から徐じょじょ徐に解放されて、幼稚園や学校の花壇に、やわらかい太陽の光がそそぐと、福寿草や水仙などに続いて春の花々が顔を見せてくれます。
 その中でも子どもたちがいちばん親しみを感じている花はチューリップではないでしょうか。絵に描くにも単純な輪郭や色彩で描きやすく、子どもたちが日常使っているわかりやすい歌詞と、自然に出てくる音階の歌も有名です。
 ヨーロッパには「チューリップの美しさをあらわすには言葉はいらない」という諺ことわざもあるそうですが、子どもたちにとってもチューリップの花は身近な生活の中の美しさなのです。
 今回は、静的な花だけではなく、蝶々を飛ばすことで全体に動きを出しました。蝶々に好きな模様を描いてもよいかと思います。
蛇足ですが、ピアノ線に蝶々をつけて、窓辺の鉢植えにさして飾ると、そよ風に揺れて飛んでいるように見えます。楽しいので試してみてください。(斎藤静夫)


ミニ知識
◇イースター…春分の日を過ぎてからの満月のあとに来る最初の日曜日。2020 年は4 月12 日です。イースターは日本では「復活祭」と訳されてキリスト教徒の教祖キリストが死後復活したとされる大切な祭日ですが、もともとは春の女神(夜明けの女神)を意味するチュ-トン語(ドイツ人などゲルマン系諸民族の言葉)に由来するといわれています。春の女神を迎え、農作物の豊かな実りを祈るお祭りだったのです。
◇イースターバニー、イースターエッグ…イースターバニーとは、イースターの前日に野ウサギが卵を持ってくるという言い伝えに由来します。イースターエッグとは生命の象徴として贈り物や飾り物にする彩色したニワトリの卵やチョコレートなどのお菓子で作った卵です。イースターバニーが隠したとされるイースターエッグを探すのは、今でも子どもたちの楽しい行事ですが、ドイツでは昔は隠した動物がオンドリやキツネだとする地方もあったそうです。
◇イースターカード…イースターに贈る挨拶状で、ウサギやヒヨコなどの絵が描かれます。
◇お花見…桜の観賞のことを意味する花見は、もともとは春の
農作業に先立って豊作を祈って行われたもので、桜を見ながら持ち寄ったお酒やご馳ちそう走で宴会をしたそうです。桜の花見は平安時代から宮中で催され、しだいに武家社会で行われるようになり、江戸時代になると町民にも楽しまれるようになりました。
◇タンポポ…日本民俗学の父である柳田国男は、タンポポの名前は鼓に由来するとしています。タンポポの花茎を切り取り両端に切り込みを入れて水につけると両端が反り返り、鼓に似た形になります。そこからタンポンポンという鼓の響きが連想され、タンポポという名前になったというものです。
◇チューリップ…中央アジアから小アジアが原産です。シルクロードで栄えた古代中国の出土品に、紀元2 世紀ごろの男性用の袴の裾にチューリップ模様の刺繍が施されたものがあるそうです。
◇ミッフィー…1955 年6 月21 日生まれ。オランダのグラフィックデザイナーのディック・ブルーナ(1927 ~ 2017 年)が作った絵本の主人公で、子どものうさぎです。オランダ語の名前は、Nijntje(ナインチェ)で「ちいさなうさぎちゃん」という意味です。アメリカで翻訳が出版されたときに、アメリカの人たちに親しみやすいようにMiffy(ミッフィー)という名前がつきました。日本では1964 年に福音館書店から『ちいさなうさこちゃん』(石井桃子 訳)という題名で出版されています。
◇タイヤの日…一般社団法人 日本自動車タイヤ協会が4月8日に制定しました。4 月8 日としたのは、春の全国交通安全運動の 実施月から4 月を、また8 の形が輪(タイヤ)のイメージであることから決めたそうです。多くの一般ドライバーにタイヤへの関心を高めて、タイヤの正しい使用方法を広めて交通安全対策が進むことを目的とする記念日です。なお、タイヤの英語の綴りがアメリカとイギリスで異なります。アメリカではtire、
イギリスではtyre と綴ります。


えんぴつのブックマーク
梨本 竜子

見た目は半田丈直さんや熊坂 浩さんの「えんぴつ」(ノアブックス『おりがみ傑作選1』収録)と同じですが、本のカドなどにさしこんで使えるように上部にポケットを作りました。(作者)



英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson54 
Easter egg ornaments by Ms.Shoko AOYAGI
★イースターエッグのオーナメント 青柳 祥子

イースターとは、十じゅうじか字架にかけられて亡くなったキリストが、その3日目に復活したことを祝う「復活祭」で、キリスト教信者にとってとても大切なイベントです。この簡単たまごに、多産のウサギやひよこなどの繁栄の象徴を入れて飾ると楽しいと思いました。いろいろ工夫してみてください。(作者)
At Easter Festival, Christians celebrate the resurrection of Jesus that has
occurred on the third day after his death on the cross. For Christians, this
festival is as important as Christmas. In this simple origami egg, enjoy inserting
a symbol of prosperity such as rabbits and chicks that are prolific. Please try
to make different variations. (Author)


ニワトリのエッグスタンド
木村 スエヒロ

25cm角で折ると、ニワトリのタマゴが入る大きさになります。少し厚手の紙で折ると、座りがよいようです。15cm角では、食卓のつまようじ入れとして使えます。体に紙の裏側の白が出るような折り図になっているので、体に色を出したいときは表裏逆に折ってください。なお、無地でなく、柄物の紙で折っても楽しいです。(作者)



りんごうさぎの箸置きApple rabbit-shaped chopsticks’ holder by Ms. Mariko MIYAMOTO
宮本 眞理子

長崎大学で留学生たちに教える時に飾っていましたら、「これなーに?」と聞かれました。「りんご」を「りんごうさぎ」にわざわざ切って食するのは日本人だけのようで、カルチャーショック。本当に驚きました…(笑)。ただの「リンゴ」を可愛い「うさぎさん」に見立てる日本人が大好きになりました♡(作者)


ミッフィー(ナインチェ)
草栁 公子

『466号』の中島 進さんの「くまモン」に影響を受け、いろいろいじっていたら、体がミッフィーぽくなりました。さらに並行して作っていた「ふなっしー」がうさぎのように見えたのでくっつけてみたらミッフィーになりました。「ナインチェ」はミッフィーの国オランダでの呼び方で、「小さなうさぎ」という意味です。(作者)


ウサちゃんのメモスタンド
川手 章子

表と裏側にウサちゃんのお顔がついたメモスタンドです。お顔の表情を変えても楽しそう。折って楽しんでいただけたらと思いました。(作者)


四葉のクローバーの箸袋Chopsticks’ envelope with a four leaved clover by Mr. Katsuhisa YAMADA
山田 勝久

2019年の折紙講師勉強会で講習した作品です。工程数が多いですが、茎付きの四葉のクローバーが箸袋に折り出せます。メッセージ用の封筒や栞しおりとしても使えます。(作者)


カメ
榎本 宣吉
作者の榎本さんは、このカメのような折り方から恐竜や動物など色々な作品を創作されています。


ダイヤのタイヤ Tire with diamonds by Mr. Manabu ICHIKAWA
市川 学
もともとはハートとクローバの手まり(『519号』掲載)のバリエーションで、右の写真のように6枚組みの球状のユニット作品でした。今回、「組み方を少し変更してタイヤ状にしたい」との編集部の要望にこたえました。(作者)


さくらのリース Cherry blossom wreath by Ms. Noriko NAGATA
永田 紀子

工程がシンプルな桜のリースができました。糊なしのりースは紙が浮きやすいので、できあがり後しばらく重石をして平らにしていただくと仕上がりがきれいです。2020にふさわしい「五輪マーク」としても利用できます。(作者)


バスケットBasket by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子

持ち手の部分を折るところが楽しく思われました。好きなものを入れてピクニックへ。大きな紙で折ると、実用として使えそうです。(作者)


伝承作品紹介うさぎの顔 face of rabbit Traditional model


八重桜のお皿、たんぽぽのお皿Double cherry blossom dish and Dandelion dish by Ms. Sho‒ko AOYAGI
青柳 祥子

ユニットの八重桜とタンポポのお皿です。ピンクの和紙で折るととても上品に仕上がり、模様の紙で折ると右の写真のような感じでおしゃれです。タンポポのお皿も気に入っています。折ってみてくださいね。(作者)



読者広場
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 今月号はねずみの作品が多く、がんばって折りたいと思います。今月号のクイズは何度考えても図柄が反対になりました。正解ではないと思いましたが、送ることにしました。
大阪府 内藤さん
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 「着物」がよかったです。クイズ、最後に折ったところが問題の色と裏表反対になってしまいました。何度か折りなおしてみましたが、色が反転してものしか折れませんでしたがお送りします。【問題】のカラーがまちがっていないでしょうか?
大阪府 井上さん
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支部だより
第22回九州折紙コンベンション熊本大会報告
熊本支部「火の国」(支部長 中田武美) 文:事務局長 川合 勇/熊本県

2019年11月9日(土)、第22回九州折紙コンベンション熊本大会を、復興再建が進む熊本城(天守閣はほぼ完成)をロビーの窓越しに臨む「くまもと県民交流館パレア」で開催しました。
 90名余の参加者が3年ぶりの大会に「待ってました」の声が聞こえるなか奈良支部長の竹尾篤子先生の「バラのブローチ」の講習が午前中に行われました。できあがった作品に皆大満足!でした。午後からは15教室での講習があり、参加者の皆さんが折り紙に挑戦していました。
 今回の大会準備は5月25日(土)に長崎支部の宮本眞理子先生、筑後支部の伊藤晴美先生のご協力のもとスタートしました。熊本支部だけでは到底できなかったことを各先生から適切なアドバイスをいただき90余名の参加者と15名の講師の先生方をお呼びし開催することができました。特に講師の先生にあっては埼玉から日帰りで、長野から夜行バスの往復で、とハードスケジュールでの講習をしていただきました。参加者の皆様も諸先生の講習をお受けになり満足されたと思います。また竹尾先生には午前に引き続いて午後からの講習も受け持っていただきました。皆さまもきっと楽しい大会に参加できたと思われたことでしょう。
 翌10日(日)は「竹尾先生と行く 玉名おりがみツアー」がありました(宮本先生企画、17名参加)。熊本城天守閣特別公開を見学後、玉名市立歴史博物館こころピアで開催の「金栗四三展」の見学。2019年のNHK大河ドラマ「いだてん」の主人公の一人でもあります。1912(明治45)年スウェーデンの第5回オリンピックストックホルム大会マラソンに日本人初出場し、途中行方不明扱い(棄権ではない)になってしまいました。大会はそのまま終わりましたが金栗四三の記録は続いていました。それから半世紀、1967(昭和42)年ストックホルムを訪問、コースの残り分を走り42,195kmを54年8か月6日5時間32分20秒3の記録でゴールし、これで正式にストックホルム大会は閉会したそうです。昨年、スウェーデン在住の鳥本 範先生が当館を訪れゴールテープを切る写真を見られ、折り紙で高さ約20cm位の作品にされ寄贈されました。博物館の展示はすでに終わっていたのですが、関係者にこのツアーの目的を説明し特別展示していただきました。また撮影禁止のところ、これも特別に許可していただき全員で記念写真を撮ることができました。熊本大会からツアーまでいろいろな方のご協力で無事に終わることができました。これからも折り紙を通じて皆さまと一緒に楽しめたらいいなと思います。本当にありがとうございました。


山田勝久先生をお迎えして
多摩支部「山鳩」支部長 瀬田美恵子/東京都

2019年11月15日(金)、折り紙作家の山田勝久先生が「山鳩」に来てくださいました。2007年以来、2度目の講習会です。今回は参加者のみなさんに先生の創作作品の折り図を配り、それを見ながらの講習となりました。〔一部〕では工程数の少ない作品に挑戦。まずは「きつね」です。胴体を折り、太くてフサフサした尻尾、そして最後にあのキュートな面長の顔を折ってできあがり! 首から腹にかけての白い胸毛も知らないうちにできあがりました。何が生まれるか想像しながらゆっくり折りすすめてできる形。途中で「きつね」の姿が見えてきたら、しめたもの!! 「ぺんぎん」、「せいうち」、「でめきん」、それから「ソフトクリーム」。頭を自由にして折る動物たちはそれらしく、「ソフトクリーム」は溶けそうで早くなめたくなります。〔二部〕ではもう少し工程数の多い、今年の干支の「ネズミ」を折りました。とても利口そうなネズミです。折り図を見てすすむうちに迷子になりそうになり、手がハタッと止まることがあります。「1つ先の形を見比べて折りましょう!」、有効なヒントです。また折った後の形なども教えてくれる「仮想線」は縁の下の力持ち。ゆっくりやさしい語り口ですすめてくださった山田勝久先生、勉強になりました。ありがとうございました。


みんなの作品展
川口市立グリーンセンターで「新春を飾る折り紙展」開催 朝日 勇(埼玉県)
 2020年1月3日(金)~10日(金)、埼玉県川口市立グリーンセンターの緑のアトリエにて、恒例の「新春を飾る折り紙展」が開催されました。期間中、遠くは関西や信越方面などからの方々を含め多数のご来展をいただき、誠に有難うございました。
 さてここで、謹んでのお知らせをさせていただきますが、市立グリーンセンターは開園52周年の大整備事業開始のため、新年度から園内事業の多くが相当期間中止となりました。したがって18回目の今回が数々の良き思い出を残しつつの最終展でした。
 終わりに臨み、永年会場をご提供いただいた川口市並びにご支援くださった日本折紙協会、ご来展いただいた皆様方に重ねてお礼を申し上げます。


高木 智 氏 収蔵資料より
監修 岡村昌夫

着物の柄に「荷舟」が描かれている浮世絵の資料を2点紹介します。 どちらも鳥居清満(1735:享保20年-1785:天明5年)の筆によるものです。清満は、先月号で取り上げた鳥居清長(1752-1815)の師匠にあたり、鳥居家三代目の当主とし
て、江戸時代中期に活躍した浮世絵師です。

参考図書:『折るこころ 折り紙の歴史』執筆 岡村昌夫・1999年龍野市歴史文化資料館(現:たつの市立龍野歴史文化資料館)発行、『原色浮世絵大百科事典』1982年大修館書店発行、『浮世絵事典』1974年画文堂発行、『浮世絵大事典』2008年東京堂出版

【資料23】
制作年: 江戸時代18 世紀
制作地:江戸(現在の東京都)
版元: 奥村屋
絵師:鳥居清満

 右端の女性が荷舟の柄の着物です。この絵のような、真ん中の三角の突き出た部分を船の荷に見立てた「荷舟」や「宝船」など数種類の船の折り紙のデザインは、着物の柄として人気を呼びました。
 なお、手紙で紙船を折ることは広くおこなわれていたようです。

【資料24】
浮絵 新吉原之図(うきえ しんよしはらのず)
制作年: 江戸時代18 世紀
制作地:江戸(現在の東京都)
版元: 西村屋
ジャンル:大判錦にしきえ絵
絵師:鳥居清満
大きさ:31.3cm × 44.4cm

透視画法(浮絵)で遠近感を強調した画面を背景に、新吉原の大門口の賑わいが描かれています。よく見ると、右端の男性の着物が荷舟の柄です。



~日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。

~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。

~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。

~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。

現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。

3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。

おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。

[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。

[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。

[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。

この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。

来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。

~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。

~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」を東京スカイツリータウン ソラマチイーストヤード5Fで開催します。

~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)

「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト100」を購入し、テキスト掲載の全作品約100点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料3,300円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。

口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」

~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。

~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。

801円
特集 ひなまつり


◆こどもとともに飾れる 壁面12 か月
第3 回 3 月流しびな Nagashi hina-dolls
構成創作 斎藤静夫


平安時代に行われた行事に、巳年の3 月の最初の巳の日に桓武天皇が人ひとがた形で体をなで、これを川原に運んで禊祓をしたあと川に流したと記録にあります。一般にも同様な行事がはやり、『源氏物語』には須すま磨の海上で、人形を海に流すくだりがあります。その後、時代にともに祓の神事が薄れて人形は「がん具」として用いられるようになり、室町時代末期ごろからは人形が次第に精巧になって、三月三日の雛段飾りになったといわれています。
 こうして豪華になった人形は流されなくなりましたが、本来の身を清め心の汚れを託した流し雛の風習は、わずかずつ変わりながらも現在に引き継がれている地方もあります。鳥取県では、流し雛を郷土民芸として取り上げて「足利時代から伝わる風習が因いなば幡地方に残り、代々伝わっている」と紹介して流し雛を行事にしているのは全国的にも知られているところです。
 今回の壁面では、水の流れはマーカーで青い線をかすれる程度に引き、その上に銀色を重ねて、水の光を表現しました。クレヨンで描いても効果は出ます。桟さんだわら俵のパーツの数が多いですが、子どもと一緒に折る場合、折り始めの三角は子どもが折って、次は大人が折って、一つのパーツを分けて折り共同作業しても楽しいかと思います。雛に顔を描いたり、冠を付けても面白いでしょう。(斎藤静夫)



◆ミニ知識
◇雛祭り…3月の最初の巳(み)の日に水辺で体を清め、桃の酒を飲んで、穢れをはらうという中国の昔の風習(上巳の祓)が、海や川に出かけて紙や植物で作った人ひとがた形に息を吹きかけ、体をなでて水にながすことで身の穢れをおとして健康を願う、日本
に古くからある信仰と結びつきました。また、中国から伝わり、奈良、平安時代に貴族の間で行われた、曲がりくねった流れに酒杯を浮かべて杯が自分の前を通り過ぎる前に和歌を詠むという風流な「曲(ごく)水の宴」がありました。一方、貴族の女の子たちのお人形さんごっこの「雛遊び」があり、形代(身代わり)としての人形と雛が結びつき、桃の花や貴族風の装束をした雛人形を飾って女の子の健やかな成長を祈るという今の雛祭りの始まりとなりました。
◇流し雛…形代に自分の穢れや災いを引き受けてもらい、水に流す信仰が現在に伝わっている行事です。なお、江戸時代に入って、流してしまうのがもったいない凝った雛人形が飾られるようになると、飾り雛を片付けることが雛を流すことと同じことと考えられ、「雛人形をしまうのが遅いと、お嫁にいけなくなる」という言い伝えが生まれました。
◇雛人形…雛祭りに飾る人形。天皇夫妻をかたどっているものではなく、「皇族や公家の生活はこのようなものなんだろうなあ」という武家や庶民の憧れが反映されていて、その装束もさまざまで正確ではありません。毛氈の上に紙雛や内裏雛を並べて飾っていましたが、五段や七段など階段状の雛壇に、道具や供え物をあわせて飾り、豪華さを競うようになりました。現在の一般的な三段目までの飾り方を以下に説明します。最上段に男雛と女雛の内裏雛、雪洞、金屏風を置きます。向かって左に男雛、その隣に女雛を飾ることが多いです。もともとは逆で、向かって右に男雛が置かれていました。これは天子(天皇)は南を向いて位置し、日が昇る東側が上座になるという古来の考え方からですが、現在は男女左右どちらでもよいとされています。二段目に三人官女です。通常、真ん中が三方を持って坐り、両側
に長柄の酒入れと銚子(柄のない酒入れ)をそれぞれ持って立っています。眉をそって御歯黒をつけた既婚の年配の女性、あどけない少女、成人女性と世代の異なる三人を並べたものもあります。三段目に少年たちの五人囃子です。江戸時代の中ごろ、江戸で生まれました。向かって左から太鼓、大鼓、小こ鼓、笛、謡の順で並びます。これは能楽の囃はやしかた子方と謡の並びと同じです。(なお、今月号の表紙ともくじの五人囃子は、大鼓と笛の場所が
逆になっています。ご注意ください。)



◆おひなさまHina dolls by Mr. Keiji KITAMURA
北村 惠司

おびな、めびな、三人官女、五人ばやしのおひなさまです。比較的、簡単に折ることができます。すべて同じ大きさの紙で折ると左の写真のようにおびなとめびなが小さくなります。表紙の写真のおひなさまは、おびなとめびなを6cm角、三人官女を5cm角、五人ばやしを4cm角で折っています。



◆ミニひな段Tiered platform by Ms. Tomoko TANAKA
田中 具子

同じ大きさの紙を5枚使って作るひな段です。しあげにのりづけをした方がよいですが、5枚をさしこんで組み立てることができる作品です。普通の折り紙よりは少し厚めの、両面同色のタント紙や色画用紙などで折るとよいでしょう。



◆ミニ知識
◇左近桜、右近橘…京都の平安京内裏の中心に建っていた紫ししんでん宸殿は儀式を行う建物でした。「左近桜、右近橘」はこの庭の東側(左)に桜、西側(右)に橘が植えられていたことにちなみます。現在の京都市内にある京都御所の紫宸殿は1855 年に造営、平安時代の様式をほぼ復元しています。
◇ホワイトデー…3 月14 日。バレンタインデーの行事が定着すると、菓子業界はそのお返しの贈り物としてクッキーやマシュマロやキャンディーを宣伝して販売するようになりました。この動きに合わせて、全国飴あめ菓子工業協同組合がバレンタインデーのお返しに男性から女性へキャンディーを贈る日として、1980年3 月14 日に第一回ホワイトデーを設けました。「ホワイト(白色)は純潔のシンボルで、ティーンのさわやかな愛にぴったり」と名付けられたそうです。今はホワイトデーの1か月後の4月14 日に「オレンジデー」が、JA 全農えひめ(全国農業協同組合連合会愛媛県本部)によって2009 年に制定されています。「バレンタインデー」と「ホワイトデー」でうまくいったカップルが、その二人の愛情を確かなものとする日として、オレンジまたはオレンジ色のプレゼントを贈り合う日だそうです。


●ミニ知識参考図書:『家族で楽しむ子どものお祝いごとと季節の行事』(日本文芸社)、『雛まつり親から子に伝える思い』(近代映画社)、『植物と行事』(朝日新聞社)、『節供の古典』(雄山閣)、『川原慶賀の「日本」画帳』(弦書房)、『年中行事・儀礼事典』(東京美術)、『江戸ごよみ十二ケ月』(人文社)、『浮世絵で読む、江戸の四季とならわし』(NHK出版)、『イギリス祭事カレンダー』(彩流社)、『世界大百科事典』(平凡社)、『朝日新聞』(朝日新聞社)



◆おひなさまHina dolls by Ms. Noriko SUMIDA
住田 則子

子どもたちやデイケアの方たちの色紙作品用に考えました。おひなさまに笏や扇をのりづけしたり、ぼんぼりや桃の花などを一緒に飾ったりといろいろ工夫してみてください。(作者)

◆奴さんから犬Dog by Ms. Sho- ko AOYAGI
青柳 祥子

伝承の奴さんから、いろんな作品が生まれると楽しいので、試みています。耳の色を変えることで、また違った感じの犬になりました。(作者)


◆奴さんからの象さんのペーパークリップ
青柳 祥子

奴さんから何かできないかなあといろいろ考えてみた中の一つです。(作者)


◆おひなさまHina dolls by Ms. Hiroshi MIYATA
宮田 弘

人気のあるおひなさまです。使う用紙の大きさがさまざまで、切り込みもありますが、形よくしあげてください。上衣や打掛は和紙などしなやかな紙が折りやすいでしょう。紙の大きさは写真の作品で使ってあるものです。用紙が小さいので、はじめは各辺が2倍の大きさの紙で折ってみましょう。



◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson52 
Bird plate(serving plate) by Ms.Noriko SUMIDA
鳥(取り)皿 住田 則子

大きく羽を広げて大空を飛んでいる鳥のイメージで作りました。名前は主人がつけました。「鳥4 と取り4 4とをかけとるんで!」と自慢げ。お菓子をのせたりして使っていただけたらうれしいです。(作者)
I created this model with the image of a bird flying in the sky with its
wings spread wide. My husband proudly named this model “Tori Zara”
which means both a “bird plate” and a “serving plate.” I would be
happy if you put some sweets on this plate. (Author)



◆おってあそぼう!!
回るコースター 川手 章子
Spinning coaster by Ms. Ayako KAWATE

伝承の「糸入れ」を使った作品です。1枚でもまわりますが、折り紙の色の出し方を楽しんでみたいと思い、2枚合わせました。額としても使えそうです。(作者)




◆Piazza NOA 読者の広場

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 「プレゼントサンタ」のお腹のポケットが気に入りました。孫娘とクリスマスが楽しみです。「おりがみカーニバル」に孫娘たち家族と行きました。孫娘は昨年感動した作品があり、また今年もその方の作品を楽しみに行きました。「わぁ~すごい!」と驚いてばかりでした。
鳥取県 木下さん
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 「柊のリース」、「リバーシブルの木」、「サンタ」、「星の子」をセットにして知り合いにプレゼントしました。クリスマスの雰囲気もぐっと盛り上がりました。過日近くの中学校で「おり紙の文化」についてお話ししました。連載中の「高木智氏の収蔵資料紹介」が大変参考になり役に立ちました。ありがとうございます。
 福岡県 田村さん
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◆信濃支部りんどう作品展報告
信濃支部「りんどう」(支部長 成田光昭) 文:西園寺桔梗/長野県


 2019(令和1)年10月8日(火)~20日(日)の13日間、長野市東町の「ちょっ蔵くらおいらい館」にて信濃支部りんどうの作品展を開催しました。会期中の3連休を台風が直撃し、その後も天候に恵まれず、前年に比べると来館者がかなり減りましたが、悪天候の合間をぬって250名ほどの方が足を運んでくださり、うち100人以上の方が折り紙の体験をされました。
 今年は見ていただいた方の感想をひとつでも多くいただくことを目標として、そのためにお声かけをしようと決めました。その結果、70枚ものアンケートをいただきました。そのほとんどが、お褒めの言葉や励まし、そして「折り紙の概念が変わった」などの内容でした。悪天候の中、見にきていただいた方に「来て良かった」と思っていただいたことが、心のよりどころです。
 昨年の報告書(『524号』)にも少し書かせていただきましたが、会場の「ちょっ蔵おいらい館」が江戸時代の菜種油問屋を移築移転して「市民の作品発表の場」として開放されたのは、2001(平成13)年です。信濃支部りんどうの作品展は、その年から毎年開催させていただいております(一度だけ会場改修のため別会場)。会場使用の予約を取るのが大変なほど人気の会場ですが、開館年から作品展を続けている団体は、信濃支部りんどうだけ、だそうです。
 こんなにも永く作品展を続けてこられたのは、ひとえに会員の日頃の折り紙に対する精進の賜物ではありますがそれだけではなく、りんどうのことを気に掛けてくださる全国の皆様の存在もけっして忘れてはいません。ご周知の通り全国各地に甚大な被害をもたらした台風19号により、長野県も想像を絶する被害を受けました。12日から13日にかけて河川が氾濫し広範囲に渡って浸水被害の報道がなされた時には、「りんどう関係の方々は大丈夫ですか?」とたくさんの方からお電話を頂きました。気にかけてくださったことを誌面をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。そして長野県以外にも本当にたくさんの地域・人々が被災されましたので、皆様の一日でも早い復興と元の生活に戻られることをお祈りいたします。
 最後になりましたが、今回県内の協会会貝に声をかけたところ、作品展を見学に来られた方、支部への参加が決まった方などお仲間の輪が広がったこともご報告いたします。


◆第14回北陸おりがみコンベンション報告
金沢支部「金沢おりがみの会」支部長 田中稔憲/石川県


 2019年度の北陸折り紙コンベンションは11月16日(土)・17日(日)、金沢市の石川県文教会館での開催となりました。今回は大阪支部の土戸英二さんに全体講習をお願いしました。参加者は86名、各講時5教室(最終コマは4教室)の内容で行いました。講師の皆様には厚く御礼申し上げます。
 今回はなにか記念になるものをと、お地蔵様のATCカード(アーティスト・トレーディング・カード。カードサイズの小さな作品)を作って参加者全員に差し上げました。また、会場に展示していただいた作品の一部は今回も日本折紙博物館へ年明けに展示させていただこうと思っております。
 今年は、例年になく開催までに様々なことがあり、予定通り参加できなくなる方や講師も急きゅうきょ遽交代する状況等があり、当日まで不安がありましたが、なんとか無事終えてほっとしているところです。とはいえ、次回の開催場所も未定の状態で、今はさらに不安をかかえております。当日まで変更事項が次々起こって、次回場所の手配までなかなか手が回らない状況だったこともあります。とはいえ、従来より規模を縮小することになってもなんとか継続はしていこうと思っております。

さて、毎回喜んでいただいている記念の折図集についてですが、今年は印刷をコピー機に変えたことで、美しく仕上がっており、なかなか好評です。ご希望の方には例年のとおりお分けしますので、お申込みください。また、ゲストの土戸英二さんの17ページに渡る大作「キリスト降誕」の小冊子もご希望の方にお分けすることができます。
 ついてはまずお問い合わせをいただき、先着順でお分けしたいと思います。完売の場合はご容赦ください。折図集は1冊1,200円、「キリスト降誕」は400円です。



◆高木 智 氏 収蔵資料より
監修 岡村昌夫

四條河原夕涼躰(しじょうがわらゆうすずみのてい)
【資料21】
制作年: 江戸時代18 世紀
制作地:江戸(現在の東京都)
ジャンル:大判錦にしきえ絵 三枚続
絵師:鳥居清長


鴨かもがわ川の四条河原は江戸時代に、京都の大歓楽地として賑わいました。また、夏の納涼の場としても定着していました。江戸暮らしの清長は京都には行ったことはなく、江戸名所以外を描くのは珍しいことでした。この絵には川床(かわどこ、または、ゆか。茶屋や料理店がしつらえた川の上の座敷)で涼を取る女性たちがいきいきと描かれています。向かって右の絵の花火をする女性、真ん中の酔った様子の女性たち。向かって左の絵には銚子を取りかえるため廊下を渡る仲居がいます。そしてその隣の、水面に足をつけようとしている女性の着物の裾に折り鶴が描かれています。



豊歳五節句ノ遊 正月(ほうさいごせっくのあそび しょうがつ)
【資料22】
制作年: 江戸時代末期 1843(天保14)年
制作地:江戸(現在の東京都)
版元: 佐野喜
ジャンル:大判錦にしきえ絵
絵師:歌川国貞(三世「豊国」)
大きさ:35.5cm × 26cm 

『おりがみ529 号』で同じ五節句ものの「重陽」を紹介しています。今回は正月。晴れ着を身につけ、姉が羽子板、弟が奴凧を持っています。着物の袖の形のこま絵に、折り鶴が描かれています。参考図書:『折るこころ 折り紙の歴史』執筆 岡村昌夫・1999年龍野市歴史文化資料館(現:たつの市立龍野歴史文化資料館)発行、『原色浮世絵大百科事典』1982年大修館書店発行、『浮世絵事典』1974年画文堂発行、『歌川國貞 これぞ江戸の粋』2016年東京美術発行、『浮世絵大事典』2008年東京堂出版



801円
特集 春よ来い


◆こどもとともに飾れる 壁面12か月
Month Wall Decoration with Children by Mr.Shizuo SAITO ‒
構成・創作 斎藤静夫

第2回 2月 春をよぶ Welcome spring

先月号から始めたこの連載、幼稚園や保育園では教材と して、家庭では親子が楽しく共同作業できればと思いなが らの作品です。
1回目の「おめでとう」を見て、「簡単過ぎた」「年賀状 に使った」「使用枚数が多過ぎた」などなどいろいろなご 意見があるかと思いましたが、その場その場でアレンジし て創造性を生かしていただければ作品は生きてくるのでは ないかとも思っているところであります。
2月は、「春をよぶ」としましたが、現代社会では機能 的面は素晴らしい発展を見せてくれていますが、昔からの 行事や、身近な移りゆく四季などへの関心が薄くなってい るような気がしています。日本の環境の素晴らしさや、諸 行事の由来などに関心を持ってもらいたいと思い、節分の 豆まきを取り上げました。
制作にあたっては福面も鬼面も15cm角の折り紙で、 鬼面の角は7.5cm角を使用しました。また、目やほっぺ たは描いてもよいし、子どもたちが好きなシールを使って もよいかと思います。バックの豆は全体のバランスを考え ながらシールを貼ったり、描いていくのも楽しいのではな いかと思います。今回の作品には9mm~12mmの金銀 の円形シールを貼っています。(斎藤静夫)


◆ミニ知識

◇節分…節分は季節の分かれ目のことで、もともとは立春、立夏、 立秋、立冬のそれぞれの前日ですが、立春が、正月と同じよう に新年の始まりとして大切にされたので、現在まで行事が残っています。豆をまいて鬼を厄に見立ててはらいますが、これは 奈良時代、中国から宮廷に伝えられた「追儺」が起源とされて います。豆まきではなく、桃の木で作った弓、葦の矢で鬼を追いはらうというものでした。豆をまくようになったのは南北朝 時代(1336~92年。日本の朝廷が京都の北朝と吉野の南朝に 分かれた時代)からで、庶民に広まったのは江戸時代です。
◇バレンタインデー…2月14日。もともと愛の守護聖人バレン タインにあやかったキリスト教徒の祭日で、恋人どうしで愛を伝え、カードや贈り物をしあう日です。日本では女性が男性に チョコレートを贈り、思いを伝える日として、百貨店がチョコ レートメーカーと協力してキャンペーンをしたのが始まりとされています。
◇海のり苔…「のり」は「ぬるぬるする」という意味の「ぬら」からなまった言葉とされています。なお、干し海苔の製法は紙の流し漉きとまったく同じです。
◇海苔の日…2月6日。海からの贈り物である海苔に対する感謝の気持ちを込めて、全国海苔貝類漁業協同組合連合会によって、 1966(昭和41)年に制定されました。701(大たいほう 宝元)年 に制定された「大宝律令」(日本最古の成文法典)によると29 種類の海産物が租税として納められていました。そのうち8種 類が海藻で、海苔がその一つとして記載されています。この史実に基づき、「大宝律令」 が施行された大宝2年1月1日を西 暦に換算すると702年2月6日となることから、この日に定 められました。
◇猫 ねこの日…2が3つで「ニャン、ニャン、ニャン」の猫の鳴き声の語呂合わせで、2月22日です。ペットフード工業会(現 一般社団法人ペットフード協会)などペット関連の6団体が、 1987年に制定しました。同じ年に「ワン、ワン、ワン」という、 鳴き声の語呂合わせで11月1日の「犬の日」も制定されています。なお、2017年にペットフード協会の調査で、全国の犬 と猫の推計飼育数が1994年の調査開始以来、初めて猫が犬を 上回ったことがニュースになっていました。


●ミニ知識参考図書:『きみの町にコウノトリがやってくる(』くもん出版)『、京都の ご利益めぐり(』ナツメ社)『、縁起物(』自由国民社)『、世界の開運案内(』アルマット編 集部)『、にほんのお福分け歳時記(』主婦の友インフォス情報社)『、絵でつづるやさしい暮らし歳時記(』日本文芸社)『、和のしきたり(』日本文芸社)『、記念日・祝日の事典』(東京堂出版)、『日本の生きもの図鑑』(講談社)、『カエデ(モミジ)の絵本』(農文協)、 『みぢかな樹木の絵本』(ポプラ社)、『世界大百科事典』(平凡社)、『朝日新聞』(朝日新 聞社)


◆五角鶴と扇 Crane having a pentagon figure by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木ひろみ

「五角鶴」は「合格する」とかけてみました。五角形の翼を持った鶴です。五角 形の部分はポケットになっています。できあがり2はうらがわの角を折ると、扇などを立てて飾ることもできます。できあがり3と4はポケットをひっくり返して鶴の体を内側に入れました。(作者)



◆桜の花 Cherry blossom by Mr. Jun’ichiro - SOMEYA
染谷 淳一郎

正五角形は先達の作図や折り方を参考にできるだけ簡便に作るよう心がけ ました。桜の花は、2008年に、ブラジルでのイベントの募集に応じて作った作品です。自分としては正五角形を「切って」作りたくないのですが(余分 を折り込むとよい)、花の仕上がりは、切った方がよくなるでしょう。(作者)


◆節分BOX Beans box with the faces of oni and fuku by Mr. Isao KODAMA
児玉 功

ずいぶん以前に投稿した記憶がありますが、掲載されることになり本当にありがとうございます。地元で節分シーズン(2月頃)に病院に飾らせて頂 いていた作品です。表面とウラ面でお福さんと鬼がついていて楽しめる作 品となっています。箱ですので豆まき用としてもご活用ください。(作者)


◆福ふく包み Envelope with double ofuku ’s faces by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子

お福さんがついた封筒を開くとまた小さなお福さんが!おめでたい、楽しい包みができました。お守り入れにしてもいいですね。(作者)



◆漢字の上 Kanji (Chinese character) ’ ue ’ that represents the higher place by Mr. Ko -ichi DATE
伊達 光一

はじめに「下」の字(写真右)ができ、それをアレンジして「上」の字が完成しました。試作では「ななめ置き」から始めましたがいまいちだったので本作ではたて置きになっています。2画目を調節するのが少し難しかったです。(作者)


◆ひらがなの「の」と「り」 Hiragana leter”no”and
伊達 光一

節分の恵方巻に使われる「のり」のひらがなです。「の」は長谷川太市郎さんの「E」をアレンジしたものですが、一から折り直して「コーナー折 り」を利用したものです。一方、「り」は改作により文字部分をスリムにしました。(作者)



◆王冠 Crown by Mr. Takenao HANDA
半田丈直

王冠を英訳すると「クラウン」になります。「クラウン」というと丸みを帯び た形をイメージしますが、今回はミルクの王冠のように尖った部分を折りだしてみました。小さくかわいく折ってちょこんと頭に乗っけてみてください。(作者)



◆こうのとり(飛び姿) Stork by Mr.Kunihiko KASAHARA
笠原 邦彦

「折り鶴」の美しい形を別の折り方で取り入れて工夫したのが、この「こうの とり」です。⑬で羽ばたく表現ができているので、この一羽で折り紙によるア ニメーションのいくコマが撮影できます(右ページ写真)。いろいろなポーズのものを作り、モビールにしても楽しいものができます(。作者)



◆ミニ知識
◇コウノトリ…大型の白色の鳥で、羽の先とクチバシが黒く、 目のフチが歌かぶき 舞伎役者の赤い隈くまど取りのようになっているのが特徴です。昔から幸福をもたらす鳥と信じられてきました。「コウノトリが赤ん坊を連れてくる」という言い伝えはヨーロッパのドイツから起こったものですが、ヨーロッパのコウノトリはクチバシが赤く「シュバシコウ(朱嘴鸛)」という和名のコウノトリです。「松上の鶴」と呼ばれ、おめでたいものとされた鳥は実はツルではなくコウノトリでした。ツルは、木の上にとまることができないうえ、助走をしないと飛べないので、木の上からは飛び立つこともできないのです。ツルに間違われることが多いコウノトリですが、「トゥルルー、トゥルルー」と鳴くツルと違って鳴かず、かわりに上下のクチバシをたたき合わせて音を出します。かつて日本や韓国にいた野生のコウノトリは、もともと渡り鳥だったのが休憩の途中で気に入りすみつくようになった留鳥でした。江戸時代にはたくさんいたコウノトリは明治時代に入って解禁された狩猟により乱獲されました。さらに追い討ちをかけたのが、第二次世界大戦後から水田に使用された強い農薬です。卵が汚染されてヒナが育たず、えさの生き物もいなくなって数が激減しました。60年以上も前の1955年からコウノトリを保護して野生に戻す取り組みが始められまし た。1999年には、国の特別天然記念物コウノトリを保護増殖し、科学の理論に基づいて野生復帰を実践する研究機関として「兵庫県立コウノトリの郷公園」が兵庫県北部の豊岡市内に開園し ます。ついに2005年、人間が飼育した五羽のコウノトリの放鳥に成功しました。



◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson51  My heart by Ms.Hiromi TAKAGI
マイハート 髙木ひろみ

前後にポケットのあるハートです。お菓子を入れたり、封筒として中に メッセージを入れたりと、工夫して使ってください。リボンをかけてプレゼントしてもよいと思います。つるす時は、⑯でかどにひもをひっかけてからさしこんでください。(作者)
Here is the heart with pockets on both sides. You can enjoy various usages such as putting sweets inside or using this as an envelope to insert a message. You may want to tie this heart with a ribbon to give it as a present. To hang it, on step ⑯, put a string under the two flaps and then insert them in the pocket. (Author)



◆ハートのダブルペーパークリップ
青柳祥子

欲張りな、ペーパークリップができました。1つではなく、2つ繋つなげます。ハートなので、なんだかあいあいがさ的な微笑ましいクリップになりました。どんどんつないでも面白いですね。(作者)



◆手提げバッグ
青木 良

もともと「ねこのバッグ」(写真右)として創作したものです。 (作者)


◆読者広場

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「八分音符、四分音符」を父と折りました。父は黒い紙で四分音符を作り、 自分は白のオリエステルおりがみで八分音符をけっこう戻りながらもしっかりできあがりました。「グランドピアノ」 も完成しましたが全く立ちませんでした…(悲)。姉にあげたけど、不吉だと返されたです…。 兵庫県 伊達さん
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斉藤静夫先生の「壁面12か月」は、 折り数が少なくても折り紙の楽しさを 伝えてくれる作品でした。「グランドピアノ」、折り数は多いですが思ったより難しくなく折れました。「折り図のヒミツ」の手描きの折り図は温かさが伝わっ てきました。近々中学2年生に折り紙 の話をすることになりました。「高木 智氏収蔵資料」を皆に披露したいと思っています。 福岡県 田村さん ~『533号』から斎藤先生の連載が始まりました。これから12か月の間、お楽しみ ください。(編)
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◆2019「おりがみの日」記念イベントレポート
第26回おりがみカーニバル(11月11日「おりがみの日」記念作品展) 2019年11月1日(金)~13日(水) 東京スカイツリータウン・ソラマチ イーストヤード5階 産業観光プラザすみだまち処 イベントスペース 後援:東京東信用金庫協力:墨田区伝統工芸保存会

 東京スカイツリータウン・ソラマ チ5階すみだまち処で5回目の開催、 すっかりおなじみとなった「おりがみカーニバル」。今回の記念作品展 のテーマは「チャレンジ」。お寄せいただいた作品は85点、うち子どもの作品が24作品。作品は会場いっぱいに、華やかに展示されました。


◆キッズおりがみフェスタ2019  11月2日(土)~4日(月/祝) 10:00~18:00  東京スカイツリータウン・ソラマチ イーストヤード5階 スペース634

2018年から「おりがみの日」記念イベント と同時期開催になった「キッズおりがみフェスタ」を実施しました。ワークショップの種類も増えて、連日親子で大にぎわいでした。

◆表彰式/懇親会 11月3日(日/祝)12:30~  リッチモンドホテルプレミア東京押上5階SAKURA(桜)
 「おりがみの日」記念作品の表彰式と、懇親会を開催 しました。会場は前年と同じく、ソラマチの作品展会場のすぐ隣にあるホテルで、多数ご出席、軽食をとりながら参加者どうしの親睦を深めました。(入賞者、出品者一 覧は『533号』P41に掲載しています。また、今月号から、 P6-7「おりがみギャラリー」のコーナーで受賞作品の写真を順次紹介します)



◆支部だより
「公民館生きがい学級」折り紙講座開催 栃木県北部支部「折鶴」支部長 宇佐美 健/栃木県
 2019年10月25日(金)、金田南地 区公民館生きがい学級へスタッフ5名で折り紙の講座に出掛けました。 地区の高齢者(65歳~80歳)47名が参加され、最初に全員で日本折紙協 会推奨の折り鶴の折り方を学び、休憩後可愛いサンタ・モミの木・トナ カイの三班に分かれて約2時間、スタッフも生徒さんも楽しい時間を過ごすことができました。


◆World 0rigami Report
第31回ドイツ折紙コンベンションに参加しました                    
髙木ひろみ(千葉県)


2017年の秋から2年間、主人のド イツ駐在に同行してまいりました。 折り紙ボランティアに参加したり、バザーで自分で創作した折り紙作品を 販売したり、地元の折り紙サークルに参加したりと有意義な経験をしてまいりました。  2019年6月8日(土)から10日 (月)に開催された、ドイツ折紙協会 (Origami Deutschland)主催の第31 回ドイツ折紙コンベンションにも参加しました。今回は、その報告をしたいと思います。  
この集会は、ベルリンとボンにて、 1年おきに開催されて、今年の会場 は、ボン郊外にある、研修施設でした。 受付を済ませると、早速会場入りです。参加者に配布された物は、名札、折り紙、折り図集、そしてミネラルウオーターなどです(写真1)。折り紙は柄付きです。この柄を駆使して 素敵な星を折るのが皆さん大好きで す。2日目のミネラルウォーター引換券もあります。  開会式で今年の招待折紙作家が紹 介され、集会の幕が上がります。

 会場(写真2)には、折紙愛好家の作品が展示されています。私も展示させていただきました(写真3)。  今回私は「くるみ」『520号』掲載、 写真4)を題材にワークショップを1 コマ担当しました。参加者は、ドイツ人だけでなく、イタリア人、フランス 人と、さすが国際色豊かです。言葉の不安もありましたが、全員に折っていただくことができました。時間が余ってしまったのですが、皆さん、もう一 度折る! と熱心でした(写真5) 。  午後のワークショップの合間には コーヒータイムがあります。参加費よりコーヒーとおやつが用意されています。おやつはとても一人では食べきれない大きさです(写真6)。  
会場の入り口には「Origami to go」のコーナーがあります(写真7)。ここには、折った作品をあげたい人、もらいたい人が自由に利用できます。実は 私、結構これにはまってしまい、自分の作品を折っては載せて、その都度色々な作品をもらってまいりました。また、配布された折り図集のサンプルを展示するコーナーがあり、大変参考になりました(写真8)。初めは、 所々空いていましたが、時間ととも増えていきました。有志が折って置いていったのでしょうか。2日目の夜の集いでは、余興演奏、賞の授与、関係者の紹介と労いがあり、ワークショップを担当した講師陣には粗品が送られ、スクリーンには名前が表示され ました。そこに自分の名前があったことに感動しました。  以上、あっという間の3日間でしたが、記憶に残る貴重な体験でした。


◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

日本折紙協会の理事を務められた故 高木 智氏が 遺された膨大で貴重な資料を写真で紹介します。 折り紙歴史研究家の岡村昌夫さんが解説します。


 着物の柄に折り鶴が描かれている浮世絵の資料を2点紹 介します。 この連載ですでに取り上げた歌川国貞(三世「豊国」)と 歌川芳虎によるものです。歌川芳虎は生没年不詳ですが、江戸時代末期から明治時代中期に浮世絵師として活動します。のちに離れますがもともと歌川国芳の弟子で、幕末から明治には横浜絵、開化絵などで人気の絵師でした。


【資料19】
制作年:江戸時代末期 安政5(1853)年
制作地:江戸(現在の東京都)
版元:卜山口 山口屋 藤兵衛 
ジャンル:大判錦絵
絵師:歌川国貞(三世「豊国」)
大きさ:35cm×26cm 
江戸名所 百人美女 上野山下(えどめいしょ ひゃくにんびじょ うえのやました)


この絵は美人画の100枚の揃そろいもの物の1枚で、それぞれに美しい女性と江戸の名所が描かれ、美人と名所の関係を謎解く判物となっています。上野山下とは上野の山の東側のふもと一帯をさしました。もともと樹々がうっそうと茂り、池もあって、多くの鳥が飛んできて、鳥の糞ふんだらけの土地だったようです。江戸時代になって歓楽街として賑わっても鳥はたくさんいました。こま絵には背景に山の桜、手前に赤提灯を吊るした茶屋が見られ、お花見の様子です。ところで、この女性は茶屋で働く芸妓だと思われます。着替え中の女性は着物の裾を見て何かを気にしています。紺地の着物の裾に描かれた 折り鶴が鳥の糞を暗示するものになっているのです。折り鶴にとっては、迷惑な話です。


【資料20】
蘆雁(あしがん)
制作年:江戸時代末期
制作地:江戸(現在の東京都)
版元: 本泉市
ジャンル:大判錦 絵
絵師:歌川芳虎
大きさ:35.5cm×26cm 


 「 阿しからぬ便りもきくや雁の聲 」と歌があります。「悪くない(よい)知らせ(便り)も聞こえてくるだろうか。雁の鳴き声も響いている」というような意味です。女性は手紙を待っていま す。こま絵は蘆と雁 かりの絵です。女性の着物と羽織 に折り鶴が五つ紋で描かれています。  

参考図書:『折るこころ 折り紙の歴史』執筆 岡村昌夫・1999年龍野市歴史文化資 料館(現:たつの市立龍野歴史文化資料館)発行、『原色浮世絵大百科事典』1982年 大修館書店発行、『浮世絵事典』画文道発行、『歌川國貞 これぞ江戸の粋』2016年東 京美術発行、『動植物ことわざ事典』1997年東京堂出版、『江戸浮世絵展―日本人 が再発見した浮世絵』1998年長野浮世絵研究会発行、『絵解き 江戸名所百人美女 江戸美人の粋な暮らし』2016年淡交社発行




~日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。

~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。

~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。

~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。

現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。

3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。

おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。

[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。

[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。

[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。

この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。

来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。

~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。

~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」を東京スカイツリータウン ソラマチイーストヤード5Fで開催します。

~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)

「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト100」を購入し、テキスト掲載の全作品約100点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料3,300円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。

口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」

~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。

~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。

801円
特集 お正月


◆こどもとともに飾れる 壁面12 か月
構成・創作 斉藤 静夫

今月号から全12 回で斎藤静夫さんの担当で「こどもとともに飾れる壁面12 か月」を連載します。斎藤さんは、長年、小・中学校、短期大学、大学などで教育に携われ、現在、日本折紙協会の理事を務められています。

なお、今回の連載の壁面作品は『おりがみ531 号』のおりがみギャラリーのコーナーで写真で紹介しています。

今月号から季節を感じられる作品をひと月に1枚作り飾りましょう。
 園児や小学生が、先生と一つの目標に向かって協力しながら楽しく作れるようにと願って、教育現場の指導者向けに作った壁面作品です。ご家庭や高齢の方のための施設などでも楽しく使っていただけると思います。各パーツの折り数が少なく、折り方も組み合わせ方も簡単な作品です。台紙は264mm × 392mm の大きさを使いましたが、八つ切りの画用紙(271mm × 392mm)でよいでしょう。
 今月号は1 月なのでお正月。門松を表現してみました。

竹は緑と黄緑の両面折り紙で、松は金と緑の両面折り紙を使って、裏の金色が5本すっと伸びて見えるように作りました。台は普通の折り紙です。どのパーツも、大きさは18cm 角の折り紙を4等分したものです。18cm 角に近い大きさの折り紙なら17.6cm 角でも17.8cm 角でも構いません。
 背面に金紙や銀紙を3mm 角~ 6mm 角に切って貼ると、より華やかになり、おめでたい感じがします。(斎藤静夫)



◆ミニ知識

◇干支…中国で生まれた昔の年月日の表し方で、十干(甲こう・乙おつ・丙へい・丁てい・戊ぼ ・己き ・庚こう・辛しん・壬じん・癸き )と十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)を組み合わせたもので干支(かんし)と呼ばれていました。十二支のそれぞれに特定の動物、鼠・牛・虎・兎・龍・蛇・馬・羊・猿・鶏・犬・猪を当てるようになったのは、中国の戦国時代(紀元前403 ~ 221 年)ごろからとされています。この考えは他の地域にも広がり、日本にも奈良時代には伝えられていました。
◇子ね …「十二支」の最初で、動物はねずみが当てられています。子の刻こくとは午前零れいじ時を中心とする2時間、方角は真北をあらわします。ねずみは人間になじみの深い小動物です。鋭い歯でいろんなものをかじって荒らしたり、時には災害の原因を作ったりします。また、伝染病を媒介するので嫌われる存在である一方で、神様の使いとして人々に親しまれてきました。多産であることも幸福や繁栄の象徴となっています。
◇ねずみと大だいこくてん黒天…『古事記』に大おおくにぬしのみこと国主命が野原で火に囲まれて絶体絶命のときに、「内はほらほら、外はすぶすぶ(外からだとせばまって見えるけれど、内は空洞)」とねずみに穴を教えられ、そこに避難して助かるという話があります。のちに大国主命は大黒天と混同された形で信仰されるようになります。大黒天は古代インドから入って来た神様で平安時代の天台系寺院の厨ちゅうぼう房にまつられ、中世(鎌倉時代)以降恵えびす比寿とともに庶民の台所の神様として親しまれました。大国主命との関係から白いねずみが大黒天の使者と考えられるようになります。

◇ねずみと大根…江戸時代の伊万里焼きの皿に、大根にかじりついている白ねずみが描かれているものがあります。「大根とねずみ」は縁起のよい絵柄として焼き物や絵画に登場します。白ねずみは大黒天の使いとされ、大根は大黒との語呂合わせと考えられています。なお、大根と同じように「蕪とねずみ」もおめでたい図柄と考えられています。
◇ねずみと鈴…イソップ寓話に「ねずみの相談」という話があります。ねこの被害にあわないようにするためにねずみたちが相談します。「ネコが来たらすぐにわかるようにネコの首に鈴をつけよう」と一匹が提案し、すばらしい考えだとみんな賛成します。でも、だれも鈴をつける役を買って出ませんでした。なお、イソップ寓話は室町時代末期にキリスト教布教のためにヨーロッパから来日した宣教師により日本に持ち込まれ、九州の天草(現在の熊本県西部の天草市)で『伊曽保物語』として翻訳、ローマ字で出版されました。江戸時代初めには作者不祥ですが、仮名草子(江戸時代初期の仮名で書かれた小説本)の翻訳本が出版されています。
◇招きねこ…前足で手招きしているような姿のねこの縁起物の置き物です。例えば右を上げると金運、左はお客さんというように、上げる足で招く福が異なるなどといわれますが、まったく根拠はありません。
◇門松…正月に家の門や玄関の前に立てます。常緑樹の松は正月に訪れる年としがみ神様の目印となり居所になるのにふさわしいと考えられてきました。



◆鈴Bell by Ms. Kyo- ARAKI
荒木 京

③④で中央の線にあわせて折ったときに、ほんの少しすき間を開けた方がより鈴らしく見えるでしょう。


◆大根Japanese white radish by Ms. Tomoko TANAKA
田中 具子

作者の田中さんは、ねずみ年の色紙を下の写真のように大根とあわせてまとめていらっしゃいます。大根とねずみは縁起のよい絵柄として、人々に親しまれています。今回、大根を紹介します。色々なねずみとあわせてお楽しみください。なお、絵馬は『おりがみ509号』に掲載しています。



◆ねずみMouse by Mr. Keiji KITAMURA
北村 惠司

12年前のねずみ年用でも紹介された作品です。当時は右の形のバリエーションもあわせて紹介されました。作者の北村さんはシンプルなデザイン、かわいい作品づくを心がけていらした折り紙作家です。



◆漢字の子ね
Kanji(Chinese character) ’Ne ’ that represents mouse by Mr. Ko-ichi DATE
伊達 光一

ねずみ年の漢字、「子」は色んな読み方があり「子ネズミ」のこ 、「子孫」のし、「扇子」のす、などあります。12字折って「子子子子子子子子子子子子」で「ねこ(の)ここねこ しし(の)ここじし」と面白い作品ができます。(作者)



◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson50 
Mouse by Mr.Kunihiko KASAHARA
ねずみ 笠原邦彦


十二支という楽しいテーマで考えたもので、海外の折り紙愛好者に人気の紙幣で折る作品として制作しました。「紙幣折り」は切り込み、加筆、のりづけが厳禁です。お札で折ることは材料費がかかるので正方形を半分に切った紙で折り図を紹介しています。普通の折り紙で折ると、顔の部分が白くなるので、両面同色の紙を使うとよいでしょう。(作者)
With a fun zodiac theme, I created the model made from a banknote.
“Paper money folding” is popular among overseas origami enthusiasts.
For “paper money folding,” we cannot cut, draw, or glue the bill. As
using a banknote is expensive, here I present a folding diagram with a
square origami paper in half. With an ordinary origami paper, the face
will be white. So it is better to use a paper that has the same color on
both sides. (Author)



◆ねずみ君Mouses by Ms. Michie TAKAYAMA
髙山 三千江

いろんな向きを作ってみました。楽しめると思います。(作者)



◆鶴亀Crane and Turtle by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木 ひろみ

伝承作品の妹いもせやま背山の片方の鶴を亀としてみました。用紙が厚かったり、小さくて亀の頭が折りにくいときは、ただの段折りにしてください。鶴の羽を広げて立体的に飾ることもできます。(作者)



◆絵馬型パッケージEma -shaped package by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子

⑬でまとめると中にメッセージやお守りを入れることができます。両面折り紙で折っても楽しそうです。(作者)


◆竹ちくかん環Bamboo ring by Ms. Sayoko KUWABARA
くわばら さよこ

ぐるぐると竹を輪にしたら、こんな感じかなと思いました。竹の輪、チクワではなく竹環です。飾りに葉をつけると竹らしさが増しますが、吊るす場合はのりづけしてください。この先の見通しがよいものになりますように。(作者)


◆着物Kimono by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木 ひろみ

ドイツでの国際折紙会合に参加した時に『おりがみ527号(2019年7月号)』に掲載していただいた「着物のカード」とともに展示したものです。両面着物風に考えてみましたが、こちらの方が人気でした。(作者)


◆招き猫Maneki-neko (Cat figure that is said to bring good lucks ) by Mr. Takenao HANDA
半田 丈直

「Maneki Cat」で海外でも通じてしまうお馴染みの「招き猫」です。左手を上げれば人を招き、右手 を上げればお金を招くとか。どちらでもいいように、手(前足)を別に作りました。両方招きたい方は、両手4をあしらってください。(作者)


◆四角たたみ紙(香包み、星型の包み) Envelopes from a piece of square paper( Traditional models)
伝承

「たたみ紙」は平安時代の文章にも登場するほど古い言葉ですが、それは貴族たちの鼻紙、メモ用紙などのための懐中紙のことでした。しだいにものを中に入れて携帯したり、保管したりするために一定の形に折りたたんだものを「たたみ紙」や「たとう」というようになりました。



◆読者の広場

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 協会のことを初めて知り、入会したばかりです。千葉県にも支部があり、ぜひお仲間に入れていただきたいな、と思っています。難しい作品はできませんが、折り紙が大好きです。いろいろと覚えてあらゆるところでお伝えしたいと思います。今月号の「リボンのバッグ」がかわいいです。
千葉県 金子さん
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 「スペードとクラブのスタンド」は、一折りするたびに「これでよいのかしら?」と折り図を眺めてやっとできました。折りの位置により形がちがってくるので、位置加減を見ながら折るのが楽しかったです。「チェシャネコ」のようにむずかしいものもありましたが、ごくやさしいものもあって楽しく折ることができました。「起き上がりこぼし」は昔の生活の思い出されて、なつかしく思いました。お天気の悪い日に、ふと古い月刊『おりがみ』を出して見ていましたら、なつかしい作品に出会えてうれしかったです。
 東京都 池田さん
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


◆2019折紙シンポジウムin東京 レポート

第46回の折紙シンポジウムは、2年ぶり4回目の東京会場で、2日間の日程で開催されました。天候にも恵まれ、例年より1日少ないながらも、凝縮された時間の中で、皆さん楽しく過ごされたようです。

1日目/ 9 月14 日(土)
10:00、黒岩琢たくま磨理事長より開会のあいさつ。続いての講演会では、オランダ折紙協会(OSN)編集委員のJos Heijeさんより、折り紙愛好家の多いオランダの折り紙事情の紹介と、二作品の講習がありました。

 記念撮影と昼食休憩の後、作品市(作品展示)と「おりがみ教室」の予約、抽選を経て、教室広場と4つの部会が開かれました。

全5つのうち、初日に4つの「部会」が開かれました。それぞれの分野の研究テーマにそって議論し、深い知識を得るための勉強会です

初日の夜は懇親会。今回は皆さんの出し物のお披露目はなし。恒例の抽選会もそれなりに盛り上がり、いつもより落ち着いた雰囲気の懇親会となりました。

2日目もおりがみ教室は大盛況。午前、午後合わせて講師36名、45作品の講習が行われました。
 午前に一つの部会が開かれました。


◆World 0rigami Report
アメリカ フロリダ州セント・ピーターズバーグ市での“ツルのワークショップ”         
田中裕ひろこ子(香川県)


毎年、高松市は友好都市、セント・ピーターズバーグ市(フロリダ州)に高校生の親善研修生を派遣しています。今夏は現地の美術館開催の“ツルのワークショップ”についての依頼でした。ベースの鶴以外に簡単なバージョンの鶴とアーティストのためのいくつかの折り図の要望がありました。高松市の国際交流協会からの依頼で私は手探りながら日本折紙協会発行の『おりがみ4か国語テキスト』より、折り鶴、はばたく鶴、ほかシンプルな鶴のプロセス折りを詳細に作成しました。折り図については日本折紙協会に問い合わせたり、古典ものは多少難解点を工夫しました。
 2019年7月7日(日)、研修生3名に国際交流協会職員さんの通訳に助られながら事前研修会を終えました。折り方の英語は少々暗記していまし

たが本場の英語の早口質問はチンプンカンプン。しかし日米の学生さんたちと折り紙交流ができて楽しかったです。ワークショップ開催の3日前に地元のTV局のインタビューを受けた派遣研修生たちは大変緊張したそうです。7月27日(土)当日は大勢の参加者の前で紹介され、生き生きと見事に折り方講習をし、参加者全員きれいな折り鶴が折れたようです。すごい、これには感動しました。女性、男性、ご夫婦連れ、またインタビューを見て参加された方など、皆さま折り紙に興味、関心を持ってくださっていたそうです。入れ替わり、立ち替わり、140~150名の参加があったそうです。
 このご縁で私が折った作品も展示してくださり「一枚の紙で折ったのですか?」「私も折りたい」などの声もあったようです。展示作品は「鶴タワー」(川手章子創作アレンジ)、「雅鶴」(小宮はじめ創作)、「鶴亀扇鶴」(山下静子創作)、そして『秘伝千羽鶴折形』より「九万里」「花見車」「昔男」「村雲」「拾餌」etcです。まだ美術館のどこかに飾ってくださっているようです。春は中学生が中国の南昌市、秋はフランスのツール市で大学生がふれ合い交流の場で活躍中です。国際交流の一端を担う若い学生さんと関わりながら折り紙界の発展を願う令和元年でした。


◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

今回は江戸時代中期に描かれた浮世絵です。「床之姿三幅對」という三枚続の右と中の2枚です。下の資料で向かって左の絵が「右」で、向かって右の絵が「中」です。作者は田たむら村貞さだのぶ信という生没年不詳の絵師で、享きょうほう保期(1716~1736年)から延えんきょう亨期(1744~1748年)に描かれた絵が残されています。なお、当時は有名な徳川吉宗将軍の時代です。


【資料18】床之姿三幅對 右(とこのすがたさんぷくつい みぎ)、床之姿三幅對 中(とこのすがたさんぷくつい なか)

制作年:江戸時代中期 享保末(1735 年)頃
制作地:江戸(現在の東京都)
ジャンル:漆絵※
絵師:田村 貞信(たむら さだのぶ)
大きさ:各1枚 33cm × 15cm
※復刻版 


 「右」の絵には「女郎床入道中風」と題名が書かれ、右手で褄を取り(着物の褄を引き上げて歩くこと)、左手に懐紙を持った遊女が描かれています。また、「中」の絵には香を薫く遊女が描かれ、着物の裾に折り鶴、羽織にも折り紙らしきものが大きく描かれています。題名は「遊君きやらとめふう」。遊君とは遊女のことで、きやらとめは「伽羅留」で、香木の最高級の伽羅の香りを衣服や体に移すことです。遊女の前には香包みが開かれて置かれています。

ところで、ほぼ同じ時代に、奥おくむら村利としのぶ信という絵師による「床之内三幅對」という絵があります。上記の作品と着物の柄など細かいところは異なりますが、まったく同じ構図で描かれたもので、田村貞信が利信の絵を模倣したと考えられています。オリジナルの利信の絵には「右」の女性の着物の裾に折り紙の三さんぼう方のような箱が描かれています。



~日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。

~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。

~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。

~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。

現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。

3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。

おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。

[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。

[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。

[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。

この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。

来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。

~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。

~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」を東京スカイツリータウン ソラマチイーストヤード5Fで開催します。

~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)

「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト100」を購入し、テキスト掲載の全作品約100点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料3,300円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。

口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」

~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。

~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。

801円
特集 クリスマス


◆東海林伸嘉 作品集
季節の流れのなかで


◆おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami picture of Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA

最終話 笠地蔵
構成・創作 立花澄子

とうとう師走となりました。年々一年が過ぎるのが早くなります。12 月はクリスマス一色になりますが、もともとは日本のお祭りではないので年末そして年越しのイメージから「笠地蔵」にいたしました。
 このお地蔵さんは本来、六地蔵なのですが、六体折るのは大変なので三体にしました。少し小さく折れたら六体並べてもよいと思います。笠をかぶせていきますが、最後の一体には笠がなくなって困ったおじいさん。これから自分
の頬被りを外してお地蔵さんにかけてあげる場面です。
 頬被りは丸みを帯びているため、女の人のように見えてしまうので、顔をおじいさんらしくかいてください。おじいさんは冬支度をしないと雪道を歩けないので、みのとわらぐつ
を足しました。みのは肩にかけるように折りました。わらぐつは足の部分にさしこんではけるようにしたかったのですが、加減によってさしこめなくなりました。足の上に貼ってください。
 今回の色紙の情景には登場しませんが、このお話のおばあさんが素敵ですよね。年越しのものを工面するための笠をお地蔵さんにかぶせ、そして自分の頬被りまでもさしだしたおじいさんを「よいことをなさった」と労うのです。なんて心温まるのでしょう。
 これまで画用紙上に構成することが多かったので、今回の連載では色紙の大きさに苦労しました。一年間、お付き合いくださりありがとうございました。またどこかでお会いできたらいいなと思います。
 皆様のもとにお地蔵様がプレゼントを持ってきてくれますように。                (立花澄子)



◆長ぐつBoots by Ms. Tsugiyo HANAOKA
花岡 次代

サンタの長ぐつは赤と白の折り紙で。雨の日の長ぐつはカラフルな折り紙で楽しく。雪の日は白の折り紙をベースに雪道に長ぐつの足跡をのこすように。(作者)



◆ミニ知識
◇笠地蔵…全国的に広く語り継がれている昔話です。正月に歳神が来訪するという信仰に基づいた話ですが、石の地蔵が掛け声をかけながら並んで贈り物を届けにくるというシーンがユーモラスで、ほのぼのとしています。あらすじは以下のとおりです。「大晦日、貧しいおじいさんとおばあさんが何とか年越しをしようと、おじいさんが町に笠を売りに行きます。ところがひとつも売れずに諦めて帰りますが、途中、雪をかぶって立っている地蔵様に笠をかぶせてあげます。ひとつ足りないので、自分の頭の古い手ぬぐいを巻いてあげました。その晩、外で掛け声と物音がするので、戸を開け様子を見ると、戸口にお米やお餅もち、大判小判が積まれていました。笠と手ぬぐいのお礼に地蔵様たちが運んで来てくれたものだとわかります。おかげでおじいさんとおばあさんは、よいお正月を迎えることができ、そ
の後も幸せに暮らしました。」


◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson49 
Santa by Ms. Shoko AOYAGI

昨年の12月号の『520号』に掲載していただいた2枚折りの「陽気なサンタさんのグリーティングカード」に雰囲気が似ています。今回のは1枚折りで封筒にはなっていませんが、体にポケットがあるので、ちょっとしたものならはさむことができます。辺と辺とあわせて折る工程がほとんどなので、リズムよく仕上がります。カードにしてもお楽しみください。(作者)
This model is similar to “Merry Santa’s Greeting Card” published in “Origami
No.520 (December 2018)”, which was made from two sheets of paper. This
model, made from a single paper, is not an envelope, but you can insert a small
object in the back of Santa’s body. It may be also used as a card. As most
of the steps are to fold the flap simply to the edge, you can finish folding
rhythmically. (Author)


◆ミニ知識

◇クリスマス…12 月25 日。キリスト教を開いたイエス・キリストの誕生を祝う祭日とされますが、聖書には具体的な誕生日の記載はありません。北半球では12 月は冬至の月に当たります。キリストが生まれるずっと以前から、古代ローマ人は冬至を「不滅の太陽の誕生日」として祝っていました。収穫の神サトゥルヌス(英語ではサターン。英語の土曜日という意味のSaturday の語源)をたたえる「サトゥルナリア」というお祭りも12 月17 日~ 24 日まで行われていました。喧嘩が中断され、奴隷と主人が一時的に役割を交替するという社会的地位の逆転、仮装舞踏会などが催される陽気な祭りでした。また、ヨーロッパ北部でも、冬至の日に丸太を焼いて太陽を呼び戻す儀式が行われていました。古くから民衆の間に浸透していたこのような習慣を取り込んで、冬至が過ぎて太陽の力が日1 日と増すこの時期を、キリストの誕生日にしたのです。


◆プレゼントサンタSanta with a pocket by Ms. Masako FUTAWATARI
二渡 昌子

おなかに小さなお菓子などを入れてツリーに飾ったら楽しいと思います。仕上げにまるいシールを貼ると、よりサンタらしくなります。(作者)


◆星の子Star by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木 ひろみ

もともとはハロウィンの星のおばけとして「マッドスター」と名付けたものです(写真右)。手にあるポケットにさしこむとリースになります。手や足を折っていろいろなポーズがつけられます。ホイル折り紙が折りやすいです。やんちゃな星の子を楽しんでください。(作者)


◆リバーシブルの木Reversible tree by Ms. Harumi TAKEI
武井 春美

色の出し方、組み方によって両面で楽しめます。図では3段ですがもっと段を増やすこともできます。紙の大きさを変えても楽しいです。幹を広げると、立たせることもできます。(作者)


◆そりSled by Ms.Takako OGURA
小倉 隆子

梨箱の下に竹をつけた手作りのそり。奇声をあげながら、山の斜面を滑って遊んだものです。昔懐かしい形のそりができあがりました。⑦~⑩の立体的な折りが少し難しいですが、折ってみてください。(作者)



◆柊の飾りと柊のリースEnglish holly ornament and English holly wreath by Ms. Minako ISHIBASHI
石橋 美奈子

4枚組みの飾りはのりづけなく組めます。真ん中に以前「ぶどう」として発表した作品を貼り付けて柊の実としました。難しいときは赤い丸シールを使いましょう。(作者)


◆ミラーワークMirror work by Ms. Sayoko KUWABARA
くわばら さよこ

裏もきれいな両面リングです。鏡を中心に置いて放射状に糸でとめつける刺ししゅう繍の技法の「ミラーワーク」に似ていると思って名付けました。鏡の代わりにキラキラした紙をさしこむと雰囲気が近づきます。(作者)


◆ミニ知識

◇ミラーワーク…小さい鏡を糸でとめつける刺しゅうの技法です。インドをはじめアジア各地で古くから民族手芸としておこなわれ、もともとは光を反射する鏡が信仰の対象とされていて魔除けの役割があったと考えられています。この刺しゅうのやりやすい方法は布などに置いた鏡の際を鎖模様のチェーンステッチで刺し、そのチェーンステッチの内側の目をすくってボタンホールステッチで刺すというものです。

◆ハートのペンダント
Heart pendant by Hiromi Takagi
髙木 ひろみ

ハートにつるすところを作りました。③~⑦は面倒ですが、3等分をなるべく正確にしるす折り方です。ハートの表に折りすじが出ないような図になっています。 ⑩でほんの少し上の位置で折るとハートがふっくらします(P35下)。その場合の⑫と⑬の○はかさならずにズレが生じます。(作者)


◆ツーピースのお洋服Two-piece
川手 章子

何気なく折っていてできあがった作品です。ボレロ付きのワンピースにも見えるお洋服です。かわいらしい女の子のお出かけ着かもしれません。このお洋服を着たらどんな気持ちかな…と思いました。(作者)


◆ミニ知識
◇セイヨウヒイラギ…モチノキ科の常緑樹。分厚い葉にはトゲ状のギザギザがあります。5 月に花を咲かせ、秋から冬にかけて赤い実をつけます。葉は互い違いについています(互ごせい生)。実の赤い色が太陽と血の色から生命の象徴と考えられ、クリスマスの起源である冬至祭に結びつきました。なお、節分に「焼や い嗅かがし」(イワシの頭をヒイラギに刺したもの。臭さとヒイラギのトゲで鬼を追い払おうとするおまじない)などで使われるヒイ
ラギは日本に原産します。葉の見た目はセイヨウヒイラギと似ていますが、植物学的にはまったく異なり、モクセイ科で、葉は2 枚の葉が向かい合ってつきます(対たいせい生)。花は10 ~ 12 月に咲き、春に黒い実をつけます。日本で向かい合ってついた葉に赤い実をつけたヒイラギの絵がクリスマス用に描かれることがありますが、混同による間違いです。


●ミニ知識参考図書:『対訳日本昔噺集』(彩流社)、『日本昔話大成5』(角川書店)、『ビジュアル版日本の昔話百科』(河出書房新社)、『日本昔話ハンドブック』(三省堂)、『オリエンタルな刺しゅう』(NHK出版)、『お地蔵さま』(春秋社)、『クリスマス百科事典』(柊風舎)、『クリスマスの歴史』(原書房)、『クリスマスの起源』(教文館)、『クリスマスの文化史』(白水社)、『サンタクロースの謎』(講談社)、『誰も知らないクリスマス』(朝日新聞社)、『植物ごよみ』(朝日新聞社)、『植物と行事』(朝日新聞社)、『絵でつづるやさしい暮らし歳時記』(日本文芸社)、『世界大百科事典』(平凡社)、『朝日新聞』(朝日新聞社)


◆読者の広場

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 「胡蝶蘭」の折りはちょっと手ごわかったです。「ラガーシャツ」は折り図⑭⑮⑯のところがちょっとややこしく感じました。「おりがみ日本むかしばなし」シリーズは毎月挑戦して、悦に入っています。
 静岡県 青木さん
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 「仲良しウサギのリース」は子どもたちのお土産で喜ばれました。関西でも研修、教室を知りたいです。保育園の子どもたちとの交流のお土産に折り紙を使っています。
兵庫県 村上さん
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●夏休みイベントでの折り紙ワークショップ
田口健司さん(東京都)

 8月1日(木)~14日(水)に世田谷区二ふたごたまがわ子玉川のショッピングセンターで「世界の生き物ワンダーツアー」というイベントがあり、折り紙ワークショップを行いました。爬虫類を中心にいろいろなカエル、トカゲ、多摩川の魚など実際の動物たちが紹介され、大きな陸カメに直接触れることができたりしました。
 イベントは14日間ですが、直接ワークショップを行うのは最初の3日間。あとはイベントのスタッフがワークショップをするとのことでした。当初1日3回の予定でしたが、人気が高かったようで1回増え、1日4回になりました。1回20名。40~50分で2種類の作品を教えます。8/1の初日は古谷たつえさんが伝承の「亀」と「パクパクカエル」、2日、3日が「泳ぐさかな」(斎藤静夫さんの作品を田口がアレンジ)、「ヤモリ」
「ヘビ」「カメレオン」(田口健司 作)。小学校低学年を中心にどの回も盛況でした。
 折り紙の(歴史や伝承と創作、教育的な)話を最初に簡単にするのですが、普段話を聞くことがないのでしょうね、お子さん以上に保護者の方が聞き入っていました。折り紙の楽しさを感じていただけたワークショップになりました。


◆支部だより

2019年度支部活動報告
練馬支部「NOAこぶし会」支部長 服部周平/東京都

 *田たがら柄町会「折り紙教室」
 今年で連続4回目となる練馬区内町内会主催の折り紙教室が5月19日(日)に田柄地区公民館の大広間で行われ、支部より高山鈴子、鎌原美子、浦本法子(敬称略)が務め、老若男女約60名の方々が時間いっぱい楽しみました。和気あいあいの2時間で、担当責任者の松田厚生部長他、主催者のみなさんに喜ばれました。
 *研修旅行
 今年の研修旅行は7月6日(土)7日(日)の2日間、箱根の強ごうら羅山荘で行われました。

講習は藤井苑子さん、鎌原美子さんが担当し、夜はカラオケや卓球も楽しみ、親睦を深めました。
 噴火レベルが2になったため大おおわく涌谷だになどを訪れることはできませんでしたが、登山電車沿いの季節の紫陽花やガラスの森美術館なども楽しんだ充実した二日間でした。


*作品展
 恒例の支部にとって最大のイベント「作品展」が今年もおなじみの表参道ギャラリーMで開催、会員それぞれの個性豊かな作品が並べられました。猛暑の盛夏が過ぎた8月23日(金)より27日(火)の5日間、遠方の長野県からは信濃支部「りんどう」の成田光昭支部長がご来場された他、おなじみの青柳祥子先生、張替亮子先生、茂呂良一先生ら、多くの折り紙愛好者にご来場いただき、当番の会員も忙しく楽しい5日間でした。ご来場の皆様にこの場をお借りして厚くお礼申し上げます。

最終日終了後、近くの表参道・新潟館ネスパスで打ち上げ兼反省会を開き、令和元年からの支部の発展を祈りました。



◆神戸支部活動報告(2)「おもちゃ箱列車」で折り紙講習
  神戸支部「おりがみ かうべ」支部長 柴本厚子/兵庫県

8月10日(土)・11日(日/祝)の2日間、地下鉄海岸線 御崎公園駅構内で開催されました神戸市交通局主催のイベント「おもちゃ箱列車」に神戸支部が参加協力しました。
 これは駅に停車した車両4両1編成を使って、車内を「おもちゃ箱」のように模様替えしたものです。
 私たちは地下鉄の車中での講習はもちろん初めてで、(停車中にもかかわらず)時折揺れる車両に戸惑いながら、講習しました。
 子どもたちが対象でしたので、遊べる作品2つを講習しました。
 子どもたちはもとより、お父さんの歓声が湧き上がりました。できあがったけん玉を楽しそうにチャレンジしている子どもたちに、私たちも応援したりして盛り上がりました。
 いつもと同じように、完成した作品2つ、お土産とメッセージカード、日本折紙協会のパンフレットもお持ち帰りいただきました。
 同じ車両では、プラレールで遊べたり、先頭車両では運転体験できたり、他では絵本の車両や、INAC神戸レオネッサのサッカー体験ができたりと、子どもたちには楽しいイベン
トでした。
 私たちも珍しい経験をさせていただき、楽しい2日間でした。



◆みんなの作品展
おりがみ教室「折体輪」作品展と、2人展「 折舞 ORI-MY」を、この夏、続けて開催 根本聖恵(埼玉県)

7月2日(火)~7日(日)、埼玉県飯能市「生活の木・薬香草園ギャラリー」で作品展を開催しました。令和に入って最初の展示会で「海の生き物」をテーマに取り組みました。メンバー16名により4月~6月にかけて制作した作品です。
 おりがみ教室「折体輪」を始めてから5年が経ち、展示会も十数回経験してきました。何度経験しても、展示物が会場できちんと並ぶまではドキドキです。一通り飾り終えて全体を見た時、オ~イイネ~と、やっとホッとします。8月には、ワークショップ2件と2人展を
控えて、まだまだ折らねば!! との思いでした。
 苦労(?)も多いけど、その分、楽しさや感動も大きいのが、折り紙の醍醐味です!

 「折舞 ORI -MY」は、折紙講師の平田由
紀子先生と私の2人による展示会です。8月27日(火)~9月1日(日)、「折体輪」作品展と同じ会場で開催しました。今年で2回目となります。佐藤ローズ(佐藤直幹さん創作のバラ)が好評で一枚で折られているように見えないという方が多く「1枚の紙でできているのですか?」「やわらかく見える感じが不思議」などの感想が多くありました。また来年も出展予定です。今度何を折ろう、2人での合作も考えてみよう… と思っています。楽しみです。


◆World 0rigami Report
外務大臣表彰レセプション報告
       Origami Oritai 隊長 明日仁見(インド・ニューデリー)

 私たちOritaiが「インドにおける日本文化の普及」で外務大臣表彰をいただいたことは、『530号』でお伝えしましたが、先日9月19日(木)、大使館でこの表彰レセプション(お披露目会)をしていただきましたのでご報告いたします。
 平松大使は本当にお心が広く、Oritaiの現在のメンバーは60名、その全員ではありませんが、半分近くとそのご家族総勢90名あまりをご招待してくださり、また外部からも最初は50名と聞いていたのが、蓋を開けてみたら同じくらいの数で、会場は200名近くの人々で埋め尽くされ、表彰状授与式の後は大使のご要望にお応えし、ご来場のお客様のた
めにワークショップも開催し、折りたい! と思う人が増えたはずで、大変うれしく思っています。
 Oritaiキッズ、そしておじいちゃんおばあちゃんもいたりして、とてもアットホームなよい会になりました。
 会場の雰囲気は残念ながら自分では撮れなかったのですが、写真を数枚いただきましたので、お送りします。雰囲気が伝わりますでしょうか。



◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

日本折紙協会の理事を務められた故 高木 智氏が遺された膨大で貴重な資料を、折り紙歴史研究家の岡村昌夫さんが解説します。


 今回も折り鶴が描かれている浮世絵の資料を紹介します。 前回に続き、喜きたがわ多川歌うたまろ麿による1点と溪けいさい斎英えいせん泉による1点です。溪斎英泉は、江戸時代後期(1791年:寛政3年~1848
年:嘉かえい永1年)の浮世絵師です。武士の子として生まれますが、波乱万丈の人生の中で生命力にあふれた絵を制作した人気絵師でした。

【資料16】見立 源氏物語 夕顔(みたて げんじものがたり ゆうがお)
制作年: 江戸時代後期 寛かんせい政(1794 ~ 1795 年)頃
制作地:江戸(現在の東京都)
ジャンル:錦にしきえ絵
絵師:喜多川 歌麿
大きさ:38.0cm × 26.5cm
※復刻版


この絵は『源氏物語』の夕ゆうがお顔の巻に題材をとった「見みたてえ立絵」です。フランスにあるギメ東洋美術館収蔵の本作は、手前に描かれた並んだ箱枕から「二つ枕」と名付けられています。
 女性(六条御息所の生霊)の着物の裾に折り鶴の模様が入っています。その女性の着物の裾をおさえているのが光源氏。源氏の着物は亀甲模様です。
 実はこの浮世絵は三枚続の真ん中で、左側には夕顔と御付きの女性、右側には下働きの女性二人が描かれています。3 枚全体で夕顔と呼ばれた薄幸の女性の物語になっています。夕顔は六条御息所の生霊に取りつかれて急死してしまうのです。


【資料17】御利生結ぶの縁日 白銀䑓町 清正公(ごりしょうむすぶのえんにち しろがねだいまち せいしょうこう)
制作年: 江戸時代後期 文化・文政(1804 ~ 1829 年)頃
制作地:江戸(現在の東京都)
ジャンル:錦にしきえ絵
絵師:溪斎 英泉
大きさ:38.0cm × 26.5cm 



◆~おりがみ教室とは~◆
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。


教室時間割(プログラム)その他ご不明・ご要望は担当佐野までお気軽にご相談ください。
TEL:03-3625-1161 / FAX:03-3625-1162
801円
特集 ノアおんがく部

◆おりがみギャラリーNo.346
こどもとともに飾れる壁面12か月
斉藤 静夫

おりがみ日本むかし話シリーズ
構成・創作 立花 澄子

第11話 かちかち山

早いものでもう11 月ですね。11 月には紅葉の季節を経て冬に向かっていくというイメージがあります。紅葉から山の中を連想して、今回のお話は「かちかち山」にしました。
 いろいろな場面がありますが、山の中でタヌキが背負った薪にウサギが火をつけた場面にしました。「かちかち山」のタイトルの由来になるところです。石を打つカチカチという音を不審に思ったタヌキを、ウサギが「ここはかちかち山だからかちかち鳥が鳴いている」とだますのです。薪を赤くして火がついた! 大変!! 大好きなばあさまを殺されてしまった復讐とはいえ、なかなか怖い場面ですよね。
 タヌキは頭と体と尾の3 枚、ウサギには頭と体の2 枚を使って作りました。初めは両方とも1 枚折りで仕上げていたのですが、少し難しくなったので枚数を増やして簡単にしました。実はウサギの背が少し高いのが気になっているのですが、同じようにお思いの方は少し折り込んで背を低くしてもよいでしょう。
 ウサギは手をずらして動きを出すと、火打石をカチカチさせている感じが出ると思います。火打石の用紙が小さいので、四角に折ったものでもいいと思います。タヌキの背負子は薪が積み上がっているイメージです。赤色とクラフトの両面折り紙を使い、肩ヒモは細長い用紙で折って、手の部分にとおしてのりづけしてあります。
 台紙(大色紙27cm × 24cm)には薄緑色の越前和紙を回りに貼り、フチの部分に落ち葉や紅葉のイメージで和紙をちぎってのりづけしました。



◆ミニ知識

◇かちかち山…先月号の『さるかに合かっせん戦』と同じ動物昔話のひとつです。筋が残ざんこく酷過ぎますが、この話の成立した事情はさまざまな説があり謎だらけだそうです。江戸時代には「兎うさぎの大手柄」と呼ばれていましたが、兎が火打石を打って狸たぬきに背負わせた藁(柴)に火をつけるときの音を「かちかち山のかちかち鳥だ」と言ったことから「かちかち山」という題名が付きました。あらすじは以下のとおりです。
 山で畑仕事をする爺じいさまのために、婆さまが届けた食事を狸が盗んで食べてしまいます。怒った爺は狸を捕まえ、狸汁にして食べようと持ち帰ります。爺が畑に戻ると、狸は「命を助けてくれるなら、かわりに麦搗きをしよう」と婆に言います。かわいそうに思った婆が狸の縄を解いて降ろした途端、狸は婆に飛びかかって殺して汁の鍋に入れます。爺が帰ると、婆に化けた狸から汁を渡されます。食べようとしたとき、狸の姿に戻り
「お前は自分の妻を食べた爺だ」と叫び笑いながら逃げ出します。
悲しむ爺に、兎が婆の敵かたきを討うつことを約束します。爺が炒ってくれた豆の匂いで狸をおびき寄せた兎は、藁の荷を運んでくれたらお礼に豆をあげると言います。しぶしぶ荷を背負った狸の藁に兎は火をつけます。燃え広がった火で狸は背中に火やけど傷をします。兎は火傷に効く薬だとだまして、唐辛子が混ざった塗り薬を渡します。狸はそれを塗り、ひりひりとさらに苦しみますが、しばらくして狸の傷は治ります。今度は、兎は舟を作りました。
「魚を捕まえに行く」と兎から聞いて狸はうらやましくなりますが、兎のように木で作らないで、泥で舟を作りました。兎のあとから泥の舟で海にこぎ出た狸ですが、泥なので舟は沈み始めます。兎は櫂で狸をひとうちで殺しました。


◆どんぐりAcorn by Ms. Mieko SETA
瀬田美恵子
1枚折りで立体的に仕上がるこの作品は、掲載当時人気がありました。①③の折る位置によって、実と殻かくと斗(からの部分)の大きさの割合が変わります。7.5cm角の紙で折ったとき、①の※の幅を1cmくらいにすると⑧で左右のカドの白い部分があまり出ないのでよいようです。


◆八分音符と四分音符Eighth note and Quarter note by Mr. Shin MITARAI
御手洗 伸

正方形の紙から折り込んでいくので、厚手の紙だとすぐに破れてしまいます。そんなときにはあらかじめP18のような、長方形の紙で折り始めるとよいでしょう。仕上がりもきれいです。(作者)


◆ミニ知識
◇ピアノ…形によってアップライト(縦たてがた型)とグランド(平型)に分けられます。鉄の枠に張られた鋼こうてつ鉄の弦げんを、鍵けんばん盤につながったハンマーで打って音を出す鍵盤打弦楽器です。ピアノは1700 年ごろに生まれたとされ、それ以前のチェンバロ(鍵盤楽器。ピアノと違って弦をハンマーで打たずに、ひっかいて音を出します)より音の強弱の変化を自由につけられる楽器です。そのことから「弱く強く」という意味の「ピアノフォルテ」が名前でしたが、しだいにフォルテが略され「ピアノ」と呼ばれるようになりました。ピアノは指の力がうまくハンマーに伝わるように工夫されていて、その装置をアクションといいますが、現在のようなアクションで細かい表現ができるようになったのは1800 年代のことです。
◇リードオルガン…足踏みオルガンとも呼ばれ、日本では明治時代から学校教育に取り入れられてきたオルガンです。パイプオルガンのように笛から音を出すのではなく、ペダルを踏んで送られる風で、枠板に一部を固定したリード(薄くて小さな金属板)を振動させて音を出します。19 世紀中ごろ、フランスで実用化されました。


◆かわいい女の子Lovely girl by Ms. Michie TAKAYAMA
髙山 三千江

愛らしい女の子です。いろんな柄で折って楽しめます。前髪の部分にも襟えりのように切り込みを入れたり、シールを髪飾りのように貼ったりするともっとかわいらしくなります。(作者)


◆女性の指揮者Female musical conductor by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子

コマーシャルで女性の指揮者の方がカッコよく指揮をしている姿を見かけました。黒色の折り紙で折ったら雰囲気が出るかな…と思いながら折って見ました。タクト(指揮棒)は別の紙で折って持たせるようにのりづけします。(作者)


◆グランドピアノGrand piano by Ms. Patricia CRAWFORD

作者はアメリカ人女性で、名作として、人気の作品です。日本折紙協会の元理事の高たかはま濱利としえ恵さん(故人)が紹介されたものです。折りすじがつきやすい、張りのある紙で、24cm角くらいの大きめの用紙で折るとよいでしょう。


◆オルガンOrgan by Mr. Nobuyoshi ENOMOTO
榎本 宣吉

オルガンのシルエットに箱の立体化の要素を取り入れることで、型くずれしにくい、しっかりとしたつくりになっています。学習机などに見立てることもできます。


◆オペラ歌手Opera singer by Ms.Ayako KAWATE
川手章子

何気なく折り紙と遊んでもらっているうちに、気がつくと仕上がっていた作品です。15cm角で折ると小さくなるので大きめの紙で折るとよいでしょう。すそのながーいドレスを着たお人形さんのようです。幼いころ、アメの包み紙でお人形さんを作っていたことを思い起こしました。(作者)



◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson 48
Ginkgo leaves by Ms. Minako ISHIBASHI
いちょう 石橋 美奈子

いちょうの葉っぱには、切れ込みのないもの(「扇型」または「スカート型」)と、あるもの(真ん中に一本が「ズボン型」、複数本が「てのひら型」)とがあります。扇型とズボン型の2通りを折り紙で作ってみました。緑、黄緑、黄色の3色の折り紙で折って、葉が色づいていく様子を表現できます。なお、いちょうには雄株と雌株とがありますが、スボン型の葉をオスとする説があります。これは俗説で、葉っぱの形で雌雄は区別できません。(作者)
There are two types of ginkgo leaves: one without notch (called “fan” or “skirt”)
and one with notches (“trousers”: one notch in the middle, and “palm of the
hand”: several notches). I made fan-shaped and trouser-shaped Ginkgo with
origami. Folding with three pieces of origami papers of green, yellow-green,
and yellow, you can express how the color of ginkgo leaves changes. There are
male and female strains of ginkgo and it is a common saying that the leaves of
“trousers” are male. However, actually the sex of a leaf is not distinguishable by its shape. (Author)



◆楓 Maple leaf by Ms. Sayoko KUWABARA
くわばら さよこ

もみじの葉を手にとると、なぜかクルクルと回したくなります。うまく折れたら時々、クルクルします。⑳は葉が浮きにくくなるロックです。紙が厚くてかたいので、折らなくてもよいです。できあがりの形は同じですから。(作者)


◆ミニ知識
◇オペラ…歌を中心にした演劇で、歌劇のことです。16 世紀末イタリアで生まれました。o オペラpera は「仕事、作品」がもともとの意味です。
◇紅葉狩り…秋の紅葉を鑑賞して楽しむことです。もともとは宮廷や貴族の間で行われた優雅な遊びでした。彩りの鮮やかさ
を追い、小枝を手折って頭にさしたりしました。紅葉を見ながら宴を開き、和歌を詠みました。
◇イチョウ…イチョウという和名は、葉っぱの形がアヒルの足に似ていることから原産地の中国で「鴨脚」と呼ばれ、それが訛ってついたとされています。花は4 月で、花をつける雌株とつけない雄株とに分かれています。その雌雄が葉っぱの形でわかるという俗説がありますが、これは間違いです。切れ込みがない葉(扇型またはスカート型)と、ある葉(まん中にひとつの切れ込みのズボン型、複数の切れ込みのてのひら型)がなぜ存在するのかはわかっていないのですが、剪定した後に伸びる枝につく葉は、てのひら型になることがあります。剪定されるとその分の失ったエネルギーを補うために、光合成量を増やす必要があり、イチョウは葉を大きくします。しかし大きな葉は扇型のままでは風を受けて落ちやすくなります。それで切れ込みを作り、風の抵抗を減らして落葉を防ぐ役割があるようです。
また、イチョウの木は燃えにくい木で、火事が広がるのを防ぎます。材はまな板や将棋盤などとして使われます。
◇カエデ…秋になると葉が赤や黄色に美しく色づくので「紅葉」とも呼ばれています。切れ込む葉がカエルの手に見えることから、「カエル手」が変化してカエデという名前がつきました。カエデの材は、木目が美しいのでバイオリンの裏板やギターの表面板としても利用されます。


●ミニ知識参考図書:『対訳日本昔噺集』(彩流社)、『日本昔話大成』(角川書店)、『ビジュアル版日本の昔話百科』(河出書房新社)、『日本の昔話④さるかにかっせん』(福音館書店)、『新ジュニア音楽辞典』(音楽之友社)、『ピアノ誕生とその歴史』(音楽之友社)、『楽器用語事典』(リットーミュージック)、『三枝成彰のオペラの楽しみ方』(講談社)、『オペラにいこう!楽しむための基礎知識』(青弓社)、『絵でつづるやさしい暮らし歳時記』(日本文芸社)、『記念日・祝日の事典』(東京堂出版)、『日本の生きもの図鑑』(講談社)、『カエデ(モミジ)の絵本』(農文協)、『みぢかな樹木の絵本』(ポプラ社)、『世界大百科事典』(平凡社)、『朝日新聞』(朝日新聞社)



◆葉っぱの器Leaves’ basket by Mr. Toshikazu KAWASAKI
川崎敏和

正方形の半分の長方形の紙18枚を葉っぱの形に折って、「うず組み」(作者命名)にしてお椀形の器にした作品です。うず組みの他の作例については、『452号』~『457号』の川崎さんの連載「もの作り教育に役立つ幾何折り紙教材の開発」(全6回)の第3回(『454号』)に「鎧よろいだま玉」などがあります。



◆読者の広場

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 「すいか」を暑中お見舞いに使い、喜ばれました。季節にピッタリです。「お茶筒」はふたのところがむずかしかったですが、形がきれいでした。折り紙で野草や花を折ってあるのを見ますが、なかなか自分で折ることができません。よい本や折り方が知りたいです。
兵庫県 田島さん
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 「ちょうちょ」も「セミ」もいろいろな色で折り、紙に貼りました。今回は手話のサークルの交流会で行い、子どもからお年寄りまで楽しみました。かわいい虫の世界ができました。「支部だより」の「信州おりがみ交流会」の報告で、続けることのすばらしさを感じました。交流会の折り図集があったら購入したいです。
神奈川県 宮本さん
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◆支部だより
「夏の創作おりがみ展」報告
長崎支部「おりがみ伝承の会」支部長 宮本眞理子/長崎県


日本折紙協会長崎支部「おりがみ伝承の会」最初の作品展を、長崎県諫いさはや早市山さざんか茶花高原ハーブ園内『山茶花の森ギャラリー』にて7月14日(日)~8月25日(日)まで開催いたしました。展示作品はもちろん、期間中開催の「はじめてのおりがみ教室(7/28)」「アクアリウムを作ろう(8/18)」のワークショップも好評のうちに無事終えました。お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。


 ありがたいことに同会場にて次の秋冬の作品展開催日程(11/22~1/15)も決まり、次回も会員一同で和気あいあいと楽しい作品展にしようと張り切っております。たくさんの方々に会場にお越しいただきたいと一同心待ちにしております。
 文末になりましたが、山茶花高原の理事長はじめ職員の皆様方には、チラシ作製から展示、ワークショップすべてにおいて絶大なるご協力をたまわり、この場をお借りして心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。


◆神戸支部活動報告(1)私たちの10周年展開催
  神戸支部「おりがみ かうべ」(支部長 柴本厚子) 文:酒井好子/兵庫県

 7月20日(土)~21日(日)に神戸クリスタルタワー2階兵庫県立神戸生活創造センター 県民ギャラリーにおいて《私たちの10周年》と銘打って作品展を行いました。
 2009年に初代支部長が急逝、その後残されたメンバーは柴本支部長を中心にその意志を受け継ぎ、いろいろな活動に取り組んできました。この10年を振り返り、これまでの合同
作品を再構成し展示しました。展示準備中は、思い出話に花を咲かせながらの作業となりました。
 また、これまでのイベント講習作品も展示し、来場者からは「これもこれも参加しましたよ!」と嬉しいお声もいただきました。

さらに今回は特別スペースを設け、柴本支部長が《おりがみカーニバル》で受賞した作品の数々も展示しました。作品はどれも見応えがあり、来場者の足を留めていました。 
 最終日には、日頃のご愛顧に感謝し、マグロの解体ショーならぬ合同作品の解体ショーを行いました。バーゲン会場さながらの盛り上がりの中、私たちの合同作品は無事に来場者の皆さんの元にお嫁入りを果たしました。
 今回は展示のみにも関わらず、多くの方々にそして遠方からもご来場いただき、ありがとうございました。
 最後にこの場をお借りしまして、あの時、支部長という大役を引き受けて、この仲の良い神戸支部を導いてくださる柴本支部長に、メンバー一同改めて感謝を申し上げます。

◆みんなの作品展

 7月1日(月)から8月31日(土)まで、石川県加賀市の日本折紙博物館で、「遊び・四季彩作品展」を開催しました。
 四季を彩る花や行事を中心に、けん玉やブーメランなどの遊ぶ折り紙や、かわいい動物、指輪などのアクセサリーを展示しました。参加者に人気があったのは、指輪などの折り紙
の切れ端を入れた万華鏡でした。くるくる回しながら四季彩を味わってもらいました。


◆World Origami Report
フランス折紙協会(MFPP)を訪ねて   松井佳容子(京都府)
4月24日(水)から5月1日(水/祝)まで、フランスのパリに、観光を兼ねてフランス折紙協会(MFPP)を尋ねました。パリには、京都支部でゲスト講師を務めていただいた日本人の折り紙作家・佐藤直幹先生が在住なさっていて、ご本人も会員であるフランス折紙協会をご紹介いただいた次第です。佐藤先生が案内してくださった事務所はパリの中心部を少し離れて、「下町」といった感じの場所にありました。すぐ横に電車の線路があり、ときどき私の大好きなTGV(フランスの超高速列車)が走っていて、折り紙同様、ウキウキとその雄姿をスマホに写メすることも、とても楽しかったです。…なにしに行ったのやら(´・ω・‘)。
 協会事務所では、定例の例会が開かれて、老若男女15名ほどの会員さんがにこやかに、かつ熱心に折り紙を折っておられました。会長のJean-Jacques(ジャン・ジャック)さんは自作の「リス」を講習してくださり、私は自著のカバーとなっている「香鈴」を講習させていただきました。講習の最中にも、会員さんらしき方が頻繁に出入りされていて、協会
事務所は「折り紙仲間の楽しいたまり場」といった活気ある場所となっていました。
 協会の役員さんとの食事では、フランス料理もご馳走になり、お腹もいっぱいの「楽しく、美味しい、折り歩き」となりました。
 フランス折紙協会のみなさん、そして佐藤先生、ありがとうございました。


◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

 今回も前回に続き、折り鶴が描かれている浮世絵の資料を紹介します。江戸時代後期の浮世絵師、喜きたがわ多川歌うたまろ麿による2点です。『古典にみる折り紙』(高木 智 著、1993年 日本折紙協会 発行)の記述によると、高木先生が浮世絵に描かれた折り紙作品を最初に見つけたのは歌麿の絵だったそうです。

【資料14】
高名美人見立 忠臣蔵 十段目えびすや(こうめいびじんみたて ちゅうしんぐら じゅうだんめ えびすや)
制作年: 江戸時代後期1794(寛かんせい政6)年頃
制作地:江戸
ジャンル:錦にしきえ絵
絵師:喜多川 歌麿
大きさ:38.0cm × 26.5cm

 喜多川歌麿(1753:宝ほうれき暦3 年? ~ 1806・文化3年)は、有名 な浮世絵師ですが、伝記的に不明な点が多い人物です。
 浄じょうるり瑠璃や歌舞伎で大人気の、赤穂事件を題材とした『仮名手本忠臣蔵』の各段を描いた揃物(11 作品)です。有名な美人を登場人物に見立てた
「見立絵」。この十段目は討ち入りの武器を調達した天あまかわや川屋義平の見立て
になっています。長持の上の「天川屋義平は男でござる」が、女性として描かれています。その女性の着物の裾に折り鶴の柄があります。

【資料15】
浮世忠信蔵 十一段目(うきよちゅうしんぐら じゅういちだんめ)
制作年: 江戸時代後期 寛政年間頃
制作地:江戸
ジャンル:錦にしきえ絵
絵師:喜多川 歌麿
大きさ:38.0cm × 26.5cm 



◆~おりがみ教室とは~◆
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。

[折り紙教室料金表]
1.講師報酬:講師1名につき、12,600円(拘束3時間以内・対象40名まで)
※対象60名まで2名、80名まで3名、100名まで4名の講師が必要です。
※標準的な時間割は、講習1コマ45分(2作品)、準備・休憩15分です。

2.超過料:3時間を越える1時間毎に講師1名につき、2,100円を加算
3.材料費(折り紙):実費(一人100円程度+会場宛送料)※そちらで用意する場合は不要。
4.教材費(教本等):実費(内容により不要)
5.講師交通費:実費
6.講師昼食代:実費(時間帯による)
7.講師宿泊費:実費(日程による)
8.管理費:上記1~7の合計金額の50%がマネージメント料として加算されます。
※上記料金は消費税込み

※折り紙教室料金のご請求とお支払いについて
折り紙教室実施後、講師が協会に提出する「折り紙教室実施報告書」に基づき請求書を作成し、ご送付申し上げますので、ご検収の上日本折紙協会へお支払いください。
※講師への報酬等は日本折紙協会から講師にお支払いいたします。

折り紙教室でご準備いただくもの
1.予定参加人数分の机とイスをご用意ください。
2.入門証等の証明パスが必要な場合は、手続き方法と通用口をお知らせください。
3.宿泊を必要とする場合は、宿泊場所の手配の有無をお知らせください。
4.講師の人数に応じた講師控え室を教室付近にご用意ください。
5.作品展示をご希望の場合は、事前にご相談ください(別料金)。


教室時間割(プログラム)その他ご不明・ご要望は担当佐野までお気軽にご相談ください。
TEL:03-3625-1161 / FAX:03-3625-1162
801円
特集 ハロウィン


◆おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami picture of Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA
構成 立花 澄子


第10 話 さるかに合戦
The monkey and the crab

 10 月といえば実りの秋、柿やぶどうがおいしい季節です。柿といえば、やはりサル!を思い出し、今月は「さるかに合戦」にしました。合戦というからにはカニがサルをこらしめる場面がクライマックスですが、登場人物!? が多すぎるので、お話の始まり、つまりサルとカニの出会いの場面を表現することにしました。
 台紙(大色紙27cm × 24cm)には越前和紙の黄緑と茶色を貼って背景を作り、ちぎった白い和紙を雲にして浮かべました。茶色は2 ~ 3cm 幅のもの5本をほんの少しずつ重なるようにしてのりづけしました。
 主役のサルとカニに比べて、柿の種とおにぎりが大きめです。交換するものを強調しましたが、小さく折りたい方は挑戦してみてください。反対に折るのが大変という方は描いてもいいと思います。
 カニの足は実際はもっとたくさんありますが、簡略化いたしました。目玉の部分は5mm の丸シールを貼っていますが、これも描いて表情を出してもよいと思います。目の沈め折り(⑥~⑩)が難しかったら白い三角の部分を出さずに、直接体に目を貼ってもよいと思います。 (立花澄子)※「さるかに合戦」のあらすじは、P14のミニ知識の欄に掲載しています。 



◆ミニ知識

◇猿さるかにかっせん蟹合戦…動物昔話のひとつです。赤本(江戸時代の中ごろから出版された表紙が赤く、本文10 ページの子ども向けの絵本)に話が見られます。明治20(1887)年になって、尋常小学校の教科書にも取り上げられ、広く知られるようになりました。この話にはいろいろなすじを持つものがありますが、代表的なものは以下です。「蟹が猿の柿の種と自分が持っていたおむすびを交換します。蟹は種を植え、実がなるのを楽しみにします。木が大きくなり、実をたくさんつけます。そこへ猿がやって来て、取ってやろうと木に登って熟した柿を食べてしまいます。蟹には渋柿を投げ付けます。石いしうす臼、焼き栗、大蜂などが蟹の味方をして、猿をこらしめます」。なお、江戸時代の赤本では、蟹を助けるものが玉たまご子、包ほうちょう丁、まな箸ばし(料理用の長い箸)、熊ん蜂、蛇、手杵(太い棒の中央のくびれた部分を持ってつく杵)、荒布(コンブのこと)、立たちうす臼(餅などをつく臼)、蛸たこなどと多く登場します。


●ミニ知識参考図書:『対訳日本昔噺集』(彩流社)、『日本昔話大成』(角川書店)、『日本の昔話百科』(河出書房新社)、『あっと驚く謎解き日本昔ばなし』(太陽企画出版)、『ビジュアル版日本の昔話百科』(河出書房新社)、『世界大百科事典』(平凡社)、『朝日新聞』(朝日新聞社)、『魔女と魔女狩り』(刀水書房)、『中世の祝祭』(原書房)、『ハロウィンの文化誌』
(原書房)、『マイ・ヴィンテージ・ハロウィン』(グラフィック社)、『イギリス祭事カレンダー』(彩流社)、『ヨーロッパの祭りたち』(明石書店)、『猫の神話』(新紀元社)、『フクロウの民俗誌』(平凡社)、『絵でつづるやさしい暮らし歳時記』(日本文芸社)、『記念日・祝日の事典』(東京堂出版)


◆キャンディCandy by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木 ひろみ

一度折った紙をもどして使う、折り紙の再利用作品として考えました。ちょっとくたびれた紙でも楽しめます。15cm角の半分の紙で折ると、リアルな大きさになります。(作者)


◆お手軽ケースSimple case by Ms. Ayako KAWATE
川手章子

1つのパーツがするりとでき、もう一つを折って組み合わせてみました。比較的しっかりとしたケースに思われました。お手軽になんでも入れて使ってくださったらと考えます。一つのパーツだけでも真ん中を開いて立体にするとケースになります(写真右)。(作者)


◆リボンのバッグBag with a ribbon by Ms. Masako FUTAWATARI
二渡昌子

『おりがみ456号(2013年8月号)』に載せていただいたバッグを少し違うタイプにしてみました。リボンは片側だけにして工程を少なくしました。形もよりふっくらとかわいくなりました。(作者)



◆盆灯籠×2+箱=猫のお菓子入れ
青柳 祥子

今までありそうでなかった作品。伝承の盆灯籠と箱から黒猫のお菓子入れができました! 簡単なので、ハロウィン用にたくさん作れますね。楽しんでくださいね。(作者)


◆魔女Witch by Mr. Nick ROBINSON
Nick ROBINSON

ほうきと魔女を同じ大きさの紙で折って、ほうきにのった魔女を表現しています。簡単なのでたくさん折って楽しんでください。(作者)


◆ミニ知識
◇ハロウィン…10 月31 日の夜。2000 年以上も前のケルト人(古代ヨーロッパのアイルランド、スコットランド、イギリスなどに住んでいた先住民)のサウィン(サムハイン)祭が起源とされます。ケルト人の暦では11月1 日が新年で、冬が始まる日でした。その前夜には冬の訪れを喜ぶ死霊、妖怪、魔女などが現れ人々に悪さをして回ると信じられていました。人々は魔物から身を守るために、篝火をたきました。キリスト教徒が布教のために、死霊が現れるとされるこの祭をキリスト教と結び付けました。Halloween はAll Hallows Evenオール・ハロウズ・イーブン(万聖節前夜祭)の略で、万聖節とはすべての聖人を記念する日、Hallow は古期英語のアングロ・サクソン語で聖人(saint)を意味します。時が過ぎ、19世紀中ごろにはハロウィンの風習はイギリスではすたれていましたが、新天地を求めてイギリスからアメリカへ渡った移民たちがその風習を守りました。そして現在のような、仮装、パレード、お菓子をもらいに回る子どもたちなど、家族や友人や地域の人たちがともに楽しむイベントに変化し、それが世界じゅうに広まっていきました。

◇ ”Trick or treat!”(ごちそうくれなきゃ、いたずらするぞ!)
…子どもたちがお菓子をもらいにまわるハロウィンでのイベントのときの言い回しです。大人たちは“I’m scared.”(わぁ、怖い)といて、お菓子や果物を子どもたちにあげます。なお、trick はいたずら、treat はごちそう、つまりお菓子の意味です。
◇ハロウィンの仮装…さまよう霊に出会ったとき、自分だとばれないように聖人や妖精の格好に変装したのが仮装の始まりとされています。
◇フクロウ…フクロウは夜行性ですが、曇りの日には日中も活動します。視力と聴覚が優れていて、生きた動物を捕まえて食べます。古来、ヨーロッパでは無気味な情景や死の世界のイメージが強く不吉な鳥とされますが、その一方でギリシャの女神アテネの従者であることから知恵の象徴ともなっています。なお、ミミズクは羽角(耳のように見える飾り羽)のあるフクロウのことです。

◆チェシャネコCheshire Cat by Mr. Nick ROBINSON
Nick ROBINSON

このネコは1992年にジョン・スミスとBOS(British Origami Society)が企画した「不思議な国のアリスの折り紙作品コンクール」に出品したものです。3部門の一つで優勝した思い出深い作品です。(作者)


◆ミニ知識
◇チェシャネコ…わけもなくにたにたと笑うネコです。1865年、イギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(1832-1898 年)がルイス・キャロルというペンネームで書いた児童小説『不思議の国のアリス(Alice’s Adventures inWonderland)』に登場します。イギリスには「わけもなくにやにや笑う」という意味で’grin like a Cheshire cat ’ という
言い回しが18 世紀末にはあり、それを使った名前です。なお、grin とは「歯をむき出して笑う」という意味です。ルイス・キャロルがなぜチェシャネコという名前をつけたのかははっきりとはしていませんが、キャロルの故郷がチェシャ州であることが関係しているようです。チェシャ州はネコの顔の形に似ていて、酪農が盛んな地域でチェシャチーズという歴史のあるチーズの産地です。このチーズが、昔、笑い顔のネコの形で作られ売られていたのが慣用句の由来とする説があるそうです。『不思議の国のアリス』とその続編の『鏡の国のアリス(Through the Looking-Glass』(1871 年発行)は人気のイラストレーター、ジョン・テニエルが挿さしえ絵を担当、小説の場面をみごとに表現し、大評判になりました。
◇スペード、クラブ…ともにトランプの4つのマークの一つで、他はハートとダイヤです。トランプは53 枚(4種各13 枚+ジョーカー1 枚)からなる西洋のカードゲームで、トランプという呼び名は日本だけです。正式には「プレイング・カード」または、たんに「カード」が名称です。4種類のマークはもともと中世のヨーロッパの階級を象徴したもので、スペードが王侯・貴族の剣、クラブが農民の棍こんぼう棒、ハートが僧侶の聖杯、ダイヤが商人の貨幣を表していました。


◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!

起き上がりこぼし 笹川勇

福島県の会あいづ津地方に伝わる「起き上がり小こぼし法師」をイメージして作りました。簡単に折れて、楽しく遊べます。(作者)
I have created this model in the image of “Okiagari Koboshi (getting up
young monk)” of the Aizu region of Fukushima prefecture. It is easy to
fold and fun to play with. (Author).


◆蜘くも(かやら草より) Classical spider introduced in Kayaragusa(the memorandums by Mr.Kazuyuki ADACHI in Edo era)
古典

この作品は足あだちかずゆき立一之が、江戸時代1845(弘こうか化2)年ごろまでに230余冊に書き写した資料集に記載されたものです。足立一之は初めは「なにやら草」、第21冊目から50冊までを「かやら草」と名付けました。「何やらかやら」を書き集めたものの意味です。続いて第231冊までを書きましたが、全体の題はついていません。第27冊目と第28冊目に折り紙の記述が見られます。

◆ネコちゃんKitty cat by Ms. Ayako KAWATE
川手章子

暑い夜、ふと折り紙を手にして生まれてきてくれたネコです。頭と体はほぼ同じ折り方です。体を少し広げると立ちます。背中のスキマにメモなどがさしこめます。(作者)


◆きのこのおうちMushroom house by Ms. Tomoko TANAKA
田中 具子

同じ大きさの紙2枚で折ります。『おりがみ106号』では遊園地の特集で紹介されました。


◆フクロウOwl by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木 ひろみ

お土みやげ産屋さんでフクロウの置物をよく見かけます。フクロウは「知恵」を象徴する鳥だそうです。折り紙でフクロウを折って「知恵」を授かりたいものです。(作者)

◆スペードとクラブのスタンド
市川 学

ハート、ダイヤ、クラブ、スペードのトランプのマークのスタンドを作りました。(作者)


◆伝承作品紹介
こうもり


◆読者の広場

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 「宇宙飛行士」は足の部分が不安定でしたが、微調整して立たせることができました。人類初の月面着陸(月面に降りた!)から50年も経っているのですが。あのときは感動しました。5色5枚で「5枚の組み合わせ鶴」を折ってみました。差し込み部分がはずれやすくずれたりしましたが、カラフルで大きな鶴ができました。
青森県 原子さん
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 連載「折り図のヒミツ」は、ただ折るだけでなく、方眼紙を使って、折った後の
形をイメージして描いていく、など具体的でワクワクしながら読みました。もっと知りたいです。次回も楽しみです。「大阪支部作品展」の土戸英二さんの「サクラソウ」がとても素敵ですね。花や山野草、道ばたの花に興味があり、折り紙で折れたらいいなーと思っています。
兵庫県 田島さん
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◆支部だより

2018年「おりがみでハロウィン」作品展
香川支部「おりがみKAGAWA」支部長 四角整子/香川県

こんにちは!! ごぶさたしていました。支部としての活動および年1回の作品展は地道におこなっていたのですが、なかなか皆様にお伝えすることができず、失礼しておりました。
 2018年9月18日(火)~23日(日)、NHK高松ふれあいギャラリーで「おりがみでハロウィン」と題して、『月刊おりがみ』の作品を再現しました。テーマを早くに決めていたので、各自イメージがひろがり取り組みやすかったようです。みんなでワイワイ言いながら、作品展を楽しみました。NHKニュースでも放映されました。


◆みんなの作品展
こえど折り紙の会の展示会を鑑賞して 守屋 岩夫(埼玉県)

こえど折り紙の会は、江戸の伝統技術で作られた江戸犬張子の技術の継承者であった折り紙講師の飯田省三さん(故人)が、川越のお年寄りの方々に作品を教え始めたのが始まりです。飯田先生亡き後鶴嶋ひろみ先生が後を継ぎ、会場も新しくできた川越市のウエスタ川越の学習施設を利用して、月に1回多くの会員が参加して折り紙教室が開かれています。
年を重ねて皆さんの技術の向上は著しく、作品の展示会をとの声を機に初めての展示会を6月12日(水)から20日(木)、ウエスタ川越の2階で開催することができました。展示作品
の一部と集合写真を皆様にご覧いただきたく紹介いたします。
 会員は35名を超える女性ばかりの大所帯で、伝統の作品から『月刊おりがみ』に発表された数々の作品を中心に鶴嶋先生の丁寧で熱心なご指導の下にここ数年間に作成したものが展示され、市民の皆様にもご覧いただき好評を博しました。


◆World 0rigami Report

OUSA折り紙コンベンション参加レポート
中島 進(日本折紙協会常任理事/埼玉県)

2019年6月20日(木)~26日(水)、『522号』と『523号』で参加をつのった「OrigamiUSAコンベンション参加ツアー」が実施されました。同行した日本折紙協会 中島 進常任理事が報告します。
今回、7日間かけて、ニューヨークに14名で行きました。
 前回は、2014年でしたので(『470号』に報告記事)5年ぶりの参加で、また今回は会場が、マンハッタンから離れ、東側の橋を渡った地区のクイーンズで、少し不便を感じましたが、楽しいツアーとなりました。
 アメリカの参加者の皆さんとは、5年ぶりで会えて、歓迎されました。
 今回の会場は、クイーンズにあるSt Jones’ Universityで、大変大きなきれいな大学でした。私たちのホテルもクイーンズにありました。特別ゲストは、ヨーロッパのDasa Severovaさんと、日本の神谷哲史さんでした。
 日本折紙協会より、田中先生、宮本先生(写真下2枚)、中島が教室で教え、他の方も夜の交流会場で教えて喜ばれました。
 会場では、折り紙作品が展示されていて、日本からのものも展示しました。

最終日の懇親会の時には、Wendy Zeichner会長に、黒岩琢磨理事長の信書をわたし、またWendy会長より、日本より、たくさんの人が参加したことに感謝のあいさつがありました。今後も、さらに折り紙交流を深めていきたい、との言葉がありました。
 こののち、後半は、ホテルをマンハッタンに移り、各自で、NYの観光を楽しみました。
 今回参加できなかった方も、次回はぜひ一緒に行きましょう。


◆World 0rigami Report
ポーランドで折り紙交流       
青柳祥子(埼玉県)

ポーランドのおりがみグループGalician Group Origamiは、今年創立18年を迎えます。18歳が成人年齢のため、その記念すべき第18回
Outdoor Origami Meeting (以下OOM)にスペシャルゲストとして招待されました。
 OOMは、毎年テーマがあります。今年のテーマはHoliday Spirit。参加者はそのテーマに沿って展示及び、教室で教える作品をつくります。私は、森に小動物に会いにいくというテーマでトランクや、リス、小鹿、ハリモグラなどの小動物、桜やタンポポのお皿等を創作しました。
 「ポーランドの京都」といわれる美しい街クラクフでコンベンションはOOMは毎年行われます。
 ヴィスワ川は、ポーランド最長の川。ポーランドとスロバキアの境にそびえる山から源を発し、ポーランド国内を大きく蛇行しながら北へ流れ、バルト海へと注いでいます。
 その川沿いで1日目が始まりました。折り紙散歩です。(5月2日16:00~18:30)(地図参照)

 ヴィスワ川には5本の橋が架かっていて、リーダーのトーマスさんがそれぞれの橋の歴史を説明しながらそれにまつわる折り紙を折るのです。これが新鮮で楽しかったです。ちょうど日本折紙協会の近くの隅田川沿いを、橋の説明を聞きながら歩くような感じでしょうか。
 5月3日~5日まで3日間小学校を借りきって展示及び教室、ゲスト青柳祥子の折り紙レクチャー(1時間)などが行われました。
 午前中の折紙教室、ランチを挟み14時~15時までは全員参加の特別イベント、16時~19時まで折紙教室といった流れです。ランチは小学校の給食そのものでしたが、美味しくてビックリです。
 折り紙教室は、タイムテーブルにレベル別に4つに色分けされていて、教室選びに全くに無駄がありませんでした。私は3日間で、10教室担当しました。いろんな国の折り紙仲間と出会え、会話できて情報交換しました。夢のような時間でした。
 OOMの後は、ワルシャワに移動し、小学校の先生方35名、また子供たちに折り紙講習をしました。おすわりワンワン(『385号』掲載)は特に喜ばれました。
 なお詳細は私のホームページ https://www.shoko-origami.comにも載せていますが、ワルシャワの小学校の校長先生NA T A L I AGUZOWSKAさん(女性)の写真はプロ並みですので、こちらの作品ギャラリーサイトをぜひご覧ください。
https://www.myiorigami.pl/xviiiplener-origami-krakow/



◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

2013年に折り鶴の図柄としては最古となる資料が発表されました(『おりがみ 461号』)。安あづちももやま土桃山時代末期に作られた
後藤栄乗製作となる小こづか柄に彫金で描かれた折り鶴です。小柄は小刀をつけて今のペーパーナイフのような役割で使われる、武家の男性の持ち物でした。この資料は武家社会の男性の間で折り鶴が生まれ、それが100年かかって都市にくらす人々に広まっていったという証拠になりました。
 1700年前後の元禄時代には友禅染めの着物のデザイン見本帳に折り鶴の模様が現われ、女性の文化として花開いていたと想像できるのです。
 折り鶴はこの連載2回目(『517号』)紹介の『新雛形千歳袖』をはじめ、高木先生の資料にも多く見られます。今月号からしばらくそれらの資料を写真で紹介しましょう。

参考図書:『折るこころ 折り紙の歴史』執筆 岡村昌夫・1999年龍野市歴史文化資料館(現:たつの市立龍野歴史文化資料館)発行、『原色浮世絵大百科事典』1982年大修館書店発行、『浮世絵のなかの子どもたち』1993年くもん出版社発行、『肉筆浮世絵美人画の世界-春信・清長・歌麿・北斎・広重ほか-』2016年東京 宝島社


【資料12】
制作年: 江戸時代中期 1765(明めいわ和2)年
制作地:江戸
ジャンル:錦絵
絵師:鈴木春信
大きさ:21.3cm × 28cm
※わか井おやぢ(若井兼三郎) 刊 京都便利堂 復刻版より 

鈴木春信(1725 ~ 1770 年)は、 多色槢木版画の錦絵を成立させた中心的絵師です。清楚で上品な美人画を描き、見立絵と呼ばれた、遊郭や街中の日常生活の情景に古典や和歌の意味を結びつけた絵を好んで描きました。この絵もその一つです。
 菊慈童とは中国の周の穆王に仕えた侍童で、罪を犯し南陽郡の酈県に流され、そこで菊の露を飲み、不老不死の仙童になったという伝説があります。
 少女の着物に折り鶴が描かれています。


【資料13】
制作年: 江戸時代中期 1789(寛かんせい政1)~ 1801(寛政13)年
制作地:江戸
ジャンル:錦絵
絵師:鳥ち文斎 栄之
大きさ:37.4cm × 25.6cm

鳥文斎栄之(1756 ~ 1829 年)は、 本名は細田時富。浮世絵師としては珍しく武家の旗本の出身です。鳥居清長を尊敬し、画業に入った当初は清長に似た絵でしたが、寛政期に
は独自の画風でたおやかな美人画を描き、同時代の喜多川歌麿にも影響を与えました。
 「七小町」とは小野小町(平安時代前期の女流歌人。恋歌が多く絶世の美女とした伝説が残っています)を題材にした七つの謡曲のことで、この絵も上記の菊慈童と同じ「見
立絵」です。
 女性の振袖の着物に雪輪とともに折り鶴が描かれています。  


協会ホームページに折り紙用紙のショッピングカートができました
約400種のラインナップをそろえてお待ちしています!
http://origaminoa.cart.fc2.com/

~日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。

~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。

~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。

~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。

現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。

3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。

おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。

[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。

[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。

[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。

この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。

来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。

~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。

~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」を東京スカイツリータウン ソラマチイーストヤード5Fで開催します。

~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)

「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト100」を購入し、テキスト掲載の全作品約100点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料3,240円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。

口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」

~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。

~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。

801円
特集 9月のイベント

◆おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami picture of Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA

第9 話 かぐや姫Kaguyahime (The bamboo princess)
構成・創作 立花澄子

 9 月は中秋の名月、月の美しい季節ですね。そして月といえば、うさぎやお月見、かぐや姫が連想されます。久しぶりにおじいさんに登場してもらって、竹やぶの中でのかぐや姫との出会いを色紙にしてみました。色紙はいつも大色紙(27cm × 24cm)に、竹林のイメージで3種類の越前和紙をちぎって貼り、横線が入った緑色の和紙が竹の節に見えたので1~2cm ほどの幅に切り10 本縦に貼りました。背面に貼った3色の紙から出ているように貼ると竹やぶの雰囲気が出ます。もちろんもっとシンプルに黄緑色や淡いモスグリーンの紙を貼るだけでもいいですし、かぐや姫が生まれる竹とおじいさんをクローズアップして貼ってもよいと思います。
 今回、かぐや姫を入れるために竹が太くなりましたのでおじいさんの体も15cm 角で折って大きくしてみました。最後に竹やぶに裸足で入るのは!? という思いで、ぞうりを加えましたが、細かくて大変なときはなくてもいいです。
 かぐや姫もこんなにはみ出していたら、おじいさんになたで切られてしまいます!が、そこは中から出てきたら少し大きくなったということでお許しください。何しろかぐや姫はたった3か月で大人になるのですから。
 竹は緑とクラフト紙の両面折り紙を使っていますが、普通の緑の折り紙でも大丈夫です。姫の着物も友禅柄の折り紙で折り、袖を竹に引っ掛けていますが、普通の赤い折り紙でも綺麗です。髪はカツラのようにかぶせています。かぐや姫の背景に神々しい光が!お花用のラッピングの薄紙を使って、直径9.5cm ほどに切ったものを貼っていますが、これもなくても大丈夫です。 (立花澄子)
※「かぐや姫」のあらすじは、P23のミニ知識の欄に掲載しています。



◆仲良しウサギのリースWreath with eight rabbits arm in arm by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子

1パーツ仕上がったところでくみあわせてリースにしてみようと思いました。お顔の表情をいろいろと変えてみても楽しそうです。仲良きことは美しきかな…。(作者)



◆狐狸名牌(キツネのサインホルダー)
陳 韋霖

2018年12月17日から2019年1月7日、東京都港区の台北駐日経済文化代表処「台湾文化センター」で開催された「台日文化交流作品展」に出品された作品です。「狐狸」は中国語でキツネのこと、「名牌」は名札のことです。正方形1枚で名札を抱えたかわいらしいキツネが折り出されています。


◆舟形の器とラグビーボールBoat-shaped receptacle and Rugby ball by Ms. Noriko NAGATA
永田 紀子

舟形の器はたいらになるので持ち運びに便利です。「舟形の器を変化させてラグビーボールにトライしてください」という編集部からの依頼を受け挑戦してみました。かどののりづけなど課題が残るものになっていますが、楽しんで作っていただけたらと思っています。(作者)


◆ミニ知識
◇かぐや姫ひめ…『かぐや姫』は、9 世紀後半から10 世紀の初めの平安時代前期に成立した『竹たけとりものがたり取物語』を子ども向きの昔話にしたときに、よく使われてきたタイトルです。『竹取物語』は、かなで書かれた物語の始祖とされている話で、伝承の説話を軸に上流貴族社会への風刺がユーモアたっぷりに書かれているこの物語は、教養豊かな男性による作と考えられています。作者はわかっていません。あらすじは次のとおりです。「 竹取の翁おきな」が竹の中から見つけて育てた3 寸すん(約10cm) ほどの女の子が、3 か月ほどで輝くほどの美しい女性となりました。「なよ竹のかぐや姫」と名付けられたその女性に、求婚する者も多く、とくに5 人の熱心な貴公子たちがいました。かぐや姫が出す結婚の条件としての難題を解決することができず、最後には帝の求婚も断ったかぐや姫は、十五夜の晩、迎えに来た天人たちとともに月の国に帰って行きます。姫に去られて傷心の帝は、姫が置いていった不死の薬もいらないと天にもっとも近い駿するがのくに河国の山で燃やすように命じます。その山は、たくさんの士(つわもの)が登り、薬を燃やしたので「たくさんの士」と「不死」に掛けて、「富士」と名付けられました。
『かぐや姫』では、求婚者は3 人になり、帝の影も薄くなっています。
◇ラグビー…正式名称はラグビーフットボール。それぞれ15 人の2チームがボールを奪い合い、相手のインゴール(得点ゾーン)にボールを運び、得点を競う球技です。得点は得点ゾーンにボールを持っていくトライと、地面から3m の高さにあるクロスバーにボールを蹴り入れるゴールキックとがあります。ボールは持っても蹴ってもよいですが、パスは自分よりうしろにいる仲間にしかできません。1823 年、イギリスのパブリック・スクールのひとつラグビー校の生徒 ウイリアム・ウェブ・エリスの伝説がラグビーの起源として語り継がれています。彼は、試合中、校内では違反行為とされていたボールを腕にかかえてゴールに走り、それが偉業とされました。ラグビーは、けが人も続出するほど激しい競技ですが、ルールと審判を尊重して紳士(ジェントルマン)としてプレーすることでスポーツとして定着していきます。2019 年9 月20 日に開幕し、11 月2 日に閉幕するラグビーワールドカップは、9 回目を数えます。体をぶつけ合う激しい競技なので試合間隔を開ける必要があり、北海道、本州、九州の12 の会場で44 日間の長い期間をかけて競技が行わ
れます。日本にラグビーが正式に伝わったのが1899 年で、今年2019 年は日本伝来120 周年の記念の年でもあります。ラグビーはイギリスから南半球の国々、そして他の地域の国へと広まりましたが、「国籍主義」ではなく「所属協会主義」で、本人、両親、祖父母がその地域で生まれていれば代表資格を持て、また、本人が3 年以上継続して居住した場合でも資格を得られます。そういう訳で海外出身選手が多いのです。
◇ラグビーボール…初期のボールはブタの膀ぼうこう胱に空気を入れてふらませたものに、ウシの革4 枚を縫い合わせたものでした。1851 年、イギリスのロンドンで世界で初めて開催された万国博覧会に、 今のラグビーボールの形に近い楕だえん円のボールが展示されました。高く上がりやすい形ということで、楕円の形が採用されたという説があります。

●ミニ知識参考図書:『対訳日本昔噺集』(彩流社)、『日本昔話大成』(角川書店)、『日本の昔話百科』(河出書房新社)、『あっと驚く謎解き日本昔ばなし』(太陽企画出版)、『ビジュアル版日本の昔話百科』(河出書房新社)、『すぐわかるラグビー』(成美堂出版)、『世界大百科事典』(平凡社)、『朝日新聞』(朝日新聞社)


◆ラグビーワールドカップ2019大会公式マスコットレンジー
土戸英二

歌舞伎や能の「連獅子」がイメージされている、親子のペアマスコットを折り紙で考えてみました。それぞれ同じ大きさの紙2枚で折ります。本物は嬉しいことがあると、髪をぐるぐる回したり、レンジーダンスを踊るそうです。(作者)


◆ラガーシャツRugger shirt by Mr. Ryo- AOKI
青木 良

ラグビーといえば、しましまのシャツを思い浮かべます。2本ボーダーと1本ボーダーの2通り作ってみました。⑫からは立体でたいらにならない工程がありますが、左右対称に形よくなるようにていねいに折り進めてください。


◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson46 
A spinning top transformed from a box by Ms. Sho-ko AOYAGI
☆ ハコからコマ 青柳 祥子


伝承の箱から独こま楽が生まれました。底の白い部分でいろいろな模様を作ることができ、回転させて模様の変化を楽しむことができる作品です。折り図では基本の形とバリエーション2種類だけを紹介していますが、右のページの写真を参考にして他の形も作ってみてください。(作者)
A spinning top is created from a traditional box. You can make various
patterns on the white bottom part and enjoy the changing pattern by
spinning the top. In the folding diagram, only the basic shape and two
variations are presented, but you also can make other shapes as well
by referring to the photos on the right page. (Author)
※ 15cm 角の大きさの紙で折ると、たて5.5cm、よこ5.5cm、高さ1.2cm の箱型のコマができます。
※ With a 15 cm square paper, the size of the box-shaped top is 5.5cm long,
5.5cm wide, and 1.2cm high.



◆胡蝶蘭
市川 学

今までに何度か胡蝶蘭を創ろうとしましたがうまくいきませんでした。今回はまず蝶を創り、蝶の応用として創ってみました。茎も同じ大きさの紙で
創れました。(作者)


◆漢字の日本Kanji(Chinese character) having the meaning of Japan by Mr. Ko-ichi DATE
伊達 光一

今年、ラグビーの世界大会の開催地が日本なので、自分の漢字の折り紙の中から、「日」「本」が選ばれました! 「本」は、「日」を先に折った後、測って折ってください! 16~19は少し難しいけどラグビーのように決めよう! 台紙に貼って旗にしてね!(作者)


◆読者の広場

「あじさいのお皿」と「オナガ」はきれいだったので、さっそく折ってみました。「支部だより」に載っていた作品に「チコちゃん」があり驚きました。折り方を教えてほしいです。
埼玉県 高橋さん
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 「あじさいのお皿」ははなやかで、眺めたり、くるくる回して楽しみました。いろいろな色の組み合わせてみたいと思っています。「トランク」は折り図を見てむずかしそうかなと思いましたが、「やってみよう!」と思いとりかかりました。本体2と本体3が混同してしまうなどハプニングもありましたが、できあがってうれしいです。「本当の旅行に持って行きたい」と思いました。
東京都 池田さん


◆支部だより
日本折紙協会は支部設立を応援しています ! 
このコーナーでは各地で活動中の支部の情報をお待ちしております

◆折り紙夢工房50周年記念作品展
武南支部「折り紙夢工房」支部長 金杉優子/埼玉県

前武南支部長の金杉登喜子主宰で創立された「折り紙夢工房」は今年50周年を迎え、これまでの歩みとともに、皆で築き上げた折り紙作品(700点)の世界をご紹介する機会として、
5月11日(土)・12日(日)の2日間に渡り、川口総合文化センターリリア展示ホールで「折り紙夢工房50周年記念作品展」を開催しました。
 インターネットや新聞を見て来場してくださった方や、『月刊おりがみ』を見て全国各地から、また台湾など外国の方も来てくださり、2日間で延べ1,300人の来場者を迎え、終始賑わいのある楽しさ溢れる作品展となりました。
 オープニングセレモニーでは黒岩琢磨理事長をはじめ、地元川口市長、県議会議員、市議会議員の方にもご出席いただき、華々しい幕開けとなりました。
 作品展では、折り紙の他、会員の方が趣味を生かした写真や編み物など、多くの作品も「趣味園」と題し、同時開催しました。こちらも多くの方々が興味深く熱心に見ておられ、会員に質問されていました。
 また恒例の「折り紙体験教室」も、多くの皆様がご参加、終始席が空くことなく、折り紙の楽しさを体験していただくことができました。
 入り口に設置されたバラのアーチで、家族連れの方が記念写真を撮る姿が多く見受けられ、賑わっていました。
 来場された方より「折り紙で芸術的な作品が多く驚き、趣味園では多彩な作品に触れ、感動し、あたたかい気持ちになりました」「会員の方の目がキラキラ輝いています」など、お声をいただき会員一同、大変励みとなりました。
 これからの折り紙夢工房では川口市石神の工房において年間を通して折り紙作品を展示し、折り紙体験教室、紙すき、刻書作りなどのワークショップを行い季節のテイストを織り交ぜながら、地域の皆様の憩いの場として展開してまいります。
 また今後の予定としましては、10月2日(水)~7日(月)、埼玉県芸術文化祭の一環として川口総合文化センターリリアにて作品展を開催します。テーマは「折り紙でアニメーション」を目標に制作中です。
 これからも50年間積み上げてきた折り紙の世界観と技術を「初心忘れるべからず」の思いを原点に後進の指導、育成、折り紙の伝承に努めて参りたいと思います。


◆陶山ヤス子先生をお迎えして
神戸支部「おりがみ かうべ」支部長 柴本厚子

6月9日(日)、京都府在住の陶すやま山ヤス子先生にお越しいただきました。いつも(奈良、吹田との)三支部勉強会では、可愛い作品を教えていただき、何かとお世話になっているのですが、今回も丁寧に講習をしていただきました。
 2枚で作る「市松模様」は、クルンクルンと畳んでいくと、市松模様ができる、不思議な作品でした。(創作:マーチン・ウォール/イギリス)6枚で作る「ガーデンコースター」
は、豪華な模様が浮き上がり、美しい
作品でした。(創作:ルース・シャケル/オランダ)
 お忙しい中、遠いところをお越しくださり、本当にありがとうございました。


◆みんなの作品展

40年の眠りを醒ます 驚異のユニット 寺田徳重氏創案の「ピラミッドカラー」「寺田式ユニット折紙 √3 -の魅力に迫る!」作品展開催京都おりがみ会 松原ちえ(京都府)


 2016年11月15日(火)~20日(日)、京都市中京区のギャラリー𠮷象堂で、京都おりがみ会と近鉄文化センター阿倍野教室合同の、「折紙展」を開催しました。40年の眠りを醒ます驚異のユニット、寺田徳重氏創案の「ピラミッドカラー」を中心とした作品展でした。
 会期中の土曜、日曜日にはワークショップも行いました。

「ピラミッド カラー」(60°ユニット折紙)について 創案者の言葉に『ピラミッド カラーの魅力は、一に、幾何学的な立体形と、美しい色の無限の配色です。1個の作品についても、色々に配色してみることにより、幾通りにも楽しめるのです。注意すべき点は、ユニットを折るにあたり、(1)机の上で (2)正確に (3)折り目をしっかりとつけること、そして、良い配色を選ぶことです。(1977年12月 第30回NOA定期講習会テキストより)』と、あります。
 創案以来半世紀を過ぎた今も、その年月を感じさせない発想と、新鮮さを失わない感覚を持った「60°ユニット折紙」。公開講習会から40年の歳月を経て、以来、忘れ去られようとしている今、ここにこの独創的なユニット折紙の魅力を、一人でも多くの方に知っていただきたく、√3ユニットファンの一人として、皆様にご紹介方々、作品展を企画・開催する運びとなりました。正三角形に含まれる、直角三角形=1:2:√3の数字が生み出す不思議な力と、様々な可能性をお楽しみください。
 今回の作品展では、氏の原作を復元した幾何学的造形群に合わせ、私達女性の目から見た60°ユニット利用による、新しい作品の数々もご覧いただきたいと存じます。
 なお、この作品展を開催するにあたり、ご協力いただいた各方面の皆様方に、心より厚くお礼申し上げます。和紙提供:越前和紙の里 用紙協力:大与紙工株式会社資料協力:日本折紙協会、大成建設株式会社


◆World Origami Report
PEAUrigami(皮膚紙)展   Corinne DECHELETTE(フランス)

私の本職は美容学を専門とする薬局の医師です。CNRS(国立科学研究センター)で働いている研究者、中澤恵子さんに日本文化を紹介されて日本に行きました。癒しの文化に感銘を受け、以来、畏敬の念を持って日本文化に接しています。
 2019年1月15日(火)~2月2日
(土)、フランス南部のラバンスタン
Lルe CサンクINQ文化協会で、皮膚学と折り

紙テクニックの共通点に着目した展示会を開催しました。
 さまざまな皮膚の模様の写真や肌が生まれ変わる仕組み(剥離)を表現した図などを展示。また、参加者には、本イベントを通じて皮膚の持つ複合性の再発見と、折り目(皺)、多角形をなす点など皮膚構造と共通点を持つ日本の芸術「折り紙」を体験してもらいました。


◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

「資料11」 豊歳五節句ノ遊 重陽(ほうさいごせっくのあそび ちょうよう)
制作年: 江戸時代 1843(天てんぽう保14)年
制作地:江戸
ジャンル:錦にしきえ絵
絵師:歌うたがわ川国くにさだ貞(三世「豊国」)
大きさ:37.1cm × 25.6cm

歌川国貞(1786 ~ 1864 年) は、 22 歳で浮世絵界にデビューして79 歳で亡くなるまで江戸の町で大活躍した浮世絵師です。歌舞伎の役者絵、吉原の遊女や市井の女性の美人画、庶民の生活を描いたものなど彼の残した多くの絵で、私たちは江戸時代末期の文化や風俗を知ることができます。 この連載でも第1 回(『516 号』掲載)に『偐紫田舎源氏』と『百人一首八十四番俊恵法師』、第4 回(『519 号』掲載)に『北國五色墨』が登場しています。
 なお、国貞は師の豊国の名をついで「二世豊国」を名のりましたが、実はすでに「二世」がいたことがわかり、「三世」と呼ばれるようになりました。
中国では奇数は陽数とされ、その最大数の9が重なることから旧暦9月9日は「重陽」と呼ばれ、その日に香りの強い茱萸(山椒のこと)を髪などにさして、菊酒を飲むと長寿になると信じられていました。重陽の節供に菊を用いる風習は日本に
伝わって平安時代には貴族たちの間でも広まり、真綿を菊の花にかぶせてその露で濡れた「菊綿」で肌を撫でて長寿を祈ることなどが行われました。江戸時代になると武家から都市に暮らす庶民にも風習が広がりました。 
 さて、この絵、若い姉妹が菊の花壇の前にいます。姉は花壇の菊の葉を摘もうとしており、そのそばで妹は菊の花びらを摘んで折り紙の箱に入れています。姉に笑顔で話しかけている様子で、話の内容を想像するのも楽しい絵です。
 妹が花びらを入れている箱が、当時「折居」と呼ばれた紙の箱で、長方形の紙で平面的に折り進めて「畳紙」にし、最後に立体的に箱に仕上げるものです。「重陽の節供」に菊の花びらを摘んで紙の箱に入れることはよく行われたようで、重陽を描く絵にはよく出てきます。同じ国貞による「十干兄弟ノ内乙」の絵にも、立ち姿の若い娘が菊一本と菊の花びらの入った紙の箱を持ったものがあります。まに、国貞とほぼ同時代の歌うたがわひろしげ川広重(1797~1858年)の「風流遊び」という浮世絵には、「をりもの」というタイトルで二人の女の子が折り紙をし、折居、折り鶴、蛙かえる、兜かぶとの胡ごましお麻塩包みが描かれています。 
 ところで、1700年代半ば頃までは、とくに上方では折り紙全般のことを「折りすえ」といっていました。「折りすえ」を漢字では「折居」と書き、「居」は「据」と同じ意味を持ちますから平面的になるように折り畳んだものという意味でしょう。
 右下の図は『女諸礼集大全』(北尾辰宣 著、1751年 発行)の中のものです。香道具としての「折居」が描かれていますが、ここでは「折居」の意味が限定されています。なお、香道や茶道では競技をするときの札を入れる容器として、現代でも同じ「折居」という名で用いられています。
  「嬉遊笑覧」(国学者の喜きたむらのぶよ多村信節が江戸時代後期の風俗習慣などについて書いた随筆。 1830年発刊)に「今をり鶴というものにや[伊呂芝居]に女子の遊びごとをいふ処に、折すゑの鶴、鍬形の兜かぶととあり。今も作るものなり。畳紙のみ折居とこころ得るは非なり。」とあります。「今の折り鶴と思われるものが昔の本に折りすゑの鶴とある。したがって畳紙(の一種の箱形のもの)だけを折りすえと理解してはならない」といった意味です。[伊呂芝居]がどんな本なのかは謎ですが、この記述からも「折りすえ」は「折り紙」全般を表す言葉だったことがわかります。1830年ごろには一般に「折居」は、「折り紙」の意から離れ、「たとう」の一種の折り箱だけを指すようになったのです。 



協会ホームページに折り紙用紙のショッピングカートができました
約400種のラインナップをそろえてお待ちしています!
http://origaminoa.cart.fc2.com/

~日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。

~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。

~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。

~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。

現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。

3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。

おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。

[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。

[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。

[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。

この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。

来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。

~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。

~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」を東京スカイツリータウン ソラマチイーストヤード5Fで開催します。

~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)

「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト100」を購入し、テキスト掲載の全作品約100点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料3,240円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。

口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」

~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。

~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。

801円
特集 虫図鑑

◆おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami picture of Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA
第8話 浦島太郎
構成創作 立花澄子

8 月はやはり海ですね。海といえば「浦島太郎」のお話が思い浮かびました。お話の中にはいろいろな場面がありますが、亀の背に乗って竜宮城へ行く場面が海そのものなので選びました。
 海の中の雰囲気を出すために、水の流れと漂う様子が表現できればと思い、水色の和紙を5mm 幅ほどに切って白い大色紙(27cm × 24cm)全体に湾曲にのりづけしてみました。水の泡は白い丸シールに青色の蛍光マーカーで彩色したものを使いました。
 浦島太郎さんの頭は笠原邦彦さんの一寸法師の髷の部分を少しアレンジして使わせていただき、結わえた髪が水中で揺らいでいるように先をひねってみました。「腰みの」は「はかま」に段折りを加えて仕上げました。ただ細かい折りなので、難しい時は段折りをしないでスジを描いてもよいと思います。
 亀の背中に太郎さんを貼ると、寝ているように見えるので、足をはさみ込んでみました。展示するうえで問題がなければ、頭をのりづけしないで起こすと立体的になり、亀の背に座っているように見えます。
 魚は坂田英昭さん創作のエンゼルフィッシュと、鯛を泳がせてみました。お好きな海の生き物や海藻を貼って、もっとにぎやかにしてもよいと思います。
 ところで、鯛として使った魚は、尾を伝承の「風船金魚」ように折り出す作品で、簡単なので昔から気に入っている作品なのですが、創作者がわかりません。もしご存知の方
がいらしたらお知らせください。      (立花澄子)
※「浦島太郎」のあらすじは、P33のミニ知識の欄に掲載しています。 


◆蛸
Octopus by Mr. Yukihiko MATSUNO
松野幸彦

折りにくいので最初に折りすじをつけました。もともとは同じ足の長さの7本足でしたが、どうせならと足の数を8本にしてみました。(作者)


◆セミCicada by Mr. Tetsuo KIMURA
木村 哲夫

シンプルな折り紙を考えているうちに、セミができました。⑥や⑧の折り方で羽や体の大きさが変わるので、紙の色によって、いろいろな種類のセミが表現できます。折った後は、図鑑で似ているセミを探して下さい。(作者)


◆ちょうちょButterfly by Mr. Saboro‒ KASE
加瀬 三郎
④で折った位置で⑦で中わり折りをすることで左右のかどに厚みが出るので、注意して折りましょう。また、④の折りでハネの広がり方が変わります。好みの位置をみつけてください。


◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
☆くわがた虫カプセル 梨本 竜子

同じ大きさの紙2枚で折ります。人気の昆虫を容れ物にしてみました。小さなお宝やお菓子を入れたり、また「お盆ぼんだまぶくろ玉袋」としていかがでしょう。
(作者)
With two sheets of the same size of paper, I created an envelope of a
popular insect. You can put small treasures or sweets inside, or use it
as an “obondama-bukuro (an envelope for Bon holiday gift).” (Author)


◆カブトムシBeetle by Mr. Takayuki USUDA
臼田 隆行

カブトムシがより簡単に折れるようにと、シンプルな三角形のツノ、脚は細くなくても大丈夫と考えたものが、皆さんに喜んでいただけたようでとても嬉しく思っています。(作者)


◆クワガタStag beetle by Mr. Yukihiko MATSUNO
松野幸彦

クワガタムシの6本脚と2本の大アゴが無理なく折り出されています。長めの工程のわりには難しくないのですが、中に押しこむ「しずめ折り」が多いので、ていねいに折りましょう。クワガタムシは、立体的に整えるより、ぺちゃんこにしてしまった方が、かえって本物らしくなります。

◆オトシブミJapanese weevil by Mr. Kunihiko KASAHARA
笠原邦彦

赤と黒の両面折り紙で、体が赤く出るように折るとよいでしょう。富山大学で生態学を教授しておられた鈴木邦雄先生は「オトシブミはオリガミができる虫です! 木の葉を折り畳み、その中に卵をうむのです」と伺ったことがありました。(作者)



◇オトシブミ…5 月の終わりから7 月にかけて雑木林や公園で葉っぱを長さ2cm ほどに丸めたものを見かけます。これはオトシブミという、体長1cm ほどの虫のメスが作った子どもを守り育てるための「ゆりかご」です。このゆりかごの形が巻き文に似ているところから虫の名前がつきました。ゆりかごは「揺ようらん籃」と呼ばれています。クリやクヌギやケヤキなどの広葉樹の葉の根元を葉の真ん中を通る主脈だけはつなげたままするどいアゴで切り、葉脈をかんで葉全体をやわらかくします。そして主脈を軸にして二つ折りして葉の先から巻き上げていき、最後に葉が開かないように巻き終わりを返してしっかり閉じたら主脈をかみ切って落とします。巻き方はオトシブミの種類によって異なり、主脈を切らないで木についたままにしておくものもいるそうです。葉を巻き上げていく最初のうちに卵をひと粒産みます。この真ん中に産みつけられた卵が幼虫になり、揺籃の葉を食べながら成長し、1か月ほどで親と同じ姿になって出てきます。オトシブミの仲間は上下に動かせる長い首を持つものが多く、メスは葉を丸めるのに都合がよく、オスは首を振ってうなずくような動作を繰り返しどちらが上手か競い合うのに使うそうです。直接相手に触れないので、体を傷つけることがない戦い方です。


◆マツムシ、スズムシCricket and Bellringer cricket by Mr.Yoshihide MOMOTANI
桃谷 好英

スズムシの形はマツムシとよく似ていますが、色が黒く、胸の部分が少し小さく、翅はねの幅が広く、好んで住む場所も少し違うようです。(作者)


◆すいかWatermelon by Ms. Sayoko KUWABARA
くわばら さよこ

(両面折り紙を使わないで)どこにでもある折り紙で、子どもも初心者も手軽に折れるようにつくりました。できあがりIIは裏側がスッキリします。15cm角で折って、白い部分に文字を書いて封筒に入れて、暑中御見舞いにすると、迫力があって面白いかなと思います。(作者)


◆ミニ知識
◇浦うらしまたろう島太郎…現在よく知られている話のあらすじは以下のようなものです。「漁師の浦島太郎はあるとき、子どもたちが浜辺で亀をいじめているところに出会い、亀を買い取り海に逃がしてやります。その数日後、亀が浦島太郎の前に現れ、先日のお礼にと海中の竜宮城に招待します。亀の背中に乗って、海に潜り、城では乙おとひめ姫にもてなされて楽しく過ごしますが、数日後、故郷のことが気になり帰ることにします。そのときに乙姫から「けっして開けないように」と玉たまてばこ手箱を渡されました。戻ると辺りの様子がすっかり変わっていて、浦島太郎は自分が竜宮城に行っている間に、地上では何百年も過ぎていたことを知ります。悲しみにくれた浦島太郎は玉手箱のふたを開けます。すると白い煙が立ち上り、浦島太郎は白髪の老人になってしまいました」。
浦島太郎の話の原型は『日本書紀』『万葉集』などの古代の文献にもあり、室町時代までは浦島太郎が亀を助けると、その亀が船に乗った女性の姿で迎えに来るというような話でした。
◇カブトムシ…名前は武士が戦いでかぶった「兜かぶと」に由来します。オスは頭部の中央に1 本のツノがあり、突き合わせて戦います。メスにはありません。
○クワガタムシ…名前はクワガタムシの大おおあご顎が、「鍬形」という
兜の飾りに似ていることに由来します。メスにも小さな大顎があります。
◇マツムシ…コオロギの仲間で、体長22 ~ 25mm で淡い褐色をしています。チンチンチロやチンチロリンなどと鳴き、スズムシとともに夏から秋にかけて美しく鳴く虫として古くから親しまれてきました。鳴くのはオスの成虫で、おもにメスへの求愛のために前バネをこすりあわせて音を出しています。平安時代の文学に登場する「すずむし」は実は現在の「マツムシ」のことです。現在の「スズムシ」のことを当時その鳴き声が松しょうらい籟(松風。茶の湯で茶釜のお湯が煮え立つ音)に似ているので「松虫」と呼んでいたそうです。その後、名称と実体とが入れかわって現在に至っています。
○スズムシ…リ-リ-リ-やリ-ンリンリンと鳴き、体長15 ~17mm です。スズムシもマツムシも耳は前足にあり、仲間がどこにいるかを正確に知るためと考えられています。
◇ハコの日…1991 年に東京紙器工業組合がハコの語呂合わせで8月5日を「ハコの日」に制定しました。紙器業界の技術の向上と一般の消費者への紙箱のよさの宣伝と普及を目的にしています。


●ミニ知識参考図書:『対訳日本昔噺集』(彩流社)、『日本昔話大成』(角川書店)、『日本の昔話百科』(河出書房新社)、『ときめくチョウ図鑑』(山と渓谷社)、『あっと驚く謎解き日本昔ばなし』(太陽企画出版)、『ビジュアル版日本の昔話百科』(河出書房新社)、『日本のクワガタムシ・カブトムシ観察図鑑』(誠文堂新光社)、『クワガタムシ・カブトムシの知られざる世界』(KKベストセラーズ)、『なぜ?どうして?昆虫図鑑』(PHP研究所)、『甲虫』(山と渓谷社)、『バッタ・カマキリのなかま』(新日本出版社)、『世界大百科事典』(平凡社)、『朝日新聞』(朝日新聞社)


◆お茶筒Tea container by Ms. Ayako KAWATE
川手章子

ふたが先にでき、下もくみわせてみようと思い、折ってみました。八角形の茶筒です。少し固めの折り紙で折ると、本当にお茶を入れて使えそうです。また、プレゼントボックスにもよさそうです。フタの丸いアクセントが楽しく思われました。(作者)


◆マジカルキューブMagical cube by Ms. Noriko NAKADE
中出 典子

組み合わせる前に、単体を立体にすることにより、三角形の模様が現れるところをキューブでまとめてみました。模様の出方が不思議に思えたので、「マジカルキューブ」と名付けました。(作者)


◆読者の広場

 「三角づるのたとう」の折り方がおもしろかったです。アイロンビーズに興
味を持っています。
東京都 小林さん
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 「金太郎」、「カーネーションのインテリア」、「お花のパーツ」、「プレゼントBOX」、「三角づるのたとう」がよかったです。「八角形の彩りプレート」は少し大きめの紙で作るとよいと思いました。
静岡県 青木さん
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◆支部だより
第20回信州おりがみ交流会 報告
信濃支部「りんどう」(支部長 成田光昭)  文:今井久子/長野県

 空は青く、望む北アルプスは白く、里山は桜と杏あんずで彩られる北信濃の春、4月13日(土)、14日(日)に、第20回信州おりがみ交流会を長野市勤労者女性会館「しなのき」において180名の愛好者にご参加いただき開催しました。ゲストとして半田直さん、特別講師として黒岩琢磨理事長、布施知子さんをお迎えし、また全国で広くご活躍の講師の方々からもそれぞれ直々に懇切丁寧なご指導をいただきました。
 全体会では、半田丈直さんより「[折紙の楽しさ]って何?」と題して講演いただきました。
 飾る、贈る、教える、習う、教え合う、創り出す、工夫する、その折々に、一つの手段として、「折り紙は手軽に楽しさを実感し、共有することでお互い喜びを知り、得たものを共に教えたり、教えられたりすることで人と人とを結ぶ中で、いっそうの楽しさと喜びが生まれてくるのでは…」とお話しされていました。すでに講師資格をお持ちの方は是非、それを活用しされてはといった提言もありました。実技では「ハングラムパズル」をご披露いただきました。折り方の流れを図でスライドショーにしていただき、解り易く皆さん楽しまれたようです。
 場所を松代温泉に移した懇親会では、20回の感謝と歓迎の気持ちを込めて地元、善光寺木遣り保存会※による鶴や奴さんなどの伝承折り紙を盛り込んだ「木きや遣り」で城下町らしいおもてなしで開宴、途中、有志の方々より手作り作品のプレゼントを含めた福引きを行い、さらには黒岩理事長からは唄のご披露があったりと楽しいひとときを過ごすことができました。
 今回は、例年のボランティアスタッフに加え、協会のホープ、藤根和也さんにも両日、スタッフとして参加いただきました。いつもとちょっと違った雰囲気で、若さと明るさで
参加者も日本折紙協会(事務局)がとても身近に感じられたようです。
 私ども信濃支部りんどうは、この20年を顧みて、今は第一線を離れた諸先輩からの貴重なご指導と長年、りんどうを愛して活動を共にした皆様、お心よせていただいたたくさん
の皆様に育まれ、現いま在があることを深く心に刻みました。あらためて全ての皆様に会員一同、心より感謝申し上げます。


◆みんなの作品展
折り紙展「歩歩(ほほ)~さあゆこう~」開催 堀之内恵美(福岡県)

3月22日(金)~30日(土)、折り紙展「歩歩(ほほ)~さあゆこう~」を開催させていただきました。門もじ司図書館での4回目の展示です。徐々にではありますが来場者数も増え、今回253名もの方々の目に触れたようです。あらためて感謝いたしております。日本の文化である折り紙を令和の時代につなぐ、日本の文化を人から人につなぐと意識を持ち歩みたいと思います。ひとりの力は小さいですが、みなさまの力と合わせて楽しんでいきたいと思います。


◆World Origami Report
マンガフェスティバルで折紙アトリエ! ~コスプレコンテストに3D折紙トロフィーも制作  倉橋聡美(ニューカレドニア)

2019年5月4日(土)、ニューカレドニアのMont-Dore(モンドア)にあるカルチャーセンターで、マンガフェスティバルが開催されました。今年で3回目となるこのフェスティバル。ニューカレドニアじゅうから、日本のマンガファンが、さまざまなコスチューム姿で集まります。
 このマンガフェスティバルで、今年初めて、折り紙アトリエを出展しました。来場者はみんな日本好きとあって、折り紙をよく知っている人が多く、飾ったサンプルを見て、「こ
れは知っている、これは知らない」と言いながら、親子でさまざまな折り紙を折って楽しみました。
 午後1時30分からは、センター内のステージでコスプレコンテストが開催されました。事前に「このコンテストに折り紙のトロフィーを…」と依頼されました。マンガをテーマにしたトロフィーということで、考え抜いた末、『ドラゴンボール』の神龍(シェンロン)をイメージした3D折紙を作ることにしました。
 まずはインターネットで神龍(シェンロン)のイメージを探し、仮のモデルを制作。その後、実物の制作に取りかかり、約1か月かけて、オリジナルの3D折り紙『ドラゴン』を制作しました。
 担当の方に手渡すと、驚いて「すごい! 1位に用意したトロフィーよりも綺麗」と好評でした。ドラゴンのトロフィーはコスプレコンテスト3位に入賞した方に手渡されたようです。私はコンテストを見ることができませんでしたが、担当の方からは「折り紙のトロフィーを手渡した瞬間、入賞者は涙を流して喜びました」と聞き、気に入ってもらえたかなとホッと一息。充実した一日となりました。



◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

[資料10]士農工商

絵師の楊斎延一(1872 ~ 1944 年)は、本名は渡辺(のちに島田に改姓)次郎です。東京の本郷森川町(現在の文京区本郷6丁目辺り)に住んでいました。絵師として活躍したのは明治中期から後期までの20 年間ほど。幕末から明治時代の浮世絵師 楊州周延の弟子の一人で、師の周延は、3 枚続きの美人画を得意としましたが、延一もそれを継いでいます。

 明治時代の浮世絵は、江戸時代末期に西洋からもたらされた、安くて発色もよいベルリン藍(ベロ藍)やアニリン赤やムラコ紫といった化学染料で、色合いはより派手で鮮やかなものになりました。
 また、明治に入ると、江戸時代には描くことを禁止されていた江戸城内の様子が描けるようになります。制限されていたニュースを伝える新聞的要素が強くなり、錦絵新聞も生まれます。延一も日清戦争(1894 ~ 1895 年)や日露戦争(1904 ~1905 年)などの戦争ものを描いて有名になっています。
 明治10 年代以降明治時代の半ばごろまで、江戸時代の懐古趣味で浮世絵が好まれた時期もありましたが、印刷技術の急速な進歩により浮世絵は明治時代の終わりには衰退します。
 この絵は明治時代に描かれた錦絵です。江戸時代にあった「士農工商」という社会階級が美人画で表現されています。
 右の二人は商家の姉妹です。姉は島田髷(髷を途中で折り曲げて元もとゆい結でとめた髪型)を結っていますので未婚の娘です。妹といっしょに「鶴」と「三方」と「箱」を折っています。
 絵の中央の立っている女性は、髪型が文金高島田のようですから武士の娘です。弟を木馬に乗せて遊ばせています。武士の男の子は馬術の遊びですが、折り紙はしていません。
 左端は農家の女性で、田畑で働いている家族の食事を届けて一緒に食べて帰ってきたところでしょう。土瓶とタバコも持っています。手ぬぐいを被っているので未婚か既婚かはわかりません。農家の女性の隣は「工」で、「刺繍」をする職人です。丸まるまげ髷のようですから、既婚の女性です。江戸時代までは既婚女性は眉をそっていました。明治以後、その習慣は特に外国人に嫌われて廃れました。「農」「工」は働いている姿ですが、「士」「商」の娘の仕事は弟や妹の世話で、遊ばせているところです。
 いずれにせよ、労働している人たち(農と工)は、時間的余裕も経済的余裕もなく、教えてくれる人もいないので、折り紙はしていませんでした。「母から子へ」と伝えたのは、「士」の家庭と、余裕のある「商」の家庭だけで、例外は、昼の間は時間的に余裕がある、接客業の人たちの世界で「折り紙」は広まっていました。



協会ホームページに折り紙用紙のショッピングカートができました
約400種のラインナップをそろえてお待ちしています!
http://origaminoa.cart.fc2.com/

~日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。

~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。

~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。

~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。

現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。

3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。

おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。

[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。

[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。

[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。

この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。

来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。

~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。

~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」を東京スカイツリータウン ソラマチイーストヤード5Fで開催します。

~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)

「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト100」を購入し、テキスト掲載の全作品約100点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料3,240円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。

口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」

~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。

~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。

801円
特集 七夕

◆おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami picture of Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA
構成 立花 澄子
第7話 寸法師

Wooden bowl(original model by Mr.Kunihiko KASAHARA) 原作:笠原 邦彦

7月といえば七夕ですので、七夕のお話とも思いましたが、あれは確か中国から来たお話だったような!?…、「日本昔ばなし」として紹介していいのか!??。そこで、夏といえば水、さらに川や海という連想から、川をお椀の舟に乗って流れていく一寸法師にいたしました。
 一寸法師の頭とお椀は笠原邦彦さん原作のものに少しアレンジを加え、髪を短めに、お椀には少し丸みをつけてみました。
 舟をこぐためのお箸は細長い用紙をかんのん折りにして下部を少し細くしたものにしました。波は色紙に貼ってある組み方を図示していますが、向きを変えたり好きなように組み合わせてみてください。上向きでも下向きでも左右逆でも、水の流れがみえてくると思います。
 波にお椀の下部が隠れるように貼って、一寸法師をお椀にさしこんで「乗船」させて、お箸の櫂を持たせましょう。
 台紙はいつも通りの大色紙(27cm × 24cm)に、越前和紙を天地(天は約8cm 幅、地は3.5cm 幅)に下図のように貼りました。天は緑色を貼り、その上に空をイメージして水色、さらに雲の白色をちぎって貼りました。一方、地には水色を貼りました。白い雲と水で、色紙に流れが表現できたと思います。
 一寸法師が流れに乗って、無事に都へ行けますように!(立花澄子)
※「一寸法師」のあらすじは、P29のミニ知識の欄に掲載し
ています。


◆織姫、彦星Vega doll and Altair doll by Ms. Yo-ko NAKAMOTO
中本 容子

私の初の折り図掲載作品は、『251号(1996年7月号)』の「おりひめ・ひこぼし」(写真右)でした。以来、23年ぶりの「織姫、彦星」です。今回の織姫の頭は切り込みを入れることにより、難しくなりすぎることなくうまく表現できました。(作者)



◆ミニ知識
◇星伝説…後漢時代(25 ~ 220 年)の中国で生まれたとされる伝説です。「天帝の娘の織女と牛飼いの牽牛は夫婦の仲がよすぎて仕事も手につかなくなったので、天帝の怒りを買い、天の川を境に東西に引き裂かれてしまいました。二人の深い悲しみに、一年に一度だけ七夕の日に会うことを許されました」というものです。二人は鵲羽を連ねてかける橋をわたって会います。織女星はこと座のベガ、牽牛星はわし座のアルタイルの漢名で、和名では織姫、彦星とそれぞれ呼ばれています。アルタイルとベガ、そして、中国では頭と尾を逆にして、鵲に見立てられた白鳥座のデネブの3つを結ぶ三角形は「夏の大三角」と呼ばれています。
◇七夕…7 月7 日。中国の星伝説や短冊に歌や文字を書いて裁縫や書道の上達を願う乞きっこうでん巧奠(乞巧は巧を乞うこと、奠は祀)が、日本に古くから伝えられていた棚機女神話(神を迎えるために水辺の棚の機で神衣を織る乙女)という禊の風習と結びつき、七夕の行事になりました。中国で「しちせき」と呼ばれた「七夕」を「たなばた」と呼ぶのは、この風習が由来だからです。
◇五ごしき色…中国の五行説思想(木、火、土、金、水の5つの要素で、自然界と人間界のすべての現象をつかさどっているとするもの)に基づいた青(木)、赤(火)、黄(土)、白(金)、黒(水)の5つの色です。のちに黒のかわりに紫も使われるようにもなりました。

●ミニ知識参考図書:『日本昔話大成』(角川書店)、『日本の昔話百科』(河出書房新社)、『あっと驚く謎解き日本昔ばなし』(太陽企画出版)、『世田谷のおはなし』(東京都世田谷区)、『月へ』(偕成社)、『年中行事事典』(三省堂)、『和のしきたり』(日本文芸社)、『絵でつづるやさしい暮らし歳時記』(日本文芸社)、『七夕の紙衣と人形』(ナカニシヤ出版)、『日本の生きもの図鑑』(講談社)、『花おりおり』(朝日新聞社)、『朝日新聞』(朝日新聞社)、『世界大百科事典』(平凡社)


◆着物のカードKimono card by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木 ひろみ

色々な千代紙で折って、柄がきれいに出るととても楽しいです。メッセージを書いたり、立てて飾ることができます。七夕の短冊としてつるして使用するときは、折り目が伸びてしまわないようにマスキングテープやシールを帯がわりに貼るとよいでしょう(写真右ページ)。(作者)



◆英語でオリガミしよう  Let’s enjoy both Origami and English!
ウシくんのメモ入れ 川手章子

投稿の時には右の写真のような作品でしたが、⑬から⑯のように内側を折って白い角を出してみました。㉖で谷折りして顔を前面に出しますが、いったん元に戻して逆三角形のところで山折りしてさしこむと収まりが少しよくなります。鼻とあごの裏側をのりづけするとよいでしょう。楽しく使っていただければうれしいです。(作者)
“The picture on the right shows the originally posted model to which I have added
two white horns in steps ⑬ to ⑯. After making a valley fold to bring the face to
the front at step ㉖, you can once unfold to fold backward and then valley fold
again to place the face well. You may want to glue the back of the nose and chin.
I hope you enjoy using it. (Author)


◆漢字の七夕Kanji(Chinese character) having the meaning of Tanabata by Mr. Ko-ichi DATE
伊達 光一

「七」は元々「切」の偏へんだけにして折り上げた作品です。「夕」は依頼で創作したのですが、実は「夜」「夢」のためにストックして修正する予定でした。でも、結局そのままにしました。なお、「七」は骨を切った形からできた文字、「夕」は夕ぐれの空の三日月をあらわした文字だそうです。(作者)


◆笹の葉と鶴の菱飾りBamboo grass and Diamond decoration with a crane by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木 ひろみ

「笹の葉」は子どものころ、鶴の折り方を間違えてなんだか変な鶴ができてしまった経験から生まれました。「七夕の菱飾り」は天の川を表現したものだそうです。魔除けの意味がある五色で折ってください。「鶴の菱飾り」と「笹の葉」はつなげることができます。(作者)


◆宇宙飛行士Astronaut by Mr. Kunihiko KASAHARA
笠原 邦彦

この宇宙飛行士はそのまま潜水夫にもなります。この作品は(頭部)の折り方が、いかにもそれらしく出来ていて気に入っています。それから足の折り方ですが、前後に重なっているのを(中わり折り)で組み変えて2本にする技法は、千野利雄先生から学んだものです。(作者)


◆ミニ知識
◇一寸法師…江戸時代になると、版本(版木による印刷本)が多く発行されて貴族や武家や僧侶ばかりでなく、一般庶民(町民)が古典や新しい話を読むことができるようになりました。昔話では大坂(現在の大阪)の渋川清右衛門が1729 年ごろまでに出版した、23 冊の絵入り本の御伽草紙が、「渋川版の御伽文庫」として有名です。渋川版収録の「一寸法師」は、現在、一般的に知られている「一寸法師」とは少し違って面白いのであらすじを以下に紹介します。
 子どものいない老夫婦が子がほしいと住み吉神社に祈ったのが叶い、身長一寸(約3cm)の小さな子どもがおばあさんから生まれ「一寸法師」と名づけられます。ところがいつまでたっても大きくならないので追い出されそうになり、お椀を舟にして京の都に上って宰さいしょうどの相殿に雇われます。やがて宰相殿の姫を妻にしたいと思うようになり、姫が父親に叱られ家を出されるように策を練ります。一寸法師の大切な米を勝手に食べたと
いう濡衣を着せられ、姫は一寸法師をお供に島流しにされます。そこで一寸法師は出会った鬼を退治し、打うちで出の小槌を手に入れて背を高くします。京へ戻ると宮中に迎えられ、堀川の少将となって幸福に暮らしました。
◇人類初の月面着陸…今からちょうど50 年前の1969 年7 月16 日にアメリカのロケット「アポロ11 号」が地球を出発して、7 月20 日アメリカ東部夏時間午後4 時18 分、初めて月面着陸に成功し、その地点は「静かの基地」と呼ばれています。同日午後10 時56 分、3 人の宇宙飛行士のうちニ-ル・アームストロング船長が月面に降り立ち、彼は「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな跳躍だ」と言います。20 分後にはバズ・オルドリンも降り立ち、それから2 時間半かけて月を探索し写真を撮ったり、石や土のサンプルを集め、テスト装置を設置しました。そして、7 月24 日、地球に戻ってきました。今年1 月、中国の無人月探査機「嫦じょうが娥4号」が世界で初めて月の裏側に着陸しました。その着陸地点とその周辺を中国は七夕伝説にちなんで名づけました。着陸地点は「天の川」の意味の「天河基地」、周りの3つのクレーターの2つには「織姫」の「織女」、「ひこ星」の意味の「河かこ鼓」と命名しました。なお、「河鼓」はわし座の明るい3つの星を太鼓の形に見立て、「天の川のほとりの太鼓」という意味があるそうです。
◇サギ…首と足とクチバシが長く、首をZ状に曲げてゆっくりとはばたいて飛びます。水辺で生活することが多く、食べ物は生きた動物で、魚、カエル、昆虫などのほか、ヘビやトカゲやネズミや鳥の雛なども食べます。鳴き声はしわがれ声です。
◇常ときわひめ盤姫の伝説…16 世紀の戦国時代、奥沢城の美しい常盤姫が世田谷城主吉よ良頼康に側室として迎えられます。美しく、子を身ごもった常盤姫ばかりを頼康がかわいがるので、他の側室たちにねたまれます。常盤姫は根も葉もない噂を立てられ、頼康も常盤姫を避けるようになります。悲しんだ常盤は幼い頃からかわいがり嫁ぎ先まで連れてきた白鷺の足に遺書を結び付け、実家に向かって放ち自害します。そのとき狩りをしていた頼康がその白鷺を矢で射落としてしまいます。その白鷺の落ちたあとに一本の草が生え、白鷺に似た花が咲き、「さぎ草」とよばれるようになったそうです。なお、常盤姫は実在した人物ではないそうです。
◇サギソウ…小型のランです。7 ~ 8 月、高さ20cm ~ 40cm のまっすぐな茎の先にサギをイメージさせる白い花を1~ 3 個ほど咲かせます。葉は通常1 本の茎の下部に3~ 5 枚つけます。湿地に自生しますが、栽培されることが多い花です。7 月に東京都世田谷区内で開催される「サギ草市」ではたくさんの鉢植えが販売されます。


◆短冊星ユニットStar wreath with 5 strips of fancy paperstar by Ms.Sayako KUWABARA
くわばら さよこ

なるべく折り数が少なくて、短冊がぐるっと回ったリングを作りました。出来上がった時に穴が星になっていたのは、思いがけないおまけで、うれしくなりました。組んだ後、短冊が浮くので、重石をのせておくと、落ち着きます。(作者)


◆5枚の組み合わせ鶴Crane holding five pieces of paper by Mr.Akira KAKINUMA
柿沼 明

他社出版の折り紙の本で「五色鶴」という作品で知られるようになった作品です。『月刊おりがみ53号』(1980年2月号)で、「パロディ折り紙」と称して「ヤッコさん」などとあわせて「おりがみ頭の体操」の問題用に投稿された作品です。異なる色の5枚の紙で折りましょう。



◆飛ぶサギとサギソウFlying heron and Orchid with heron-like flower by Mr. Yoshihide MOMOTANI
桃谷 好英

サギソウは日当たりのよい湿地に生える小さい蘭ですが、花の形が鳥のシラサギに似ていることから名づけられています。小さい蘭は、折り鶴を折って棒につけるだけでもそれらしく見せることができます。サギソウは5cm角くらいの小さな紙で折ってください。(作者)



◆読者の広場
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 「ハートの手まりと四つ葉のクローバーの手まり」がとてもかわいらしくて、折ってみたくなりました。1 月に小さな神社を折って職場(福祉施設)に持って行きました。実際に初詣に行ったときよりも、熱心に折り紙の神社に拝んでいる姿を見てほっこりしました。
埼玉県 高橋さん
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 「おりがみ日本むかし話シリーズ」の「桃太郎」がかわいかったです。「チューリップ」も春らしくてよかったです。
大阪府 内藤さん
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◆支部だより
2018年の支部活動より
熊本支部「火の国」(支部長 中田武美)
青少年のための科学の祭典 熊本会場(2018.8/18・19 グランメッセ熊本)


多くの親子連れの方々の来場により、4 万人を超えるにぎわいの中、「ぴょんぴょんガエル」「ひまわりゴマ」「くまモン」などが好評でした。
 今回、新しい企画として縦横3m四方の大きな紙を用意して、一度に5~6人の子どもたちとともに「巨大折鶴作り」に挑戦しました。その時、初めて出会った子どもたちがお互いに協力し、眼を輝かせて一つの作品を完成させます。その作品をみんなで
持ち上げると、保護者の方々から写真を撮ってもらえるので、子どもたちは笑顔でピース。親子で喜んでいただける企画になりました。
 折り紙には一人で完成させる楽しみ方もありますが、みんなで協力して作って完成させることで、達成感を共有するという楽しみ方もあるようです。
 このように私どもは、折り紙の楽しさを広めつつ、その楽しみを共有できるような活動を続けたいと思います。(杉本好伸:記)

会員の個人作品とともに、朝日 勇先生の作品を共同制作して展示しました。共同作品は「今回はご来場くださった方にも協力していただき、完成させよう」ということで、一緒に折り図を参考にトンボやリスなどを折り、貼って完成させました。
 また、9月14日(金)は県内外からのお客様や、熊本支部を築き支えてくださった先輩の皆さん方もおいでになり思いがけず賑やかな交流の場となりました。長崎の宮本眞理子先生、福岡筑後支部の伊藤春美先生にはすてきなブローチの製作をご指導いただき有意義なひと時を過ごすことができました。
 ご来場者のなかには、折り方を学び作品を持ちかえられる方もあり、好評のうちに終了しました。
 本年度の作品展は9月11日(水)~17日(火)に鶴屋百貨店で開催予定です。今から楽しみです。(谷口さよ:記)


工夫を凝らして大阪支部作品展「阿倍野市民センターグループフェスティバル2019」
大阪支部「日本折紙協会なにわ・みおつくし会」支部長 梅本吉広/大阪府

今年も3月9日(土)・10日(日)、大阪市立阿倍野市民学習センターで「あべのグループフェスティバル2019」が開催され、作品展示部門に参加しました。大阪支部は当センターで、毎月研究会と定例会を開催し、会員相互の親睦と研修を図るとともに、地域の文化発展に寄与してきました。
 今年は折り紙を折るだけにとどまらず、身のりにある透明なコップや、すのこや百円均一のアミや透明な合成繊維の幅広

今年も3月9日(土)・10日(日)、大阪市立阿倍野市民学習センターで「あべのグループフェスティバル2019」が開催され、作品展示部門に参加しました。大阪支部は当センターで、毎月研究会と定例会を開催し、会員相互の親睦と研修を図るとともに、地域の文化発展に寄与してきました。
 今年は折り紙を折るだけにとどまらず、身の回りにある透明なコップや、すのこや百円均一のアミや透明な合成繊維の幅広

折り紙に興味のある見学者や子ども達に手渡す作品を用意していましたが、すぐになくなるなど大盛況のうちに終了しました。


◆みんなの作品展

NHK文化センター川越教室
おりがみドリーム作品展 髙山鈴子(東京都)

3月15日(金)~17日(日) 、埼玉県川越市の小江戸蔵くらり里 展示室で、私が指導している教室の「NHK文化センター川越教室おりがみドリーム作品展」が開催されました。
 当教室の作品展は1997年から川越駅周辺で開催していましたが、2015年より、国の登録有形文化財に指定された3つの蔵に隣接する和の雰囲気に満ちたこの会場に展示、好評を博しています。
 県内外から約150名のご来場があり、展示作品の出来映えに感嘆のお言葉をいただきました。会員一同心より感謝しております。


◆World Origami Report
パリでの折り紙活動  西-SERVAN-SCHREIBER 由美子(フランス)

初めてお便りさせていただきます。
 数年前に、日本折紙協会に入会し、それ以来、パリの小学校や病院で、子ども達を相手に折り紙のボランティア活動をしています。

パリの小学校での折り紙教室
先日も、復活祭(イースター)を前に、子ども達が一生懸命、うさぎを折ってくれました。
 フランス人も、ちゃんと、日本語の「オリガミ」をそのまま発音し理解して大人気です。これからも微力ながら、海外で、折り紙の素晴らしさを伝えていけたら幸せです。

パリの病院で
 右の写真は、フランス領タヒチから、大病で、パリの病院に治療に来ていた少年です。
 隔離病棟の中で、大好きな折り紙をたくさん折って、先生や看護婦さんにプレゼントしてくれていました。



◆高木 智 氏 収蔵資料より  解説 岡村昌夫

資料9
風流東都八景 忍ケ岡弁財天
(ふうりゅうとうとはっけい しのぶがおかべんざいてん)

制作年:19 世紀半ば(天てんぽう保頃)   
制作地:江戸(現在の東京)
ジャンル:浮世絵
絵師:菊川 英山
大きさ:37.4cm × 25.6cm
絵師の菊川英山(1787 ~ 1867 年)は、江戸の市ヶ谷に生まれ、父親は造花業を生業にしていました。
はつらつとした美人画を描いた喜多川歌麿(1753~ 1806 年)が亡くなったあと、新時代の美人画をリードした浮世絵師です。黒目がちの瞳に、六頭身でほっそりとした体つきの愛らしい女性像が特徴で、弟子の溪斎英泉(1790 ~ 1848 年)のみならず、歌川貞や歌川国芳など、以後の絵師たちに大きな影響を与えました。


この連載の第1回目で紹介した『偐紫田舎源氏』(歌川国貞 画、1832年:天保3年)や『百人一首八十四番俊恵法師』(歌川国貞:豊国三世 画、1844~1847年:弘化元年頃)と同じで、題材は鶴を折る女性です。繰り返し描かれたテーマです。たくさんの簪を指し、長い袂の振袖を身に着けていますので若い娘です。
 江戸の上野の不しのばずのいけ忍池の弁天社。江戸の庶民のデート場所は神社の境内や夕涼み場所などでした。偶然を装って逢瀬の機会を待ちます。しかし、娘一人で出かけることはできないので、弁天娘(容姿端麗な娘のこと)は幼い弟をあやすという口実で連れて行きます。愛しい男と添えるように願いを込めて、鶴を折りあげたところ。弟は姉に折ってもらった蛙かえるの折り紙を手のひらに載せて無邪気に遊んでいます。もしかして弟のために折った蛙にも恋人が帰って来ますようにとの想いを託したかもしれません。
 ところが、弁財天は大のカップル嫌いで、男女揃って参拝すると、仲を引き裂こうとするという言い伝えがあります。たとえ恋人と会えたとしても、この美しい娘は弁財天に嫉
妬され、別れの憂き目に遭うかもしれないのです。
 少し話がそれますが、明治時代の泉いずみきょうか鏡花原作『婦系図』の名場面が思い起こされます。湯島天神の境内でのお蔦と早瀬主ちから税のシーンで、お蔦がすぐ近くだから弁財天にお参りしたいが二人で行くのは都合が悪いので、ここで待っていてと言うのです。江戸時代、明治時代、そして時を経て現代もこの迷信は伝承されそうです。


協会ホームページに折り紙用紙のショッピングカートができました
約400種のラインナップをそろえてお待ちしています!
http://origaminoa.cart.fc2.com/

~日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。

~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。

~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。

~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。

現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。

3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。

おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。

[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。

[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。

[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。

この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。

来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。

~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。

~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」を東京スカイツリータウン ソラマチイーストヤード5Fで開催します。

~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)

「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト100」を購入し、テキスト掲載の全作品約100点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料3,240円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。

口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」

~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。

~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。

801円
特集 雨の季節


◆おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami picture of Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA

構成・創作 立花澄子

第6話 かえるぼたもち

 6 月は梅雨の季節です。そして梅雨といえば、カエルやカタツムリやアジサイなどが浮かびますが、海外のお話によく登場するカエルも日本昔話では主人公としても脇役としてもあまり出てきません。母子カエルの悲しいお話もありましたが、ちょっと笑える「かえるぼたもち(かえるになったぼたもち)」のお話を選びました。
 お嫁さんにおいしいぼたもちを食べさせたくない、食い意地のはったおばあさんです。これからぼたもちを食べようと座っているので、今までのおじいさんの足を折りこんでしまい、着物を着せました。顔は肌色と灰色の両面折り紙がないので、肌色と灰色の折り紙を裏合わせで折っています。
 カエルは顔だけでいいので増やしてもいいです。目はシールを使いました。囲炉裏は和紙を棒状に切って貼りましたが、折り図では折り紙を額縁状に折って中に灰色を入れる形のものを紹介しています。鍋や釜をつるす自在鉤は細い紙に4等分の折り線を入れてから細く折ることにより、煤竹の雰囲気を出しています。
 鍋の鉉も鉤も細く折って作っていますが、描いてもよいと思います。台紙は今回も大色紙(27cm × 24cm)。色紙の下部に板の間として13cm × 23.8cm の和紙を横8等分の折り線を縦方向に入れたものを貼りました。その上に2cm × 23.8cm の大きさの紙を貼っています。昔は板の間にござを敷いて座っていたのですね。ござは8cm × 10cmの大きさをちぎったものを使いました。(立花澄子)
※おばあさんの着物ともんぺ4 4 4は『522号』P14-15のこぶとりじいさんの着物とはかま4 4 4の図をご覧ください。なお、「かえるぼたもち」のあらすじは、P19のミニ知識の欄に掲載しています。



◆漢字の六 Kanji( Chinese character) having the meaning of six by Mr. Ko-ich DATE
伊達 光一

漢字の「牛」を見て他の漢字ができるかもと思って創り上げました。⑰と㉓は、④まで折ったもう一枚の折り紙で測って折るとよいでしょう。『521号』に掲載された「月」も完成すると「六月」と熟語になります。この六の形のバリエーションで漢字の「大」などがあります。(作者)




◆あじさいのお皿 Hydrangea dish by Ms. Noriko SUMIDA
住田 則子

平面のままで飾ってもきれいだなと思いましたが、最後に折りすじをつけたら器になるかなと思いました。指ではじいて回して遊ぶこともできます。(作者)



◆モーニング Morning coat by Mr. Saburo- KASE
加瀬 三郎

作者の加瀬三郎さん(1926-2008)は全盲の折り紙作家で、折り紙民間外交大使として世界各地を歴訪されました。また、日本折紙協会の理事を務められました。




◆ミニ知識

◇かえるぼたもち(蛙かえるになったぼた餅もち)…初めて図書に登場したのは『信濃の民話 日本の民話1』(1957 年未来社発行)に収録されたものです。あらすじは次のとおりです。「あるところに姑しゅうとめおばあさんと嫁よめがいました。ある晩、ごちそうのぼた餅を作り食べました。残りを重箱にしまうとき、おばあさんは嫁にやるのが惜しくなりました。そこで、ぼた餅に「嫁を見たら、蛙になれよ」と言い聞かせて、戸棚にしまって寝ます。それを聞いていた嫁は次の日の朝、早起きして重箱のぼた餅をみんな食べ、かわりに田んぼで捕まえた蛙を入れて元通りに戸棚にしまっておきました。みんなが田んぼに行き、一人になったおばあさんは重箱のふたを開けます。するとあんこだらけの蛙が跳び出し、おばあさんはびっくりして「ぼたや、おれだぞ、嫁ではないぞ。そんなに跳ぶと小あずき豆がこぼれる」と蛙を追い掛けまわしたそうです。アニメ番組の「まんが日本昔ばなし」(1975 ~ 1994 年TBS 系列放送)でも、この話が1980 年4 月に取り上げられています。その中では、おばあさんは囲いろり炉裏の鍋にぼた餅を隠します。
◇和菓子の日…6 月16 日。もともと旧暦6 月16 日は、江戸時代ま
で「嘉祥の日」とされ、菓子と餅を供え、疫病よけと無病息災を祈りました。嘉祥の日は、平安の仁明天皇の時代、国内にひどい伝染病が起こり、豊後の国(現在の大分県)から白い亀を贈られたことを吉兆として、848 年に年号を「めでたいしるし」という意味の「嘉祥」と改めました。その年の6 月16 日に「16」にちなんだ菓子と餅を神に捧げ、疫病よけを祈ったのが始まりとされています。1979 年に日本和菓子協会が新暦のこの日を「和菓子の日」と決めました。
◇ピクトグラム(絵文字)…男女の形で表したトイレマークや非常口のマークなど、だれが見てもすぐ意味がわかるように、絵や文字や記号を組み合わせて色と形を工夫して作られたマークです。日本でピクトグラムが初めて登場したのは1964 年の東京オリンピックのときだといわれています。さまざまな国から来日した外国人に、伝えたいことが一目でわかるようにとデザイナーたちが知恵をしぼってたくさんのマークを作りました。その後、社会に還元すべきとの考えで著作権を放棄したために広まったそうです。
◇オナガ…全長37cm ほどのカラス科の鳥です。名前どおりの長い水色の尾と羽を持っていて、頭は黒いです。鳴き声はギューイギューイやグェイグェイと大きくて、うるさい。雑食性で、虫や果実などその季節にあるものを食べます。中部以北の本州で1 年中群れで生活し、巣は木の上に小枝などで作り、5 ~ 6 月に1 羽につき5~8個の卵を産みます。
◇モーニング(コート)…男性用の日中の正礼装服です。もともとは丈の長いフロックコートの裾すそを乗馬用に前を丸くカットして誕生したとされています。背部の裾は丸く、ベント(切り込み)はありません。第一次世界大戦後、礼装として定着しました。一方、夜の正礼装服を「燕えんびふく尾服」といいます。背部の裾にベント(切り込み)が入って、燕つばめの尾をイメージするところからこの名前がつきました。前身頃の裾はモーニングのように長くなく、お腹の部分でカットされています。


●ミニ知識参考図書:『松谷みよ子の本 8 昔話』(講談社)、『うりこひめとあまんじゃく さるじぞう-ほか』(講談社)、『まんが日本昔ばなしデータベース』(ホームページ)、『日本昔話大成』(角川書店)、『日本の昔話百科』(河出書房新社)、『五感の力でバリアをこえる』(大日本図書)、『ユニバーサルデザインとバリアフリーの図鑑』(ポプラ社)、『絵でつづるやさしい暮らし歳時記』(日本文芸社)、『朝日新聞』(朝日新聞社)、『世界大百科事典』(平凡社)



◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson43 
Envelope by Mr. Hiroshi KUMASAKA

「紙は折ることで、立たせたり、はさんだりなどとさまざまな機能が生まれます。折り紙はただ形を作るだけでなく、それを生活の中に活かして楽しむようにすると、人の和が広がります」と、作者はよく語られていました。今回紹介した作品の発展した形が「ハートのついた封筒」で、『おりがみ66号』・『おりがみ174号』・ノアブックス『おりがみ傑作選2』などに収録されています。ぜひそちらも折ってみてください。
“Folding a paper allows us to make it stand, insert things inside and create new
functions. Not only making the form of origami but also using and enjoying the
model in everyday life leads to having broader social exchanges among people,”
the author used to say. The developed form of this model is “Envelope with
Heart,” which is contained in “Origami No. 66,” “Origami No.174,” NOA books “Best
selections of origami magazine vol.2” and so on. Please also enjoy folding it.


◆モダンな壁掛けケースCase by Ms. Ayako KAWATE
川手章子

折り紙の表と裏をいかしたツートンカラーのケースで、ちょっとモダンかな…と思われました。インテリアとして、またガーデニングでお花を植えたりしてもよさそうに思いました。(作者)


◆トランクSuitcase by Ms. Sho- ko AOYAGI
青柳祥子

のりづけなく組め、蝶ちょうつがい番のような本体で開閉ができる素敵な作品になりました。タント紙くらいの厚みがあり、しっかりして大きめの紙で折れば、いろいろ物が入ります。サイドのポケットも気に入っています。ミウラ折りの地図などを入れてみたらどうでしょう。(作者)


◆オナガAzure-winged magpie by Mr. Dokuoutei NAKANO
中野 獨王亭

オナガの特徴である長く美しい尾羽をうまく表現したじゃばら折りが、そのまま前方に向かってボックスプリーツの技法で仕舞い込まれる構造が見事です。左右対称になるように、また、じゃばら折りの幅が均等になるように注意しながら、ていねいに折り進めましょう。


◆トイレマークToilet pictographs by Mr.Yukihiko MATSUNO
松野 幸彦

改良が間に合わなかったのですが、男女とも⑱(18)から折るよりも、㉑(22)からの足の部分の折りを先に行った方が、まとまりよく仕上がります。(作者)


◆カワウソOtter by Mr.David BRILL
David BRILL

40年前のこの作品のことはまったくおぼえていませんでしたが、NOAの皆さんに折っていただけたらうれしいです。(作者)


◆布袋様 Hotei( god of good luck with a potbelly and a cloth bag) by Mr. Eiji TSUCHIDO
土戸 英二

七福神の中で一柱だけ実在していた人物がモデルの布袋様。一番とらえどころがなくて難しかったです。たまたま袋の上に乗っかっている絵を見かけて、この作品ができました。(作者)



◆ミニ知識

◇布袋…七福神の一人。お坊さんのような身なりで、日常用具を入れた袋を背負い、太って突き出た腹をしていると考えられています。突き出て大きい腹のことを「布ほていばら袋腹」といいます。
◇世界カワウソの日…5 月の最終水曜日で、イギリスで制定されました。
イギリスにいるのはユーラシアカワウソです。ニホンカワウソは毛皮や結核治療薬として肝4 目当てでの乱獲や環境汚染のために数を減らしました。1979 年、四国の高知県での目撃情報を最後に見られなくなり、絶滅したと考えられています。2017 年に長崎県の対馬列島でカワウソと見られる動物が撮影されましたが、その後の調査や研究でニホンカワウソではなく、韓国やサハリンにすむユーラシアカワウソとみなされています。近年、東南アジアでカワウソの密猟と売買が横行し、世界で大問題となっています。



●読者の広場
 「おひなさま」、「円ひな」など全作品を折ってみました。むずかしい点もありました、楽しく折りました。コップ折り8 枚を使い、表面にいろいろな折りを入れて楽しんでいます。静岡県 青木さん
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 「おひなさま」がくわしく載っていて助かります。立体的な作品を折ることに興味があります。埼玉県 高橋さん
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 「2018 年おりがみカーニバル入賞作品紹介」、いろいろな作品があってとてもよかったです。ひなまつりの作品、春がもうそこに来ているみたいでよかったです。
大阪府 内藤さん
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◆支部だより

大学病院内ギャラリーと兵庫県民会館講座
のじぎく兵庫支部「神戸国際おりがみ会」(支部長 石橋美奈子) 文:山本孝子/兵庫県

今年1月から2月半ばまで、神戸大学大学病院内ギャラリーに、作品を展示していただきました。私たちの仲間の一人に大学病院でボランティアをされておられる方があり、その方のお口添えで毎年展示させていただいています。今回はパネル作品とキャラクターの展示です。入院中の方、お見舞いに訪れた方、大学病院の関係者の皆様など、た<さんの方々に観ていただき、嬉しく思っています。神戸大学大学病院内ギャラリーの作品に関心を持ってくださる方が多いほどやりがいを感じています。また、病院のボランティアの方々の
計画の中に、私たちの折紙作品展を入れていただいていることを嬉しく思っています。


 また、2月1日(金)~3日(日)に開催された兵庫県民会館講座の合同展にも参加しました。パネル、立体など、いろいろな作品が展示されました。今回も展示会場とは別に一部屋お借りして、三日間とも体験折り紙教室を開きました。た<さんの方に作品を見ていただき、また折り紙体験にも参加していただき、楽しく盛り上がった三日間でした。


◆京都折り紙コンベンションと支部例会の報告
京都支部「古都折紙倶楽部」支部長 松井佳容子/京都府

 第3回京都折り紙コンベンションは、3月2日(土)~3日(日)、京都市東山区の知恩院境内にある、知恩院和順会館で開催されました。
 今年は「あの名作をもう一度!」というテーマで、『月刊おりがみ創刊号』(1974年)に掲載されている千野利雄先生の「かたつむり」をはじめ、田中稔憲常任理事の講習による古典かやら草より「蟹」や、中澤信子先生の講習による、昭和10年発行の木版本『折紙模様』からの「ほおずき」など、日本の折り紙の美しさを見直すイベントとなりました。
 遠くは福岡県や岩手県など、全国から70名の折り紙愛好家にご参加いただき、いつもながらの、熱気あふれる会場となりました。
 また今回は、『月刊おりがみ114号』(1985年)に折り紙作品「コアラ」を投稿された入いりえ江尚たかし志さんが参加、折り紙関連の会合は久しぶりとのことでしたが、力強く「コアラ」を講習してくださいました。入江先生はこの春から京都市上京区に常設の「折り紙ギャラリー」※を開設することなりましたので、京都にお越しのおりはぜひお立ち寄りください。
 さらに今回は、大阪支部長の梅本吉広先生がご参加くださり、名作「結び桜」を、また、中島 進 常任理事は、鶴作品の名作「稜線の鶴」を講習くださいました。
 「石の上にも三年」といいますが、なんとか3回目を無事なしとげ、京都の面目が保てた思いです。
 ご参加のみなさん、協会役員の先生方、ほんとうにありがとうございました。


京都折り紙コンベンションが終わってすぐの京都支部定例会は、3月16日(土)、定例会場の京都駅前・東本願寺しんらん交流館で、「佐藤ローズ」でご活躍のフランス在住・佐藤直幹先生をお招きして開催しました。
 講習の前は、ご参加の会員さんには、「佐藤先生のバラは難しいぞ」との思いがあったようですが、基本の正五角形の切り出し方を「紙ズレがないように」ていねいに教えてくださったり、花びらをきれいに開いていく技法や、机の間を忙しく回って、一人一人の折り具合を確かめてくださるなど、とにかく講習前の「不安を解消」してくださった、すてきな講習となりました。
 記念写真や本のサインにも本当に気軽に応えてくださり、気さくな優しいお人柄に、楽しいひとときを過ごせました。集合写真をご覧ください。みなさん、満足そうでしょ?
 佐藤先生に次にすばらしい作品が生まれたら、また京都で講習していただきたいなと思いました。佐藤先生、ありがとうございました。



◆World Origami Report
西豪州豪日協会 雛まつりイベントでの折り紙デモンストレーション
山本知美(パース/西オーストラリア州)


3月6日(水)、西オーストラリア州・兵庫文化交流センターで、西豪州豪日協会の皆様との交流イベント“HinaMatsuri Ladies’ Morning Tea”が開催されました。今回私は折り紙デモンストレーションのお手伝いをさせていただきました。
 テーマは雛まつり。シンプルで遊び心のある作品を、というリクエストを事前にいただき、伝承作品の内裏雛や池田明美さんの「おひなさまのはし入れ」(『487号』)を選びました。比較的やさしい手順で完成する点と、同じステップの折り方で女雛と男雛をそれぞれ作製する点で、覚えて下さってご自宅に戻られても、また一から折り楽しめるかなと思ったからです。お箸入れも同様で、その用途以外に、お箸を入れる部分にシンプルに小さなお菓子を置いて、朝のお茶のお供として見て和み楽しめそうかなと思いました。
また、ディスプレイ用に左近の桜、右近の橘をイメージし、吉田淳子さんの「花びらたとう」(『523号』)を色違いで作成し、飾りに添えました。
 参加メンバーの15名のみなさんの前でプレゼンテーション形式で進めていき、参加者の中には折り紙が初めての方もおられましたので、ゆっくり一つ一つのステップを理解してもらえるよう、説明をしながら空中で折り進めていきました。
 また今回のイベントでは、折り紙だけではなく、裏千家茶道の盆ぼんりゃくてまえ略点前のデモンストレーションや、参加者のお薄うすの点た て方体験、さまざまな日本のお菓子もお茶会に添えられ、大変充実した雛まつりのお茶会となりました。また2日後の3月8日(金)は「国際女性の日」でもあり、参加者の女性の皆様と記念撮影をし、大いに楽しみました。
 海外で、折り紙を通して日本の節句行事をお祝いでき、改めて折り紙の大切さや海外の方との気持ちをつなげるツールとして、大いに役立つものだと嬉しくなりました。パースに暮らす私の方がこちらでは外国人なのですが、どこで暮らしても、折り紙は年齢、性別、国籍を問わず、人の心を優しく楽しくしてくれると信じて、今後パースの多くの方々に折り紙を知ってもらい、その楽しさの発見のお手伝いができればと願っております。



◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

物を贈るとき、清潔な白紙で包むことが発展したのは武家の時代でした。和紙は折り目を付け直したり、乱雑に扱ったりすると元の清浄な状態に戻せなくなるので、贈り先の手に渡るまで他人が品物に触れていないことを証明することができます。いろいろな包みが考えられ、「礼法折り紙」として広まりました。この「礼法折り紙」の余技から「遊戯折り紙」が誕生したことは折り紙愛好者によく知られていることです。
 さて、前回に続いて1705(宝永2)年の「小笠原流諸式折形雛形」の行と草の折形です。真と同じで、包むものの形によって細長いもの、平くて短いもの、筒状のものなど3パターンほどに分けられ、本来の礼法家伝承の形を色濃く残しています。その一方で、19番には女性の白粉や眉墨などの化粧用品を包む畳紙が見え、25番や40番などの包丁人の家の折形も入っています。武家の男礼のみとした本来の礼法家のものとは違っています。 
 ところで、雛形は実際に使用するものではないので、それ自体が美しく折られている場合があります。つまり「雛形」が単なる折り見本ではなくて、そのまま鑑賞に耐える作品になっているのです。これは折り紙史上、注目すべき事実でしょう。次回以降で資料をご紹介する機会もあると思います。


協会ホームページに折り紙用紙のショッピングカートができました
約400種のラインナップをそろえてお待ちしています!
http://origaminoa.cart.fc2.com/

~日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。

~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。

~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。

~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。

現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。

3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。

おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。

[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。

[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。

[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。

この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。

来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。

~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。

~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」を東京スカイツリータウン ソラマチイーストヤード5Fで開催します。

~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)

「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト100」を購入し、テキスト掲載の全作品約100点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料3,240円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。

口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」

~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。

~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。

801円
特集 五月のお祝い

◆おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami picture of Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA
構成:立花 澄子

第5話 金太郎

 5 月はこどもの日がありますね。強い子、元気な子の象徴はやはり金太郎ですね!熊と相撲をとれる子どもなんて見たことありません。熊を見たら死んだふりをしなくては!(笑)
 さて、金太郎の頭は笠原邦彦さんの創作作品に腹がけと体をつけました。体は先月までのおじいさんの体を太らせて使用! 足が細いと思われた方、太くしてもいいですヨ。腹がけは赤と黒の両面折り紙を使いましたが、赤の折り紙で折って上部のフチを黒く塗ってもよいと思います。頭と体は、黒と肌の両面折り紙です。くまは色紙仕様で考えてみましたので裏に耳はありません。ですから向きを変えたい時は、逆(左右対称)折りに折ってください。
 5月らしい雰囲気を出すためにあやめをつけてみました。伝承のチューリップから折った作者不詳の花の中心に黄色の紙を貼っていますが、なくても十分にあやめに見えます。花をなくして葉っぱだけでも、草のように見えて野原の雰囲気が出ると思います。
 台紙の大色紙(27cm × 24cm)には越前和紙を空と野原のイメージで貼ってみました。自由な発想で作ってみてください。(立花澄子)
※「金太郎」のあらすじは、P33 のミニ知識の欄に掲載しています。


◆甲冑
Armor by Mr.Yukihiko MATSUNO
松野 幸彦

同じ大きさの紙2枚で折ったよろいに、立て物付きのかぶとをかぶせました。かぶとは『165号』掲載作品の考え方とほぼ同じ、前横にポケットがあるので、単純なパーツで、伊達政宗風、榊原康政風、黒田長政風 、 伊井直政風 、最上義光風、真田昌幸風など作ってみた中の一つ(伊達政宗風)です。(作者)


◆鶴のぽち袋vol.II
Crane envelope vol.II by Ms. Minako ISHIBASHI
石橋 美奈子

前に創作した「鶴のぽち袋」のバリエーション です。18cm角の大きさの紙
で折ると、三つ折りのお札がぴったり入ります。(作者)



◆ミニ知識
◇端午の節せっく供…端午とはもともとは「月の初めの午うまの日」という意味です。旧暦の5 月は現在の6 月にあたり、じめじめとして病気になりやすく、害虫の被害も多い梅雨の時期なので古代中国では物忌みの月とされました。数字が重なる五月五日を端午の節供とし、強い香りのする菖蒲や蓬を使って邪気(病気を引き起こす元とされる気)をはらう行事が行われました。 それが日本に伝わり、田植え前に菖蒲と蓬で葺ふ いた屋根の下で、身を清めるという女性の祭に結びついて、菖蒲湯に入って厄よけをする風習が生まれました。武士の時代となり、菖蒲が「尚武(武事を尊ぶこと)」と音が同じであることから、江戸時代には身を守る鎧兜を飾って、男の子の成長を願う祭へと変わっていきました。なお、江戸時代末期には紙製の鎧兜飾りがはやったそうです。

◇甲冑…鎧兜のことで、頭部や身体を守るための武具です。もともと甲が ヨロイ、冑がカブトの意味でしたが、のちに混同されて甲がカブトの意味で使われるようになったとされています。今月号の甲冑の下のスカートのような部分を草くさずり摺といいます。裾が草をこするところからこの呼び名がついたようです。鎧の胴に付属し腰から上脚部を守る部分です。足が動かしやすいように分割されていて、その一片を一いっけん間と呼びます。


◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson42 
Triangular crane Tato- by Ms. Sho-ko AOYAGI

伝承の「角つのこうばこ香箱」をねじるように折ることで、三角づるができました。 裏側にちょっとしたものを入れられます。きちんと立つので、きれいな紙で折って飾ると素敵です。(作者)
You can make a Triangular crane Tato- (envelope) by modifying a
traditional “Tsunoko-bako.” You can insert a small thing on the back
side. It is pleasant to make a nice standing origami crane with a
beautiful piece of paper. (Author)


◆カーネーションのインテリア
Carnation ornament by Ms.Masako FUTAWATARI
二渡昌子

しっかりと安定感のあるカーネーションです。いろいろなところに飾って母の日を楽しく演出してください。(作者)



◆りすとどんぐりSquirrel and acorn by Ms. Sho- ko AOYAGI
青柳祥子

伝承の角香箱からりすと手の部分にちょうど収まる「どんぐり」ができました。どんぐりは右の写真のように違う形のものも作ってみました。(作者)


◆お花のパーツFlower parts by Ms. Michie TAKAYAMA
髙山 三千江
1枚で作るお花のパーツは「たとう折り」なので、よい香りのものを入れて、文香やサッシェなどとして使えます。同じ大きさの紙8枚でリース、折り方を少し変えて6枚でくす玉、また伝承の箱にぴったりのふたにもなります。いろいろ楽しんでください。(作者)



◆八角形の彩りプレートOctagonal colorful plate by Ms.Ayako KAWATE
川手章子

シンプルなパーツを少しはなやかにと思いました。ちょっと見は手の込んだ作品のようですが、実際はそうでもありません。両面おりがみで折ると彩りが楽しめそうです。組み合わせ方は折り図をよく見ていただけたらと思います。(作者)


◆プレゼントBOX
Gift box by Ms.Ayako KAWATE
川手章子

フタの上部を少し工夫してみました。この中に折り紙作品を入れて、プレゼントしたら良さそうと思いました。比較的スッキリと仕上がったように思われます。いろんな折り紙で折って楽しんでみてくださいね。(作者)



◆ミニ知識

◇金太郎…子ども用の腹掛けを「金太郎」と呼んだり、どこを切っても金太郎の顔が出る「金太郎飴」など、由来のあるものもあり、人々に昔から親しまれている子どもです。『教科適用幼年唱歌 初編上巻』(1900年、明治33 年)に収録された「キンタロー」(石原和三郎 作詞、田村虎蔵 作曲)の歌で有名です。歌詞は「1番…マサカリカツイデ、キンタロー、クマニマタガリ、オウマノケイコ、ハイ、シイ、ドードー、ハイ、ドードー、ハイ、シイ、ドードー、ハイ、ドードー。2 番…アシガラヤマノ、ヤマオクデ、ケダモノアツメテ、スマウノケイコ、ハッケ、ヨイヨイ、ノ コッタ、ハッケ、ヨイヨイ、ノ コッタ」です。立身出世の物語で、巌いわや谷小波が書いた『金太郎』(1901 年)ではあらすじは以下のようになっています。「足柄山の山姥から生まれた金太郎は小さな時から怪力で、熊くまや鹿しかや猿さるや兎うさぎなど山の動物たちと遊んでいました。いつものように金太郎が相すもう撲をとって遊んだあと、大きな木を引き抜いて橋をかけました。それを見た源みなもとのよりみつ頼光の家来の碓井貞光は、金太郎と母に都に行って武士にならないかと話をします。金太郎は都に出て頼光の家来になりました。のちに大江山の鬼を退治し、土蜘蛛を討ち取った坂田金時はこの金太郎のことです」
◇八十八夜…5 月2 日ごろ。雑節(二十四節気以外の気候の変わり目)の一つで、立春から数えて88 日目に当たる日です。「夏も近づく八十八夜」という歌詞で始まる「茶摘」(作詞者・作曲者不詳)という文部省唱歌にもあるように、茶摘みが盛んに行われるころです。昔から八十八夜に摘み取られたお茶は上質だとされ、古くから神仏に供えられました。また末広がりの八の字が重なることから縁起がよいとされこの日に摘んだお茶を飲むと長生きできるという言い伝えもあるそうです。

●ミニ知識参考図書:『対訳日本昔噺集』(彩流社)、『日本昔話大成』(角川書店)、『日本の昔話百科』(河出書房新社)、『鬼むかし』(角川書店)、『植物と行事』(朝日新聞社)、『絵でつづるやさしい暮らし歳時記』(日本文芸社)、『植物ごよみ』(朝日新聞社)、『変わり兜図鑑』(新人物往来社)、『甲冑のすべて―ビジュアル・ガイド』(PHP研究所)、『朝日新聞』(朝日新聞社)、『世界大百科事典』(平凡社)


◆福禄寿、寿老人
Fukurokujyu nad Jyurojin by Mr.Eiji TSUCHIDO
もともとは同じ神様とされる「福禄寿」と「寿老人」です。かぶりものや持ち物が逆になった形もあるようです。(作者)



◆読者の広場

 「コアラ」、「ハートスタンド」、「ハーレクイン・ハート」がよかったです。どれも難しかったのですが、完成したらうれしゅうございました。
東京都 阿部さん
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 「オニの豆入れ」がよかったです。壁飾りの折り紙に興味を持っています。
大阪府 井上さん
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◆支部だより

張替亮子先生をお迎えして特別講習会
多摩支部「山鳩」(支部長 瀬田美恵子) 文:元秋功枝/東京都

 すっかり秋が深まった(昨年)11月16日(金)、「平織り、あじさい折り」の張替亮子先生をお迎えして講習会を行いました。参加者は30人余り、会場には作品がたくさん飾られ、華やかな雰囲気の中、講習会が始まりました。
 最初に「あじさい基本形A」を習いました。紙を折りたたむ前に折りすじをしっかりつけるのがポイントで、「あとは紙が教えてくれる」とのこと。張替先生の明るい声と小気味いい進め方により、線にそって両手でよせていくとみるみる4弁の花ができあがりました。次に「あじさい2連」という、長方形の紙を使い「あじさい基本形」の花を連続に折りつないでいく形。これは「無限折り」とも言われますが、先生による3m近くの作品は圧巻でした。さらに「表裏あじさい」という表裏の色の違いを生かす折り方を教えていただきました。「あじさい基本形」と同じ線から折り出すのですが、表の色が裏側にも表れ両面楽しめる花となります。時間を忘れて夢中で折り続けました。
 張替先生の適切なお声がけのおかげでみなさん作品をしあげることができ、楽しい時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。しっかり折ることの大事さを改めて感じた講習会となりました。そして「(藤本修三さんが残された)平織り、あじさい折りを広めたい!」と最後に熱く語られた張替先生の言葉が印象的でした。


◆三支部合同勉強会を開催しました
神戸支部「おりがみ かうべ」支部長 柴本厚子/兵庫県

2018年11月24日(土)・25日(日)、大阪市北区の山西福祉記念会館で、奈良支部、吹田支部との三支部合同勉強会を開催しました。 藤本祐子先生をお招きし、たくさんの作品の講習をしていただきました。それぞれ生徒さんをお持ちの参加者が多く、今後教室で活用できる作品ばかりでした。
 1日目の夜には、夕食後、お楽しみビンゴ大会がありました。初めて参加された信濃支部の今井様、大口様からいただいた立派なリンゴも賞品になり、大盛り上がりしました。
 藤本先生からいただいた賞品にも、会場からため息が漏れる中、当選者には笑顔があふれました。残念ながら、なかなかビンゴにならない方には、全員で応援のヤー‼を捧げ、最後には豪華賞品をゲットされました。ビンゴの後は10時まで特別講習会が開催されました。
2日間、丁寧に教えていただいた藤本先生ありがとうございました。
 また、準備から当日の進行、片付けまで、一手に引き受けていただいた山本一彦先生とご家族の方に感謝しています。次回も楽しい会になりますように。



◆みんなの作品展
年初めの折り紙は川口市立グリーンセンター緑のアトリエの作品展です。1月3日(木)~11日(金)の開催中はお天気に恵まれ連日たくさんの方々がいらしてくださいました。お正月ですのでご家族でいらした方々も多く、魚つりで遊んだり作品を見てくださったり、思い思いの時間を過ごしていただきました。折り紙は折るだけでなく、飾ったり、見たり、そして出会いがあり、交流が生まれるすばらしい「宝物」だと改めて感じる時間でした。寒い中ご来場いただきましたみなさま、本当にありがとうございました。会員一同お礼を申し上げます。

昨年11月3日(土)・4日(日)、宇都宮市平石市民センターで、恒例の文化・農業祭が行われました。折り紙教室(浅見栄子会長)も参加し、体験コーナーには両日子どもさんたちがたくさん参加され、完成すると「ワーッ!!」と歓声をあげて大喜びで、大盛況でした。展示コーナーも、会員の皆さんの傑作、力作が並び、来場者も楽しんでおられました。




◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

資料8『小笠原流諸式折形雛形』(おがさわらりゅうしょしきおりかたひなが

参考図書:『折るこころ 折り紙の歴史』執筆 岡村昌夫、1999年龍野市歴史文化資料館(現:たつの市立龍野歴史文化資料館)発行

時代:江戸時代1705 年(宝永2)年   
内容:袋に年月日が裏書きされた、100 枚を越す折形雛形のセット。折形雛形とは折形の見本として小さい紙で折り畳み、折り目の崩れを防ぐために上から合あいいん印を押したものです。この雛形は小笠原家に正式に伝承されるものではなく、いわゆる「小笠原流」というものですが、年代が古く、本来の小笠原家伝承の形を残しています。なお、折形は使う場の格式によって、最高位の「真」、真を少し崩した「行」、もっとも略式が「草」と3段階に分かれますが、今回の資料は高木氏によって、真41 点、行27 点、草17点が確認されています。


上流の武家社会で、折形(贈答品の包みや婚礼など儀礼の席での飾りのための折り紙)が整備されたのは、室むろまち町時代14世紀後半の将軍足あしかがよしみつ利義満の頃らしいが、その後幕府の滅亡とともに衰退します。小笠原家、伊勢家、それに今川家を継承した吉良家は、徳川家三代将軍家光より礼法を司る専門職に任じられ、「高家」として将軍家や
大名に礼法を教えました。江戸時代末期、伊勢家だけが『折形皆伝包之記』(伊勢貞丈 著、1836年 写)で公開しましたが、他家では秘伝で、正式に世に出ることはありませんでした。
 初めに三家が相談して武家の礼法を混乱させないようにまとめた時、基本的には同じで流派による大きな差はなかったはずです。包みは、品物によって変わるのではなく、細長いもの、平たいもの、筒状のものなどと形によって定められていましたので、3種類ほどの基本を覚えてあとは応用で済むものでした。このことを伊勢貞丈は『包之記』で書いているのです。

江戸時代初めに大量に発生した浪ろうにん人達が、食うために「小笠原流」と名乗って一般人に教え出してからは、品物ごとに少しずつ形を変えるなどの方法で複雑化し、基本を教えるのでなく、一つ一つを口伝にしてしまったわけです。今回の資料で見ると、甲こうだて立や雌蝶雄蝶などの、包ほうちょうにん丁人の家の折形も取り入れて種類を増やしていますし、男性用だけでなく「女中かね付つけ筆包み」などを入れています。これは「お歯黒」を付ける時の筆型の刷毛でしょう。小笠原家では伝統を固く守って、本来の男礼だけを扱い、女礼を含めるようになったのは明治時代に入ってからですが、いわゆる「小笠原流」は早くから女性向きを取り上げていたのです。
 しかし、全体的には似た物が多く、3種類ほどに分類できる形をしています。その点がこの資料が古式を残している、筋のよい資料と考えられている理由です。


◆~おりがみ教室とは~◆
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。

[折り紙教室料金表]
1.講師報酬:講師1名につき、12,600円(拘束3時間以内・対象40名まで)
※対象60名まで2名、80名まで3名、100名まで4名の講師が必要です。
※標準的な時間割は、講習1コマ45分(2作品)、準備・休憩15分です。

2.超過料:3時間を越える1時間毎に講師1名につき、2,100円を加算
3.材料費(折り紙):実費(一人100円程度+会場宛送料)※そちらで用意する場合は不要。
4.教材費(教本等):実費(内容により不要)
5.講師交通費:実費
6.講師昼食代:実費(時間帯による)
7.講師宿泊費:実費(日程による)
8.管理費:上記1~7の合計金額の50%がマネージメント料として加算されます。
※上記料金は消費税込み

※折り紙教室料金のご請求とお支払いについて
折り紙教室実施後、講師が協会に提出する「折り紙教室実施報告書」に基づき請求書を作成し、ご送付申し上げますので、ご検収の上日本折紙協会へお支払いください。
※講師への報酬等は日本折紙協会から講師にお支払いいたします。

折り紙教室でご準備いただくもの
1.予定参加人数分の机とイスをご用意ください。
2.入門証等の証明パスが必要な場合は、手続き方法と通用口をお知らせください。
3.宿泊を必要とする場合は、宿泊場所の手配の有無をお知らせください。
4.講師の人数に応じた講師控え室を教室付近にご用意ください。
5.作品展示をご希望の場合は、事前にご相談ください(別料金)。


教室時間割(プログラム)その他ご不明・ご要望は担当佐野までお気軽にご相談ください。
TEL:03-3625-1161 / FAX:03-3625-1162
801円
特集 明るい春

◆おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami picture of Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA
構成 立花 澄子

第4 話 桃太郎 Momotaro Peach Boy
4 月は、新学期、そして新しい年度が始まる月。ということで「これからさあ行くぞ!」と出かけて行く桃太郎のお話にしました。桃太郎の体や着物は先月号までのおじいさんと同じですが、新たに羽織を追加し、頭は笠原邦彦さんの桃太郎の頭を少しアレンジして髷
をつけてみました。肌色と黒の両面折り紙を使って折りましたが、肌色の一角におでこ
のハチ巻き部分が出るように白い三角の紙を貼っています。腰にはきびだんごが入っている巾着をつけました。青柳祥子さん創作の「宝袋」(『おりがみ389 号』掲載)です。用紙が小さいので、なくてもよいと思います。旗には「日本一」の文字、台紙の大色紙には春らしく桃色の越前和紙を貼りました。
 初めは右の写真のようにお供の犬(松野幸彦さん創作。先月号掲載作品)と猿(北村惠司さん創作)ときじ(サミュエル・ランドレットさん創作)を連れた構成で作成したの
ですが、桃太郎と空を飛んでいるきじだけで作って見ました。どうしてもお供はイヌ、サル、キジ、そろっていないと!
と思われる方は、ぜひ工夫してみてください。(立花澄子)


きじ Pheasant by Mr.Samuel RANDLETT
創作:Samuel RANDLETT

旗さしもの 創作:笠原 邦彦
桃太郎  原作:笠原 邦彦
巾着 創作:青柳 祥子


◆漢字の明 Kanji
伊達 光一

漢字の「日」と『521号』に掲載した「月」を合わせて「明」を創作しました。旧作がありましたが2画目と5画目がくっついていて、欠けた
「用」に見えてしまうので、それを修正しました。今年度はいつもより明るく前向きに進んでいきましょう!(作者)


◆ハートの手まりと四つ葉のクローバーの手まりHeart ball and Four-leafed clover by Mr. Manabu ICHIKAWA
市川 学

『おりがみ519号』で掲載の「手まり」のバリエーション作品です。四つ葉のクローバーは❽で茎の部分を出してみました。のりづけしなくても組めます。(作者)


◆葉つきのバラRose with leaves by Ms. Masako FUTAWATARI
二渡 昌子

以前、茎と葉のついたプリンセスローズを投稿しましたが、折り方に無理があったので、今回なるべくカンタンに折れるバラをと作りました。⑳で開きかえると、ぶあつくなってしまうので微調整しながら折ってください。(作者)


◆おってあそぼう!!
パンダの指人形 金子 玲子

上野動物園で大人気のジャイアントパンダ「シャンシャン」を折り紙で遊ぶには?と考えていたところ、指人形を思いつきました。(作者)


◆ミニ知識
◇桃太郎…もっとも有名な昔話の一つです。おばあさんが川に流れていた桃を拾ってその桃を家で割ると桃太郎が生まれたとする話が有名ですが、桃を食べて若返ったおじいさんとおばあさんから生まれたという話もあるそうです。前者は明治時代以降の書物や口承の昔話に多く見られ、後者は江戸時代の草くさぞうし双紙(江戸時代中期から後期にあった絵入り小説本)に描かれた話です。たくましく育った桃太郎は、鬼が島に財宝を取りに出かけます。鬼が島に行く途中、犬、猿さる、雉きじが黍きびだんご団子と引きかえにお供ともすることになります。鬼が島の鬼たちは、急に攻め入ってきた桃太郎に降参して宝物を渡します。
◇チューリップ…中央アジアから小アジアが原産で、江戸時代末期から
明治時代にかけて日本に伝えられました。チューリップで有名な国といえば、国花として親しまれ生産量世界一のオランダを思い起こしますが、もともとはトルコの花でした。16 世紀半ば、オスマントルコは強国になり、神聖ローマ帝国(10 世紀半ばから19 世紀初めまで続いたドイツ国家の呼び名)のウィーンに攻め入ります。和平交渉の使者としてトルコに派遣されたド・ブスベックは珍しい花を目にし、高額な代金を払い持ち帰ります。それがチューリップでした。その後、チューリップは、ウィーンの宮殿で栽培されてトルコからも輸入されます。オランダに伝わったのは、宮殿の庭園の園長をしていたクルシウスがオランダのライデン大学の教授になり、チューリップを持参したためです。クルシウスは外に出さないように大切に育てていましたが、あるとき盗まれてオランダじゅうに拡がりました。
◇園児…小学校入学前の幼稚園や保育所(保育園)に通っている子どものことです。ところで、幼稚園は、1837 年にドイツの教育者フリードリッヒ・フレーベルが世界で初めて開設したとされています。そのとき、保育施設も付設していました。フレーベルが幼稚園のことを「みずから発育する可能性を持った植物の芽がすぐれた庭師の指導のもと成長する花園」という意味でKindergarten( キンダーガルテン:こどもの庭)と名付け、それが世界各国に広まりました。日本では1876 年東京女子師範学校(現在のお茶の水女子大学)の付属として、フレーベル式保育の本格的な幼稚園が設置されました。
◇漢字の明…「日」と「月」から「あかるい」という漢字が生まれました。
小学2 年生で習う漢字です。


●ミニ知識参考図書:『対訳日本昔噺集』(彩流社)、『日本昔話大成』(角川書店)、『日本の昔話百科』(河出書房新社)、『鬼むかし』(角川書店)、『植物と行事』(朝日新聞社)、『明治・大正編子ども史年表』(河出書房新社)、『誕生の物語 』(平凡社)、『朝日新聞』(朝日新聞社)、『世界大百科事典』(平凡社)


◆園児Kindergarten child by Ms. Michie TAKAYAMA
髙山 三千江

園服を着たかわいらしい幼稚園・保育園児です。写真の作品は髪は切ったものを貼り、顔にも肌の色を貼り合わせましたが、そのまま描いてもいいと思います。バッグも工夫して作って見てくださいね。(作者)


◆チューリップ Tulip by Ms. Tomoko MIZUSHIMA
水島 朋子

花の部分と、葉の部分を、できるだけ同じ折り方でできあがるように考えて
みました。(作者)


◆ジョウロWatering pot by Ms.Sho- ko AOYAGI
青柳祥子

伝承作品のお駕かご籠、折ったことがあまりなかったのですが、じーっと見ているとじょうろに見えたので作ってみました。蓮はすぐち口が気に入っています。『おりがみ4か国語テキスト100』は、発見が一杯です。皆さんもどんどん活用しましょう。(作者)


◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson41 
Ono-ono-tsunagi box by Ms. Ayako KAWATE

オノオノツナギケース 
川手 章子

伝承の箱からの発展作品です。 同じ大きさの紙で折ります。オノオノのケースに何を入れようかなと楽しみながら折ってみました。立てて置くこともできます。単体を5個組んで、真ん中が五角形の形のものをできあがりとしましたが、2個、3個、4個、5個…、いろいろと組んで遊んでください。(作者)
This model comes from the model of a traditional box. You can fold each box with the same size of paper. I enjoy folding these Ono-ono-tsunagi boxes while imagining what to put in them. You can make them stand upright. I used five boxes to have the shape of a pentagon in the middle. Please enjoy connecting 2, 3, 4, 5 boxes or even more.(Author)

◆弁財天
Saraswati(God o f wealth, music,eloquence and water) by Mr. Eiji TSUCHIDO
土戸英二

七福神の中で一人だけの女性の神様です。琵びわ琶は頭と体を15cm角の紙で折ったとき、7.5cm角としましたが、細かいところがあるので10cm角で折ってもよいと思います。好みで右図のように羽衣をつけてもよいでしょう。(作者)


◆支部だより
川崎敏和先生の講習会
讃岐支部「さぬき折り紙会」支部長 香西康子/香川県

2018年12月9日(日)、さぬき折り紙会の顧問、川崎敏和先生(阿南工業高等専門学校教授)の講習会を、香川県高松市の宮脇書店総本店で開催しました。 《プログラム》10:30~12:30 「川崎敏和先生定年退職記念特別講習会」14:00~16:00 「折り紙博士に教わろう 川崎敏和講習会」とそれぞれ題して、午前の部は、さぬき折り紙会会員を中心に、新作「キュービック・スター」を一人一人折り方をチェックしながら、川崎先生にもどんどん折っていただくという、恒例の講習会とはひと味違う研究会になりました。
 午後の部は、年齢や折り紙経験を問わず、一般の方も参加できる楽しい講習会でした。6歳から80歳過ぎまでと幅広い年齢層の方々が、午前34名、午後45名の計79名来場してくださり、盛況のうちに終わりました。
 また、徳島支部「藍の香」の皆様はじめ、遠方から足を運んでくださった方々もいらして、有意義な講習会になったと思います。


◆信濃支部りんどう作品展報告
信濃支部「りんどう」(支部長 成田光昭)文:西さいおんじ園寺桔ききょう梗/長野県


2018年11月20(火)~12月2日(日)の12日間、長野市東町の「門前商家蔵館」にて信濃支部りんどうの作品展を開催しました。会場は、江戸時代から菜種油問屋として栄えた商家を移築移転した趣のある建物です。その歴史ある建物に「折り紙」の作品がよく映えます。今回は特別な試みとして地元の方の作品の他に、黒岩琢磨理事長はじめ全国の作家の方々からの作品もお寄せいただき賑やかな作品展となりました。
 期間中は毎日会員が当番として常駐し、お越しいただいた方に折り紙を講習するという
「おりがみでのおもてなし」も例年通りさせていただきました。
 作品展の来館者は約390名(おいらい館調べ)でした。うち体験おりがみを受講された方は100名を超えました。小学校低学年の子どもさんから、20代、年配者まで幅広い年代の方に楽しんでいただきました。感想ノートにはお褒めの言葉や激励、来年も楽しみにしています、折り紙を始めてみたくなりました、など、たく
さんのコメントもいただきました。
 また黒岩理事長他おおぜいの方々も県外からお越しくださいました。来館していただいた全ての皆様に感謝申し上げます。




◆読者の広場
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 かんじのしょうがつがよかったです。さいきんポチ袋がいっぱいあるのがおもしろいです。
東京都 小林さん
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 北村さんの「いのしし」がよかったです。「ペタン・プク」をたくさん作ってしまいました。楽しかったです。
東京都 阿部さん
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◆World Origami Report
Oritai Exhibition 2018 レポート
明日仁見(インド・ニューデリー/Oritai 隊長)

2018年12月17日(月)~22日(土)、作品展を開催しました。会場は国際交流基金ニューデリー事務所の地下展示室。ランゴリガミ・コンテスト(『521号』掲載)から2か月という恐るべきスケジュールでしたが何とか開催にこぎつけ、今回日本大使館から平松大使が開会式にご出席。折り紙がお好きなパトリシア夫人(アルゼンチン出身)はこれまで何度かイベントにご参加くださいましたが、大使は初のご来場で、Oritaiもやっと政府に認められるようになったと自負しております。
 今回のテーマはUnity in Diversity(多様性を統一)。折り紙のいろいろなジャンルをコーナーごとに紹介。写真の他にもたくさんのオーナメントで飾られたXmasツリー、実用折り紙、Oritai Kidsコーナーなど。1枚折りコンプレックス折り紙と平織りではOritaiの技量も進歩した気がします。

今回特にご紹介したいのは、初の試みWarligamiです。日本を代表するものということで、青柳祥子さん作の「忍者」(『505号』掲載)を500体作り、細いピンでトントン壁に打ち付けていきました。この壁は緩やかな曲線で、普通の展示にはちょっと不向きですが、Warligamiにはぴったり! 2mx4mの大作で、他のコーナーがカラフルなので、黒と白の忍者たちはやけに落ち着いていた気がします。さすが忍びの者…。
 今回は活け花がお得意のプリティさんが参加できなかったのですが、インディラニさん
(写真右)が素敵な折り花を披露。感謝、感謝です。
 インドには様々な州出身の人がいて、言葉も文化も違います。それを日本が誇る折り紙で繋ぎ合わせて一つにできたことに喜びを感じ、これからも多くの人たちをつないでいきたいと思っています。


◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

【資料7】「森脇家旧蔵おりがみ資料群」(もりわきけきゅうぞうおりがみしりょうぐん)
その3(3回連続で高木氏が分類・整理されたファイルを写真で紹介します)
参考図書:『折るこころ 折り紙の歴史』執筆 岡村昌夫、1999年
龍野市歴史文化資料館(現:たつの市立龍野歴史文化資料館)発行

 「森脇家旧蔵おりがみ資料群」とは、江戸時代の1700 年代半ばから100 年以上に渡っての森脇という一家の複数人による折り紙コレクションです。『522 号』『523 号』そして今月号の3回で数十点を紹介することになりますが、取り上げきれなかっ
た作品も多く、「いろいろ折形」と記された包みには、「折り鶴」「奴」「二船」「お宮みや」「宝船」「お駕籠」「蓮華」「箱」「三方」「足付き三方」「箕み 」「兜」「がまぐち」「たとう」「胡椒内包み」「胡麻塩包み」などの現在も折られる伝承作品が入っています。おそらく明治時代以降の子孫が加えたものと推測されます。また、高木氏によると、礼法折り紙の「雄蝶雌蝶」、「小笠原 折形」と記されたたとうには43 点の雛形もあるそうです。


森脇家資料は江戸時代の折り紙愛好家の創作折り紙集

森脇家資料の作品は、数も多く、題材も多岐に渡ります。包みがないものもありますが、それぞれの折り見本を段階的に複数揃え、「たとう」に包み入れています。
 類似した作品も多く、増補を重ねたようで、習作やら、未完成品やら、未熟な出来のものもあります。用紙もいろんな形を使っていて、当時の伝統的な折り紙を伝えていたはずの礼法家などから伝承の技法を受け継いだものとは思えません。いいかえれば、折り紙好きの人たちが、創作をしようとする姿勢が強く感じられるのです。
 高木先生のご調査によると、森脇家の折り紙の大部分は、文化文政期(1804~1830年。江戸の町人文化が爛熟した時代とされます)のものだそうです。当時の折り紙愛好者の実
態を伝える貴重な資料で、創作折り紙集といった趣があるのです。

「森脇家作品」と「かやら草作品」と「勾当さん作品」
 「森脇家旧蔵おりがみ資料群その1」の回でふれましたが、「森脇家作品」と「かやら草作品」と「勾当さん作品」の三者は時代が重なることもあり、折り紙作品を比較•検討することが必要ですが、それは簡単にできることではありません。
 2008年から2009年の『398号』~『409号』で、「勾当さんの折り紙」と題して、江戸時代末期から明治時代初めを生きた盲人箏曲者の葛くずはら原勾当折り紙遺品を解説しました。勾当さんは森脇家資料とは違い、折り方記録のための整理をしないで、高度な技術で折られた完成品だけを重複しないように残しました。前ページの2段目左から2つ目の写真に孔雀がありますが、これを『404号』で勾当さん遺品と比べて解説しました。
詳しくは掲載誌を見ていただきたいのですが、森脇家資料では正方形と半円のような形をつないだ用紙から折ってあります。私が再現して、右の写真のように仕上げました。さらに別紙で足を切り抜いてのりづけするというのですから、かなり写実的です。
 『かやら草』の筆者足あだち立一かずゆき之は「千羽鶴を始として、舟、乗物、蓮花、三方、箱、こも僧、いと入、かぶとのたぐひは、皆人の知る処なれば図をわずらわさず」 、つまり少し難しいものだけを記録したといってます。『かやら草』の折り紙は、誰にでも折れるものではなくて、腕自慢の人向けの作品だったわけです。また「孔雀、蟷螂(カマキリのこと)、ふくらすずめ、ふぐ、狐嫁入などの類有りといへども其赴をつまびらかにせず。故に略す。」とも書いてあるので、さらに難しいマニア向けの折り紙もあったことを窺わせ、しかもこれらの伝承不明作が勾当さん遺品の中にはほぼ全部含まれていたのでした。「ふぐ」は森脇家にもあります(前ページ4段目左から2つ目)が、勾当遺品では「ナマズ」の形に変化しています。勾当さんが「ナマズ」として誰かに教わったということなのです
が、安政の大地震(江戸時代の安政期に日本各地で13回も起こった地震)で、世の中が鯰大明神人気で大騒ぎになったことと関係があるのでしょう。「ふぐ」はその後の時代も「ナマズ」として伝承されていくのです。



協会ホームページに折り紙用紙のショッピングカートができました
約400種のラインナップをそろえてお待ちしています!
http://origaminoa.cart.fc2.com/

~日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。

~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。

~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。

~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。

現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。

3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。

おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。

[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。

[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。

[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。

この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。

来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。

~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。

~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」を東京スカイツリータウン ソラマチイーストヤード5Fで開催します。

~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)

「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト100」を購入し、テキスト掲載の全作品約100点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料3,240円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。

口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」

~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。

~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。

801円
特集 ひなまつり


◆おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami picture of Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA
構成 立花 澄子

第3話 花咲じいさん
THE OLD MAN WHO MADE THE DEAD TREES BLOSSOM.

3 月といえば桜! そうなれば「枯れ木に花を咲かせましょう!」という台詞が浮かんで来て、今月は「花咲じいさん」にいたしました。本来ならクライマックスの花を咲かせる場面がよいのかもしれませんが、あえておじいさんに小判のありかを教えてあげた犬を折りたくてこの場面にしました。
 「お家」と「くわ」は笠原邦彦さん、「犬」は松野幸彦さんの干支の犬が日本犬でしたので使わせていただきました。15cm 角でもよいのですが、大きめに! 色は白にしましたが、お好きな色で楽しんでください。「ここ掘れワンワン!」すると小判がザックザク! 私も体験してみたいです!(笑)
 「花咲じいさん」は前回の「こぶとりじいさん」のこぶを耳に変化させました。そして横から顔を出しているのは「ひょっこりはん」ならぬ隣のいじわるじいさん、悪そうな顔をしています。花咲じいさんより顔色を白く細長い顔にしました。小判は金紙に最初に横の折り線を入れてからかんのん折りをして作ります。 和紙の間にさしこんで貼ると、地面にたくさんの小判が埋まっている感じが出ます。小さな用紙で折りましたが、もっと大きな小判にしても面白いと思います。
 台紙は大色紙(27cm × 24cm)に越前和紙をさいて貼りました。色味が少なく寂しかったので、桃色をちぎって貼ったら3 月らしくなりました。(立花澄子)
※「花咲じいさん」の体、着物、はかまは『522 号』P14-15をご覧ください。なお、「花咲じいさん」のあらすじは、P31のミニ知識の欄に掲載しています。 

◆おひなさまHina dolls by Ms. Toshie TAKAHAMA
高濱 利恵

『おりがみ127号』(1986年3月号)とノアブックス『おりがみでひなまつり』などに掲載された作品です。今回、工程を見直し、より折りやすい図になりました。手の位置などを気にしながらお気に入りの形にしあげてください。なお、写真の作品はおびなとめびなが15cm角、それ以外は12.5cm角で折ってあります。


◆桃Peach blossoms by Ms. Tomoko TANAKA
田中 具子

パーツが折れたら大色紙(27cm×24cm)に写真や下の図を参考にのりづけしましょう。横向きの花やつぼみはがくにさしこんでのりづけします。作者の作例をきちんと再現するには用紙のサイズが小さいので、折りにくいときは構図や台紙、花の大きさや数などを工夫してみてください。


◆ごあいさつの女の子 Girl bowing her head by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子

「ようこそ、いらっしゃいませ!」「こんにちは!」「どうぞよろしく!」などと、ご挨拶をしている女の子のように思われました。上体を少し傾けると、ごあいきょうがよく見えそうです。(作者)



◆ちょうButterfly by Mr.Yukihiko MATSUNO
松野幸彦

形はそれなり、考え方も単純ですが、最後の仕上げの折りがきついのが難点です。本の下に半日はさんでおけば平らになります。翅はねの色は模様なしの同一色にもできますが、面倒で手順長くなるので…。(作者)


◆ミニ知識

◇花咲じいさん…昔話。江戸時代の赤本(17 世紀の終わりから18 世紀の中ごろにかけて発行された子ども向けの本文10 ページの絵本。表紙が赤い色だったことが名前の由来)に「枯木に花さかせ親仁」とあり、それがもともとの題名だと考えられています。明治時代になって国語の教科書や唱歌にも取り上げられました。川で拾って育てた犬がきっかけとなり次々と幸運を得る正直なおじいさんと、それをうらやむ隣の欲の深いおじいさんの失敗の物語です。あらすじは次のとおりです。正直じいさんが拾ってかわいがっていた犬が示す場所を掘ると宝物が出てきました。それを見ていた隣のじいさんが犬を借りて引き連れていくと、犬が転んだのでそこを掘ると、汚物や犬のフンがたくさん出てきます。怒った隣のじいさんは犬を殺します。悲しんだ正直じいさんは、犬を木のそばに葬ります。夢枕に現れた犬が告げるとおりに、その木から臼うすを作って餅をつくと小判が出てきます。隣のじいさんは臼を借り餅をつきますが、また汚物と犬のフンが出てきます。怒って臼を燃やします。正直じいさんはその灰を持って帰ります。その灰をまくと、枯れ木にたくさんの花が咲き、殿様を喜ばせて褒ほうび美の宝物をもらいました。隣のじいさんも同じようにまきますが、灰が殿様の目に入り、罰を受けました。
◇雛祭り…3月の最初の巳み の日に水辺で体を清め、桃の酒を飲んで、穢けがれをはらうという中国の昔の風習(上巳)が、海や川に出かけ、紙や植物で作った人ひとがた形に息を吹きかけ、体をなでて川にながし、身の穢れをおとして健康を願うという日本に古くからある信仰と結びつきました。また、中国から伝わり、奈良、平安時代に貴族の間で行われた、曲がりくねった流水に酒杯を浮かべて杯が自分の前を通り過ぎる前に和歌を詠むという風流な「曲水の宴」がありました。一方、貴族の女の子たちの
お人形さんごっこの「雛遊び」があり、形かたしろ代としての人ひとがた形と雛人形が結びつき、今の雛祭りの始まりとなりました。
◇雛人形…雛祭りに飾る人形。天皇夫妻をかたどっているものではなく、皇族や公家の生活は「おおよそこのようなものだろう」という武家や庶民の憧れが反映されています。毛氈(フェルト)の上に紙雛や内裏雛を並べていましたが、五段や七段など階段状の雛壇に道具や供え物をあわせて飾り、豪華さを競うようになりました。最上段に男雛と女雛の内裏雛、雪洞、金屏風を置きます。向かって左に男雛、その隣に女雛を飾ることが多いです。これは、昭和天皇(大正天皇という説もあります)の即位式での西洋式の並びが流行したためとされています。もともとは天子(天皇)は南を向いて位置すると、日が昇る東側が上座になるという古来の考え方から、向かって右に男雛が置かれていました。現在は男女左右どちらでもよいとされています。二段目に三人官女です。通常、真ん中が三方を持って坐り、両側は長柄の酒入れと銚子という柄のない酒入れをそれぞれ持って立っています。三段目にあどけない少年の五人囃子です。向かって左から太鼓、大鼓、小鼓、笛、謡の順で並びます。これは能楽の囃子方と謡の並びと同じです。その下には右大臣と左大臣と呼ばれる随身です。白い鬚ひげの老人が位が高い左大臣、若い方が右大臣とされています。五段飾りの一番下の人形が仕丁です。泣き顔の真ん中、向かって右の笑顔の老人、怒った若い男、この3 人の表情から三人上戸ともいわれています。
◇啓蟄…二十四節気(地球から見た太陽がえがく大きな円の位置で1 年を24 に分けたもの)のひとつで、3 月6 日ごろです。地中で冬ごもりの虫が春の訪れを感じ、草木が芽吹くのにあわせて、地上へ出てくるという意味です。東京ではモンシロチョウが見られるころです。


●ミニ知識参考図書:『対訳日本昔噺集』(彩流社)、『日本昔話大成』(角川書店)、『日本の昔話百科』(河出書房新社)、『植物と行事』(朝日新聞社)、『節供の古典』(雄山閣)、『川原慶賀の「日本」画帳』(弦書房)、『年中行事・儀礼事典』(東京美術)、『江戸ごよみ十二ケ月』(人文社)、『浮世絵で読む、江戸の四季となわわし』(NHK出版)、『母と子のお雛さまめぐり』(美術出版社)、『雛まつり 親から子に伝える思い』(近代映画社)、『世界大百科事典』(平凡社)、『朝日新聞』(朝日新聞社)



◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
花びらたとう
吉田 淳子

たとう折りからの発展作品です。 下の写真のように、何段階かの小さいサイズの紙で折って重ねたり、同じ大きさの紙で折って、のりづけしてリースを作っても楽しいです。(作者)
This model is a developed version of “Tatou(envelop)” fold. As shown in the
pictures below, you can superimpose models made of different sizes of paper
or glue models made of the same size of paper to create a wreath. (Author)


◆毘沙門天Bishamonten: Vaisravan a( Guardian god of Buddhism) by Mr.Eiji TSUCHIDO
土戸英二

この七福神のシリーズは、体の⑪の形から頭と体を作るように工夫するのを目標にしましたが七柱のうち四柱は変形させています。毘沙門天もその一つで、基本からどう変形させているかを考えてみるのも面白いと思います。同じ基本形のバージョンは(右図)、小さくなるのでお蔵入りになっています。(作者)



◆読者の広場

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 たくさんのサンタさんを作りました。12 月に折り紙展をしますので、どれを飾ろうか迷っています。「くるみ」も作りました。とてもリアルにできました。
京都府 井上さん
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 「くまさん」がよかったです。今月号はクリスマスの作品が多くてうれしかったです。立体作品に興味があります。
 大阪府 井上さん
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 いろいろなサンタさんが登場して、楽しく折れました。12 月号には来年の干支の作品を載せてほしいです。
静岡県 青木さん
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


◆みんなの広場

2018年の活動報告 鶴嶋ひろみ(埼玉県)
折紙講師資格をとって14年、デイサービスや学童などのボランティア活動も10年が過ぎました。折り紙を通してこんなにも皆さんと交流がはかれるとは思ってみませんでした(もちろん日本折紙協会の会員さんとの交流も含んでいます)。お年寄りと学童とでは作るものは違っても、できあがったときはとても喜んでくれるのは同じです。学童はヘビがとても気に入ってたくさん作り、お年寄りの施設訪問のおみやげにしました。施設の方々は季節のものを喜びますネ。いくつか作品を紹介したいと思います。

高坂丘陵地区文化祭
デイサービス
学童保育
 2018年も11月10日(土)・11日(日)、東松山市高坂丘陵地区の文化祭に参加しました。参加することが当たり前になってきた今回はそれぞれの個性も出てきて、仕上げもとても見栄えよくなりました。これからが楽しみです。



◆円ひな
沓名輝政

カンタンに立体になり外国人にも人気。美しい和紙で折って贈り物に。アレンジして和装の人形いろいろ。みんなで楽しく折って世の中まーるく。(^^)。(作者)


◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

【資料7】『森脇家旧蔵おりがみ資料群』(もりわきけきゅうぞうおりがみしりょうぐん)
その2(3回連続で高木氏が分類・整理されたファイルを写真で紹介します)

参考図書:『折るこころ 折り紙の歴史』執筆 岡村昌夫、1999年
龍野市歴史文化資料館(現:たつの市立龍野歴史文化資料館)発行

江戸時代には鶴、薦僧、三さんぼう方など、正方形の紙を切り込みなしで折る作品が広く知られていた一方で、「人物折形」はその独特の世界を作っていました。まず、「鶴の基本形」を折り、広げて正方形の各辺の中央から用紙の中心に向けて切り込みを4本入れてから折り始めるのが基本で、さらに複雑な形にしたいときは切り込みの数を多くしたり、用紙の形を複雑にするような工夫も行われました。紙の中央で人物の頭を作るので、柔軟かつ強靭な和紙が欠かせないこともあって、昭和期に入って和紙の衰退とともに作られなくなったという経緯があります。
 前回から紹介の「森脇家旧蔵おりがみ資料群」にも「人物折形」が多くあります。なお、作品名に見られる「したかた」とは見本のことです。




801円
801円
特集 しあわせアイテム

◆おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA
構成 立花 澄子

第2 話 こぶとりじいさんTHE OLD MAN WHO GOT RID OF HIS LUMP
2月といえば節分ですね。節分といえば鬼! 鬼が出てくるお話といえば、桃太郎やこぶとりじいさん。鬼征伐の桃太郎もいいのですが、あえて鬼を喜ばせた凄腕のこぶとりじいさんを選んでみました。色紙には越前和紙をちぎって貼り、岩穴の雰囲気を出しました。鬼は笠原邦彦さんの鬼を使わせていただきました。この鬼のユーモラスなこと!大好きな作品です。遠近感を出すために二人の鬼さんの大きさを変えました。
 おじいさんは自分で考えてみました。体に着物を着せる形にし、はかまも着物の脇にはさみこめるようにタグの部分を付けました。昔懐かしい着せ替え人形のようで楽しかったです。
 顔は百円ショップのダイソーの両面折り紙を使いましたが、普通の折り紙で、顔が白くても、頭巾が白くてもよいと思います。体も顔と色味をあわせたくて両面折り紙を使用しています。
 鶏は朝を告げる終宴の合図ですので、上部の角に配置しました。北村惠司さんの「おんどり」を使いました。
 前回の「十二支のはじまり」と同様、大色紙(27cm × 24cm)を使っています。表情豊かに色紙を作ってください。(立花澄子)
※「こぶとりじいさん」のあらすじは、P19 のミニ知識の欄に掲載しています。



◆オニ包みEnvelope with oni by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子

折り紙に遊んでもらっているうちにできあがった作品です。何を中に入れて包もうかな?と考えているうちに、お福さんも作ってあげなければと作ったのが「福ふく包み」(写真下)です。オニの部分はネコのようにも見えますので、「ネコ包み」としても使えそうです。(作者)


◆オニの豆入れOni-shaped bag for scattering parched beans by Ms. Michie TAKAYAMA
髙山 三千江

伝承のチューリップを折ろうとしてできた作品です。(作者)


◆ミニ知識
◇「こぶとり爺じいさん」のあらすじ…よいお爺さんと欲張りのお爺さんが住んでいて、二人とも頰ほおに大きなこぶがありました。よいおじいさんは自分のこぶを取ってもらいたいと、いつも考えていました。あるとき、隣となりの丹たんば波の国にこぶを取ってくれるところがあると聞き、すぐに向かいます。途中で夜になり、灯あかりのある方へたどり着くと、そこに赤鬼と青鬼がやってきて酒さかも盛りを始めます。鬼たちは自分たちの歌にあわせて元気よく踊れといいます。鬼たちを喜ばせるような愉快な踊りをしたお爺さんに、明日も来い、約束にこぶを預かっておくと鬼たちはこぶをもぎました。こぶがなくなったお爺さんは、喜んで家に帰ります。その話を聞いた欲張りお爺さんも鬼に会いに行きました。鬼たちに踊るようにいわれますが、恐ろしくて泣きながら踊り、鬼たちの怒りを買います。よいお爺さんのこぶもくっつけられ、両方の頰にこぶをぶら下げることになりました。
◇鬼…「おに」は「隠」に由来し、「目に見えないもの」に対しての人間の恐怖心が考え出したとされています。日本では、鬼は丑寅(北東)の方角(鬼きもん門)にいるとされ、鬼には牛のような角が生え、虎とらのような牙きばを持ち、虎の毛皮を着ている姿になったとも考えられています。鬼は邪気(病気をおこすと考えらえた悪い気)や厄やくさい災の象徴ですが、人々に福をもたらすという側面も持っている鬼もいます。1 月15 日の小こしょうがつ正月に来訪すると伝えられている、秋田県のナマハゲはその代表です。



◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson39 
Heart with stand by Mr. Francis M.Y.OW

フランシス・オウさん(1949-2018)は、ハートやユニット作品を多く創作された、シンガポールの折り紙作家です。日本の出版社から『折り紙ハート』(1990年 筑摩書房 発行 布施知子さん 監訳)などを出されているので、日本のファンもたくさんいます。今月号の作品は上記の本や、”BOS Birmingham ’86 Convention” などに収録されています。なお、スタンドつきハートの作品には、右下の写真のようなもの(”GENERATIONS OF LOVE”)もあります。
Francis OW (1949 - 2018) is an origami author in Singapore who has created
many heart models and modular origami models. As his book, “Origami hāto
[Origami Hearts]” (translated by Tomoko FUSE, Chikuma shobo, 1990), is
published in Japan, there are many Japanese supporters. The model in the
current issue is included in the above- mentioned book
and “BOS (British Origami Society) Birmingham ’86
Convention”. The model, “GENERATIONS OF LOVE”,
shown in the picture on the bottom right is one of his
“Heart with stand” models. (Author)



◆ミニ知識
◇節せつぶん分…節分は季節の分かれ目のことで、もともとは立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの前日ですが、立春が、正月と同じように新年の始まりとして大切にされたので、現在まで行事が残っています。豆をまいて厄に見立てた鬼をはらいますが、これは奈良時代、中国から宮廷に伝えられた「追儺」が起源とされています。当時は豆まきではなく、桃の木で作った弓、葦あしの矢で鬼を追いはらうというものでした。豆をまくようになったのは
南北朝時代(1336 ~ 92 年。日本の朝廷が京都の北朝と吉野の南朝に分かれた時代)からで、庶民に広まったのは江戸時代です。


◆HARLEQUIN’S HEART
Francis M.Y.OW

ハーレクィンとはパントマイム劇の主役の道化師役です。格子の柄の衣装を着ていることからこの作品名がついたようです。この作品もP20-21と同じようにハートの形のスタンドです。


◆ミニ知識
◇バレンタインデー…2 月14 日。もともと愛の守護聖人バレンタインにあやかったキリスト教徒の祭日で、恋人どうしで愛を伝え、カードや贈り物をしあう日です。日本では女性が男性にチョコレートを贈り、思いを伝える日としてチョコレートメーカーがキャンペーンをしたのが始まりとされています。職場や学校などでの知り合いへ(義理チョコ)、男性から女性へ(逆ぎゃくチョコ)、友だちどうしで(友チョコ)、ご褒ほうび美として高級チョコレートを自分に買う(自分チョコ)など、チョコレートを贈る人は広がっています。チョコレートばかりではなく和菓子やお煎せんべい餅までにもバレンタイン用のものが売られ、お菓子メーカにとっては売り上げが伸びる嬉しいイベントとなっています。
◇ハートマーク …心臓の形を象ったもので、愛情などを表します。
◇ブタ…富と繁はんえい栄の象徴とされ、世界各地で幸運をもたらす動物と考えられています。

◇コアラ…「コモリグマ」や「フクログマ」ともいわれます。
胎盤がなく、超未熟児で産んで雌の袋で育てる「有袋類」と呼ばれる哺乳類の動物です。有袋類の先祖は、ヨーロッパから追われて南下し、南アメリカから当時は陸続きだった南極を経由して、敵がいなかったオーストラリアでくらすようになったと考えられています。コアラの子どもは母親のフンを食べて大きくなります。コアラはユーカリの葉を食用にしますが、ユーカリの葉は油分が多く、季節によっては若葉に強い毒があり、他の生き物は食用にはしません。コアラは哺乳類の中ではもっとも長いとされる盲もうちょう腸で葉を発酵させ、有害な葉を無害にしています。コアラは木の上で1日のうち20 時間ほどを眠って過ごしています。実はユーカリの葉だけでは生きるためのエネルギーとしては少ないので、エネルギーを使わないために寝ているのだそうです。また、指の形は木にしっかりとつかまっていられるようになっています。

●ミニ知識参考図書:『日本の神様と楽しく生きる』(東邦出版)、『昔話の森』(大修館書店)、『名作よんでよんで日本の昔ばなし 20話 もっと』(学研教育出版)、『昔話の年輪80選』(筑摩書房)、『京都のご利益めぐり』(ナツメ社)、『京都お守り手帖①②』(光村推古書院)、『縁起物』(自由国民社)、『世界の開運案内』(アルマット編集部)、『にほんのお福分け歳時記』

(主婦の友インフォス情報社)、『絵でつづるやさしい暮らし歳時記』(日本文芸社)、『和のしきたり』(日本文芸社)、『ヨーロッパの祝祭日の謎を解く』(創元社)、『動物の生体図鑑(学研)、『びっくり! おどろき! 動物まるごと大図鑑』(ミネルヴァ書房)、『ずらーりウンチをならべてみると…』(アリス館)、『世界大百科事典』(平凡社)、『朝日新聞』(朝日新聞社)


◆ハート付きカードCard with double hearts by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子

2つのハートがついた作品を折って見ようと折り進めると、カードまたはコーナークリップとして使えるものができました。上のスキマにちょっと入れたりもできます。(作者)



◆箱Box Traditional model
伝承
折り紙歴史研究家の岡村昌夫さんの本誌連載「勾こうとう当さんの折り紙」で紹介された、江戸時代からある伝承作品です。明治時代の雑誌にも「紙ばこ」として紹介されていました。和紙の強さ、しなやかさがないと折れない手順だったのを、以下のように和紙を使わなくても折れる手順に工夫されています。



◆おってあそぼう!
コアラ
桃谷 好英

15cm角の大きさの紙で折って、コアラの手の部分を指にはさむと、とまります。(作者)


◆取っ手付きカップCup with a handle by Mr. Motoyuki ASAI
浅井 基言

「コップ」は有名な伝承作品の一つですが、取っ手が付いた折り紙作品が作りたいと思い、この作品を仕上げました。(作者)



◆ミニ知識
◇梅…まだまだ寒い季節に、まるで枯れているような枝に可憐な花を咲かせる梅は、人々におめでたい花として愛され親しまれてきました。奈良時代に中国から日本に伝えられたとされる
梅は、万まんようしゅう葉集の和歌に登場する花の中では萩はぎに次いで多い花です。ただし、この当時、歌によまれたのは、紅梅ではなく白梅です。その後、平安時代になると、紅梅も『源げんじものがたり氏物語』や『枕まくらのそうし草子』などに現れています。江戸時代には、梅干し作りが農家の副業として成り立つようになり、各地で植樹が盛んに行われ、梅見が庶民の楽しみになったそうです。2 月は各地で「梅祭り」が開催されます。

◇猫の日…日本の猫の日実行委員会が、公募で1987 年に制定。
「ニャン、ニャン、ニャン」の猫の鳴き声の語呂合わせで2 月22 日と決められました。猫の飼育数が1994 年の調査開始以来、犬を上回ったとペットフードメーカ業界団体の「一般社団法人 ペットフード協会」が2017 年に発表し、話題になりました。ちなみに「犬の日」は 11 月1 日です。これも「ワン、ワン、ワン」という犬の鳴き声の語呂合わせからです。


◆グリュックスシュバイン(幸運のブタ)
髙木 ひろみ

ドイツでは、ブタは幸福をもたらすと考えられ、「幸運(グリュック)のブタ(シュバイン)」と呼ばれます。クリスマスが終わると、1ユーロセントコインを乗せたブタの置き物を新年が幸運であるように贈り合う風習があるそうです。(作者)


◆読者の広場
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 「折り紙ドリーム・キャッチャーVer.1」は素敵な作品でした。「玉手箱」は簡単そうに見えて、折り紙がくずれてしまい、難しいところがありました。「ワンダーユニット」は60 枚組に挑戦中です。
広島県 絹原さん
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 「輪鶴」、これからお正月に向けてたくさん作りたいと思います。ユニット作品が好きなので、楽しめました。10月号のキューブを使って、ゲーム「マインクラフト」のキャラクターを作りました。息子に好評でした。(全てキューブで成立しているキャラです)
 愛知県 本庄さん



◆支部だより
舞子海上プロムナードで「おりがみフェスティバル」開催
神戸支部「おりがみ かうべ」支部長 柴本厚子/兵庫県

2018年10月3日(水)~11月15日(木)、舞まいこ子海上プロムナードにて、おりがみフェスティバルを開催しました。1か月半の期間で、展示と2回の講習会を行いました。
 メンバー全員で作った作品は、明石大橋開通20周年をお祝いした作品になりました。橋の上にはたくさんの人物や動物達がお祝いをしています。メンバーも天使になって遊んでいます。空からは気球(朝日 勇さん作)が、海には鳴門の渦潮(笠原
邦彦さん作「大波」)や波間には魚達もお祝いしています。楽しい作品はとても好評でした。展示の準備中に海外からの旅行者の熱い視線が注がれ、1つプレゼントして喜んでいただいたりしました。
 講習会には大阪支部長の梅本吉広先生もお越しくださり、即席教室が始まりました。また、神戸タータン折り紙で作られた作品もいただきましたので、早速特別参加とさせていただきました。
 講習会のあとは、恒例のクリスタルベルさんのコンサート。最後はやっぱりお客様とのダンスと合唱。今回も楽しく終わることができました。遠方よりお越しいただきましたお客様、ありがとうございました。



2018「おりがみの日」記念イベントレポート東京スカイツリータウン・ソラマチ5階すみだまち処どころで5回目の開催,、すっかりおなじみとなった「おりがみカーニバル」。今回の記念作品展のテーマは「私のお気に入り」。お寄せいただいた作品は105点、うち子どもの作品が22作品。作品は会場いっぱいに、華やかに展示されました。

 これまで「折紙シンポジウム」と同時開催やゴールデンウィークのイベントとして好評を博した「キッズおりがみフェスタ」を、「おりがみの日」記念イベントとして実施しました。


 「おりがみの日」記念作品の表彰式と、懇親会を開催しました。会場は前年と同じく、ソラマチのすぐ隣にあるホテルで、多数ご出席、軽食をとりながら参加者どうしの親睦を深めました。(入賞者、出品者一覧は『521号』P41に掲載しています)



◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

100 年以上にわたる折り紙作品のコレクション
 高木先生の資料の中で、今回の「森脇家旧蔵おりがみ資料群」に触れないわけにはいかないでしょう。類例のない貴重な折り紙の実物作品群です。「森脇家」の三代以上に連なる男性たちの、収集品や習い覚えた数々の折り紙作品の集合と思われます。
 礼法折り紙も含まれていますが、制作年代や制作の事情などの詳細は全く不明です。高木先生の遺稿などによると、古書店からの売り込みで、つづら入りの資料を言い値で購入されたそうです。その時、折り紙以外の大量の文書もあって、目を通された高木先生の解説が残されています。それによりますと、「浄じょうせん泉博光」「泉亮嘉教」「栄泉嘉明」「貞啓嘉慶」の四代のうち、正しょうとく徳ごろ(1711~1716年)の浄泉は除外しても、以後の三代にまたがる、1700年代半ばの寛かんぽう保年間(1741~1744年)から延えんきょう享年間(1744~1748年)、天てんめい明(1781~1789年)、寛かんせい政ごろ(1789~1801年)から安あんせい政期(1854~1860年)までという長期間に記録の残る人物たちのうちの誰か(複数かもしれない)が、折り紙に関心が深かったらしいということです。
 作品群の一部には明治初期の制作かもしれない作品も含まれているようで、数十点に及ぶ作品名の書かれた「たとう」とそれらに包まれていたはずの作品がばらばらになって残されていたこともあり、詳しく調べるには今後の調査・整理が必要ですし、「かやら草」
(江戸時代末期、足あだち立一かずゆき之という人が1845年ごろまでに230余冊に書き写した覚書。第21冊目から第50冊目に「かやら草」と名づけた。その中の巻7と巻8に折り紙のことが記載されている)や「葛くずはら原勾こうとう当遺品折り紙」(江戸時代末から明治時代初めに生きた一人の人によって折られた折り紙実物)などとの比較検討を経ずしては何も確実なことは論じられないと思われます。
 森脇家について高木先生は「現にその子孫の方が実在されるはずで、あえて詮索しないことにした」と書かれています。私が別ルートで知った情報でも、「奉行」を務めた家というだけで、どこの土地の家かも全く不明でした。高木先生へ売り込んだ業者は、業者の市でセリ落としたというだけで、出どころは把握できませんでした。折り紙以外の大量の文書類も、当時はバブル期ということもあり、地方のある大学が一括購入したそうですが、その後のことは手がかりもつかめませんでした。

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