Vesta(ヴェスタ) 発売日・バックナンバー

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785円

【特集】食文化のサステナビリティ
 特集アドバイザー/太田 心平(国立民族学博物館准教授)

 海外で仕事をして帰国すると、数ヶ月しか経っていないのに
 日本の食文化の変化に驚かされる。
 馬肉専門店やらスパークリング日本酒やらが定着していたり
 家庭の手料理に酸辣湯やアオサ汁が普及していたり。
 流行だけの話とも思えない。
 食文化の変化や継承については、本誌でもたびたび特集されてきた。
 「世界の食文化無形文化遺産」(101号)、「和食のクライテリア」(94号)
 「変わりつづける『世界の食文化』」(74号)など。
 ただ、変化はその後も進んでいるし、継承という概念も琢磨されてきた。
 これまでと違う視点、より広い実践者の記事を交え、食文化の
 サステナビリティ(持続可能性)を考えてみたい。

<特集>
Ⅰ 日本
 1 地域
   山形・庄内を食で元気に/奥田 政行

 2 家庭料理
  ①手間はなんでも省きたい? 
    雑誌『オレンジページ』からみる家庭料理の昔と今/杉森 一広
  ②家庭料理は受け継がれているのか?/阿古 真理

 3 流通
   コンビニ食の変遷と未来/加藤 直美

 4 和食文化持続のために
  ①食文化の継承と学校給食/伊藤 美穂
  ②(一社)和食文化国民会議が推進する和食文化の保護・継承活動/露久保 美夏

 5 和食文化を海外に発信
  ①NHKが発信するJAPANESE FOOD/宮本 彩加
  ②築地市場で和食の謎解き/坂本 ゆかり

 <TOPIC>鯨の味、恐竜の味 ―進化とITは、嗜好の「持続」を断ち切るか?/藤本 憲一

Ⅱ 海外
 1 フランス料理とサステナビリティ/八木 尚子
 2 フランスの家庭食の伝統 ―サスティナブルの意味を考える/小坂 亜矢子
 3 キムジャンが続くとき 
    ―女性たちの協働から、家族行事、都市型イベントへ/太田 心平
 4 あなたが中国で食べた天津煎餅餜子(ジェンビングオズ)は天津の煎餅餜子?/劉 征宇
 5 変わる中東のコーヒー/菅瀬 晶子

まとめ 食文化のサステナビリティによせて/太田 心平

<連載>
☆幻の大衆魚:ニシンは山を越え、海を渡る/濵田 信吾
 (第1回)北米先住民から学ぶサステイナブルな魚卵文化

☆大食軒酩酊の食文化/石毛 直道
 (第42回)日振島のサツマ

☆すべての道は「食」に通ずる -イタリア-/宇田川 妙子
 (第7回)トマトとイタリアの浅くて深い関係

☆嗜好品の文化論/髙田 公理
 (第6回)現代世界の大都市における嗜好品

☆食でひもとく浮世絵の楽しみ(第2回)/林 綾野

☆文献紹介 旦部幸博著 『珈琲の世界史』/山内 秀文
785円
【特集】食の分岐点
 特集アドバイザー/藤本 憲一(武庫川女子大学教授)、

 日本はじめ世界の食の状況は今、さまざまな分岐点、
 十字路に差しかかっている。
 古今東西、人類が築きあげてきた食のシステム……制度
 ・経済・技術・産業構造から、習慣・マナー・嗜好に至るまでが、
 まさに存続の危機に瀕し、イノベーションの波に洗われ、
 変革を迫られている。
 この分岐点に、立ち止まり続けるのはきわめて難しい。
 だとすれば、進むべきか退くべきか。向きを変えるなら、
 左右どちらか。
 そして岐路の選択は専門家にまかせるのでなく、われわれ全員が
 舵取りをになうべきではないか。
 まず本特集で、進むべき指針やオピニオンに耳を傾け、食文化の
 潮流のせめぎあいをつぶさに見つめたい。

 -目次-
 <特集>食の分岐点
 ・巻頭 家庭の食はどのように変わってきたか。
 ▼アイデンティティ・フード/井上 雅人
 ▼地域資本としての食文化
   ─宮城県南三陸町の「キラキラ丼」と「さんこめし」を例として/小林 哲
 ▼もう一つの農産物流通:直売所への期待/中嶋 康博
 ▼我々の食のこれから ─酪農王国北海道から/石井 智美
 ▼ラッコの食卓2018 ─社会動向から食文化を読む/藤本 憲一
 ▼栄養士・管理栄養士教育と食文化 ─学校給食を例に/江原 絢子
 ▼未完の学校給食/藤原 辰史
 
 ◆「食の文化フォーラム」卒業生からの一言◆
 ・食品と医薬品の狭間で…/飯野 久和
 ・グローバル化がもたらす食の多様性/岩田 三代
 ・教養の力/佐藤 洋一郎
 ・伝統的な魚食文化継承の意義/印南 敏秀
 ・増える訪日外国人と和食/半田 章二
 ・成るようにしかならない/前川 健一
 ・食文化の本質とは何か/山極 壽一

 ▼食をめぐる健康格差とその背景/髙田 公理
 ▼ヴィーガンが問いかけるもの/北山 晴一
 ▼食の分岐点2018 ~まとめにかえて~/藤本 憲一

 <連載>
 ☆大食軒酩酊の食文化/石毛 直道
   (第41回)石包丁について
 ☆“食べる”を予測する/岩村 暢子
   (最終回)食卓の変化とその背景
 ☆すべての道は「食」に通ずる -イタリア-/宇田川 妙子
   (第6回)料理と男らしさ・女らしさ
 ☆嗜好品の文化論/髙田 公理
   (第5回)諸民族文化のなかの嗜好品②
 ☆食でひもとく浮世絵の楽しみ (第1回)/林 綾野
 ☆文献紹介 橋爪伸子著『地域名菓の誕生』/中山 圭子

785円
【特集】これからの日本茶
 特集アドバイザー/中村 順行(静岡県立大学特任教授、
          同大学 茶学総合研究センター・センター長)

 本誌No.51(2003)で特集された「岐路に立つ日本のお茶」から15年が過ぎた。
 その後、消費者の嗜好の多様化はより一層進展し、急須で淹れるお茶離れは
 進み、ペットボトルは定着し、簡便化商品が急増している。
 また、海外では日本茶に高い関心が示され、日本茶の文化を担ってきた抹茶は、
 本来の茶の湯のみならず各種飲食材などへの他用途利用も進み、今後さらに
 需要の増加も期待されている。
 このようななか、需給の歪みを解消し新しい日本茶やその文化を求める動きも
 芽生えはじめている。そこで、日本茶のもつ魅力を再発見し、新しい日本茶の
 世界を拓くために、「新時代を迎えつつあるこれからの日本茶」を特集した。

 -目次-
 <特集>
 はじめに/中村 順行
 巻 頭 ・インタビュー これからの日本茶 
        ゲスト/ステファン・ダントン(インタビュア中村 順行)
     ・お茶の種類
     ・これからの日本茶を考える―日本でしかつくれないお茶とは?/オスカル・ブレケル

 第Ⅰ部 日本茶の魅力―その気づきと発信
  1 庶民の茶にもトレンドあり/中村 羊一郎  
  2 八〇〇年の歴史からみる抹茶の魅力/萩原 英子
    <Column>新しいグリーンティーツーリズム/片桐 優
  3 お茶料理と茶育/德永 睦子
    <Column>学校でもお茶が楽しめるように ―静岡県教育委員会の取組/浜村 幸美
    <Column>あなたも知らないと損する、日本茶の新しい楽しみ方/中小路 和義
  4 日本茶の魅力を引き出し、伝える ―日本茶インストラクターの活動現場から/奥村 静二
  5 世界に広がる緑茶の効能と有効利用/斉藤 喜江子
  
 第Ⅱ部 消費志向と日本茶生産
  1 多様化に対応し始めた生産現場 /中村 順行
  2 進化する簡便性緑茶/笹目 正巳
    <Column>「古くて新しい日本茶品評会」日本茶アワード/桑原 秀樹
    <Column>究極の日本茶を追及する ―九州・八女の玉露と抹茶/山口 真也

 第Ⅲ部 世界に広がる日本茶
  1 茶生産国に馴染む日本茶 ―台湾に広がる抹茶ワールド/髙木 知芙美
    <Column>緑と羊の国のティータイム/保科 千和子
    <Column>イギリス人にとって、おしゃれでスタイリッシュなのは日本茶!
         /スチュワード麻子
  2 ニューヨーク三者三様 ―るつぼのなかで日本茶を飲む/太田 心平
    <Column>フランスにおける日本茶/能宗-Lelong 美佐子
    <Column>オランダに暮らす人々と日本茶/小田 美幸

 第Ⅳ部 まとめ 新しい日本茶の世界 /中村 順行


<連載>
 ☆すべての道は「食」に通ずる -イタリア-/宇田川 妙子
  (第5回) 地中海料理の過去・現在・未来
 
 ☆嗜好品の文化論/髙田 公理
  (第4回)諸民族文化のなかの嗜好品①

 ☆“食べる”を予測する/岩村 暢子
  (第3回)「白いご飯が苦手」になる日本人

 ☆大食軒酩酊の食文化/石毛 直道
  (第40回)ヨーグルトと酒

 ☆文献紹介 庭乃 桃著 『おいしく世界史』/東四柳 祥子
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【特集】つけもの文化
特集アドバイザー/中澤 弥子(長野県短期大学生活科学科教授)

日本では各地の風土にあった野菜の栽培と漬け方などにより、
多種多様な漬物が発達している。
 全国的には漬物消費は年々減少しているが、近年、野菜の漬物に
 豊富に含まれる食物繊維、ビタミン、ミネラルや植物性乳酸菌
 などの健康面への寄与が報告されており、漬物の価値を改めて
 見直してほしいと思う。
 長野県飯山地域では、野沢菜漬と炒った地豆(落花生)を一緒に
 口に入れてよく噛んでいると雉肉の味のようなうまい味になるという。
 学校給食で口中調味をおいしく伝えるには、地域の伝統の漬物は
恰好の教材だと思う。
本特集では、野菜の漬物を対象とし、日本をはじめ、世界の
 代表的な漬物文化を紹介した。
 個性豊かな漬物文化への理解を深め、漬物に新たな価値を見出す
 きっかけにしたいと願う。

 -目次-
 <特集> 
 巻 頭 今に伝わる日本の漬物

 第Ⅰ部 日本の漬物
  1 漬物と日本人/小泉 武夫
  2 日本の漬物の成立/小川 聖子
    <Column>きゅうりのキューちゃん/小川 聖子
    <Topic>萱津神社と香の物/小川 聖子
  3 【漬物めぐり】信州の二大漬物 野沢菜漬・すんき/中澤 弥子
    <Column>学校給食に、和食の基本要素 漬物の導入を!
         キムタクごはんの紹介/中澤 弥子
    <Column>信州の漬物 春夏秋冬/中澤 弥子
  4 【漬物めぐり】山形県の在来野菜と漬物の食文化/江頭 宏昌
    <Column>京都でよかった/平井 達雄
    <Column>漬物は「ケ」の味わい-「インスタ映え」を超えて/上澤 佑基

第Ⅱ部 世界の漬物
  1 中国の漬物/川口 幸大
  2 アトウッ(和え物)として楽しむ漬物-ミャンマーのお茶の漬物ラペッソー/山本 文子
  3 パンチのきいたインドのピクルス、アチャール/小磯 千尋
  4 ロシアの冬の食卓を豊かに彩る夏のダーチャの恵み/豊田 菜穂子
  5 東地中海沿岸アラビア語圏の漬物/菅瀬 晶子

 <連載>
 ☆嗜好品の文化論/髙田 公理
  (第3回)「現代日本社会における嗜好品」

 ☆【番外編】嗜好品の文化論/藤本 憲一
   「まずい給食」VS「茶の美学」-「アンチ・ストレッサー」としての視点から
 
 ☆すべての道は「食」に通ずる -イタリア-/宇田川 妙子
   (第4回)「グローバル化の中を生きる食と「地域」」

 ☆【新春特別寄稿】大食軒酩酊の食文化/石毛 直道
   (第38回)「年末年始の食生活」
 
 ☆大食軒酩酊の食文化/石毛 直道
   (第39回)「柳陰」
 
 ☆文献紹介 マッシモ・モンタナーリ著 正戸あゆみ訳
   『イタリア料理のアイデンティティ』/山辺規子
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【特集】肉食と人
 特集アドバイザー/野林 厚志(国立民族学博物館教授)

 食肉の生産や流通が産業化された二〇世紀後半から、
 肉食は先進国社会の中で日常化されていった。
 日本でも肉食の消費はこの半世紀弱の間に三倍近くの
 量になっている。
 一方、動物そのものから食肉を得る光景は希薄となった。
 スーパーでパックに詰められた肉を日常雑貨品と同じ
 買物籠に入れ、バーコードで確認された金額を支払うのが、
 我々のありふれた日常の光景であろう。
 やっとのことで狩りとった獲物や、ここぞという饗宴の
 ために長い間育てた家畜の肉を食べていた時代とでは、
 肉を食べるうえでの人間の態度は大きく変わってきた。
 増加する世界人口の食肉の需要にこたえるには量的充足と
 質的充足が必要であろう。
 現代社会に生きる人々の肉食からそれを探ってみたい。

 -目次-
 <特集>
 第Ⅰ部 人類と肉食―本特集にあたり―/野林 厚志

 第Ⅱ部 世界各地の肉食文化
  1 フランス人とジビエーその伝統と哲学/宇田川 悟
   <Column1>ウマを食べるヨーロッパ人の違和感/光田 達矢
  2 良い肉は森にある-アフリカ狩猟採集民バカの肉食/彭 宇潔
  3 モンゴルにおける肉食のススメと健康管理/堀田 あゆみ
  4 東南アジアの農耕社会における肉食と儀礼-タイのモン族の事例/中井 信介
   <Topic1>イヌイットの発酵肉料理/岸上 伸啓
  5 アメリカにおける肉消費と所得格差/濵田 信吾
   <Column2>真正なコリアンBBQとは何か―米国で考える/太田 心平
   <Topic2>メソポタミアの羊たち/アビール・アル・サマライ

 第Ⅲ部 日本の肉食文化
  1 ジュゴンからブタへ―沖縄の肉食文化と動物供犠/比嘉 理麻
  2 プロが支える鯨食文化/赤嶺 淳
  3 「薬喰い」から「空前のブーム」の今日まで 期待と願望が育んだ肉と日本人/畑中 三応子

 第Ⅳ部 肉食に関わるさまざまな考察
  1 肉を食べることとモラル・ジレンマ/大森 美香
  2 高齢化社会における肉食の意義~肉食でサルコぺニアを防げ~/小林 久峰
  3 食肉需要の過去と未来/小川 光

 <連載>
 ☆嗜好品の文化論/髙田 公理
   (第2回)「味覚と嗜好:生活史からの考察」

 ☆“食べる”を予測する/岩村 暢子
   (第2回)「食べることが面倒くさい時代-「食べる簡便化」指向の台頭」

 ☆すべての道は「食」に通ずる -イタリア-/宇田川 妙子
   (第3回) 「「共食」がつくる地域と食のつながり」

 ☆大食軒酩酊の食文化/石毛 直道
   (第37回)「飲茶碗」

 ☆文献紹介 山田 仁史著『いかもの喰い―犬・土・人の食と信仰』/石毛 直道
785円
【特集】海の野菜を食べる-海藻の食文化
 特集アドバイザー/今田 節子(ノートルダム清心女子大学 名誉教授)

 1977年、女性の海藻学者によって食用海藻をSea Vegetable
 と表現することが提唱された。海藻の食習慣について聞き取り
 調査を実施している過程で、まさしく日本人の海藻利用に
 ふさわしい言葉だと実感したことを思い出す。
 日本における海藻の食文化の大きな特徴は、海藻成分を抽出して
 利用するのではなく、藻体全体を調理材料として使うところにあり、
 その調理法は野菜料理と酷似ている。しかし、現在では海藻利用が
 減少していることも事実であり、残念なことである。
 海藻にまつわる食文化は米食文化、魚食文化とならび日本を代表する
 食文化であるが、われわれは海藻に関する知識が決して豊富とは
 いえない。この特集が世界に誇れる海藻の食文化を再認識する
 切っ掛けとなり、今後の海藻利用の一助となれば幸いである。

 -目次-
 <特集>
 巻頭: 韓国、中国、日本の海藻食
    
 第Ⅰ部 日本編
  1 海藻とは何か-海藻の基礎知識/今田 節子
  2 海藻の利用/今田 節子
  3 海藻の歴史/今田 節子
  4 能登地域の海藻食文化/林 紀代美
  5 日本の食文化と昆布/奥井 隆
  6 四十余手間の羅臼昆布 
     -世界自然遺産知床の海が育む北海道羅臼町の昆布/二村 悟

  <Topic 1>海藻と環境/村瀬 昇
  <Topic 2>食材としての海藻の魅力 -食と健康の視点から-/宮下和夫

  7.まとめ -Sea Vegetable としての利用/今田節子

 第Ⅱ部 世界編
  海藻食の多様性と人類/秋道智彌
  <Column>動物にとっての海藻(草)食/秋道智彌

 <連載>
 ☆すべての道は「食」に通ずる -イタリア-/宇田川 妙子
  (第2回)「家族の食卓からみえてくるもの」

 ☆嗜好品の文化論/髙田 公理
  (第1回)「嗜好品の楽しみ:その豊かな含蓄」

 ☆大食軒酩酊の食文化/石毛 直道
  (第36回)「納豆汁」

 ☆“食べる”を予測する/岩村 暢子
  (第1回)「「食DRIVE」調査とは」

 ☆文献紹介 赤嶺淳著『鯨を生きる-鯨人の個人史・鯨食の同時代史』/若松 文貴
785円
【特集】酒と食 
特集アドバイザー/髙田 公理(武庫川女子大学 名誉教授)

 塩か味噌でも日本酒は飲める。が、本来「肴」は「魚」
――そこで和食の雛形を極端に単純化すると「旬の魚と野菜を
おかずに米飯を食べる」となる。ここで「米飯」を「米の酒=日本酒」
に置き換えると、日本の食と酒の関係の諸相がイメージできる。
 ただ、順序はある。茶懐石なら食事から飲酒に移り、会席なら食事は
最後になる。が本来、日本酒以外の酒はなかった。
 一方、18世紀のイタリアでは食前・食中・食後に異なる酒を
 嗜む習俗が生まれた。で、食中酒に対応する単語はないが、食前酒は
 「開く」から転じたaperitivo、食後酒は「消化」から転じたdigestif
 という単語が登録される。
 こうした彼我の違いを前提に現代の日本と世界における「酒と食」の
 関係をたずねてみよう。

 -目次-
 <特集>
 巻頭:こいつあいけねえ/髙田 郁
    
 第Ⅰ部 酒と食の考現学
  1 ウイスキーを食中酒にした日本/輿水 精一
  2 チェコとビールの深い関係/クレメントゆみ子
  3 伝統的な「歓待のワイン」/戸塚 真弓
  4 国よりも、通貨よりも。ロシア人が信じる、ウォトカという「水」/高梨 悦子
  5 現代中国における酒と食/西澤 治彦
  6 日本人と飲酒/吉田 元
   <TOPIC>酒食同源の不思議な世界-エチオピア・コンソ社会の食生活-/篠原 徹
 
 第Ⅱ部 異文化に適応する日本酒
  1 米国人に日本酒をきちんと知ってほしい/太田 心平  
  2 イタリア人と日本酒を酌み交わすとき/手島 麻記子
  3 日本酒は香港に根づくのか/芹澤 知広
   <Column>酒を食に-料理に使うお酒/Greg de St.Maurice

 第Ⅲ部 酒のない食卓
  1 禁酒法はアメリカの食卓にどんな影響を与えたか/東 理夫
  2 ピザパ栄え、酒宴滅ぶ?-女子大生の新しい聖餐とは-/藤本 憲一

 第Ⅳ部 異文化の酒を受容する日本の食文化/髙田 公理

 <連載>
 すべての道は「食」に通ずる-イタリア-/宇田川 妙子
 (第1回)「変化のなかのイタリアの食」
 
 和菓子の歴史/青木 直己 
 (第1回)「縄文クッキーから餅団子」

 文明開化の食『西洋料理通』と河鍋暁斎の記録から(最終回)/森枝 卓士

 大食軒酩酊の食文化/石毛 直道
 (第35回)「リモンチェロとスピリタス」

 旅の記録と食/山本 志乃
 (最終回)「幕末志士の母孝行」

 文献紹介 カタジーナ・チフィエルトカ+安原美帆著『秘められた和食史』/赤嶺 淳
785円
 <特集>宗教的タブーとおもてなし 
 特集アドバイザー/阿良田 麻里子(立命館大学 客員教授)

 宗教的な食の規制をもつ人々に、どうやって食を通じた
 “おもてなし”をすればいいのだろうか。
 安心して食を楽しんでもらうためには、基本を学んだうえでの
 コミュニケーションが大事になる。生半可な知識で先回りをして
 あれもダメこれもダメと勝手に排除してしまうのではなく、
 どんなものが食べたいのか、どんなものなら食べられるのかを
 聞き出し、適切な情報を提供しながらニーズに合ったものを提案する。
 そうすれば、コミュニケーションの過程で、自分もさらに学ぶことができ、
 また、相手に信頼してもらい、安心してもらうことができる。
 本特集では、まず宗教的な食規制のあらましを押さえる。
 そのうえで、当事者や、海外でフィールドワークを行っている食の研究者が
 体験した実例の数々を通して、宗教的タブーをもつ人々の豊な食の世界と、
 日本での柔軟な対応のヒントを学ぶ。

 -目次-
 <特集>
 巻頭:宗教的タブーに配慮したおもてなしを、体験から学ぶ/阿良田 麻里子
    
 第Ⅰ部 宗教による食のタブーのあらまし/阿良田 麻里子
  1 イスラームとハラール
  2 ムスリムの来客をもてなす
  3 ユダヤ教とコシェル(コーシャー)
  4 ヒンドゥー教
  5 仏教

 第Ⅱ部 ハラールをめぐる多様性
  1 認証ありきではないハラール/七種 和孝  
    <コラム>私の食生活-日本在住歴13年のインドネシア人ムスリム
          /スリ・ブディ・レスタリ
  2 日本人ムスリムとして/須見 啓司
  3 マレーシアの友人からのいただきもの/砂井 紫里
  4 中国の清真と食事/砂井 紫里
  5 もてなし好きの人々へのおもてなし ウズベキスタンの場合/今堀 恵美
  6 エジプトの食卓と街角/吉村 武典
  7 トルコ人と「食のハラール」の多様性/澤井 一彰
  8 口に入れる異文化/柳谷 あゆみ
  9 パンから知るイスラーム文化/アビール・アル・サマライ
 10 ヴェジタリアンとムスリムが日本と中東で食卓を囲むとき/菅瀬 晶子

 第Ⅲ部 各種宗教における対応事例
  1 信仰と習慣のあいだ イスラエルのコシェルの今/細田 和江
  2 アルゼンチンのユダヤ人と食/宇田川 彩
  3 厳格なヴェジタリアンを日本でもてなす/小磯 千尋
  4 台湾に息づく菜食文化“素食”/伊藤 悠温
  5 中華系住民の牛食禁と菜食 -3つ地域から/砂井 紫里

 <連載>
 大食軒酩酊の食文化(第34回)「ナマコをひろげる」/石毛 直道
 食からみるインド史 中世から現代まで(最終回)/小磯 千尋、篠田 隆
  「現代インド、都市「新中間層」の食文化」
 再発見!日本の食-日本のくらしと食のしかけ(最終回)/文・二村 悟 写真・小野 吉彦
  「歴史的な街並みをサケが彩る風景 越後村上鮭塩引き街道」
 文明開化の食 『西洋料理通』と河鍋暁斎の記録から(第3回)/森枝 卓士
 旅の記録と食(第15回)「東北人の南島探検」/山本 志乃
 文献紹介 足立己幸 編著『和食の教科書』/島田 淳子
785円
 <特集>日本と世界の学校給食 
 特集アドバイザー/中澤弥子(長野県短期大学生活科学科・教授)

 文部科学省調査によると、2014年度の国公立私立学校の
 完全給食実施率(学校数)は小学校98.4%、中学校81.4%で、
 日本の大部分の児童・生徒が食べている学校給食。
 とかく学校給食というと、その献立(料理内容)が議論となるが、
 2005年の食育基本法の制定、2013年にはユネスコ無形文化遺産への
 和食文化の登録が決定し、学校給食においても伝統的食文化の継承が
 求められている。そのためには、食環境充実の視点が重要であろう。
 学校給食を通して、感謝の心や自然を尊重する心をはぐくむためには、
 何が必要か。海外でも、学校給食は重要視され、地域によっては命を
 繋ぐかけがえのない食であり、栄養教育や健康教育が実践されている。
 成長期の子どもの貴重な1食を担う学校給食の現状を捉えるとともに、
 世界の状況も参照しながら、今後の学校給食のあり方を考えたい。

 -目次-
 <特集>日本と世界の学校給食
 巻頭:学校給食に無限の可能性をみる/中澤弥子
    のぞいてみました ヨーロッパ各国の学校給食/編集部
    
 Ⅰ 世界の学校給食
  1 スロバキアの学校給食事情/中澤 弥子
  2 イギリスの学校給食事情/中澤弥子
  3 イタリアの学校給食が教えてくれたこと/齋藤 由佳子
  4 フランスの学校給食事情/伊藤文
  5 韓国伝統食の体験の場としての学校給食/朴卿希

 Ⅱ 日本の学校給食
  1 調査によって明らかになった給食事情 
  1)「和食」の視点から見た全国学校給食の現状/江原絢子
  2)地場産物の利用
    ①函館市の学校給食における持続可能な地場産業の活用/宇都宮由佳
    ②地場野菜利用のシステムづくり-神奈川県伊勢原市の取組み/伊藤美穂
  3)米飯給食の普及
    ①米飯給食週五日で子どもの健康と嗜好を育てる/秋永優子
    ②鳥取市の米飯給食普及に関する取り組み/糦須海圭子
  4)食器・食具・食空間への配慮
    ①漆器を活用した給食・食育からおいしさを響かせる
       -福井県鯖江市の取組み/宮澤美智子
    ②伝統工芸品・木曽漆器の給食食器/土川修
  2 広がる民間の取組み
  1)和食給食応援団 東日本代表笠原将弘氏へのインタビュー/編集部
  2)だしで味わう和食の日、その教育的な意義/伏木亨

 <連載>
 文明開化の食 『西洋料理通』と河鍋暁斎の記録から(第2回)/森枝卓士
 アメリカの食とは一体なんなのか(最終回)/東理夫
   「「食」の向こうに広がる世界」
   <コラム>もう一つのクックブック
 食からみるインド史 -中世から現代まで(第3回)/井坂理穂、山根聡
   「イギリス植民地支配と食をめぐる変化」
 再発見!日本の食-日本のくらしと食のしかけ(第7回)/文・二村悟 写真・小野吉彦
   「青森県五所川原市俵元地区に見る津軽地方の伝統食・干し餅の干し方と近代化」
 大食軒酩酊の食文化(第33回)「キツネとタヌキ」/石毛直道
 旅の記録と食(第14回)「巡見使と歩いた奥州」/山本志乃
 文献紹介 奥村彪生 著『日本料理とは何か 和食文化の源流と展開』/的場輝佳
785円
 <特集>カフェという別世界 
  特集アドバイザー/太田心平(国立民族学博物館・准教授、
                アメリカ自然史博物館・上級研究員)
 人はどうしてカフェに行くのか。
 そんな疑問を私が初めて抱いたのは、小学生のころ、
 休日に祖母の家でのことだった。親戚の大人たちは、
 お茶やビールを片手に、散々おしゃべりに興じていた。
 なのに、2時間も経ったとき、「そろそろコーヒーでも
 飲みに行こう」と、みんなしてカフェに向かった。
 なぜ? カフェが提供するのはコーヒーだけでない。
 気分転換、休息、勉強や仕事の場、出会い……。
 言うならば、カフェは適度な別世界も提供してくれるのだ。
 カフェの歴史や世界のカフェをひもとけば、我われが求める
 別世界がどういうものなのか、分かるだろう。場合によっては、
 実世界にどんな問題があるのかを垣間見ることも、出来るかもしれない。

 -目次-
 <特集>カフェという別世界
 巻頭:カフェのひととき/編集部
    
 Ⅰ カフェの伝播と変容の歴史
  1 カフェとは/太田心平
  2 (イギリス)コーヒー・ハウス -近代社会を生んだ空間/小林章夫
  3 「カフェ・ド・ラ・ペ」から覗いたフランスのカフェ史/山内秀文

 Ⅱ 世界各地のカフェ事情 
  1 バールという名のサロン ~イタリアの喫茶店~/宇田川妙子
  2 フィーカ コーヒーとともに暮らすスウェーデンの日常的空間/太田美帆
  3 (トルコ)コーヒーの家、紅茶の庭/Kemiksiz Asli
  4 エチオピアの至福のひと時/村橋 勲
  5 コーヒーに恋し始めた「チャイの国インド」/竹村嘉晃
  6 ベトナム・コーヒーに想いを馳せて/伊藤まり子
  7 (ブラジル)コーヒーを分かち合う/奥田若菜
  8 (キューバ)カフェ・クバーノ(café cubano)にまつわるお話/田沼幸子
  9 つねに何かが起きている場所-米国ニューヨークの猫カフェから/太田心平

 Ⅲ 日本のカフェ事情
  1 近代日本の喫茶ビジネス略史/髙田公理
   <TOPIC>女子大生はカフェがお好き/松野 精
  2 異彩を放つカフェ
   ① 大阪で2番目に安い喫茶店/宮下良子
   ② 「出来事」を紡ぐ空間/大坪茂人
   <TOPIC>越境カフェ、境界に建つ茶館/石川 豪

 <連載>
 文明開化の食 『西洋料理通』と河鍋暁斎の記録から(第1回)/森枝卓士
 アメリカの食とは一体なんなのか(第3回)/東 理夫
   「アメリカの食は、世界のそれとはまったく別物らしい」
   <コラム>親切すぎる道具類
 食からみるインド史 -中世から現代まで(第2回)/井坂理穂、加納和雄
   「中世インドの宮廷料理 『パーカダルパナ』と『アーイーニ・アクバリー』より
 再発見!日本の食-日本のくらしと食のしかけ(第6回)/文・二村 悟 写真・小野吉彦
   「気象を見据えた標準設計の継承 長野県諏訪市の角寒天」
 大食軒酩酊の食文化(第32回)「茶々汁」/石毛直道
 旅の記録と食(第13回)「馬琴が旅した上方」/山本志乃
   「食の文化研究助成事業」募集案内
 文献紹介 山本志乃 著『行商列車 -<カンカン部隊>を追いかけて』/神崎宣武
785円

 <特集>食とからだ・こころ 
  特集アドバイザー/川口 幸大(東北大学大学院准教授)

 人を含めた多くの生き物にとって、食べるとは生きることだ。
 だから、はるか昔から人は食べることで健やかな生を
 獲得したいと考えてきた。その積み重ねが、食と身体に
 関する重厚で精緻な知識と実践の体系へと結実した。
 いわゆる「医食同源」である。
 古来より脈々とはぐくまれてきたこの食と身体の古典は、
 現代の世界ではどのように活きているのだろうか。
 あるいは、ファストフードやインスタント食品が蔓延する環境で、
 そんなものはすっかり忘れ去られているのだろうか。
 今回の特集では、食文化の研究家と人類学者たちが
 世界各地の食と健康の今を報告する。

 -目次-
 <特集>食とからだ・こころ
 巻頭:日本における食の流行と健康関連本/畑中三応子
    
 Ⅰ 日本のくらしと食養生
  1 「摂ろう」と「摂るな」がせめぎ合う健康言説
      -プロトタイプを中心に近現代を駆け足でたどる/畑中三応子
  2 養生からスローフードへ -日本における自然食の系譜/門田岳久
  3 沖縄料理の健康法 -豚を食べ尽くす/比嘉理麻
  <COLUMN>人と人のつながりが育む健康/比嘉理麻

 Ⅱ 暮らしに根づく医食同源 -中国広東省の事例を中心に/川口幸大

 Ⅲ 世界各地のくらしにみる食と健康
  1 身体とともにある食事 -中国貴州省農村部の事例から/佐藤若菜
  2 マレーシアの健康飲料 ―マレーシアチャイニーズの暮らしから/櫻田涼子
  3 朝鮮半島における「薬食同源」/林史樹
  4 インドにおける身体観と食のタブー/松尾 瑞穂
  5 日々の暮らしに息づくインド古医学 -アーユルヴェーダの知恵/小磯千尋
  6 ルーマニアの斎戒と農業のリズム/杉本敦
  7 食物アレルギーとスウェーデン社会/佐藤航也
  <TOPIC>ハンバーガーは肉と野菜のバランスがとれるから安心!?/リー ペレス・ファビオ

 <連載>
 アメリカの食とは一体なんなのか(第2回)/東 理夫
   「なぜアメリカ料理は旨くないと言われるのか」
   <コラム>ペニシリンスープ
 食からみるインド史 -中世から現代まで(第1回)
   「「インドの食文化」をいかに語るか」/井坂理穂、小磯千尋
 再発見!日本の食-日本のくらしと食のしかけ(第5回)
   「燻し小屋の仕掛けと煙のある風景 -横手市山内地区のいぶりがっこ」
      /文・二村 悟 写真・小野 吉彦
 大食軒酩酊の食文化(第31回)「野菜の漬けもの」/石毛 直道
 旅の記録と食(第12回)「鳥居龍蔵・きみ子夫妻のモンゴル探査」/山本 志乃
 文献紹介 沼野恭子 編『世界を食べよう!東京外国語大学の世界料理』/岩田 三代
785円
 <特集>世界の食文化無形文化遺産 
特集アドバイザー/岩田 三代(いわた みよ)

2013年12月、「和食―日本人の伝統的な食文化」が
ユネスコの無形文化遺産に登録されたとのニュースが
飛び込んできた。人間は食べずには生きられない。
世界にはどこにも風土に合わせ祖先がつむいできた多様な
食文化がある。そうした中で和食が登録された意味は何か。
フランスやトルコ、メキシコなど同様に登録された国々では
どんな取り組みが始まっているのか。
現代はグローバル化、情報化が進み世界の文化はこれまでに
ない速度で混じり合っている。そうした状況は食文化に
どんな影響を及ぼすのか。はたして和食の未来は? 
街では外国人観光客がそばや寿司をおいしそうに食べている。
そんな姿を横目に「食の無形文化遺産」から世界の食を眺めて
みようというのが本企画の狙いだ。

 -目次-
 <特集>世界の食文化無形文化遺産
 巻頭:ユネスコ無形文化遺産となった食文化とは?/編集部
    
 Ⅰ 食の無形文化遺産 インタビュー
   第8代ユネスコ事務局長・松浦 晃一郎氏(聞き手:岩田 三代)

 Ⅱ 日本編
  1 和食が無形文化遺産に登録された過程から見えてきたこと/熊倉 功夫
  2 ユネスコ無形文化遺産に登録された和食文化/中澤 弥子
  3 グローバル化時代の和食/石毛 直道
   <トピック>海外のシェフから見た和食の魅力/的場 輝佳

 Ⅲ 世界編
  1 ユネスコ無形文化遺産登録がもたらしたのも-フランスの場合/八木 尚子
  2 地中海の食事/山辺 規子
    <コラム>イタリア人とカンパニリズモ/茜ケ久保 徹郎
  3 ユネスコ無形文化遺産に登録された食文化の保護・継承活動
    -フランス・スペインの食文化教育を中心に/東四柳 祥子
  4 トルコの食文化/鈴木 董
    <コラム>「ケシュケキがユネスコの無形文化遺産に登録されたのを
     知っていますか?」/エルデム 縁
  5 ユネスコ無形文化遺産-キムチ”ヤン文化/守屋 亜記子
  6「クヴェブリ」がつくるグルジアワイン/児島 康宏・ゴツイリゼ 児島 メデア
    <エッセイ>知られざる大衆食の王、トルタ/星野 智幸

 Ⅳ まとめ
  「食は変わり、変わらない」/岩田 三代

 <連載>
 アメリカの食とは一体なんなのか(第1回)/東 理夫
  「アメリカ料理はいつできたのか」
  <コラム>推理、ハイボール誕生
 再発見!日本の食-日本のくらしと食のしかけ(第4回)
  「雪が育む伝統の味 西和賀町の凍み大根」/文・二村 悟 写真・小野 吉彦
 大食軒酩酊の食文化(第30回)「雑煮」/石毛 直道
 旅の記録と食(第11回)「遣米使節たちの文明体験」/山本 志乃
 文献紹介 東 理夫 著『アメリカは食べる。-アメリカ食文化の謎をめぐる旅』
   /原田 美知子
785円
 <特集>共食-食のコミュニケーション 
 責任編集 髙田 公理(たかだ まさとし)

 およそ40年前、石毛直道は「料理をすること」と
 「共食をすること」という二つの要素で人間の特質を
 捉えようと考えた。
 むろん生きるためには、人間以外の動物も食べる。
 ただ、火を使って料理するのは人間だけだ。
 さらに、その食物を積極的に仲間と分かち合おうとするのも
 人間だけだ。ここに人間という動物の特質がある。
 だが今日、料理をしない人が増えた。調理済みの食品が
 容易に手に入るからだ。単身の若者や老人、同じ家族に
 属していても、他の誰かと食事を共にすることのない人も
 少なくない。
 人間は今日、その存在の基本のところで、従来とは
 異質の存在に変化しつつあるのか。
 「共食」を多面的に検討することで、人間とその社会の
 将来を展望したい。

 -目次-
 <特集> 共食-食のコミュニケーション
 巻頭:vesta100号によせて/石毛直道、熊倉功夫
    特集を振り返る 
    
 Ⅰ 座談会 「共食」を語る/髙田 公理、石毛直道、上野千鶴子、山極寿一

 Ⅱ 共食の萌芽、展開
  1ヒトらしさの発露としての共食/外山紀子
  2共食の平和力/澤田昌人

 Ⅲ 世界各地の共食のかたち
  1辺境編
   ①極北の祝宴-クジラを分かち合い、食べる喜び/岸上伸啓
   ②精霊たちといのちを共食する/武井秀夫
   ③パプアニューギニア・コンビオ社会の共食/梅崎昌裕
  2街編
   ①食卓におけるコミュニケーション-ドイツ近代史からの一考察/南直人
   ②マンマの料理-イタリアの共食の象徴/山辺規子
   ③テレビドラマでわかる韓国の「ひとり飯」/前川健一

 Ⅳ 日本における共食のかたち
  1歴史をたどる
   ①「神人共食」の伝統/神崎宣武
   ②和食の発達と共食/原田信男
  2近代家庭からみた共食-食のコミュニケーション/江原絢子
  3独居者たちの共食理論-「尻軽」な街コンからスカイプ飯まで/藤本憲一
  4さまざまなオケージョンにみる共食
   ①食と外交/松浦晃一郎
   ②地域と人をつなぐ郷土食-真宗の行事における共食/清絢
   ③被災地での料理教室 <企業インタビュー:味の素株式会社>

 Ⅴ まとめ
  「共食」論の過去・現在・未来/髙田 公理
 
 <連載>
  再発見!日本の食 日本のくらしと食のしかけ(第3回)
  「あまんぼう(干柿)に見る伝統の継承のあり方」/文・二村 悟  写真・小野 吉彦
  旅の記録と食(第10回)「山伏の歩く道」/山本 志乃
  大食軒酩酊の食文化(第29回)「庖丁式」/石毛 直道
  里海のくらしと食文化(最終回)「種をまく日生漁民と魚島サワラの日本文化」/印南敏秀
  文献紹介 五島淑子 著『江戸の食の学ぶー幕末長州藩の栄養事情』/東四柳祥子
785円

 <特集>やわらかい飲み物
 責任編集 太田 心平(おおた しんぺい)

  夏が来た。市中の人びともメディアも、さかんに水分補給を
 すすめる。たんに熱中症予防のためならば、うすい塩水でも
 のんでいればいいものを、それでは満足しきれないのが人のさが。
 すずやかなドリンクや、心までうるおしてくれそうな飲み物に、
 ついつい手がでてしまう。
  飲み物は、人間にとって欠かせないものだが、それ以上の
 不思議な魅力ももっている。それは、ちいさい頃に家でつくって
 もらったジュースの味。しってしまった夜店のラムネの味。
 そういった、はじめて手にした嗜好品というものの醍醐味を、
 我われの身体はわすれられないのじゃなかろうか。

 <特集>やわらかい飲み物
 巻頭:日本人は何を飲んでいるの?/編集部
    日本の飲み物 -レトロ&トレンド-/編集部
    
 Ⅰ 世界の飲み物
  1 飲み物の首都 -移入、混交、錯綜するニューヨーク/太田心平
  2 各国・民族編
   のどの渇きを癒す
   ①マテ茶(Cha Mate)/森幸一
    ②ロシアの発酵飲料クヴァス/青木千帆子
   精神を癒す
    ③泡茶館 -茶館に長居する(北京を中心に)/徐素娟
    ④”京のぶぶづけ”的アラブ・コーヒー論/菅瀬晶子
    ⑤お茶のない人生なんて/伊東未来
   健康志向
    ⑥体調や体質に合わせてお茶を飲む -韓国の伝統茶の世界/澤野美智子
    ⑦フレッシュジュースは不健康?/上水流久彦
   儀式との結びつき
    ⑧フィジーのカヴァ・セッション/豊平豪
    ⑨飲み物としてのチョコレート/八杉佳穂

 Ⅱ 水道の歴史
  1ウィーンの湧き水の水道/舟田詠子
  2江戸の飲み物/青木直己

 Ⅲ 日本の清涼飲料
  1日本における清涼飲料ビジネスの展開/河野昭三
  2地方に息づく飲み物たち
   ①お茶であり、薬であり -アイヌの飲み物/斎藤玲子
   ②大人の味、異国の味、憧れの味 ルートビア/加賀谷真梨

 <連載>
 主人公は何を食べたか(第8回、最終回)池波正太郎『仕掛人・藤枝梅安』
  「殺し屋の食卓」/大岡 玲
 里海のくらしと食文化(第3回)「庶民が愛するタコの日本文化」/印南敏秀
 再発見!日本の食 日本のくらしと食のしかけ(第2回)
 「伝統的な延岡市の鮎やな漁 鮎やな師の工夫と勘所」/文・二村 悟  写真・小野 吉彦
 大食軒酩酊の食文化(第28回)「冷やし中華」/石毛 直道
 旅の記録と食(第9回)「市に集う人と物」/山本 志乃
 文献紹介 川島秀一 著『安さんのカツオ漁』/野本寛一
785円
 <特集>におい
 責任編集 髙田 公理(たかだ まさとし)

  たいていの宗教は香を焚く。人を超越的な存在に結びつけるためだ。
 しかし日本の神道だけは香を焚かない。無臭の宗教なのだ。
  そういえば日本料理の匂いは淡くて微妙だ。だから逆に、日本人は
 匂いに敏感なのだろう。香道などという室内芸能が生まれたのも、
 その故かもしれない。
  さて、冷凍すりみを急速解凍し、再び冷凍すると、カニの身に似た
 繊維ができる。しかし、誰もそれをカニだとは思うまい。そこで魚臭を取り、
 カニの匂いをつける。すると「カニのようでカニでないカニカマ」ができる。
  世界各地の匂いと香りを渉猟しながら、その多様性と可能性を考えてみた。

 <特集>におい
 巻頭:世界で親しまれてきたにおいの強い食べ物/編集部
     
 Ⅰ 大地のにおい、街のにおい
  1 フィールドワーカーがキャッチしたにおい
    ①グレートジャーニーで嗅いだにおいの話し/関野 吉晴
   ②異国のにおい/石毛 直道

  2 街のにおい、村のにおい
   ①アメリカ  「肉」「甘いもの」そして、広い「世界」のにおい/加藤 裕子
   ②スペイン  オリーブオイルの香り/渡辺 万里
   ③ノルウェー koselig(コーセリ)な香りに包まれて/御供 理恵
   ④エジプト  エジプトの香りの世界/田中 真知
   ⑤エチオピア エチオピアの二つの香り/田中 真知
   ⑥ブルガリア ブルガリアの香り- 五感に働きかけるダマスクローズ -/マリア・ヨトヴァ

 Ⅱ においのサイエンス
  1 におい感覚を科学する/東原 和成
  2 ワインの香り/鹿取 みゆき

 <企業インタビュー>高砂香料工業株式会社- フレーバリストの仕事 -/編集部

 Ⅲ 日本のにおい
  1 日本の匂い/小泉 武夫
  2 わたしが感じた「日本の匂い」/マイク・モラスキー

 Ⅳ まとめ 現代におけるにおいと香りの可能性/髙田 公理

<連載>
 ☆主人公は何を食べたか(第7回)谷崎潤一郎『美食倶楽部』『細雪』
   「おくび」発、その行き先は?/大岡 玲
 ☆大食軒酩酊の食文化(第27回)「セビチェ」/石毛 直道
 ☆再発見!日本の食 日本のくらしと食のしかけ(第1回)
   「樺太の記憶を伝える棒ダラ」/文・二村 悟  写真・小野 吉彦
 ☆「食べる人たち」(第30回 最終回)「最後の晩餐のメインは小説?」
    /ゲスト・村上 龍、聞き手・宇田川 悟
 ☆旅の記録と食(第8回)「密林縦断探検行」/山本 志乃
 ☆文献紹介 下村道子 著『和食の魚料理のおいしさを探る-科学で見る伝統的調理法』
    /香西 みどり
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商品情報・内容

■ 身近な食から深奥な世界に迫る!

「Vesta」(ヴェスタ)は古代ローマの「カマドの女神」にちなんで名づけられた食文化専門誌です。民族学・史学・考古学・医学・哲学・経済学などさまざまな学問分野から食を眺め、身近な食生活の背景にある深奥な世界に迫ろうとするものです。歴史的な流れと地域的な比較の中で現在の社会のありようを考え、将来を展望するヒントを提供するものです。食文化に関する研究資料や教材に役立つのみならず食文化愛好家の理解の一助にもなる魅力ある雑誌です。 「みるvesta~食文化の世界~」 より多くの方に食文化に興味を持っていただけるよう、特集と連動した『vesta』映像版を制作しています。その名もズバリ「みるvesta~食文化の世界~」。数名のご執筆者の方に掲載記事を中心にインタビューし誌面にない内容も収録されています(ロングバージョン約10~13分、ショートバージョン約1分)。ぜひこちらもお楽しみください。 https://youtube.com/channel/UCK0r3EjqLNCbznnPpW_H74Q?si=DTk247xTcTxIMDT6

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